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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成26年7月11日更新

舛添知事定例記者会見
平成26年7月11日(金曜)
15時00分~15時49分

知事冒頭発言

1 「東京国際金融センター構想へ向けた取組」について

【知事】まず、こちらから話をしたいことがございます。国際金融センター構想のタスクフォースについてお話をいたします。5月からタスクフォースを設置して検討を進めてまいりました東京国際金融センター構想へ向けた取り組みがまとまりましたので、お知らせいたします。
 この取組では、国際金融センター実現に向けての様々な課題を4つの課題として整理して、それぞれの課題について20の具体的な提言を行っております。細目はここに書いてあります。そこで、都の取り組みについて幾つか紹介したいと思います。
 まず、「国際金融会議の開催・招致」であります。取組6番ですね。国際金融都市東京をプロモーションするために、国や民間と協働して国際的な金融会議を開催・誘致し、世界で活躍する金融関係者などと情報交換を行い、ネットワークを形成したいと考えております。
 それから、次が「都営住宅等の集約による用地の創出」であります。これはタスクフォースにおきましても、PPPにつきまして大変前向きな意見が多かったわけでございますし、それを幅広く検討を行いました。これから都の都有地を活用した投資案件の創出や都営住宅の集約により生み出された用地への福祉施設等の整備などを検討していきたいと思います。こういう都営住宅を高層化します。そうすると、土地が空くので、保育園、老健などをつくる。そうした、こういうものをつくるときのシステムとして福祉インフラの整備のためのPPPの活用。
 それから次は、そういうことをやるために資金管理の活性化につきましては、公金運用の効率性を向上させることで、都がほかの自治体をリードしながら、この分野で福祉ファンドの活用の検討を行って、福祉分野と金融分野との連携を図っていきたいと思いますので、今月の16日付けで、会計管理局の中に新しい組織をつくりたいというふうに思っております。要するに、年金基金、国の年金のお金がありますけども、これの運用も前向きな形で、ただ安定性だけではなくて効率性ということをやるわけなので、お金があるのを、そこから富を生み出すことを少し積極的にやろうということであります。
 それから次は、金融に強い人材を育成するということで、取組の18であります。国際金融センターで活躍できるような人材が今日本に払拭しているということが大きな問題でありますので、例えば首都大学において銀行とか証券会社の寄附講座の活用をすることなどによって、例えば首都大学東京でそういう人材を育成するような取組をやっていきたいと思っております。
 そこで、今回の提案は、第一歩ですけれども、一つ一つ着実に推進するために、「東京国際金融センター推進会議」をつくりたいということで、これに入るのは、財務省、金融庁、日本銀行、それから民間、都、それで推進会議を来月に開催するということで、都を中心に国と民間が入った形で東京国際金融センターの実現に向けて、さらに前に進めていきたいと思っております。このことの詳細につきましては、知事本局に細かいデータ含めて聞いていただきたいと思っております。それが第1点目です。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 ソウル出張の具体的な日程について

【知事】続きまして、第2は外交の分野でございます。先般、既に申し上げましたけれども、7月23日から7月25日まで韓国ソウルへ出張いたします。その具体的な日程についてお知らせしたいと思います。
 まず最初の日程でありますが、セウォル号沈没事故で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、全ての韓国国民の方々に対して、東京都民を代表して弔意を表すため、ソウル市の合同焼香所を訪問したいと思っております。その後、ソウル市長にお会いして、都市の安全・安心、環境、福祉など、共通の都市問題について直接意見交換をいたします。ソウルと東京は1988年以来の友好都市であり、またアジネットの会員都市でもあります。両都市の一層の関係強化を図ってまいりたいと思っております。
 そのほか、ソウル歴史博物館やソウルオリンピック・パラリンピックの関連施設などの視察を行うとともに、ソウル市内の多言語対応の状況なども見てきたいと思っております。
 翌24日には、今回の沈没事故で多くの生徒が犠牲になられた檀園高校のある京畿道庁の焼香所を訪れるとともに、この機会に京畿道知事にもお会いして、広く意見交換をしたいと思っております。
 また、ソウル大学で講演を行い、韓国の若者と交流してきたいと思っております。
 その他詳細につきましては、知事本局に聞いていただきたいと思っております。

