舛添知事定例記者会見
平成26年12月5日(金曜)
14時00分~14時17分
知事冒頭発言
1 拉致被害者救出運動 写真パネル展の開催について
【知事】それではまず、私の方からご報告をいたします。
まず第一点目ですけれども、拉致被害者救出運動に関する「写真パネル展」の開催についてお知らせいたします。
北朝鮮による拉致問題は、我が国の外交上の最重要課題であります。北朝鮮の特別調査委員会の再調査が行われている中、拉致問題は重要な局面を迎えておりまして、解決に向けて国民世論の結集が必要不可欠であります。
我が国では、毎年12月10日から16日までの1週間を「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」と定め、期間中、国及び全国の自治体で様々な啓発活動が行われております。東京都といたしましても、都議会拉致議連、家族会、救う会及び調査会の協力のもと、12月10日の水曜日から15日の月曜日までの6日間、第一本庁舎45階南展望室で「拉致被害者救出運動 写真パネル展」を開催することにいたしました。
なお、初日の10日の午前10時から行う開始式には、私も出席してご挨拶をさせていただきます。全ての被害者の方々の早期帰国が実現するよう、都民の皆様にはこの機会に拉致問題に対する関心を更に高めていただくようにお願い申し上げたいと思います。詳細につきましては、総務局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 人権週間キャンペーンについて
【知事】続きまして第二点目ですが、「人権週間キャンペーン」の実施についてお知らせいたします。
世界人権宣言が国連総会で採択されたことを記念しまして、日本では12月4日から10日までの1週間を「人権週間」と定めまして、様々な人権啓発イベントが行われております。都としましても、人権週間キャンペーンとして、12月13日の土曜日に東村山市、17日の水曜日に葛飾区で「講演と映画の集い」を開催いたします。東村山市では元Jリーガーの宮澤ミシェル氏を招き、「外国人との共生社会の実現」について、葛飾区では登山家の田部井淳子氏を招き、「高齢者がいきいきと暮らせる社会の実現」について語ってもらいます。
あわせまして、12月4日からの人権週間期間中、琴欧洲親方をメインキャラクターに起用したテレビCMの放映なども行っております。東京を思いやりに満ちた「世界一の都市」にするため、これらのイベントなどを通して、都民の皆様が改めて「人権」について考えていただく機会となればと思っております。詳細については、総務局にお尋ねいただきたいと思います。
(詳細は、こちらをご覧ください。)
3 公益財団法人 東京都交響楽団新理事長について
【知事】次は文化の分野ですが、公益財団法人東京都交響楽団の新理事長について、お知らせいたします。このたび、東京都交響楽団の理事長を、前文化庁長官であります近藤誠一さんにお願いすることになりました。既に財団の理事会で選任されておりまして、来年1月から理事長にご就任いただくことになっております。
皆さんご承知のように、近藤さんは三保松原を含めた富士山の世界遺産登録の実現など、文化庁長官として、また外交官として、豊富な経験と知見から顕著な業績を数多く残されております。都響は前回の東京オリンピックのレガシーとして設立され、来年は創立50周年という節目を迎えます。東京都交響楽団が、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて存在感を高めるためにも、世界トップクラスのオーケストラへと更なる飛躍を遂げるためにも、国際経験豊かな近藤さんに理事長に就任いただけるということは、大変ありがたいことであります。
来年4月には、世界的な指揮者であります大野和士さんも音楽監督に就任いたします。新体制を迎える都響を、私もしっかりと支援していきたいと思っております。今後の都響に、是非ご期待いただきたいと思います。詳細につきましては、生活文化局にお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】幹事社の日経新聞の高岡から質問させていただきます。先ほどの都響の件ですけれども、五輪を契機に出来上がった楽団ということで、また2020年の東京五輪の際に、どのような活躍を期待されているかということについて、何かイメージがありましたら、お願いします。
