舛添知事定例記者会見
平成26年6月13日(金曜)
15時00分~15時37分
知事冒頭発言
1 民間事業者との協働による環境体験学習事業の開始について
【知事】最初に、民間事業者との協働による環境体験学習事業を開始するということについてお知らせいたします。
このたび、セブン-イレブン記念財団と協働して、新たに都民の皆さんに自然の良さを体感していただく事業を、この夏から実施することにいたしました。本事業は、八王子市・川町のカワセミ、ホトトギスなどの野鳥や、ゲンジボタルなどが生息する、約27ヘクタールの緑豊かな都有地を活用して行います。
こうした希少種の保全を図りつつ、大人から子供まで幅広い都民が、間伐や下草刈り、炭焼きを行うなど、楽しみながら自然の魅力や大切さを学べるようにいたします。
都が、敷地内の上下水道などの整備を行う一方、財団は店頭で集めた募金等を活用し、活動拠点施設などを整備して事業を運営します。また、運営に当たっては有識者や地域NPOなどの意見を幅広く反映させるほか、地元八王子市にも協力をいただくことになっております。これまでも、様々な環境貢献活動に取り組んでこられましたセブン-イレブン記念財団が持つノウハウを活かして、年間を通して多様で魅力あふれるメニューを提供してまいります。ぜひ、多くの都民の皆さんに参加していただきたいと思います。
事業着手に先立ちまして、来る6月27日には、財団との協定締結式をとり行います。詳細は、環境局のほうに聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 バッハIOC会長との面会について
【知事】もう一つ申し上げます。本日夕方、来日中のIOCのトーマス・バッハ会長とお会いいたします。バッハ会長は、ブリヂストンのIOCトップスポンサー契約締結のために来日されております。2月にソチでお会いして、4カ月ぶりでありますので、今後、色々な連携をIOCととるということで、ご協力をお願いし、また先般の競技施設の見直しについてもご説明しようと思っております。
質疑応答
【記者】今お話しあったバッハさんとの会談なんですけれども、今日この後、都内のどちらでとかっていうのはあるんでしょうか。
【知事】滞在先のホテルで非公開で行います。これが終わって、だから若干今日、早目に終わりたいと思ってます。今日来られて、今日帰られるっていうものすごいタイトなスケジュールで、会長おられますんで、本当に時間がないところでの会談になるので、そういう意味で、これが終わった後、参りたいと思ってます。
【記者】今週、都議会の所信表明などからの、五輪の施設の見直しの話っていうのは出てますけど、当然今日、その話もバッハさんとはされるのかなと思うんですが、まず、ちょっとお聞きしたいのはですね、所信表明のぶら下がり取材の中で、森会長と2人で現場を回ってきて、様々な問題点が浮かび上がったっていう発言ですとか、あと時間が許す限り、現場に行きたいっていう。これまで、具体的にどの施設、施設予定地かもしれませんけども、見てきてですね、また、25日のコーツ委員長がいらっしゃるまでに、差し当たりここを見ておきたいという場所がもしあればお教え願いたい。
【知事】まず、今回コーツさんもおられますんで、おそらくご一緒だと思います。相当多数の施設は既に見ております。それで私自身で把握をしておりますし、昨日の調整会議で、見直しキックオフはよろしいということなんで。今日から見直していくということなんで。あとは議会や何かありますから、議会が終われば、また若干時間がある。若干といっても本当にもう、若干しかないんで、どれだけの時間が許すかっていうことはありますけども、見直しを始めるわけですから。極端に言うと、来年の2月に正式な計画つくるまでの間は時間があるということで、IOC、JOC含めて、関係諸団体それぞれ、例えば何とか連盟っていう形で、ナショナル・フェデレーションもあれば、インターナショナル・フェデレーションもありますので、そういうところの調整をしながらやっていくので、一歩一歩前へ進めたいと思ってます。
【記者】今日、もういらしているらしいということですけども、25日までに、こういう方向で見直したいっていう話をなさるのか、それとも、ある程度具体的にこの施設をこうしていきたいんだって話までされるのか、どの程度まで説明する予定というか、考えでいらっしゃるのかというのをちょっとお聞かせ願いたいんですけども。
【知事】それはむしろ、調整委員会の方がご意見があると思います。先般、雨の中ご案内しましたですね、晴海あたりを。そのときにやっぱり、これどうだろう、これどうだろうっていう様々な意見があって、あとは事務方がそういうことを議論してますんで。まだ何もできてないわけですから、最初からこれで完璧ですよなんておっしゃることではない。何のために来られるかといったら、日本側と協議をして、お互いに意見を出し合って、より良いものを目指すということですから、まさにそういう会議をやるということだと思います。
【記者】毎日新聞社サンデー毎日の柳澤と申します。認知症などによる高齢者の不明問題について伺いたいと思います。
知事は先週の記者会見の中で、ソーシャルセキュリティーナンバーが全部にできて、そして全員この辺にチップなんかを埋め込んでおけば絶対見つかりますよ、おそらくそういう時代が来るんじゃないかということおっしゃったと思うんですけれども、知事が今想定されていらっしゃる時代というのはいつぐらいなのか、それから具体的に何か考えがあるのか、また、都として条例を制定する可能性があるのかということをお聞かせいただきたいと思うんですけれども。
【知事】この前、会見、あなたおられました?