3 「外務長」の設置について

【知事】その関連でもう一つ、これも既に申し上げましたことですけど、人事であります。都市外交の体制を強固なものとするために、外交面におけます私の補佐役として、従来の儀典長を廃止し、7月16日付で政策企画局の中に新たに「外務長」を設置することといたします。具体的な外務長の役割でありますが、東京の都市外交に関する基本方針の企画立案、政府はもとより国内外の関係機関との調整など、専門的な見地から、私が進めます都市外交をより強力に補佐してもらいたいと思っております。このため、初代の外務長には外務省から外交の実務経験に長けた精鋭かつ即戦力の人材を招聘すべく、現在、最終的な調整を行っております。併せまして、外務長をサポートする都市外交担当部長を新たに設置し、同じく外務省からその任に相応しい人材を派遣してもらうように現在要請中であります。こうした外交のプロフェッショナルを中心に据えた形で、大幅に強化された新しい都市外交チームをつくっていきたいと思っております。外務省から招聘します2人の頭脳、経験をフルに活用して、2020年オリンピック・パラリンピックの成功に向けて、世界の諸都市との友好、相互関係、相互理解を深めていきたいと思っております。また、東京の持つノウハウや技術で世界に貢献するとともに、ほかの都市の先進的な施策を学ぶ、共に教え教えられる関係と、こういうウィン・ウィン関係を築くなど、東京を一段と高い次元の国際都市に外交を通じて引き上げていきたいと思っております。

4 「伊豆大島観光物産展」と「たま発!マルシェ」の開催について

【知事】続きまして、来週16日から22日まで、都庁第1庁舎2階の全国観光PRコーナーにおきまして、「伊豆大島観光物産展」と多摩地域のスイーツを集めた物産展「たま発!マルシェ」を開催するので、お知らせいたします。ちょっと固い話の後、和んでいただきたいと思います。今入っていただいておりますのが大島の「あんこさん」と、それから「たまらんにゃ~」などの多摩のご当地キャラクターでございます。16日から22日まで第1本庁庁舎2階の全国観光PRコーナーで、この両者に頑張っていただくと。伊豆大島からは椿油、くさや、塩などの物産品を販売する予定であります。
 また、伊豆大島の観光復興に向けまして、3連休初日の19日から、旅行者の宿泊費用を1泊につき3000円、都が支援する事業も始めます。大島では、これから夏の観光シーズンを迎えまして、マリンスポーツや三原山のトレッキングなど、様々なレジャーを楽しむことができますので、是非、この機会に大島へおいでいただきたいと思っております。詳細につきましては、産業労働局と総務局に聞いていただきたいと思います。
 大雨、心配してましたけど、伊豆大島もよかったです。じゃあ、頑張ってください。ありがとうございます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】読売新聞の山村と申します。儀典長についてお伺いします。都として迎え入れるときの待遇なんですけれども、今の儀典長よりも、外務長になった後というのは、より手厚く迎え入れるという理解でよろしいでしょうか。

【知事】どの点についておっしゃっているかということなんですけども……。

【記者】具体的に、給与の関係なんですけれども。

【知事】その点はですね、知事本局のほうにお伺いしていただければと思います。ちょっと事務的なことは、私はそこまで把握はしておりません。ただ、儀典長というのは廃止して、それを外務長にかえるので、それなりの処遇だと思います。

【記者】東京MXの風戸と申します。同じく儀典長の件なんですけれども、韓国の出張の前に人事が変わりますが、今回の韓国の出張で、外務長として、役割としてはどのように生かしていきたい、何かアイデアはありますでしょうか。

【知事】いえ、それは今までの経験が豊富なので、即戦力ということを申し上げたので、直ちに仕事をしてもらうということです。もう、それに尽きると思います。全く心配ありません。素人が来るわけではなくて、都庁の職員は外交のプロではありませんですから、外交のプロが来ますので、外交のプロとして補佐してもらうと、それに尽きると思います。

【記者】現場にも一緒に行かれるということで……。

【知事】もちろんです。はい。

【記者】具体的には、生かしていきたい、何か、こう、ポイントというのはありますか。

【知事】要するに、私の北京訪問を考えていただければわかるので、北京市と東京都の間の友好関係を再構築するということでありますけれども、当然、汪洋副総理とお話ししたり、唐家セン元外務大臣とお話ししたりして、当然それは日中関係全体にも、様々な、できれば良い結果をもたらすものになったと思っております。同じような視点から、当然、国のレベルの外交、つまり、我が日本政府が進める外交と齟齬を来してはなりませんので、そういう点においても、外交経験の豊富な、かつ極めて優秀で即戦力となる2人が来てくれるということは、手足になって、そういう課題についても遺漏なきようにできると、そう思っています。