【知事】東京を世界一の都市にする。その時に、やはり文化芸術活動も非常に大きな重みを持ってきます。私自身は、若い頃はずっとパリで勉強していました。ほとんど毎晩のようにコンサートに行って、本当に安いチケットでいろいろな種類のコンサート、世界的なバイオリニストとかピアニストとか指揮者、これを堪能することができました。是非東京もそのようにしたいと思っています。その一端を担ってもらう交響楽団、そして世界に向かって発信していくということをお願いしたいと思っています。今後、オリンピック絡みで、例えば日本の伝統と現代を音楽の場でどういう風に表現するかという課題も、他の芸術分野とともに出てくると思いますので、是非この芸術、とりわけ音楽、そしてこの東京都交響楽団の活躍を期待したいと思っています。
皆さんご存じのように、都議会の開会の時に、この前もカルテットで素晴らしい音楽演奏がありました。あのようなことは、東京都として非常に誇りにして良いと思っています。非常に文化の香りの高い街だというのはあのことで示しているので、東京を世界一に向けて、是非芸術の分野で活躍してもらいたいと思っています。
【記者】毎日新聞の竹内と申します。人権週間の関連でお伺いします。以前ですね、知事、ヘイトスピーチについてですね、都の人権週間などを活用してですね、何かこう、取組をですね、対策の取組をしていきたいというような発言をされたと思いますが、今回の人権週間で、何かヘイトスピーチに絡んでの考えはありますか。
【知事】先週ですか、皆さん方の新聞の折り込み広告に入っていたと思いますけれど、東京都の都政だより(広報東京都)があります。そこに、琴欧州関の写真も出ていましたし、私自身が直接、このヘイトスピーチも含めて、この人権週間、しっかり対応しないといけないという私のサイン入りでの文章を寄稿しておりました。これは全家庭、他の所でも見られますけれど、新聞の折り込み広告の中に入っておりますから、全家庭に行っていると思います。今回は、人権週間キャンペーンで、琴欧州関の先ほどのCMは一般的な話をしていますけれど、当然、そのヘイトスピーチはやめるべきであるというメッセージも、私はその中に含まれていると思っております。引き続き機会があるたびに、この問題については言及していきたいと思っていますが、とりあえず都政だより(広報東京都)で明確に述べております。
【記者】毎日新聞の武本です。またちょっと国政絡みで恐縮ですけれども、時節柄。選挙戦、各紙の世論調査、情勢分析でですね、この衆院選、自民党が300議席を超えるんじゃないかというふうな形で情勢分析出ていました。知事、率直に、これをどうご覧になっているか、あるいは、その背景というか、理由というか、何かご見解あればお伺いしたいんですけれども。
【知事】これほど各紙揃って同じような結果が出るというのも、珍しいのかなと思いましたけれども、自公で300を超す、場合によっては自民党だけでも300超すというような数字が出てきております。ただ、そのことが、要するに勝ち馬に乗る、ないしは反発を買う。だから、もうこれは勝ち馬に乗ってしまおうというふうに世論がいくのか。いや、ちょっと待てよ、そこまで勝たせて良いのかなといって揺り戻しが来るのか。これはわかりません。しかし、今、世論調査の精度というのは極めて高くなっておりますので、各社とも力を注いでおやりになっているので、あの結果というのは非常に重いというか、いいかげんに各新聞社が操作したとか、そういうことではなくて、相当精度の高い結果だと思っています。
ただ、まだ中盤戦というか、まだ半分も終わっていません。ですから、あとまだこれから14日の投票日まで10日間、今日を含めてありますので、何が起こるかわからない。ちょっとした失言とか、それから国際情勢で何が起こるかわかりません。国内情勢で何が起こるかわからない。それによって大きく変わる。一例を挙げると、橋本総理の時に、税金の話をちょっと言って、完全に結果がひっくり返りましたね。こういうことがあり得るので、私は、選挙というのは蓋を開けてみないとわからないので、その結果どうかというのは、そこは非常に慎重に結果を待たないといけないと思っています。