【記者】私、先週はテレビで見てました。
【知事】あのですね、全部の文脈の中で物事は捉えないといけません。行方不明の認知症はみんな探したい。私は自分の母親に名札をつけました。これを進めてるところもあります。そういうことを申し上げて、どうすれば、だから、赤ちゃんの取り違えなんかでも、ここで、輪をつけたりしますね。いろんなそういうことをやる試みがあって、今朝、たまたま、マスコミオープンでしたから、防災会議の時に、皆、自分が何者でどうだっていうカードがあると。これ、実はあまり周知徹底されてないので、これ、もっとやりましょうと。皆それポケットに入れておくと、若くても、例えば事故に遭って、意識不明になった。この人誰だろうっていう時に、定期券持ってるか、何があるのか、昔で言うと。今はパスモでしょうけども、そういうのを探して、身分証明書があるかって探すわけです。だから、どうアイデンティフィケーションするかっていうのが問題なので、カードであれ、何であれでいいけども、100%完璧って言えっていうんだったら、そういうものをつくって。今、病歴なんかを埋めたとか、先進国でやってますよ。食物アレルギー、今日も話、出ましたけど、本当に食べ物のアレルギーなんてものすごい大変ですよ、これ。死んじゃいますから、子供が。そういうものの情報を本人が入れる。お母さんがそばにいなけりゃどっかに情報がないといけないです。一番完璧なのは、要するに空想の空想って、バーチャルの世界っていうか、何十年後か何百年後か知らないけれども、完璧にやれっていうなら、そこをそういうことがありますよってことを言ったわけですよ。今やるからとか、そういうことを言ったんじゃなくて、それで色々な質問が出て、「何で言わねえんだ。何で言わないんだ。」っていうのは、あなたたちが私の立場で言えるかって。とてもじゃないけど、この人のプライバシーを暴くようなことになるんですよ。3人がなぜ言えないかっていうのは。言えれば言ってますよ、探したいんだから。絶対に言えない事情があるからやってるんで。じゃあ、絶対言えない事情を言ったら、それはわかっちゃうからここで言えないわけですよ。だからそういうことを言ってるんで、何年後に知事は、そんなチップをはめてどうする。ソーシャルセキュリティーナンバーってのは国会で議論されてる話です、国のレベルで。そうでしょ? だからいかにして、認知症の行方不明のお年寄りを皆で協力して探そうかって言ってるときに、そんな所だけ捉えて、「それで、いつやるんですか。条例でやるんですか。」おかしくないですか、そういう質問っていうのは? どうですか。サンデー毎日というのは、認知症のご高齢の方を探すのに協力しませんか。なくていいんですか。
【記者】いや、私はそういう趣旨で言っているんではなくて……。
【知事】いや、そういう趣旨に聞こえますよ、それは。
【記者】知事が先週、そういうふうにおっしゃったので。今知事がそういう説明をされたのでわかりましたけれども、そういうチップを……。
【知事】わからなかったですか、この前聞いてて。
【記者】すいません、私にはちょっと、そこまで理解が……。
【知事】じゃあ、あなたの理解能力ないってことですよ。こういうことまでするならば完璧ですけれどもという仮定の話で言ってるわけでしょうが。出てる人、誰も文句言わないですよ。皆わかったですよ、それを。名札を張りつけなさい、どうすれば見つけるかって。最大のポイントは、「何で3人の名前言わないんだ」って言うから、言えない事情があるからですということを言ってるのであってですね。私はやっぱりね、メディアも責任あると思いますよ。
あなたがやるべきことは、どうすれば行方不明になった認知症の方々を探すのにメディアも協力できるかと、そういう建設的な質問をしていただかないと、私は世の中良くならないと思いますね。
完璧にっていうのをそこまでやれということを言ったんで、私がそれをやれってことを一言でも言いましたか。そこまでやるのなら見つかりますよということを言った。
だから、介護をして徘回してる老人を家族に持っていると、どれだけ苦労するかというのは、皆相当に苦労してますよ。そして、はたから見て大丈夫だろうと思ったって、どの家庭にも様々な問題があるんですよね。だから、そういうことをね、理解してもらいたいんで。全くそれは、私が言おうとしたことの曲解です。ということを明確に申し上げておきたい。