【記者】読売新聞の吉良と申します。東京国際金融センターについてお尋ねしたいんですけれども、これ、推進会議を立ち上げるということなんですが、今後ですね、どれくらいの頻度で開いていくかということと、もう1つ、知事のきょう出された資料の中で、3年以内とかですね、2020年までとか、実施目標、出ているんですけど、こういうものがどの程度進んでいるかということを管理していくような、そういう会議になるんでしょうか。

【知事】まずですね、推進会議を開き、これは3週間に一遍とかそういう形で決めてるわけではありませんですけれども、かなりのスピード感を持って、かなりの回数でやりたいと思っております。
 それから、口で言うだけで何もしないのでは話になりませんから、例えば、3年以内と書いているのは、3年かけてやるということではなくて、3年以内に、半年後に実現するかもしれない、させるかもしれない、その工程表づくりを直ちに始めるということで、既に、その工程表づくりを始めてますので、明確な形が出れば、それはまた皆さん方にお伝えしたいと思っています。

【記者】フジテレビ相澤です。先週の会見でもありましたが、都と国と、あと警視庁の一斉、脱法ハーブに関する一斉立ち入りが行われました。ただ、まだイタチごっこというような現状は、なかなか変わらないと思いますが、次の一手はどのように考えてらっしゃいますでしょうか。

【知事】その点については、前回申し上げましたように、東京都は一歩先んじて知事指定薬物に指定していっているので、昨日、一斉立ち入りして警告を行ってきました。ただ、なかなか隔靴掻痒でありますけど、こういう事故が続いておりますので、国と連携しながら取り組んでいくとともに、都条例を改正しないと、例えば、警察官への立ち入り調査権が付与できないのですね。だから、我々は、警告書のようなものを出すことができるのですけども、やはり立ち入り調査権がないとだめなので、これは都条例の改正を検討して、できるだけ早い時期に議会に提案して、国に先立って、そういう規制を強化したいと思っています。

【記者】NHKの金城です。今の脱法ドラッグの関係ですが、警察官が立ち入って、規制薬物を見つけると。摘発につなげるという趣旨は理解するんですが、規制外の薬物がですね、出回っていることが問題になってます。で、規制外の薬物をいかに早く規制するか、指定するかっていう勝負になっているというのを、私も取材実感で持ってるんですが、規制までの期間の短縮という意味では、何か、都としてやれることはありますでしょうか。

【知事】要するに、検査機関をもっと強化するようなことを含めて、例の化学反応、我々、亀の子って言っていた。ちょっと、出っ張ったところで、もうこれはオーケーだというのでは話にならないので、そういうことまでできるかなと。ただ、もう少し検査体制を強化するしか、イタチごっこに勝つには、それしかないと思っていますので、そういう方向で検討したいと思っています。

【記者】関連して。検査体制の強化という話ですけど、昨日、私も取材したんですが、一斉立ち入り。68店舗に入って、24店舗は閉まっていて、警告書が出せませんでした。そういう状態もありつつ、さらにですね、先週も聞いたんですけど、ネットの販売が、やはり取材していると、極めて多くなってきているという現状があります。厚生労働省もですね、ネット対策に乗り出しているんですが、都としては何かできることは、何か検討しているものはございますでしょうか。

【知事】先週もお答えして、極めて、厚労大臣のときのネットに対してどうするかというのは難しいということを申し上げましたけれども、今、具体的に、脱法ハーブを手に入れたい人がインターネットで注文をする。そうするとですね、宅配業者がそれを送る。そして、代引きということで着払い。代引きということでやってるのですけども、多くの宅配業者が、もうドラッグ業者との宅配代金の引きかえサービス、代引きサービスはやらないという方針を明確に出していて、これを、宅配業者に対して強く要請していきたいと。もう既に幾つかの業者は、もうそういう怪しい業者とは一切代引きしませんよということで明確な会社の方針を出しているのです。ただ、問題はですね、日本郵便なのです。日本郵便は、事業者との代金引きかえに事前契約が必要ないのですね。だから、何の規制もない。そうすると、どんどん脱法ハーブを売る人は、何の規制もないし、「お宅の店、何ですか」というようなことを問われもしないものですから、皆、そこに流れているということなので、今、多くの通信販売がゆうパックに流れている。この件については、様々な理由もあると思いますし、日本郵便の方針もあると思いますけれども、これだけ大きな社会問題になってるので、これは政府、とりわけ厚労省、総務省を通じて、日本郵便に対してそれはしっかりやってもらえませんかと、ほかの業者はやっているのですよということで要請をしていきたいと思ってます。やはり企業の社会的責任というのはこういうところにあるので、民営化してもっと悪くなったのでは話にならないのではないかなというのが、私の率直な感想なので、日本郵便さんも言いたいことあると思いますけど、それは国を、とりわけ総務省、厚労省を通じて、この要請は強く出したいと思っております。

