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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成28年4月1日更新

舛添知事定例記者会見
平成28年4月1日(金曜)
14時00分~14時40分

知事冒頭発言

1 新宿駅における案内サインなどの改善策のとりまとめについて

【知事】新しい年度になりましたので、よろしくお願いいたします。私の方から3点です。
 1番目ですが、このたび、新宿駅におきまして、利用者の視点に立った案内サインなどの改善策がとりまとめられましたので、お知らせをいたします。ご承知のように、新宿駅は、多くの鉄道やバスが行き来し、1日に約358万人もの方が利用する大きなターミナルであります。おそらく世界一だと思います。案内サインが事業者ごとに異なるなど、利用者にとって非常に分かりにくい状況になっております。そこで、この最も複雑な新宿駅を、誰もが使いやすくするために、昨年6月に皆さんご承知のように鉄道事業者などと「新宿ターミナル協議会」を立ち上げて、議論を重ねてまいりました。私も、協議会に出席し意見を述べるとともに、遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣、それから、吉住新宿区長とともに、駅を一緒に歩きまして、現地で、どういうところに問題があるかというようなことを見てまいりました。そういう取組を続けながら協議会の進展を見守ってきました。
 まず、案内サインについて、事業者によって全部違っていたのを、ターミナル全体で統一する。バラバラだったのです。京王線、何線とばらばらだったものを同じ形にするということで、分かりやすくなると思います。それから2番目ですけれども、乗り換えの経路のバリアフリーにつきましては、エレベーターや点字ブロックの整備、それから、迂回ルートの案内ということを着実にやる。2か所見たときにバリアフリー化がされていなかったところをやるとともに、どういうルートで行けばスロープへ行けますよ、というようなことをやる。それから点字ブロックです。それから3番目なのですけれども、新宿駅の構内の案内図というのは、事業者によって全部ばらばらだったのですけれども、共通のマップを作成します。それから、案内所ももっと拡充して、多言語の対応もするというようなことをやります。これらの具体策を、今年度から新宿駅で実施しまして、2020年東京大会の開催に向けて、ほかのターミナル駅でも同様の取組をやっていきたいと思っております。詳細につきましては、都市整備局の方に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 「区市町村・事業者のための『心のバリアフリー』及び『情報バリアフリー』ガイドライン」について

【知事】それから、第2点目ですけれども、同じようなバリアフリーですけれども、福祉のまちづくりの今度はソフト面の取組、先ほどはハードだった、これを一層推進するため、この度、「区市町村・事業者のための『心のバリアフリー』及び『情報バリアフリー』ガイドライン」を作成したのでお知らせいたします。都は、高齢者や障害者を含め、だれもが安心して、快適に暮らし、訪ねることができるような、ハード・ソフト両面からのユニバーサルデザインの視点に立った取組を進めております。しかし、整備基準が明確なハード面、先ほど言ったように、エレベーターをつけるとか、点字ブロックを置くというのはすぐに分かるのですけれども、ソフト面はどうするのだろうという点はなかなか皆さんに知られていないということで、「心のバリアフリー」「情報バリアフリー」ということで、冊子を作りました。
 これらのガイドラインでは、ユニバーサルデザイン教育や事業者における研修、地域のバリアフリーマップなどの取組が進むように、具体的な方法とか留意点、効果的な事例を多数紹介しておりまして、いわば実践的な中身になっております。いずれにしましても、「障害者などの当事者が参加し、意見を聞く機会を設け、一緒に進める」ということが非常に重要であると考えております。今後、区市町村や事業者の皆様には、是非参考にして、様々な取組を進めていただきたいと思っております。詳細は、福祉保健局に聞いていただきたいと思いますけれども、1万部作成いたしまして、区市町村のほか、民間事業者にも広く配布をしたいと思っております。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 ボランティアのウェブサイト開設について