【記者】NHK中島です。今日の午前の防災の会議の中で、BCP(事業継続計画 Business continuity planning)のオリンピック版という話が出ましたけれども、改めてどういうふうに受けとめてらっしゃるか。
【知事】これはね、実はずっと頭の中に私はあって、皆さん方もそうだと思いますけれども、例えば、そういうことがないことを祈りますけども、これだけ一生懸命準備してると。それで、来年、2015年、東北の大震災よりもっとひどいのがやってきたと。それでもう、競技施設から何から壊滅的になったということがあったときにどうするかと。だから、それは実は真剣に考えないといけない。
それから、もっと言うと、競技やってる真っ最中に起こったらどうするのか。競技が終わった後、起これば良いってものでもありません。だから、いつ起こるかわからないので、そういう直下型の地震含めての災害というのは、私たちの予想を超えるものがある。
それとオリンピックとの関係というのは、実はまだ組織委員会の方とも、国全体の方とも話す機会がありません。だから、今とにかく、森さんも4カ月間、もう懸命になって組織委員会やられて、私もオリンピック・パラリンピック以外にも色々な都政の仕事がありますから、ここまで一生懸命やってきた。そういう中で、とりあえず一遍、見直しをしようという所まで結論に至ったと。
じゃ、そこから先は、今の問題は、これは都庁とか組織委員会だけの問題ではなくて、日本国民全体が考えないといけない問題なんです。ですから、何らかの形でこの問題を、それこそ考え始めることをやらないといけない。ただ、それぞれのお立場があるし、もう皆オリンピック楽しみにして何とか成功させようという努力をしてる方々がですね、その中でさらに万が一のことをシミュレーションをどうやるのか。だけど、私はやっぱり危機管理っていうのは、何度も申し上げたように、最悪のことを想定しての危機管理なので。本当に競技やっている最中に起こったらどうするのだろうって、そこまで考えないといけない。だから、これは非常に重い課題で、たまたま今週、施設の見直しということを言いましたから、もう次はやっぱり、その課題だろうというふうに思ってます。
ただ、非常に気をつけないといけないのは、それやるとね、今日の議論じゃないけども、ここまでの規模の災害があったら、東京は招致を取りやめて返上するのかと。返上して、例えば極端に言ったら、来年オリンピックというときにそういうことが起こった時に、とてもじゃないと、よその町が代わりにやってくれるというわけにいかないですね。
かつて戦争の時には、まさに世界大戦ですから、これを取りやめるってことは残念ながらありました。だから、それに匹敵することだろうと思いますけど。結局、ネガティブなメッセージで、東京はいつ災害にやられるかわからないから、いつでもギブアップしますよというようなイメージを外に与えてはいけないと思うので、ちょっとこれはのんびりはしておられませんけども、少しどういうふうにやるかっていうのは慎重に検討して、それ、政府の方とも、また組織委員会の方ともこの議論をしたいというふうに思ってます。
だから、私がずっと懸案事項で持っていたのが、まさに今日防災会議で委員の方がおっしゃってくださったので、ぜひともそれは動きたいというふうに思ってます。
【記者】そういう意味で、先んじて、英語版の危機管理マニュアルのようなものをっていうのは、まずそこからっていうことになるわけですか。
【知事】それはですね、多言語対応のところでやってまして、英語だけに限らず多言語で、避難経路とか、日本だとこういうふうにやりなさいというような指示、それもいつでもできるし、既に多言語対応の協議会でそういうこともやっていると思います。
ただ、それよりも、あれ実は2つ違う問題なんで。そういう避難してください、どうですということと、オリンピックをとりやめるのかどうなのかということに、災害ということがあったときにかかわるので、これはもっと重いし、もちろんこういう話をIOCとも今までやっていないと思います。私は少なくともやっていない。それは、皆さん東京に招致してもらいたいわけですから、安全には、防災にはしっかりやりますよということは言うけれども。じゃあ、IOCが、万が一そういうシミュレーションがあったときどうするのかというのはまだ議論してないので、どういう形でネガティブなインパクトを世界中にまき散らさない形で、しかし、着実にそういうことまでスコープに置いて準備をしてますよということをやるしかないと思うんですね。