【記者】日本経済新聞の舘野です。来週、全国知事会議が佐賀でありまして、知事も出席されると。

【知事】はい。

【記者】それで、東京都の知事がこの夏の全国知事会議に参加するのが6年ぶりと伺っております。

【知事】そうですか。はい。

【記者】それで、東京都が全国知事会の中でですね、4代前の鈴木知事が会長だったのを最後に、足が遠のいているような現状がありまして、そこで6年ぶりに参加するということについて、知事の思いというのをお伺いしたいのとですね、もう1つ、今回の全国知事会議で、都知事としてはどのようなことを議論していきたいとお考えでしょうか。

【知事】いや、今、6年ぶりとおっしゃいましたけど、私は出ないほうがおかしいと思ってるので、全国知事会議で、47都道府県の知事が一斉に介して、そして知事としてどういう政策を打っていくかという貴重な意見交換の場であるので、トップが集まることに意義があるので、それに都知事が6年間も出なかったこと自体が、私の常識から外れています。それは、別の公務で、例えばオリンピック関係でどうしてもそのとき海外に行かないといけないというなら別ですよ。そうでなければ、やはりこれは公務として優先させるべきだと思っておりますので、行きます。
 そして、それぞれの地域で、都道府県で思いがいろいろ違うと思うんですね。例えば、今、どこに行っても、東京良いですねと、オリンピック、パラリンピックのおかげで、あなたのところだけがこんなに元気になって、全部人材もそちらに取られる、機材も取られる、東京ひとり勝ちではないですかと、こういうことの不満が聞こえてくる。しかし、いや、そういうことではありませんよと、東京は機関車として頑張って、皆で日本を良くしましょうと、こういう話もできるわけです。ですから、やはり、既にほとんどの知事さんは、私は国政の場においてもその時からよく知っていますから、ほとんど皆さんよく存じ上げているのですけれど、やはり2日間にわたって一緒に会議し、寝食を共にして議論するというのは極めて大きなことだと思っています。
 とりわけその中で、何度も申し上げてますけども、地方法人税の扱いについてどうするのかということで、これは地方いじめのようなことはやめてくださいということを、国に対して一致団結して申し上げたいと思ってます。
 そこから先は、先ほど言ったように、東京一極集中と言われたり、東京だけ栄えて、うちはさびれていってるというような声があるので、そういうことに対して、いや、そうではありませんと。とりわけですね、お金がある東京からふんだくればいいんだみたいな感覚が国にあって、国にお金を出してくれと言っているのに、国は出さないで、東京からお金を取ってほかの地域に渡すというのは、地方自治にとって全くマイナスなので、そういうことについてもきちんと議論をしたいと思ってますので、やはり一番大きなのは税制、財政の話になると思います。
 それから、あと、やはり社会保障ですね。結局、社会福祉の現場というのは、保育園にしても、特養、老健にしても、介護、医療、子育て、全部それは現場なので、それぞれの現場が一番苦労しているので、例えば保健所については非常に良いアイデアを持っておられる県があるかもしれない、老人介護について素晴らしいことをやっている県があるかもしれない。学ぶべきは学べばいいと思いますので、私は非常に楽しみにしていますので。
 やはり、そういうところにきちんと出ないということは、東京に対する反感を益々強めることになる。それで、東京に対する反感が強いような知事会議に、そんなもの出るかと出なけりゃ、また悪循環になりますね。だから、そういうことを断ち切るためにもやってきて、私も6年ぶりというのはあなたに初めて聞いたのだけど、何年ぶりというの多いですね。18年ぶり北京、18年ぶりソウル、6年ぶり知事会議、やはり普通の行政をやったほうがいいと思います。

【記者】共同通信の船木です。ソウル訪問に関連して質問します。今日の報道で、大使館の自衛隊に関連した式典の使用取りやめ、ホテルでですね、使用取りやめという報道も出ているように、日本に対してかなり厳しい感情というのがソウルにはまだ、韓国には残っていると思うんですけども、知事はそういったところに、今度のソウル訪問でですね、どういった思い、メッセージを持って行かれるのかということと、やっぱり厳しい感情を持っているというところの背景についてどのように考えていらっしゃるか、その辺についてちょっとお伺いできればと思います。

