ここから本文です。

舛添前知事「知事の部屋」

ごあいさつプロフィール施政方針記者会見活動の紹介知事と語ろう知事の海外出張交際費

記者会見

平成28年3月15日更新

舛添知事定例記者会見
平成28年3月15日(火曜)
14時00分~14時22分

知事冒頭発言

1 「高齢者等を支える地域づくり協定」の締結について

【知事】私の方から2点ばかりございます。
 まず最初は、高齢者が安心して生活できる地域づくりを推進するために、様々な分野にわたる16の団体や事業者と協定を締結いたしますので、お知らせをいたします。高齢化が進展しておりまして、高齢者とその家族が住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、地域の誰もが見守りへの意識を持つことが非常に重要であります。これまで都は、町会・自治会など地域住民による見守りを行う区市町村を支援しているほかに、事業者が業務をしながら街中のパトロールなどを実施する「ながら見守り」の取組も進めております。こうした支え合う地域づくりを一層推進していくため、この度、金融、タクシー、新聞販売、不動産、ライフライン、流通など高齢者と接する機会の多い16の事業者等と「高齢者等を支える地域づくり協定」を締結することにいたしました。
 どういうことをやるかというと、事業者には、高齢者の見守りをやってくださいと。それから、認知症の方々への支援、高齢者等の消費者被害の防止、そのほかの区市町村が実施する高齢者施策への協力など、可能な範囲で取り組んで、「いつもと違うな、このおじいちゃん、ちょっと今日何かおかしいな」というようなことを気づいた場合は、市区町村等に連絡していただくという取組をやりたいと思っています。先ほど掲げました16の事業者を合わせますと、店舗・事業所の数が約3万カ所になります。それから、タクシー、配達の車、こういうものが3万8000台に上ります。それから、新聞配達の方とか、電気のメーターを計る検針員の方などにも協力いただけるので、しょっちゅう地域で見守りしてくれるという大きな効果があると思っております。今後も、様々な事業者などに協定の締結を働きかけて、高齢者の見守りが社会全体で行われるように取り組んでいきたいと思っております。
 この協定は、再来週の3月30日(水曜日)に都庁で締結式を行いまして、私ももちろん出席をいたします。詳細は福祉保健局に聞いていただきたい。
 先般、セブン-イレブンなどと、青少年・治安対策本部の「ながら見守り事業に関する協定」というのをやりまして、こちらは犯罪に遭うのを阻止するために頑張ってやるということなので、こういう高齢者を支える取組というのはいろいろな角度からやっていいので、重複して悪いということはないと思いますし、それぞれ目的は違うので。例えばさきほどの16の事業者の中には、コンビニを含めて、両方に関わっている方々もおられる。それから例えば不動産関係の方々なんかは、例の危険ドラッグ作りをやっているアジトなどを摘発するのに非常に協力していただいていますので、そういうことで高齢者が安心できる、安心して生活できる東京にしたいと思っております。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 「2016東京国際ユースサッカー大会」の開催について

【知事】それから、2番目のテーマですけれども、これは「2016東京国際ユースサッカー大会」の開催のお知らせです。駒沢オリンピック公園総合運動場で5月1日(日曜日)から4日(水曜日)まで、ゴールデンウイークに行います。
 この大会は、東京都の姉妹友好都市などの、14歳以下のユースチームによる交流試合で、今回で8回目となります。海外から、世界トップレベルのサンパウロの「コリンチャンス」や、ブエノスアイレスの「ボカジュニアーズ」など、計9都市の代表チームを招聘いたします。国内からは、地元東京の3チームに、東日本大震災で被災しました岩手、宮城、福島、茨城の各県の選抜チーム計7チームが参加して海外勢に戦いを挑みます。大会期間中は、参加各都市の交流の場を設けておりまして、今回もサッカー用語を充実させた「多言語音声翻訳アプリ」を用意いたしますので、多くの仲間と交流を深めてほしいと思っています。
 また、大会アンバサダーの元サッカー日本代表の北澤豪さんによる親子サッカー教室も実施する。さらに、サッカー漫画の「DAYS」とのコラボとか、音楽ユニット「ウカスカジー」からの応援メッセージなど、大会を盛り上げる応援企画も用意してございます。
 是非会場に足を運んでいただきまして、次世代を担う選手たちのはつらつとしたプレーに声援を送っていただきたいと思います。
 この件の詳細は、オリンピック・パラリンピック事務局の方に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、毎日新聞の武本です。幹事から3点ほどお伺いします。
 1点目は、冒頭お話ありました、「高齢者等を支える地域づくり協定」の関係で、今ほど知事からも青少年・治安対策本部のながら見守りとの関連のお話がありましたけれども、改めて、そこの区別というか、違いというのが、少しまだ分かりにくいなと思ったので、どういったところが違うのか、と。