だから、先般、虎ノ門ヒルズのオープニングありましたけども、あの建物は、私も地下までもぐってみましたけど、耐震、免震、すごい技術が使ってあるので、まあ、これなら大丈夫だと。だから、あれと同じぐらいの技術や耐震、免震システムを使って競技場ができるのかと。そうするとまたコストがかかるということもあるので、今日、実は非常にそれ、朝の会議で良いポイントだったと思いますので、今後、そうのんびりしない形で、しかし慎重にIOCとも、それから政府とも少し議論を始めたいと思っております。
【記者】毎日新聞の武本と申します。すみません。先ほどですね、ローザンヌ市長と会談されたかと思うんですけれども、オリンピック開催都市連合の会長でいらっしゃいましたでしょうか。
【知事】はい。
【記者】冒頭しかちょっと聞けなかったんですけども、どういった話が今日なされたのかっていうのが1つと、今ほど、森会長のお話がちらっと出たんで、所信表明の前に事実関係をちょっと教えていただきたいんですけど、所信表明の前に、いつ森会長とは、どういう形で、経緯でお話し合いをされたかと、見直しについてですね、その件についてちょっと教えていただきたいんですが。
【知事】まず第1点のローザンヌ市長、それからヴォー州の閣僚たちと話をしたのは、都市連合の話ですけども。今年の11月にローザンヌで会議をやりますから、東京からどなたか来られますかというので、これはまあ、検討いたしますという答えです。
それから、特別総会っていうのが開かれるので、2017年の例えば春に東京で特別総会開くのはどうだろうかというご提案があったので、これもいろいろ検討事項がありますので、検討いたしますと、そういう内容でした。
それから、2番目の質問ですけれども、これは先般申し上げましたように、昨日決めて今日というふうな話じゃないので、同じ建物の中におりますし、森会長とは、オリンピック・パラリンピックの運営をどうするかというのは、しょっちゅう議論を進めております。進めてきたところです。だから、最低、どんなに忙しくても、週に1回か2回は議論を進めてきました。そういうことの積み重ねです。
さらにその上で森元総理ともお会いをして、国の代表である、政府の代表である総理と、東京都の代表である私と、オリンピックの総代表である森元総理の3人で、これは了解した上でお話をしたと。ただ、そのプロセスにおいて、こういう問題は情報管理が非常に難しい。そうすると、正確な形で出ないで、ぽろぽろぽろぽろ、つまり、その情報を共有してる人が10倍になれば、情報が漏洩する可能性は10倍に増えますね。そうなった時に、正しい情報ならば良いけど、間違った情報が出ることによって、こちらの正確な意図が伝わらないということがあってはいけませんので、それで議会の所信表明で明確な形で述べるという、そういうプロセスが決まったわけです。
【記者】東京MXテレビの朝倉です。昨日、森会長が見直しについて、25日の調整委員会、来日頃には一定の方向性をつけたいというふうなことをおっしゃっていましたけれども、この点については、知事も同じような考えを持ってらっしゃると考えていいんでしょうか。
【知事】一定の方向性がどれぐらいの方向かというのは、今日、バッハさんと話をして、IOCはどういう意向であるかというのもあると思います。それぞれの協議で、インターナショナル・フェデレーションがあって、まず、インターナショナル・フェデレーションが、ああ、それで良いですよと、いや、こういうふうに変えてもらっては困るよっていうのを受けてしか、IOCが動きません。IOCはあくまでも、例えば、ボクシングならボクシング、陸上競技なら陸上競技、水泳なら水泳のインターナショナル・フェデレーションの意見があって、その上で動くわけですから。まず、IFと言ってるインターナショナル・フェデレーションとの議論が先になると思いますから。それが25日というのは、あと2週間ですから、それぐらいで、2、3週間でできるのかどうなのか、キックオフを昨日、1日前に始めたばかり、昨日です、正確に言えばね、調整会議でご了承を得ましたから、始めたばかりですから、ちょっとそれはもう少し都議会とも議論を重ねてと思っております。
【記者】先ほどの話では、基本計画が2月ですので、それなりに長いスパンというのを想定してらっしゃる。