【知事】このままの状況で日韓関係が悪化するに任せて、誰が得をしますか。韓国側も得はしません、日本側も得はしません。両国の間の経済関係、人的交流、極めて深い、広いものがあるわけですから。だから、そういうマイナス面じゃなくて、マイナスが積み重なっているところで、1つでもプラスがあればいいのではないかなと思っていますので。
 それから、例えば船が沈没して、あれだけ多くの方々が亡くなられた。我々、日本国民、東京都民、全員お悔やみの気持ち持ってますから、そういうこともきちんとお伝えする。そして、あくまでも都市外交ですから、ソウル、東京で協力できることはたくさんある。例えば、Wi-Fiとかですね、先ほど多言語対応と言いましたけど、はるかにソウルの方が進んでいる面があります。それから、やはり半島が二分されて、北朝鮮が北にありますから、そうすると常時危機管理体制をとっていますね。だから、危機管理対策についてもソウルから学ぶところがあると思います。色々な問題があっても、少しでも関係を良くするために、東京都として、姉妹都市であるソウルと組んでいくと、アジネットのメンバー国でもありますので、そういう思いでやりたいと思っています。
 悪循環は、どんどん悪循環になるので、どこかで断ち切らないといけないと思ってます。今朝、北京の高校生の皆さんが表敬に来られたのですけども、私が北京に行く前は、そういうことすら一切できませんでした。一切ノーでした。だけど、今、地方自治体、355の姉妹都市関係の地方自治体は全部自由に行けるようになりました。今日のように高校生も自由に来れるというようになったので、それは、私たちはいつでもどうぞと言っていたのですけども、中国政府がそういうことを止めていた。しかし中国政府はそれを解除した。ということは、私は中国にとっても非常に良い、私たちはいつでもどうぞと言っていたわけですから。だから私たちは韓国の方々、いつでもどうぞという態度ですから、少しでも関係改善になればと、そういう思いです。

【記者】東京国際金融センターについてお伺いしたいんですが、今回、地域というか、エリアを限定してない形での発表になったと思うんですけども、かねてから知事は日本橋のあたり、東京駅周辺だったりとか、虎ノ門のあたりだったとか、いろいろご発言をされていましたが、そのあたりがメーンになると考えてよろしいんでしょうか。

【知事】これは特区構想とは違います。この前、視察したのは、日本橋、元々金融の機関は沢山ありますから、そこへ行きましたけど、実を言うと、これは日本経済が立ち直る最後のチャンスだと思っています。国際金融センターが失敗したら、日本経済、終わると思います。それぐらいに深刻な気持ちを持っているので、ラストチャンスだと。ここで東京がニューヨークのウォールストリート、ロンドンのザ・シティと並ぶ地位を回復しなければ、おそらく日本経済の未来はないと危機感を持っていますんで、したがって、これは東京でやりますけれども、日本国全体の課題であると。したがって、財務省も、金融庁も、日本銀行も推進会議に入るということでありますんで、それぐらいの危機感を持ってますので、具体的に例えば皆さんが集うセンターが日本橋にあろうが、丸の内にあろうが、どこにあっても良いのですけども、そういう思いで官の中でも、都と国と、そして民を入れるというつもりでやりたいと思っています。

【記者】国家戦略特区とは別なんだというふうにおっしゃっていたんですが、位置付けといいますか、関係性はどのようになってくるんでしょうか。

【知事】例えばですね、どうしても外国の金融関係の方が来られるときに、このような規制があっては来られませんよというのが出てくるわけですね。その時に、それは都が既にワンストップサービス含めて、例えば、会社をつくるのに全部英語の書類でも良いですよというようなことをやるわけですけども、それは特区として利用できるものはどんどん利用していくと。だけど、特区構想が先にあるからではなくて、利用できれば利用すると、そういう位置づけです。

【記者】日本テレビの久野村です。昨日ですね、知事から紙としてはコメントいただいたんですが、オスプレイの配備に関して、19日に来るということに対しての知事のご意見をいま一度伺いたいのと、このような形で今後も、一方的な通告ではないんですが、こうやってまたオスプレイが来るんじゃないかって不安な気持ちもあると思うんですけども、それも含めて、お答えいただけますでしょうか。

【知事】外交安全保障ってのは国の専管事項ですけれども、色々な面でそれぞれ基地を抱えてる地元の考え方もあるわけですから、基本的には国がきちんと事前に説明責任を果たすと、そういうことに尽きると思いますので、今後ともそれを要求していきたいと思います。
 全体のアメリカの飛行機であるとか船である艦船についての運用権限というのは、それは日本国政府は持っていますので、私たちとしては、きちんと説明責任を果たしてくれと、そういうことを言うことに尽きると思っています。