ただ、状況的に言うと、如何せん、与党もそうかもしれないけれど、特に野党の方は全然準備ができていない時に戦をやれと言ったって、それは戦ができないなということが、こういう数字になっているのかなと思っております。選挙という戦いをやる時は、政権についている側が、余程の失政がない限りは有利にあることは当たり前です。失政続きで内閣支持率が2割、3割と落ちているというのは別ですよ。そうすると、もう政権交代みたいなことになってしまいますけれども。しかし、支持率が高めを維持していて、皆が許しがたいというような失政がないということで、ある意味、支持率が高くなっている訳ですから。そうすると、要するにそういうことも含めて、メディアへの露出というのは圧倒的に内閣総理大臣が一番多いですよ、野党の党首よりも。今は討論会をやっているから、同じように皆さんがテレビにも出ていますけれど、露出は政権を担っている方が多い訳ですから、それだけでも有利ですね。
そういうことを思い浮かべながら、戦は蓋を開けてみないとわからないということで、私が申し上げたいことは、各社、皆さん頑張って討論会を催されたり、いろいろ各党の公約について細かく良く分析なさっているので、国民がちゃんとそれを手元に皆持っているし、毎晩、テレビを観たりしているので、是非政策を良く吟味して、そして自分の考えではこの方が一番良い。政策的にこの党が良い。そういうことで、前回も申し上げましたけれど、是非投票に行っていただきたい。不在者、つまり期日前投票も始まっておりますので、是非行っていただきたいと思っています。一番懸念されるのは、準備がない。有権者も準備がない。先般のような世論調査が出た。では、投票に行くのをやめようか。こうなることが一番困る訳なので、主権者である国民の判断がこれからの日本の将来を左右するので、重ねて、是非皆さん、行っていただきたいと思っております。
【記者】フジテレビの相澤です。外国人旅行者へのですね、おもてなしについてお伺いしたいんですが、先般、地下鉄で無料Wi-Fiが始まったりして、外国人旅行者からの受けというのは非常に高かったものだと思うんですけれども、小さなホテルとか旅館でのですね、サービス力について、若干まだ不満が外国人旅行者からあるようで、先般、東京都ではおもてなしの研修などを行ってサービス力の向上について取り組んでいると思いますが、20年までにですね、具体的にこういった取り組みでサービス力を向上させていきたいと、そういったものがありましたら、教えていただいてもよろしいでしょうか。
【知事】これは1つ、多言語対応ということで、皆さんに言葉の勉強をしていただくということであります。それから、サービス力ということをおっしゃったのですが、サービスのどの中身を評価するかというのは、お客様次第であって、例えば根津とか谷中とか、ああいう所の修学旅行の子供たちが泊まるような日本式の旅館が非常に良いのだ、西洋のホテル式のサービスは嫌だという方もおられるわけです。だから、そこをあまりこうしろ、ああしろというより、我々行政の立場から言うと、できたら言葉のバリアをなくしてください。それから、例えばお出しする食事について、安全でないということは困りますから、これはしっかりやってもらう。それから、卵アレルギーとか蕎麦アレルギーとかもあるので、そのアレルギー体質をしっかり見ていただくとか。それから、豚肉食べられないとか、宗教的な食べ物もありますから、そういうことは国際的にしっかりやっていただく。
あとは、それぞれのホテルなりお店なりが自分の趣向を凝らしたサービスを提供するということで、あまり行政の方が介入するよりも、小さな旅館であれ、小さなお店であれ、自分たちで創意工夫して競ってもらって。今、ブログとかツイッターで、下町のこの店に行って食べたけれど、安くておいしいよというのはどんどん発信します。それを見て、私もバンコクから来たのだけれど、タイの仲間がそう言っているのなら、次に行ってみようということがあると思うので、むしろそういう自発的なおもてなしを進めて、我々は必要最小限の安全や何かについてしっかりやりたいと思っています。
もちろんWi-Fiについては、今後ともさらに充実させていって、だんだんだんだん良くしていく。私が就任の頃は、Wi-Fiが通じないという注文が多かったのですけれど、どんどんどんどん、その不満度が減ってきているので、これはありがたいことだと思っています。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)