【知事】大まかに言えば、同じような方向だと言ってもいいのですけれども、要するに、例えばお年寄りがコンビニで買い物をしていると、誰かがついてきていて、どうもこれは、だまされているらしいなというようなときには、ながら見守り事業。どちらでやってもいいのですけれども、そういうことを主眼として、どうしても高齢者になると、特に認知症の方は判断力が鈍くなったりというようなことがあるので、そういうことをやっていくと。
 それから、「高齢者等を支える地域づくり協定」の方は、これも消費者被害の防止までも入るのですけれども、やはり街中を歩いていて、「少し気分が悪そうだな」とか、「この町に住んでいないのに隣町から来ているらしいな」とか、いろいろなことがある。それから、例えば新聞配達をしていて、何日も新聞がたまっているとか、電気の検針に来ていて、「どうもメーターが動いてないのではないか」とか「寒いので暖房ぐらいは入れているはずなのに」というようなことなので、それぐらいの区別で、例えばコンビニの方々は両方の協定に参加している。先ほど言ったようにみんないろいろな協定に参加してくれているので、自分がどちらの協定をやるためにやっているというような意識ではなくて、やはり地域全体でお年寄りを守りたいなという、そういうことで参加していただくので。有り体に言えば、都庁の担当が違うので、福祉保健局と青少年・治安対策本部というのがありますので、そういう意味で良いことはいろいろなところでやった方がいいという、そういう趣旨です。

【記者】2点目は、震災関連ですが、東日本大震災から5年が経過しました。それで、東京都で進めている帰宅困難者対策としての一時滞在施設の関係なのですけれども、民間施設については、今、365か所がありますけれども、そのうち7割超が公表を希望していないというのが東京都の集計で明らかになっています。その公表の仕方について、随分自治体によって温度差があるなと思っておりまして、希望をしていないところを一律に出せと言っているわけではもちろんないのですけれども、自治体によっては、いざ発生したときに混乱しないようにということで、やはり事前周知をしたりとか、あるいは民間企業からもやはり公表すべきではないかという意見があります。一方で、東京都としては、やはり事前に公表すると、そこの公表したところだけ殺到してしまうというので、一切公表していなくて、東京都の防災ホームページでも都立施設だけを掲示しているという実態がありますけれども、この公表の仕方について、今後、検討の余地はあるとお考えですか。それとも、現状でいいと。

【知事】非常に難しいのは、今、おっしゃったとおりなので、基本的には、各市町村を含めて地元に委ねているのですが、一つは、一部は公表してそれ以外は公表しないと、そこに集中するとともに、やはり何度も言っているのですけれども、建物のオーナーの責任を完全に免責という法律ができないと、やはりなかなか増えない状況なのです。本来は免責をやって、多く帰宅困難者が行ける、特に民間のビルなどに増えてもらいたいので、そのための条件整備をまずやらないといけないと思います。
 しかし、せっかく「受け入れていいよ」というのに、それが公表されていなければ施設がないのと同じなので、何かできないか、それは少し考えさせてください。今すぐということではないのですけれど、片一方は今言ったような免責条項を含めて、もっと条件を整えて、全体に受け入れ施設を増やすということが、おっしゃったように3割ぐらいしか整備されていないので、あと7割を増やすというのは相当努力をしないといけない。
 そのための条件整備をやることに全力を挙げる過程の中で、もう少し公表の仕方を何とかできないか、同時に少し考えさせていただきたいと思います。国に対しては働きかけもやっていきたいと思っています。

【記者】しつこくて申し訳ないのですけれど、例えば、先ほども申しましたとおり、例えば、渋谷区だと、民間施設も、公共施設ですら、都立も区立もみんなホームページを見れば分かるような形になっている。
 一方で、有り体に言いますと、東京都の防災ホームページを見ると。