【記者】朝日新聞の別宮です。韓国の訪問の関係なんですけれども、知事は著書の中で、日中韓で東アジアの歴史をですね、歴史観をこう共通する思い、共通するようなところの研究をしたらどうかというようなご提案をたしかされてたと思うんですけれども、中国へ行きました。学生とも交流し、博物館もごらんになりました。今回のソウルでも同じようなことをされると思うんですけど、その著書でお話をされていたようなことに対する具体的な動きというのはあるんでしょうか。

【知事】既に歴史学者のレベルでは、日韓も日中もそういう研究は進んでおります。それから、豊臣秀吉の朝鮮に対する侵攻がありましたね。その後、江戸時代、朝鮮通信使をやりましたね。それに至る期間の歴史については、日韓両方で本を出してるのです。しかし、さすがにね、ドイツ、フランスは近代史、現代史を両方でテキストつくっていますけど、日中にしても、日韓にしても、やはり現代史、近代史のところ、日中戦争、それから韓国の植民地化というようなことについては、やはり非常にセンシティブで、そこまでいかないと思います。
 だけど、先ほど言った朝鮮通信使のところまでは共同研究で同じ本を出してますから、これを少しずつ進めていくしかないかなと思っていますので、歴史は色々な人の見方があるので、色々な人の見方を幅広く入れて、あとは歴史観は個々が持てばいいので。
 ただ、今のような状況の中で、ソウル大学で率直に話をしますけども、どこまでそういう思いが伝わるか。しかし、これはやはり若い人たちと話して、議論して、彼らが何を求め、どういう考えであるのかと、忌憚ない意見を交わしたいと思いますし、ソウル大学の先生方ともそういう話をしたいと思っていますので、何らかの糸口が見出せればと、そういう思いで行きたいと思っています。

【記者】あとすいません、ソウル市長とお会いするわけですが、今回はですね、ソウル、韓国側の政府の方とかとお会いする予定はあるんでしょうか。

【知事】先ほど申し上げましたように、この前のセウォル号の沈没事件というのは国全体の、韓国全体の悲劇であって、私たちは韓国国民に対して、都民としてお悔やみを述べたいということですから、もちろん、ソウル市に対しても、それから高校がある京畿道に対してもそうですけれども、国全体に対しても表明したいと思っておりますので、韓国政府のほうで、それは是非いらしてくださいということであれば、韓国政府に対しても東京都民を代表してそういうお悔やみの意思を表明したいと思っています。

【記者】東京新聞の村松です。人事異動に関してなんですが、女性の登用に関して、この間の幹部級の異動を見ていると、そんなに登用が進んだふうには見えなかったんですが、知事はネットのを読ませていただくと、登用したかったけど、できなかったというふうに読みとれるんですが、そういうことでよろしいのでしょうか。それで、あの中でですね、先頭に立って養成していきたいというふうにも書かれてたと思うんですが、それは何か具体的に、例えば、男女比の、職員の男女比に合わせたぐらいのことを最終的な目標にするとか、何かそういうことがあるんでしょうか。

【知事】基本的には、男性・女性を問わず能力がある人たちを適材適所で使うというのが人事の要諦だと思ってます。それは大原則です。その中で、今回、6人の補佐官のうち、今まで1人だけが女性でしたけども、もう1人増やしますから、6人のうち2人が女性になります。ということは、3人に1人が都庁では女性ですから、補佐官に関しては、つまり一番私の傍にいて、政策を支える人材の3人に1人は女性だと、そういう意味で、都庁の男女の比率と補佐官について同じですということなのです。
 ただ、年齢であるとか、入庁、入都年次であるとか、様々な要因を人事は考えないといけません。その時に、やはり都の職員になられたのだけど、結婚して退職されるとか、色々な人生のプロセスにおいて、色々な事情がおありだと思うのです。
 そうすると、幹部職員として登用したいという女性の数が、私が思っていたよりも、ある年次について足りないという状況があります。もっとはっきり言うと、都議会ありますね。都議会のひな壇に並びますね。わかりますね。私がいて、副知事がいて、局長が全部並んでおりますね。これ、国でいうと、総理大臣がいて、大臣がいますね。ひな壇というのはそうですね。だから、一番ビジブルなことで言うと、そのひな壇に並んでる局長の3人に1人は女性というふうになるのが、都庁の職員の比率から言えば、一番、本当は良いわけです。
 だけど、それができる状況であるかといったら、それは適材適所、能力というようなことも考えた時に、今年の人事ではそれは不可能であるという結論に達したので、来年それが可能になるか、再来年になるか、それは皆に頑張ってもらって、そして、そういう意味で、幹部職員として十全に能力を発揮できるように、男性のみならず、女性の皆さん、職員にも頑張ってもらうということで、そういう意味で養成したいと。そういうことが、簡単に言うと、状況です。

