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石原知事記者会見

平成21年4月23日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年4月17日(金)
15:08~15:22

知事冒頭発言

1 下水道局長の処分について

【知事】きょうはね、IOC(国際オリンピック委員会)の委員のおつき合いで、上着は着るけども、ノータイということで、こんな格好をしてます。

 冒頭から2つです。私、申し上げることがあります。

 まず第1はね、この間のばかげたワッペンの騒動ですけども、責任者の下水道局長の処分についてですが、下水道局のワッペンの件でありますけど、先週の会見終了後にですね、局長を呼びまして、私から厳しく叱責(しっせき)をいたしました。あわせて本日からですね、地方公営企業法第7条の2、第8項に基づき3カ月間給料の5分の1を減ずる処分としました。ちなみに同法により、公営企業管理者本人をみずからの行為で処罰、直接処分するのは初めてのことだそうであります。今までも結構こういうケースがあったんじゃないかと、知らんけどね。今回のことを教訓にですね、全職員により一層コスト意識を徹底させていくつもりです。

2 公会計改革への新たな取組について

【知事】次いでですね、公会計の会計制度の改革への新しい取組についてですけども、都が国に先駆けて導入しました新たな公会計制度については、これまでもですね、会計基準の全国標準化を国に働きかけるとともに、全国自治体に対して説明会やコンサル(相談・助言)活動も行いました。都のノウハウをですね、積極的に提供してまいりました。このおかげでね、やっぱりきちっとした財務諸表が出るようになりましたしね、過去の洗い直しとか、あるいはこれからのですね、展望に、より的確なですね、戦略、戦術が、立てることになった。これはですね、とても大事なことだと思います。

 先ほどもね、大阪の橋下(橋下徹)知事からも、是非ですね、同じものを導入したいって言うんで、これはもう喜んでですね、関係者をですね、派遣して、大阪のような大都市でですね、やっぱりこういうことをやってもらいたいと思いますけども、それでこのたび、都の方式に準じた財務諸表をパソコンで作成できるソフトをつくりましてですね、全国で、無償で提供することとしました。これによって、態勢が整わず苦労している小規模自治体も容易に財務諸表を作成できることになりますし、本格的な複式簿記・発生主義会計の導入に向けた、確かなですね、ステップともなると思います。

 都は、国際会計基準とかけ離れた国の方式の問題点を検証する白書の発行やシンポジウムの開催などですね、国や自治体が会計基準の標準化に取り組む機運を高めるための運動を展開してまいります。今後も、日本公認会計士協会など、関係団体との連携を含めて、公会計改革を促進していくつもりです。これは、非常に専門的なことなんでね、例えば経済部の記者の諸君にもなかなかわかりにくいことかもしれませんがね、とにかく、先進国でね、複式簿記・発生主義をやってない国ってのは日本だけなんですよ。無駄は多いしね、わかりやすくいえば一目、年度末、2月、3月に、やたらにそこらじゅう工事が始まるというのは1つの表象ですけどね、何でこれを変えないのか、さっぱりわからない。つまりこれによって得するのは、結局、国の官僚なの。国にね、それじゃね、きちっとしたバランスシート(貸借対照表)があるか。ないじゃないですか。きちっとした財務諸表ありますか。ないじゃないですか。いろいろね、これがですね、とにかくつながる問題はたくさんあると思うけど、私はそっちの専門家じゃないから、専門家に聞いてもらいたいんだけど、もし、この、外部監査も型通りのことをやっているんでしょうけどね、どこまで正確にやっているか知らないが。しかし、東京が入れている外部監査の人たちにしてもね、この複式簿記・発生主義をするようになってから、初めて見える部分ができたと。国はそれが見えない部分が多過ぎるんじゃないでしょうかね。だからやっぱりね、会計制度そのものを変えないとね、国民の不安とか不満というのは解消できないと思いますよ。

 そういうことでね、今度ですね、千葉県の森田さん(森田健作 千葉県知事)もやりたいと言ってるし、特に大阪が熱心ですね。同じことをやろうということは、これは決して地方の反乱じゃないんだね。国がやらないことを地方がやるということは、政治の合理化というものをですね、国がやらないから地方がやるということなんでね、私はこれ、都がやってきたことの中で最も大事なもののですね、新しい試みだと、これは自負してます。別に私がやったわけじゃない。私は、国会議員のころからおかしいなと思ったことをね、国会で幾ら言ってもしようがないので、ここへ来てですね、当時親しかった中地さん(中地宏 元東京都参与)というね、公認会計士協会の会長に相談して、彼が非常に、素人にもわかりやすいバランスシートをつくってくれましてね。都の若い諸君はですね、もっともっと勉強したいというので、限られた中堅幹部だけがやっていたら、もっと若い諸君がですね、自分も参加したいって言うんで、もっと大勢の人にレクチャー(講義)もしてもらいましたが、こう、やっぱり見えにくい努力がですね、大事なんじゃないかと私は思いますがね。