【知事】ない。

【記者】都立だけをアップしていて、ほとんど、私も自分の近くの家の近くを見たけれど、都立だけ掲示していても、言ったら悪いですけれど、お役所仕事だなと思って見ていたのですけれど。

【知事】なるほど。

【記者】少なくとも都のホームページについては、都の条例でも、区市町村と連携する、民間事業者と連携するというふうに条例上書いてあるので、もう少し公表の仕方。

【知事】趣旨が分かりました。そういう方向でできれば、パソコン上のことですから、そんなに紙がたくさん増えるという感じではないので、データがそんなに負荷がかかるわけではないので、都でもそういうことができる方向で少し検討してみたいと思います。
 私が頭に入れていない問題があるかもしれませんけれども、悪いことではないので、少しそれを検討させてみます。

【記者】幹事からあと最後3点目です。少し都政から離れますけれども、ここのところ、プロ野球をめぐって、巨人の選手が公式戦で現金のやり取りをしていたというのが明るみになりました。私も今先ほどニュースで少し見ただけですけれども、阪神タイガースでも同様のことがあったように報じられていました。それで、野球がオリンピックの追加種目の候補として挙がっているときに、こういうあまり明るくないニュースが出て、オリンピック開催都市のトップとして、今回のこの問題についてどう受けとめていらっしゃるか、率直なところを、受けとめをお聞きしたいのですが。

【知事】高橋由伸監督ももう本当に申し訳ないという顔をして、昨日出ていましたけれども、これだけ野球の賭博の話が出てきて、不祥事が続いていて、トップ3人が辞めるというようなときにまたこういう話が出るというのは、非常に疑いを持たれてしまうので、少しやはり襟を正してもらいたいと思います。そうしないと、ほかのチームもそうなのですけれど、やはりジャイアンツというのはそれだけのプレステージ(名声)と重みがありますので。東京ドームを本拠地としていますので、是非、ここは一気にそういうことも含めて襟を正してもらいたいというのが今の私の感想です。

【記者】日本経済新聞の舘野です。先ほどの幹事社の質問と関係するのですけれども、帰宅困難者対策の一時滞在施設で、先ほど知事がおっしゃった免責条項のところで、千代田区などは、二次災害が起こった場合に千代田区側が責任を負うという形の紳士協定のようなものを結んで、受け入れ施設を増やそうとしていると聞いています。そういう取組を都として、ほかの区市町村についても後押しするとか、あるいは都が直接とか、そういうことは考えられるのかという。

【知事】いろいろな手があり得ると思うのです。場所によっては、「万が一余震などで何かあっても、ビルの所有者の責任ではありません、それでよければ入ってください」と紙を張るというのもあったけれど、一々そのようなものを見て入りませんから。
 ただ、本当にそういう問題が起こったときに、財政的な負担を含めて、結局、それを都がやれば、都民の税金でやることになります。コンセンサスができれば、それで全く問題ないので、こういう災害のときには公の施設で足りないのを民間が補助してくれるならば、それぐらいのことはしっかり説明すれば、都民も納得してもらえると思います。しかし、これは都だけの話ではないので、是非、何度も働きかけていますけれども、国の方でしっかりとやってほしいと思っております。
 我々は今、何ができるかというのは常に検討しておりますけれども、できれば、何度も国に言っているということなので、内閣府との協議を相当に進めているので、協定を結ぶ形にして、どういうふうにそこから先、免責ができるかということを今、一生懸命やっているので、やはりそれなりに問題はあるのです。問題があるので、少し時間がかかっていますけれど、今後更に加速化させて、できるだけ早く良い解決方向を見出したいと思っています。