【知事】それから、3番目がボランティアの話であります。2020年大会に向けまして、ボランティアの参加気運を醸成して、裾野拡大を図るためのウェブサイト「東京ボランティアナビ」を開設いたしましたのでお知らせいたします。このサイトでは、2020年大会のボランティアを、三つのカテゴリー、つまり「知る」「参加する」「すすめる」、このカテゴリーに分けて活動内容、行政や様々な民間団体の取組を広く紹介しております。
 まず、「知る」では、ロンドン大会の活動事例とか、2020年大会の都市ボランティアや大会ボランティアの活用内容などを紹介する。
 それから、「参加する」は、「おもてなし東京」や、「外国人おもてなし語学ボランティア」の活動や、募集に関する情報が載っています。
 それから、「すすめる」では、例えば、首都大のボランティアセンターの取組などを紹介してあります。今後このサイトを通じて、ボランティアを自分もやりたいなという方は、ここへアクセスしてもらえば募集状況などが分かりやすく情報提供していきたいと思っております。詳細につきましては、オリンピック・パラリンピック準備局にお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、日刊工業新聞の大塚です。質問は2問あります。1問目は、新宿駅、ターミナル駅の全体でサインを統一というこの話なのですけどれも、基本的には民間が取組を進めるというものだとは思うのですけれども、都としての支援というのはどのようなものがあるのか、補助制度などがあれば教えていただきたいと思います。お願いします。

【知事】もちろん民間が中心なのですけれども、これはやはり誰かが取りまとめてこういう調整をしないといけないということで、全体、どういうふうにそれぞれの費用負担をするかと、例えば、みんながばらばらの看板だったのを、表示を一つにまとめるのですけれど、今年度、都としても新たな補助制度を作りまして、今申し上げたような表示サインなどを書き換えるときの事業者の負担軽減を図って改善をしていきたいと思っております。
 ものによりけりですけれども、国も費用を補助してくれる場合があるので、例えば、事業者、国、都で3分の1ずつという分け方もありますし、都が費用の3分の1を補助する場合は事業者の負担は3分の2ということで。そういうことでインセンティブを与えていこうと思っております。

【記者】もう1問ありまして、2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けたボランティアのお話なのですけれども、裾野拡大のための気運醸成のためにホームページを作ったということなのですけれども、もっと、どうすればボランティアをしたいなと思うような人たちが集まると思われるでしょうか。知事としては、どうしたらそのボランティア活動に参加してもらえるかなと思っているのか、そのあたりを教えてください。

【知事】例えば、首都大学ボランティアセンターでこういうことをやっていますよという事例があるわけです。こういうものを紹介していくとともに、実際に、先般、いろいろな評判があったのですけれど、ユニフォームを作って、目立つようなユニフォームということで。実際に活動なさっているので、こういう方々の活動体験を語るような機会をやってみたり、もう少し広く、まずは紹介しようと思っております。
 それで、やはり首都大学東京を出したのは、ソチの場合もそうなのですけれども、学生さんたちというのは比較的時間が、特に夏休みなどは自由になるので、相当頑張ってやってくれて、学生さんたちが支えているという面もありますので、特にそういうところから始めていく。しかし、社会人も、学生さんではない人たちも含めて、それから特に高齢者。高齢者の方々はまだ元気ですから、お年を召されていても、こういう方にもう少し頑張ってもらいたいと思います。それは町内会などを通じて。それから「知事と語ろう」という対話集会があります。これで一度そういうこともやりました。ですから、いろいろな機会を通じて、実際に参加しやすいような機会を設けていく。
 それから、やはりボランティアを根づかせるというのは子供の頃からの教育が必要なので、それは教育委員会とも連携をとって、学校教育の中でもやりたい。ちょうど「東京防災」の教材を学年ごとに作って、学校でもきちんと学んでもらった。むしろ子供たちが学んだことを、おうちに帰って、「お父さん、これ、知らないの」「おじいちゃん、おばあちゃん、これ、知ってたほうがいいよ」というようなことになるので、同じような形の取組もさらに進めていきたいと思っています。

【記者】朝日新聞の松澤です。2点あります。まず1点目が、ザハ・ハディド氏がお亡くなりになりました。これについての知事としての受けとめをお願いします。

【知事】本当に急な訃報だったので大変びっくりしましたし、お悔やみを申し上げたいと。世界的なすばらしい建築家であって、これまでも斬新なアイデアを出されてきたので、そういう意味では、大きな人材を失ったな、と残念に思っております。
 新国立競技場については、いろいろな経緯はありましたけれど、そういうこととは別に、これだけすばらしい建築家がお亡くなりになったというのは、心からお悔やみを申し上げたいと思っています。