 申し上げることはそれだけですけど、質問があったらどうぞ。どうぞ。

質疑応答

【記者】先ほどの下水道局の話なんですけれども。

【知事】ええ。

【記者】地方公営企業法での規定で、たしか、非違行為というか、そういったことがなければ処分ができない形だったかと思うんですけれども、今回の局長、下水道局長の判断は、どういうところが、改めてになりますが、処分に値するというお考えですか。

【知事】いや、僕はどの条項がどういう拘束力を持っているか知りませんけどね、とにかくこんなものをね、訓戒だけで済む問題じゃないでしょう。この、やっかいな時代にね、三千数百万の金、たかだか1枚のワッペンのため無駄遣いするね、いろいろ小理屈はあるらしいんだよ、包装を急がせたとかね、見直したとか、ヘチマだとか。何でとにかく、新しいデザインが悪いのか、そこら辺の判断がね、くだらん内規に従って云々(うんぬん)というのもそう、内規そのものを見直したらよろしいんでね。できちゃったものを見て、こっちのほうがいいじゃないかと。無感覚といったら無感覚かもしれないけど、どっかの局が街でね、どっちのワッペンがいいと思いますかって言ったら、圧倒的に、局長がいかんと言ったワッペンのほうがいいというあれがありましたよな、こう、みんながシールを張っていってね。そういう、何ていうか、常識的な感性というものがないんだったらね、これはもう、本当に、行政がとんでもない間違い、もっと大きなことするんじゃないかと思ってね、しかも使ったお金がべらぼうなものだから、これはやっぱり減俸というきちっとした形にしないと済まないよと、世間はうんと言わないよということでですね、こういうことになりましたけども。

 これが間違った措置なら、私、責任とりますよ。しかし、だれがとがめるのかね、これね。これに関して、私、やっぱり、都民、国民は当たり前だと言うんじゃないかなと思いますけどね。はい。

【記者】関連でよろしいですか。それこそ、昨年局内で、要するに内規にどうも触れるというふうに、使った段階で、どうすべきだったというか、つまり、その、例えば、副知事なり知事に相談をされるとか、局側としてはですね、一応内規に触れるということで、なぞらえないという判断だったようなんですけれども、どうすべきだった。つまり、何でしょう、こういったことを防ぐためにですね、どうするのが。

【知事】だから、自分の城に閉じこもってなくてね、「こんなものできちゃったけど、どうだろうか」と、周りに相談したらいいんで、周りがわかんなきゃ、上まで上がってくるでしょうよ、ね。それはやっぱりね、何も、あそこがとりでで、独立したものじゃ、あるわけじゃないんでね、都庁の中の一局でしかないわけですから。しかし、それを横串をまたぐようにですね、知事本局長ってのは、やっぱり、言ってみればね、昔は総務局長だったらしいけども、それじゃとてもおぼつかないんで、かなりの大きな権限を持ったですね、知事本局っての、つくったわけでしょう。今度、吉川局長よくやってくれてるけど、どんどんどんどん横串通せと言って、それは、各局に伝達されてるけどもね、そのときにだね、知事本局に相談してくれりゃ、局長は僕に言って、「どうですか」、「当たり前だ、これでいいじゃないか」と言いますよ。そういう横の、何ていうの、局をまたいだその機能がね、いまだに働いてない、これは本当にね、情けない話で、いかにその、何ていうのかな、縦割りの行政というのが硬直してるかというものの1つの証左(しょうさ)だと、私思いますけどね。

 ほかにありますか。どうぞ。

【記者】今の関連なんですけれども、局長をですね、処分することになると、もう既に部課長が訓告か、戒告の処分をされて…。

【知事】あれ、取り消しゃいいよ。

【記者】取り消しをする?