【記者】東京MXテレビの朝倉です。国際金融センター構想についてお伺いしたいんですが、その中の取り組みの6の国際金融会議の開催誘致とあるんですが、取り組みとして、世界で活躍する金融関係者、政府関係者、ジャーナリスト等が集まると。有名なものでは国際経済フォーラム。

【知事】ダボスみたいな。

【記者】ええ。ダボス会議あると思うんですが、知事の中では、これ、3年以内に実現するというふうに書いてあるんですが、これ、誘致をする、もしくは自分たちで開催するっていう、どちらかというふうに書いてあるんですが、知事のイメージとしては、どういうような形でこれを実現させていきたいなというふうに思われますか。

【知事】ですから、1つのマイルストーンとして、それを置く、里程表として置くという形でですね、今、いろいろインフラ整備含めてやっていかないといけない、人材の育成もやっていかないといけない。しかし、やはり世界に向けて、ウォールストリート、シティ、そして東京ですよ。それを何と呼ぶかはまた名前は別としてですね、それを打ち出すために、世界の金融界のトップをそこに集めて、東京主催で会議をやると。そして、それが大きな発信源になって、それから毎年1回それをやる。そうすると、その会議に出なければ国際金融についていけませんよぐらいに上げないといけないと思うのです。だから、今すぐ開くわけにはいかないですけれども、ある程度、この構想が前に行った段階で、まさにそれを1つの起爆剤として、東京都が専門家を呼んでやりたいと思っています。

【記者】もう1点、来週週明けに九州に出張される折にですね、初日に北九州水素タウンを視察をされると。これ、パイプラインで水素供給してるという。

【知事】そうです。

【記者】非常に画期的なモデル都市だということなんですが、どういう点を見てきたいなというふうに思われますか。

【知事】これはもともと北九州工業地帯で、特に新日鐵がほとんど事実上、撤退した後に、エコタウン構想ということでやっている。で、その中で、我々、水素ステーションつくって、それで車に、水素の車に供給するということを考えてますけど、具体的に公共建造物とか家庭とかにそれを送るようなシステムになっているので、ここまでくれば非常に水素社会が実現すると思うので、おそらく一歩先を行っていると思うのですね。この前は、圏央道の、残念ながら雨でしたけど、部分的開通の時にFCVに乗させていただいたので、おそらく、それもまたやりますけども。今年、今回の水素タウンについて言うと、今言った直接家庭に、直接、例えば市役所に供給すると、そのシステムがどうかな、ここまでやればできるので、それが東京の参考になればと思っています。

【記者】テレビ朝日なんですけれども。はい、すいません。この国際金融センターの件でお伺いしたいんですが、会計管理局で資金管理、活性化するということで、これ、読みますと、基金を使ってですね、リスクをとるような形、リスクを管理しながら資金運用を広げていくということになると、どういうところに投資していくのかなと、例えば株式まで投資するようなことになるのかと。都について言うと、前の知事のときに肝入りでつくった新銀行東京がですね、結局、穴埋めを余儀なくされる形になったと。今回、その辺はどういう違いを出していくのかということです。