【記者】もう1点、少し話題は変わりますが、案内サインの統一ですけれども、新宿駅は徐々に進んでいますけれども、例えば東京駅であるとか、今日、知事も行かれましたけど、池袋であるとか、やはりなかなか分かりづらいところがまだ都内にたくさん残っていると思うのです。その横への広がりというのは、どういうふうに捉えていらっしゃいますか。

【知事】今日、入都式を池袋でやりましたけれども、池袋も渋谷も、地元区などを中心に既に取組が始まっていると聞いております。
 我々はこのターミナルの協議会を新宿で作って、ずっと議論をしてきました。どういう問題点があるからどうだというようなことを。それを情報提供して、二度手間をかけないようにしていただくと。
 それで、それと先ほど大塚さんからご質問があったような財政支援をやりますから、できれば、主要なターミナル駅は少なくとも全部そういうふうにするべきだと思っています。特にそのときに多言語化をやらないと、我々日本人だと気づかないのですけれども、乗り換えをしようとしたときに、乗り換えのところの案内だけが日本語で、駅は「SHINJUKU」とローマ字で書いて、これはいいのですけれども、「さてと動こう」と思ったら非常に難しいので、是非、他にもこれは進めて拡大していきたいと思っています。

【記者】ありがとうございます。

【記者】文化放送の高橋民夫です。ザハさんの訃報に対する感想は、今の質問で分かりました。ただ、これから交渉事などもJSCを中心にして進められると思うのですが、それに関して、東京都としての関わりというものと、それから、その交渉の進め方について、何かお考えがあればお聞かせいただきたいのですが。

【知事】交渉というのは、ザハさんとの間の補償交渉の。

【記者】そうです、はい。

【知事】これは私どもが当事者ではないので、ザハさんがお亡くなりになった後、ザハさんの事務所がどういう形で対応されるかというのは一つあると思いますけれど、基本的にはJSCが担当するので、この点は当事者にしっかりやっていただくということしかありません、今の段階で。

【記者】誠実に対応してもらいたいと。

【知事】はい。

【記者】はい、分かりました。

【記者】東京MXテレビの三嶌です。新年度になって、新銀行東京も経営統合して、今日、式典が行われているのですが、様々な課題もある中で、地域ナンバーワンの都市型地銀グループになることを目指すという目的を掲げているのですが、今回の統合に対する受けとめと期待についてお聞かせ願えないでしょうか。

【知事】様々な経緯がありましたけれど、こういう新しい金融機関という形でスタートできるというのは大変良いことだと思っております。
 それで、我々東京の企業のほとんどが中小企業でありますので、やはり中小企業の支援ということをしっかりやらないといけないと思います。今回、新銀行東京とTYフィナンシャルグループが統合したということが、さらなる中小企業支援の強化につながるということを期待したいと思っております。我々はこういう金融的なツールも使って、産業振興という努力をしていきたいと思っております。

【記者】日本経済新聞の岩村です。昨日の3者会談についてのお伺いです。フルオープンにしていただいたので、改めてということになると思うのですけれども、まず、知事は、昨日、実務者のチームを設けるとおっしゃいましたけれども、その検討のスケジュール観をまずお伺いしたいのと、知事の考える検討の範囲、昨日、森会長は仮設と恒設のことを主におっしゃいましたけれども、セキュリティの話、道路の話、いろいろあろうかと思います。現時点で、知事の考える役割分担の検討のその範囲、分野、どのようにお考えですか。