【知事】しようと思うけどね。

【記者】あ、わかりました。

【知事】あと、やっぱり、あの役人はね、懲戒にされたら何か、僕は役人の世界よくわからんけどさ、要するに減点主義というから、マイナスつくんでしょ。これからの彼のやっぱり、キャリア(経歴)に傷つくとかわいそうじゃないか。局長が、結局こういう処分を受けるまでの不祥事を起こしたんだったらね、要するに、何ていうのかな、新しいワッペンつくったのに、何でそんな要するに、懲罰受けるか、それはおかしな話だから、これは取り消されるべきだと、私は思いますけどね。

【記者】ありがとうございます。

【知事】はい。はい、どうぞ。

【記者】まだ今、途中なんですけれども、今日のIOCの評価委員会の視察なんですが、いろいろ秘密兵器も使っているようなんですけれども。

【知事】ん?

【記者】秘密兵器とかもいろいろ使って説明をしているということなんですけれども、今の知事の手ごたえというのをお聞きしたいんですか。

【知事】いや、みんな、喜んでくれてましてね。いろんな点でね、今日も、どういうのかな、これ、森ビルの森君(森稔 森ビル株式会社代表取締役社長)に頼んでね、さらに埋立地のあたりのあれ(※東京の模型図のこと)つくってもらった、非常に立体的な東京の、主に23区のね、何ていうんでしょうね、何分の1ですかね、あれ。1,000分の1なのかな、その街の立体的な何ていうんでしょうね、地図というかな、屋上にね、その緑を植えたりとか、それまでちゃんと、こう、ついてるね、東京の模型図をビッグサイトで見てもらいましたけど、これはもうみんなびっくりしてたね。とてもね、わかりやすくて結構だということで、それが新兵器というか、ほかでもやったみたいですよ。あのね、何ていうのかな、メインスタジアムの候補地、それから、選手の宿舎の候補地というのが、まだ何も建ってませんからね、そこへ、何かねある、こうスコープ(ゴーグル型の映像装置)をつけるとね、それで、そこの地を眺めると、建物があたかも建ってるように見えるんです。そういう仕掛けもしたらしいんでね。

 それから、ビッグサイトの中で、ユビキタス(※「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」の考えのもと、さまざまなサービスがコンピューターネットワーク等で提供され、生活をより豊かにする社会実現のための技術のこと)の実験を体験してもらって、坂村健さん(東京大学大学院情報学環教授)が説明しながらですね、案内っていうか、あの中で歩きながらですね、それを持ってると、いかにこの建物、どこに何があるか、どこにドアがあるかとかわかって、ほかの催し物してましたから、きょうはね。そんなもの説明もよく、英語かフランス語でわかったんじゃないですか。

 これからもいろいろ趣向を凝らしてあれ(説明)しようと思いますけども。

【記者】こういった技術とかを使ってですね、プレゼンしていくっていうことは、やっぱり今回の大きな特徴というかですね、やはり大きな理解してもらえるものになるとお考えですか。

【知事】ほかの都市がね、どういう趣向凝らしてるかわかりませんからね。情報も入ってこないしね。ただ、東京がやったことはね、これから彼らが行くマドリッドとリオ(リオデシャネイロ)に伝わるでしょうけど、急にやったってできるもんでもないしね。そういう点では、あれは大事なポイントになったんじゃないかと思っていますけども。

 どうぞ。はい、どうぞ。

【記者】オリンピックで世界のお客様を迎えていくことになるわけですけれども、今、23区の中でもですね、繁華街における中小ビルの老朽化問題というのが大きな問題になるかと思うんです。これは震災対策の面からも考えなくちゃいけない問題だと思うんですが、その老朽化ビルの建て替えの問題についてですね、1つは駐車場附置義務が建設に、再開発するに当たってはどうしても出てくるわけなんですね、中小ビルの場合には。そういうことがあって、大きくですね、建て替えをしたくてもできないという状況が繁華街の中にはたくさんあるわけですね。

 そういう問題について、駐車場附置義務1つを、都条例で何か、こう考えていくということを都知事としては考えませんでしょうか。

【知事】そのね、建て替えったって、同じもの建てるわけじゃないんでしょうからね。つまり、今あるもの、階数の多い、高い建物つくるんでしょ。それだったら、やっぱり地下とか何かに駐車つけるのは、テナントに対するサービスで当然のことだと思いますな。でなくても、東京はね、要するに、駐車場が足りなくて困ってるんですからね。そういう附帯義務ってのは当然ね、履行されるべきだと思います。それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)


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