【知事】いつか申し上げたように、GPIFというのがあります。それは、国民の年金で、私が厚労大臣やっていた時に150兆円ぐらいありました。これは運用して運用益を上げることによって国民に還元する。今、株価が上がっていますから、ものすごい利益、何兆円というのが、2桁ぐらいの利益が上がっているわけです。ところが、バブルが崩壊して、私が大臣の時は非常に経済の情勢が悪くて、幾ら運用しても赤字にはならないけど、1兆、2兆しか儲けないというような状況があるので、つまり、一番わかりやすいのは年金の基金ですけど、国民が積み立てた年金を少しでも増やしていくために運用すると。運用する時の基本指針は、やはり安定運用でないといけない。博打のように株ですってしまってゼロになったって、これはとんでもないことですから、基本的に安定運用だということは、預貯金、それからパブリックボンドですね、債券、こういうことを中心にやっていく。その次が国内株、そして海外の株。国内株の比率をですね、若干増やしていくというような形で、それで今回の日本政府の決定は、さらにそれを大胆にやろうとした。
 私が大臣のときに、あまりにも運用が下手で、もうちょっと何とかならないかということで、運用する委員の中に本当に株屋、つまり、はっきり言って厚労省から職員が来ていて、日頃、保育園やったり老健やっている人が急に株やれといったって、それは無理に決まっているので、専門家をつぎ込んで、10人のうち2人ぐらい専門家をつぎ込んで、少し変えたのですね。一番良いのは、カリフォルニアの年金基金があるのですが、これはものすごい運用益を上げていたのです。それで、自民党の部会でも、何でカリフォルニアの年金基金みたいなことをやれないかと言った時はちょっとだけど、ハイリスク・ハイリターンでリスク多過ぎたら困るでしょということなので、もっと具体的に言うと、では、大臣、どうするのですかと言われた時に、私の案は、150兆円の1割、15兆円だけ、ハイリスク・ハイリターンでやってみませんかと。そして、すっからかんになることはない。だけど、15兆円つぎ込んだけど、株の運用がうまくいかなくて、例えば1兆円損したと。その1兆円はほかの債券運用で十分、穴埋めできるだけのものから始める。1割が多ければ5%から始めると。
 だから、都のお金にしても、さっきの新銀行と全然違うのは、今言った1兆円近い、色々な公金を預かったのがありますから、それを運用していく時に、5%ぐらいでもそういう要素を入れていくことによって、仮に全額損したところで、ほかの分野で取り戻せるというようなことで、そういうリスクヘッジをちゃんとやった上でやっていきたいという、そういう観点なので、考えてみれば、私たちがお金、余っている時、どうするかと言ったら、普通預金よりも、今は金利低いけれども、できれば定期預金とか投信とか、少しでも儲かるようにして資産増やそうとすると。それと同じ観点で、その時に全部、株につぎ込んで失敗するというような人はあまりいないと思うから、やはり、皆さん、ポートフォリオをどういうふうにやるかでどれだけ預貯金、パブリックボンド、これだけが株だということがあると思いますので、そこは慎重にやりながら、ちょっとそういう要素を入れてみようと思っていただければと思います。

【記者】新宿区新聞の喜田です。先ほどの都市外交の件なんですけれども、例えば慰安婦問題ですとかね、河野発言問題なんかについてはですね、かなり政治的な問題として国と国との関係でもう随分もつれているところだと思うんですけれども、そういう問題はですね、今回のソウル訪問の中で全然触れないのか、そういうことも触れながらいろいろやっていこうとしているのかとかいうことをお聞きしたいんですが。

【知事】あくまで都市外交ですから、基本はそれに尽きるということで、外交、防衛は国の専管事項ですから、そういうことに尽きると思います。

【記者】朝日新聞の別宮です。すいません。細かい話で恐縮なんですけれども、ふるさと納税をめぐってですね、官邸、官房長官が住民税の現状、約10%から20%に控除範囲を広げようなんて話をされているんですけれども、そうした場合、今、東京都、年間5億円ぐらい持ち出しというか、外に出てしまっているのが、単純計算で10億ぐらいになると思うんですが、これについてですね、細かい話なんですが、知事としての受けとめ、考え方、伺えますでしょうか。

【知事】ふるさと納税という発想自体は決して間違っているわけではないと思います。ただ、それを倍にして良いのかどうなのかというのは、もう少し議論をしないといけないと思います。だから、本来的には、日本国土の均衡ある発展ということをさまざまな施策を動員してやらないといけない。それで、そういう中で、それにしても過密過疎、特に過疎のところで財政的にきついなという話があるので、それは我々、私たちのお金はもっと多額、地方交付税交付金として私たちが払った税金はいってますよ。我々は1円ももらってないので。だから、それから比べると、地方納税などは本当にちっぽけなものですけれども、だけど、こういう、言葉は悪いけれど、小手先のことでこの不均衡な国土の発展を是正することには限界があると思いますから、もっと抜本的な、本当に経済成長戦略をやるとか、それから各地域の活力をどうすれば活かすことができるんだというようなこととか、企業を誘致するためにどうすんだ。おそらく特区構想にしても、福岡も特区ですね、関西もそうですね、それから農業特区をやっているところもありますね。これも一つの考え方なので、私は、ふるさと納税というのは、一つの手ではあるけれども、そういうことをやるから、本来、もっと大事なことをやらないで良いということにはならないなと思っています。パーセンテージについては、もっと議論が必要だと思ってます。

【記者】キューバのグランマー通信社日本特派員の稲村です。韓国、都市外交というお話ですけれども、今現在、竹島は、ご存じのように日本人が行こうと思っても行けないと、外務省のパスポートにはちゃんと韓国も自由に訪問できるとなっているんですけれども、現実、日本人は行けないという状態になってますが、都市外交ということで、このあたりは何か話が出るんでしょうか。

【知事】いや、だから、先ほど言ったように、外交、防衛は国の専管事項ですから、私は都市外交に徹すると、それに尽きると思います。

以上
(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)


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