【知事】ワーキングチームを作るということが三者で決まりましたので、まだ、もちろん、昨日の今日ですからできていませんので、これから早急に実務者のチームを作っていきたいと思っております。
 それでスケジュール観とその検討の範囲なのですけれども、森会長は恒設か仮設かという、競技場の建設の話を主としておやりになっていますけれども、私はもっと広く、全体的なことを申し上げたくて、それで、昨日もいくつか申し上げましたけれども、例えば専用レーンというのを作る。これはソチのときも見ましたけれども、オリンピック専用レーンはがらがらに空いて、スースーと行けるわけなので、こういうものはやはりあった方がいいという結論になった場合に、誰がどういう形で費用も含めて関与するのかということがあると思います。そうすると、これはやはり三者が関与しないといけない。
 単純に、区道は区、都道は都、それから国道は国というわけにはやはりいかないでしょうから、例えばそういう問題を議論しないといけません。それから、例えばセキュリティの分野にしても、国全体ももちろん、当然セキュリティをやらないといけませんけれども、では、東京都がどこまで見るのですかと。競技場施設内はどうなのですかと。
 ボランティアも同じです。競技場内のボランティアと観光おもてなしのボランティアはもちろん東京都が見ますと。こういうことを積み上げていく。そうすると、これは矛盾したことを言っているのではなくて、なかなかその予算全体がどうかかるのかというのは非常に難しくて、例えば、先ほど駅のバリアフリーはいろいろなことをやります。これは2020年大会がなくてもやらないといけないわけです。
 そうすると、やはりこれは東京都の基本的な、ユニバーサルデザインに基づくすばらしいまちづくりをしようという全体の予算、例えば建設局とか都市整備局の予算でやるのは当然なわけです。けれども、ある競技施設の中のバリアフリーはどうするのですかということになったときに、どんな競技場を作ろうと、東京都にあって、東京都民がずっと利用していくなら、大会のときだけバリアフリーのあつらえをして、大会が終わったらそれを撤去するようなとんでもないことはいたしませんから。そうすると、これも実を言うと、2020年大会のためだけではなくて、その後の様々な競技、イベントに使うこともある。そのときだって使うわけですから、では何対何でやるのでしょうかというような話を、やはりやっていかないといけないのです。
 そのときに、今、申し上げましたけれども、総体の費用を大きく見積もろうとすればいくらでも大きくなるわけです。これも実を言うと、2020年大会で関係しているからこう広がったと。しかし、小さく見積もろうと思えば、それは大会がなくても、まちづくりのためやっているのではないかということになるから、あまり私は、そこで数字の細かいことをやるよりも、我々にとっては東京を世界一にすると、2020年大会を成功に導くというところが重要なので、そこをしっかりとやるために、まずは遠藤さんも情報共有ということを言ったように、どういう問題があるのかと、どういう点について詰めないといけないのか。今、2、3、私が実例を挙げました。
 例えば、さきほど言った、競技場内の中のアクセシビリティーというかバリアフリーについてはどうするのでしょうかと。一つの考え方は、競技ですから、競技の予算でやりましょうということになるかもしれない。しかし、それがずっと残る施設であるならば、新しいスタジアム、新しい競技場を作るわけですから、それはやはり都の全体の予算でやりましょうということにもなる。これは、きちんと都民、国民に説明できる形で、そういうプランができればいいと思っていますので、そういう意味で、昨日申し上げましたけれども、リオ大会で追加種目が決まります。それで、クライミングをすると。それを例えば、都心に作るのだったら、どこにどれだけ予算がかかって、誰が出すのだと、またそこに追加。場合によっては、我々が工事したものでも、IOCは、それはもう追加しますとは言えないということもあるかもしれない。
 こういうこともあるのと、せっかくリオに行くわけですから、リオはどういう役割分担をしましたかというような教訓も聞くことができると思います。したがって、そういう意味で、リオの大会が終わって、さあ、次は東京だという頃には、今のような判断をする情報が、大体、夏から秋にかけて揃いますから、それまで、もちろん積み重ねていって、できることをやって、それでリオ大会終わって、さあ、東京ですねというときには、IOCに対して、こういう形でやりたいと思いますという、変更もあるかもしれないけど、大枠が出ればというのが、今の私の感じです。

【記者】では、例えば、国の概算の8月ぐらいまでという意味では全くなく、むしろ、秋口にかけてという。

【知事】予算編成との絡みについて言うと、概算が8月に出ますから、ある程度のことは分かった方がいいと思いますけれど、ただ、いくらでも年末まで調整はできます、概算が出ても。最終的には、それこそ3月末まで予算委員会、衆参両院であるわけですし、我々も予算特別委員会があるので。だから、非常にそこはフレキシブルに考えていいし、それからもちろん、単年度で片づく話ではありません。あと4年ありますから。例えば、8億円かかるなら、2億ずつ年について分けていくかというようなこともあるし。だから、常に変動する要因が入ってくるので、そこのフレキシビリティですけれど、大きな方向づけを決めるのは、やはりそろそろやった方がいいなという感じです。

