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報道発表資料  2023年09月07日  労働委員会事務局

上野学園事件命令書交付について

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF:296KB))。

1 当事者

申立人

東京管理職ユニオン(東京都新宿区)
上野学園中高教職員組合(東京都台東区)

被申立人

学校法人上野学園(東京都台東区)

2 争点

  • (1)令和2年12月14日に申立人ユニオンが行ったビラ配布に関し、被申立人法人の教職員が生徒に対して「ビラを受け取るな。」、「そのビラはごみだから捨てなさい。」などと発言したか否か、当該発言があった場合、そのことは法人によるユニオンらの運営に対する支配介入に当たるか否か、また、法人が「外で配っているビラは受け取らないでください。」と記載した紙を学校内に掲示したことは、ユニオンらの運営に対する支配介入に当たるか否か(争点1)。
  • (2)法人の中学校・高等学校校長が、申立人組合の執行部に対し、12月14日に「ストライキをやめるなら今だよ。」と、翌15日に「何も変わらないからストライキをやめた方がいいよ。」、「君たちが大変なことになるよ。」などと発言したことは、ユニオンらの運営に対する支配介入に当たるか否か(争点2)。
  • (3)法人が、組合に対し、12月21日付「御通知」により、「生徒に対して組合活動を行うようなことがあれば、当学園は、厳正なる対応をする」と通知したことは、ユニオンらの運営に対する支配介入に当たるか否か(争点3)。
  • (4)組合がストライキを限定的に解除するとした組合員Xに対し、法人が、その就労を拒否したことは、組合員としての行為を理由とする不利益取扱い又はユニオンらの運営に対する支配介入に当たるか否か(争点4)。

3 命令の概要<全部救済>

(1)争点1について

12月14日、法人が、その教員をして生徒に対して本件ビラを受け取らず、捨てるように声を掛けたことがあり、そのこと及び「外で配っているビラは受け取らないでください。」と記載した紙を掲示したことは、正当な組合活動を妨害するものといわざるを得ず、ユニオンらの運営に対する支配介入に該当する。

(2)争点2について

12月14日及び15日の組合の執行部に対する校長の各発言は、本件ストライキを抑制することを目的として行われた法人の行為であるというべきであり、ユニオンらの運営に対する支配介入に該当する。

(3)争点3について

ユニオンらが本件説明会を計画したことが正当な組合活動の範囲を逸脱するものであるとまではいえず、法人が、組合に対し、12月21日付「御通知」により、「生徒に対して組合活動を行うようなことがあれば、当学園は、厳正なる対応をする」と通知したことは、ユニオンらの運営に対する支配介入に該当するといわざるを得ない。

(4)争点4について

法人は、正当な組合活動である本件ストライキに参加することを理由として、12月16日及び17日、組合が本件ストライキの対象外であると通知していた生徒指導の業務にも組合員Xを従事させず、その分の賃金を支払わなかった。この法人の対応は、Xが組合員としてストライキを行ったことを理由とした不利益取扱いに該当するとともに、ストライキというユニオンらの組合活動の運営に対する支配介入にも該当する。

参考

命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

  • 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
  • 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6998

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