【知事】というのは、まさに調整会議の皆さん方が25日にIOCから来られるというのは、そういうことを話をするために来られるわけですから。そこで一番大事なのは、25日からの調整会議でまさに調整をするということですから、こちらもそこで意見を言うでしょうし、向こうも言うでしょうし。場合によっては、じゃあ、もう一遍、現場を見に行って、この前のを見に行こうかということになるかと思いますので、正式に国際的な観点からも、スタートするのは、その調整会議だと思われて良いと思います。
【記者】日本テレビの久野村と申します。25日からの会議で、場合によっては現場を見に行くということなんですけど、そうなったところは、具体的に知事が見直したいなと思っているところ中心に行こうとかいう形に……。
【知事】私が見直したいからといって全部決まるわけではなくて、都議会の皆さんや都民の皆さんや国民の皆さん、そして、各スポーツ連盟の皆さん、そしてIOCの皆の考えでやらないといけません。それで、コスト計算ということもあるでしょうし、仮にどこかに場所を移すならば、じゃあ、どこに移すんだというところも決めないといけないと思いますから、そう簡単で、私が見て、こうしたいということで決まるようなものではないと思っています。だから、若干の時間とプロセスが必要だと思っています。
【記者】共同通信の船木ですけれども、先日、五輪の会場計画見直しの関係で、知事はレガシーの点について、その理由のところで説明されたと思うんですけども、具体的に過去の五輪のレガシーなどで参考にされたものがあれば、日本では、例えば、長野とかやっていますし、北京、ロンドンとありますけども、どのようなところを参考にされましたでしょうか。
【知事】今、ちょっとおっしゃったけど、ボブスレーなんていうのは、普通、皆やらないわけですから、あと、大変ですね。それから、この前、北京に行った時、北京側も基本的には自分の方はそんなに困ってるよって、あまりおっしゃらないと思うんですけど、何とかとんとんになるまで大変苦労したということはおっしゃっていたので。あの鳥の巣にしてもそうでしょうし、シドニーも今、良くなったと言いますけど、それまでのプロセスにおいて大変苦労なさったということなので。例えば、メーンスタジアムにしても、あと、ちゃんと、8万人とか9万人とか10万人埋まるかと、そういう問題があると思いますので、レガシーの問題というのは、都民の税金でつくるわけですから、終わった後、都民がスポーツ活動に活用できるのかできないのか、そういうことで判断する問題だと思っています。
【記者】都政新報の後藤と申します。補佐官制度を設置して1カ月が経過しました。ここまで動かしてみて、具体的に、機動的になったであるとか、ここが足りないとか、そういった感じられてることがありましたら、お願いしたいと思います。
【知事】大変うまく機能して、大変、変えて良かったというふうに思っております。今、皆さんが議論しているオリンピックやパラリンピックの問題にしても、オリンピック・パラリンピック準備局がいても、現場でばたばたしている。1回1回私が現場に行って、知事が指示するわけにいきませんから、オリンピック・パラリンピックと私をつなぐ連絡将校役の、リエゾンオフィサー役の担当の補佐官がいる、例えば、森会長と私がお話をして、「大体、ここ、こういうの問題じゃないかね。」と我々思っているのだというような感触だけでも補佐官に伝えることによって、補佐官が現場に行ってくる。現場から今度、打ち返しが返ってくる。「いや、そんなこと、知事や会長がおっしゃったって、現場見てください。そんな状況じゃありませんよ」と返ってくると、こっちもまたフィードバックができるというふうなことを各担当でやってますので、それは新しい制度を入れて良かったと思ってますので、是非、これは、もう少しやってみて、また弊害が出てくるかもしれませんですけど、今までのところは大変結構なので、これで続けていきたいと思っています。
【記者】ちなみに、今、担当分野が割り振られてますが、現時点で、何かこう、ここは足りないというようなお考えとかってあったりしますでしょうか。