【記者】フジテレビの町野です。朝霞市で起きた中学生の連れ去り事件で、容疑者が先日逮捕されましたが、4月になり、新学期も始まるということで、改めて子供の防犯、安全のために都として、あと、また知事として何を、どういったことを考えられているのかお聞かせください。

【知事】皆さん方もそうですけれども、非常にショッキングな事件で、子供を持つ親の立場から見ると、とんでもないというか、けしからんというか、そういう気持ちでこの事件をフォローしているのですけれども、ああいうことは二度と起こってはならないと思います。今は身柄も朝霞の方に移して、警察を含めてきちんと検証を今やってくれるので、全体が分かると思いますけれども、しかしやはり、子供の安全対策は徹底的に東京都としても強化をしたいと思っています。特に登下校時、複数いればいいのですけれど、1人で帰るときに狙われてしまうと。そういうことで、子供を守るボランティア、先ほど少しボランティアの話が出ましたけれど、こういうボランティアはあってもいいと思いますので、ボランティアの育成。いつかもお話ししたことはあると思いますけれども、高齢者の方々で、体力もあり、時間も余っていて、仕事もないという方が、地域の、自分のお孫さんたちの見守り隊を作って、登下校時にいてくださって、非常に良い成果を上げている例がたくさんあります。そういうことをやってもらう。
 それから、今、皆さんお気づきだと思いますけれども、「子ども110番の家」というステッカーが貼ってある家があると思います。それから、理容室とかいろいろなお店にも貼ってあると思います。だから、何かのときにそこに逃げ込んでいけるという、「子ども110番の家」というのがありますので、これに逃げ込む訓練というのは、教育委員会を通じて、各学校にやってもらいたいなと思っております。
 それから、やはり防犯カメラというのは、ものすごい抑止力、それから、そういうことがあってはいけないですけれど、万が一事件が起こったときの犯罪捜査に役立つということで、通学路の防犯カメラの整備に対してお金かかりますから、これは都としても補助を、今もやっておりますけど、進めていきたいと思っています。それから、ここのところ、いろいろな協定を各事業者とやっていますけれども、地域で、周りの目がしっかりしていることが一番良いので、地域を巡回する郵便局、新聞配達、ガス、水道、電気の検針の方、それから不動産屋さん、それからコンビニの方々、こういう方々に、昨年度から、「ながら見守り連携事業」ということをやって、彼らに頑張っていただいているので、地域における見守りの目を増やしております。
 今後とも、警視庁、それから現場の区市町村とも連携強化して、さらに、この子供の安全対策を強化していきたいと思っております

【記者】サンデー毎日の金澤です。3月21日に閉幕した、東京アニメアワードフェスティバルの件をお尋ねします。この映画祭に東京都は共催しており、5000万円を出資しています。運営する団体のトラブルの影響で、応募作品の多くが審査されませんでした。審査されなかった作品があったことについてどう思われますか。そして、その未審査の作品というのはどうするのでしょうか。運営側に対する都の監督指導は適切なものだったと思われますか。そして最後に、今回の5000万円というのは正しかったのか、そして、来年の映画祭にも同額程度、予算計上されていますが、どのようにお考えになられているでしょうか。

【知事】アニメというのは、非常に今の日本の現代文化で、世界中に通用するというか、世界中が憧れているものでありまして、こういうものをどんどん広めていくというのは大変すばらしいと思いますが、今、ご指摘のように、審査されないままの状況があったということで、357作品が審査されていなかったと。きちんとやるようにということは都からも、事業者、主催者に対して申し上げてきていますけれど、こういうことであったというのは非常に残念だと思いますけれども、審査できなかった作品については、来年度きちんと審査の機会を設けるようにということで、働きかけをやっております。
 先ほど申し上げましたように、補助金も出しているのにこういう状況になったというのは極めて遺憾だと思っております。しかし、先ほど申し上げましたように、先般、パリに行ったときも、国芳展をプティ・パレというところで見ましたけれど、みんなアニメにつながっている、漫画につながっているということで、非常に、文化の面で東京の魅力に直結しておりますので、観光振興にも役立っているということで、こういう試みは、是非続けていきたいと思っております。
 それから、この状況について、いろいろな報道もなされていますけれども、もう少し事実関係もしっかりと確認するように申し上げております。この件につきましては、担当の方に、しっかりと細かい状況も含めてお尋ねいただければと思います。