【記者】週刊金曜日の取材をしております、フリーの記者の永尾です。知事の人権認識について2点伺いたいと思います。知事は昨年10月のヒューマンライツ・フェスタという人権を考えるシンポジウムに出席されまして、人権尊重都市東京とか、価値観の多元性の大切さということを説かれたのですけれども、この記者会見の席でも同じ趣旨のことを何回か言われていると思います。それを踏まえて伺うのですけれども、まず1点目なのですが、都立の4校の定時制を廃止するという問題なのですが、昨日、都立の小山台高校定時制を廃止しないでくださいという卒業生たちが、この都庁で記者会見をしまして、それで、小山台の定時制というのは文部科学省やこの東京都の人権推進教育の指定校だったのだと。それで、非常にユニークな、ヘイトスピーチを考えたり、いじめを考えるような多彩な授業が行われていまして、それで、地域の人たちとか、あるいは大学の支援を受けまして、非常にユニークな教育をしていると。
 いわば、都の無形文化財といいますか、あるいは都民の財産のような、そういう重さがある、かけがえのない学校だということだと思うのです。それから、あと、立川高校でありますとか、小山台もそうですが、交通が便利で、夜間の定時制の生徒は夜が遅くなるというのは非常に交通の便で問題があった。そこにしか通えないと訴えていまして、それで、やはり、現役の生徒とか卒業生とか、あるいは教師などから話を聞いて、実態を調査するというおつもりがないかどうかということが一つ。
 それからあともう一つ、長くなって恐縮なのですけれど。都立学校の卒業式、入学式の問題なのですが、不起立などの職務命令に違反した教職員に、再発防止研修というものが行われていまして、これは何で不起立だったのかということを反省させるような研修でございまして、2015年度の場合は6回も行われているのです。これはいじめのような、人権を侵害するものではないかと思うのですけれども。それで、このことについて2004年には東京地裁が、繰り返し何回も自分の非を認めさせるような研修を受けさせるのは違憲の可能性があるという決定を出しておりまして、やはりこういう再発防止研修も、人権という観点から実態を調査していただいて、例えば、処分された先生に話を聞くというような、そういうお考えはないかという、以上2点をお願いします。

【知事】定時制高校の問題は、前からいろいろな意見も聞いておりますし、議会での議論でもお答えをしておりますけれど、我々が全体的に考えて、4校を廃止すると。しかし、そのことによって不利益をこうむることのないようにという様々な観点から手当てをしていますので、一応、その方針で行きたいと思っています。
 これも詳細、教育庁に確認してもらいたいと思います。それから。

【記者】受け皿を作ればいいというような、そういう問題ではないということなのです。

【知事】ただ、一つひとつ、個々の学校について言うと、全体を見て判断をしないといけないので、それぞれの思い入れがあったりとか、いろいろあることはよく分かりますけれど、これは全体の東京都の定時制高校の教育体制をどうするかという大きな判断だと思ってください。
 それからもう一つの国旗・国歌の問題なのですけれども、これもいつもお話ししていますように、日本国憲法のもとにおいてきちんと制定された国旗・国歌の法律があります。したがって、それは法律違反をしていいということにはならないと思います。そこから先、どういう形でそれをやるかというのは、教育庁を含めての大きな方針だと思いますので、そこは、私は教育庁の方針でしっかりやってもらって、やはり教育の場にいる者が法律を平気で違反するというのはどうなのかと思うので。

【記者】そこをいつもおっしゃるのですが、国旗・国歌法というのは、起立しなければいけないとか、歌わなければいけないということは一切決めていないのです。単に日の丸を国旗にします、君が代を国歌にします、ということしか決まっていなくて、要するに法的な根拠はないのです、強制するという。それで伺いたいのは、何回も何回も同じようなことを繰り返して、反省させるというあり方が、教育の場にふさわしくない、教師へのいじめではないかということなのです。

【知事】そこを何回やっているのかというのは私はつまびらかに知りませんので、それは事実を少しまず調べてみたいと思います。

【記者】東京新聞の松村です。都内の私立高校であった説明会で、区立中学の先生が飲食等のもてなしを受けていたという問題ですが、それこそ今の話ではないですけれども、多分ベテランの先生がやっているであろう進路担当の先生が何年も前からそういうことをやっていて、今回初めて分かったというのはすごく不思議でならないのですけれども、知事はどういうふうに受けとめておられますか。

【知事】こういうことをやってはいけません。だから、今、教育委員会にきちんと事実関係を確認しろということを指示しているところです。今、確認をさせていますけれども、伝え聞くところによると、図書カードをもらったりとか、懇親会で飲ませてもらったりとかいうようなことはあったと。まだ報道ですけれども。そういうことはやるべきではないと思います。
 それから、受ける方も受ける方だけれど、やる方もやる方なので、私立学校全体に対して、こういう公立学校の教員に対して社会通念上誤解を招くようなことは、接待のようなことはやるなということを注意をして、そういう通知を全ての東京都の私立学校へも申し上げているところでありますので、こういう点もしっかりと襟を正さないといけないと思っております。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


ページの先頭へ戻る