【知事】あのですね、週に2回は補佐官会議をやっています。今まで何をやって、何が積み残されたか。それで、色々な問題が出てきますね。今週だったら、このオリンピックの話が出てきたりする。その時に、例えば、28日に圏央道が開通します。そうすると、3環状どうなのだろうというのが大きな議題になります。そうすると、これはそういう技官の能力を持っていて、そういう技術的なこともわかる補佐官がいますから、彼に聞いて、彼に意見を求めると、ないし説明させると、全補佐官が出てますから、全部が共有するわけです。ですから、あるテーマが出た時に、おそらく、例えばオリンピック・パラリンピックの問題にしても、それは都市整備局とか建設局とか、交通の問題は交通局もかかわってくる。それで、皆関連した分野、全補佐官が出ていることによって、都庁全体が1つの課題に取り組むことができるということになっておりますので、これからまた、都政を進めるに際しまして、こういう分野はもっと強化しないといけないな、というようなことはあり得るかと思いますけど、今のところは、そういうことを痛切に感じてる分野はありません。
【記者】MXテレビの風戸と申します。競技場の件なんですけれども、都の施設で10施設ありますけれども、知事は全体を見直すと言ってましたが、大体何割ぐらいを見直しの対象としたいと考えてらっしゃいますでしょうか。
【知事】全体を見直して、極端に言ったら、もう何もしないで良いということになるかもしれない。極端に言うと、全部10個見直さないといけないということになるかもしれない。それをまさに調整委員会や何かでやっていくということですから、少し時間をいただければというふうに思っています。
【記者】具体的に数字としては、半分以上見直すとか、そういったことは。
【知事】いや、それはやってみないとわからない。それが最初からわかったら苦労はいたしません。はい。
【記者】あと、すいません。下村文科大臣がですね、「IOCとの約束の範囲内でだったら」という表現を使っていたんですけれども、「約束の範囲内」っていう、この表現としては、知事はどのように。
【知事】これは、皆さん方、ぜひ勉強してもらいたいのですけれども、前回のロンドンオリンピックのときに、招致の時に決めた計画から、どれだけ大きく変わったかというのを見てみてください。相当大きく変わってます。
一つの例を言うと、新設で常設の施設にしようと思ったのも、仮設でつくったけど、すぐ壊せるのに変えたというようなことを含めて、場所も相当移転してます。しかし、これはIOCが認める、むしろ、そうしたほうがはるかに良いオリンピック・パラリンピックになりますよっていうことを認めれば良い話であって。しかし、自ずからですね、コンパクトにやろうと言っているのに、じゃあ、ある施設は北海道に持っていく、ある施設は沖縄に持っていく、それは論外でしょうということはわかりますね。
だから、基本的な路線を守りながら、十分それで、いや、そこまでやってくれるなら大丈夫だよということを、まず、それぞれのスポーツ競技の方が、フェデレーションが、インターナショナル・フェデレーションがエンドースすると。それで、それに基づいてIOCが認めるということをやれば良いので、今からそのプロセスが始まるという所です。
【記者】共同通信の小柳と申します。すいません。東京女子医大病院で集中治療室で人工呼吸中の子供への使用が禁止されている鎮静剤が使われていた問題についてお尋ねしたいんですけど、きのう、禁止対象の子供63人に使われて、うち12人が亡くなったということが明らかになりました。5年間で。知事はこのことについてどのようにお感じになったのかということと、都として何か調査なり、何か対応を考えていらっしゃることがございましたら教えてください。
【知事】基本的には、その病院できちんと対応してもらわないといけないのですけども、今回は、お医者さんたちの内部告発で出たというところが非常に問題だというふうに思っています。そもそも、禁止されている薬剤を使うということ自体が論外なので、しかも、それを公表する透明性がないということなので、基本的にはですね、病院がしっかりやってもらわないといけないし、そういう調査結果が出ると思います。それに伴って、厚生労働省、これは国としてきちんとそういうところをですね、監視していかないといけないし、我々も東京都にある病院ですから、その調査を受けて、然るべき勧告や何かをやる必要があると感じれば、考えれば、またそれはいたしますけど、今のところはまだ病院が調査中ということだと思います。
【記者】新宿区新聞の喜田です。オリンピックのいろいろ準備がいろいろと話しされてますけれども、防災対策の面でですね、やはり避難場所のスペースの確保という問題が着実にですね、広げられていかなきゃいけないと思っているんですけれども、私も前から言っていました帰宅困難者問題のこの超高層ビル街の避難場所確保、これについては一体いつごろになればね、目途がつく、どういう工程表を持って、いつごろなるんでしょうか。再三お聞きしてて申しわけないんですが。