【記者】NHKの田中です。改めて、オリンピックの役割分担の見直しについてなのですけれども、都の負担が増えれば、それだけ都税の支出が増えるということになるのですが、そういう点も踏まえて、今後、どういう点に留意して協議を進めていきたいとお考えでしょうか。

【知事】最終的には、一つは、いろいろな状況の変化があった。テロの勃発とかということも含めて、それから資材の高騰とか、いろいろありました。そういうことも踏まえての変化に対してなのですけれども。ただ、昨日申し上げましたけども、絶対に成功させると。そして、すばらしいレガシーを残すと。必ず終わった後に、これをやってよかったな、と。だから、50年前思い出したときに、皆さんはまだ生まれていないと思いますけれども、ほとんどの方は。私の体験から言ってもやっとこれで、戦争に負けて貧しかった日本から脱出できるという、脱却できると。一気に世の中が明るくなって豊かになった。
 それで、隔世の感があるのですけれど、北海道新幹線が走り始めました。けれども、私は福岡でしたから、もっと前から新幹線の恩恵に浴してきたわけなので、そうすると、やはり新幹線ができて良かったな、と。それから今、首都高速自体がいろいろなマイナス、日本橋の上の景観を乱したりだとかもありますけれど、やはりモータライゼージョンで急激な経済成長のためには、こういうこともプラスの面がたくさんありました。そうすると、2020年から50年後の2070年に振り返ったときに、よくあれをやってくれたなと、こんなすばらしい東京になったと言えるのが実は最終の目標であるのです。
 例えば、2020年はよく私は経済再生、日本再生のベストチャンスだけれど、ラストチャンスだという言い方をするのは、これはやはり最大限に活用すべきであると。つまり、普通だったらなかなかこうやらないなというのも、よし、2020年を成功させるためにやっていこうというようなことがあれば、レガシーとして残る。そうすると、最終的には、目の前の課題もちゃんと解決しますけれども、50年後とは言わないけれども、オリンピック・パラリンピックが終わって、すばらしい東京になったね、と。障害者が全く困らない、健常者と同じように自由に外へ出られるようになった、と。これだけでもものすごい富になります。そういう長期的な視点から見たいなと思っています。今日の10億円を節約することによって、将来の1000億円を失うというような愚もまた避けないといけない。しかし、都民の税金ですから、きっちりと無駄は避けないといけないので、その視点をしっかり生かしながら議論をしていきたいと思っています。
 一つは、例えば、よく私が外国の要人が来るときにいつも自慢するのは、「渋滞のないまちでしょう、ほら見てごらんなさい」と言って、中央環状線ができました。例えば建設費はかかっているのですけれども、あれによって渋滞がなくなったときのプラスの効果、それから国際コンテナがあそこを走りますから、環七、環八が混まなくなった効果。それから、排気ガスが出なくなりますから、これの効果。そういうことを考えると、私は例えば中央環状線というのは、十分ペイすると。すぐには取り戻せなくてもできます。それで、今日からいろいろな物価が上がったり、賃金体系が変わりますけれど、高速道路の通行料が、周辺を回ると前より安くなりました。これも三環状道路によって、都心の渋滞をなくすということなので。
 だから、そういう観点から見て、そして、特にスポーツについて言うと、やはりなかなか東京では、お金を出せばできるのだけれど、気軽にスポーツができる状況ではまだないと思うので、日常生活の中にスポーツが当たり前のように組み込まれていくためには、大したお金を払わないで行けるということにならないといけない。そういうことによって、都民が心身ともに生き生きしてくれば、今、医療費が年間40兆円ですから、高齢者の医療費だけでその3分の1になるので、仮に40兆円の1割の4兆円が、健康づくり、スポーツによって節約できるとすると、それだけでも大きな効果です。だから、そういう大きな視点から物事を見ていきたいなと思っております。
 私はだから、オリンピック・パラリンピック2020年大会の後を見ているので、その後にすばらしい東京にする、絶対世界一にしてやるぞと思ってやっていますので、思い切った先行投資だと。だから、そこは、きちんと説明できるように、かくかくしかじかの効果があって、こうだと、そこは私自身が責任を持って、皆様方を通じてですけれど、都民にきちんとご説明をして、納得していただけると確信しております。
 もちろんその過程において、不合理な要求であったり、とてもではないけれど、説明できないような支出のあり方というのは、これは避けないといけないし、都議会の皆さん方もきちんとそれは精査して、批判的に見ていただくし、また皆さん方の役割も、おかしいところはおかしいってはっきりおっしゃっていただいて、我々やっている者が見えていないものを国民代表として横から見ていただいて、おっしゃっていただければと思います。
 ロンドンに行っていろいろお話ししましたけども、ロンドン市長を含めて、皆さんがおっしゃるのは、同じことだよ、と。もう僕たちも大変で、ロンドン市と国と組織委員会的なものと毎日のように意見が合わないでがたがたしていたのだ、と。しかし、最後は絶対成功させるということで、みんなの気持ちが一つになってここまで成功させたのみならず、その後のロンドンの飛躍ぶりというのは、こちらも一生懸命走っているのだけれど、向こうもものすごいスピードで走って、なかなか追いつけないのです。だから、是非そういうふうにやりたいと思っていますので、今のような広い視点から議論を進めていく。
 ですから、森会長はどうしても競技施設云々という話しかなさらないけれど、私はもっといろいろな面を総合的に考えて、東京のためになることに先行投資をしようという観点からやりたいと思っていますので、また逐一これを説明できる状況にしたいし、先ほどのスケジュール観についてもこのワーキングチームがある程度こういう方向だと出れば、トップ3人に上がってきますから、その段階でまたきちんと中間の報告をしたいと思っています。

【記者】香港フェニックスの趙です。4月12日から訪米される予定なのですけれども、もし、出張経費の予算であったり、その後、公表されるかどうかというところについて、ちょっとお伺いできれば。

【知事】今、まだ準備中ですので、わかりません。公表するということはもう既に言っております。

【記者】改めてになるのですけれども、このロンドン、パリの出張に対する批判が全く完全に消えたわけではないですけれども、それに対しての受けとめについていかがでしょう。

【知事】これは条例に基づいて、知事はこういうふうにして行きなさいということでやっているだけでありまして、それからもちろん無駄は排さないといけない。しかし、結果でもって判断しないといけないので、聞きますけれど、香港のトップが二流のビジネスホテルに泊まりますか。恥ずかしいでしょう、そういうことであれば。ですから、少しやはり冷静に考えていただいて、無駄なものはもちろん排します。しかし、必要なことは必要なのです。例えば記者会見をやって、皆さん方にきちんと成果をお知らせしないといけない。私は外国語できるからといって、外国語だけしゃべって、済むのですか。ちゃんと日本語に通訳する必要あるでしょう、例えば。中国に行ったときだって、中国のプレスの人に中国語に訳さなければ分かりませんから、そういうことはきちんとやっているわけです。
 ですから、そういうことも総合的にお考えいただいて、さらなる公表をするということをやっています。しかし何よりもオリンピック・パラリンピックを2020年に開く開催都市ですから、世界中の人たちと仲良くしないといけない。先般も香港の代表が来られました、経済団体の。だから、極めて忙しいスケジュールの中でちゃんとお迎えをしました。そして、香港の皆様方にも是非2020年大会に選手を送っていただく、そして、観客としても来ていただいて、どうぞ、よろしくお願いしますと、こういうことをやっているわけです。香港や中国が日本はけしからんからボイコットして出ないというようなことはあってはいけません。

【記者】そういうことを申し上げたつもりは。

【知事】いやいや、だから、そういうことを申し上げたのではないではなくて、そういうこともしっかり念頭に置いて、きちんとご質問くださいということを申し上げているので。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


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