【知事】まず、喜田さんにお願いしたいのは、あなたのカバーする新宿区を離れますが、私が足しげく現地視察をする時に、ぜひ時間を繰り合わせて、ほかの記者さんのように、ついてきて見てきていただきたいということがまず第1です。そうすると、相当なことがわかると思います。
この前、日本橋に行きました。日本橋地下街を整備している。そこ、今おっしゃったスペースを一生懸命地元の方がつくっておられます。備蓄のスペースもつくっておられます。新しい都市の再開発でそういうことができました。
先般、防災大臣と会談しました。こういう時にも是非、ご一緒していただければよくわかります、オープンでやりましたから。そこでは、何が問題かと。あなたが一生懸命そういうことを言われても、ビルのオーナーは嫌だと。何で嫌かというと、余震がありますね。余震があって、じゃあ、避難させた。壁が落ちた。喜田さんの頭に当たった。けがした。それはこのビルのオーナーが悪いのだということで訴えられた者には、それはもう、そんなことリスクしてまで帰宅困難者を入れてたまるかというのが答えになるわけです。
ではどうするか。そういう場合には、ビルのオーナーとか会社の経営者の責任は問いませんという免責の法律をつくらないといけない。それで、そういう方向で努力しましょうということで、防災大臣と私がお話をして、そして両者でそういうことも含めた国と都の協定を結んだわけです。
必ず、いろんな視察の時にそういうことをやりますし、72時間分の備蓄のスペースをどうすれば設けられるか。それで、しょっちゅう変えないといけないですから、その備蓄のコストをどうするか、6分の5、都が払いますよというのがあるけれど、そういうことを一つ一つ解決していかないで、一気に片づくものではありませんですから、今、一つ一つそういうことを解決していっているというプロセスですから、是非、前に進んでいるということはご理解いただいて、視察の予定は全て公表されると思いますので、是非、そういう喜田さんのご興味の対象になるような所が新宿区から離れた所でもあれば、是非ご一緒していただければ、より良くご理解できると思っています。
【記者】免責の問題はですね、もうこの数年ずっと出てきておる問題でしたですね。それで、この問題は解決しないと、そのスペースは確保できないのか。この問題がね、棚上げのままにいきましても、まず緊急用として先に確保すべきではないかと、避難場所をですよ。そういうふうに私なんかも考えちゃうんですが、後から事故が起きて、その後に、じゃ、誰が責任をとるのかというのは後の問題で考えていくしかないんではないか、今の段階ではですね。
【知事】ビルにしても、会社にしても、私有財産です。そして、独裁国家じゃないのですから、それぞれ私有財産を持っている人、例えば喜田さんの家に何人まで帰宅困難者を収容しろと、あなたの家に50人分の備蓄をしろと命令、政府ができますかということなんです。
その時に、先ほど言ったように、やりたいのだけれども、万が一事故が起こって、自分が責任を問われるなら嫌だというのが、それは当然の権利ですよ。そうおっしゃいますよ。したがって、それならば、そういうことを免責する法律をつくらないといけませんねということを先般、古屋大臣と話をして、着実に都と国とでそういう方向をやろうということを言って……。
【記者】その見通しはどうなんでしょうか。1年かかるのか、2年かかるのか。
【知事】それは、あなたが一生懸命、国会の議員室を回られて、全議員を説得してください。国会で法律をつくるわけですから。だから、そういうことも活動としてあり得るんで、国会で法律をつくらないといけないという。ですから、国会でそういう議論をしてもらわないといけない。
いずれにしてもですね、私が一人で工程表をつくって、ここまででこうできるという話ではないので、ただ、問題意識はちゃんとしておりますので、一歩一歩、進められるところは前に進めているし、しかも民間でも自ら率先して備蓄してくれたり、スペースを空けてくれたりしている所があるので、そういう方向の努力は前に進んでいますということだけ申し上げます。
以上
(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)