庁議

令和4年（2022年）1月28日（金曜日）、東京都庁において庁議が開催され、小池知事は職員に対する訓示を行いました。

（小池知事）

本日、令和4年度の「予算」及び「組織定数」の案がまとまりました。担当の財務局、総務局を中心に、取りまとめに尽力された各局の皆さん、本当に大変、ご苦労様でございました。この機に、私から一言、申し上げたいと思います。
東京2020大会を成し遂げ、「次なるステージ」を迎えた都政が今、果たすべき使命は何か。いかなる事態にも揺らぐことのない、安全・安心な東京。「街」や「心」の段差が取り払われ、誰もがいきいきと輝く東京。大会のレガシーを礎に世界をリードする、持続可能な東京。このような、目指すべき都市の実現に向けた取組を、果敢に「前へ」と進めることであります。そうした想いを込めまして、今回の予算は、「都政に課された使命を確実に果たし、次なるステージへと力強く歩みを進めることで、希望ある未来を切り拓いていく予算」と位置付けました。その規模は、7兆8,010億円。デジタルやグリーンなど、未来への投資を推し進めます。また、東京大改革を進めるべく、事業評価と政策評価の一体的な実施で施策の新陳代謝を図り、1,117億円を確保するなど、今回もメリハリを効かせた予算案を練り上げることができたと考えております。
そして、都政がさらなる飛躍を遂げようとする今、組織定数につきましても、戦略的かつ実行力ある体制を構築しました。まずは、「『未来の東京』戦略」におきまして戦略の核の一つとしている子供政策を、さらに加速するべく、新たに「子供政策連携室」を設置いたします。ここを軸に、各局連携の下、子供目線で先進的な施策を展開することで、チルドレンファーストの東京へと突き進みたいと思います。また、日々の暮らしとスポーツ・芸術文化を繋げ、豊かな、そして安全安心な都民生活を実現するため、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局、都民安全推進本部、これらを統合しまして、「生活文化スポーツ局」を設置いたします。さらに、政策企画局に広報広聴機能を集約するほか、新型コロナ対策の最前線を担う福祉保健局につきましても、体制の充実を図ってまいります。
新たな執行体制の下、組織の垣根を越えて、実効性ある政策を前へ前へとスピーディーに推進することで、山積する課題を乗り越えてまいりましょう。
コロナ対策についてです。今も、都内、さらには世界中がオミクロン株の猛威に晒され続けています。未知のウイルスの感染拡大が長引くほど、都民の命と健康へのリスクは大きくなります。「感染を止める、社会は止めない」この考え方の下で、感染拡大を抑え込みながら、社会活動の基盤を維持していく。そのためには、3回目のワクチン・経口薬・中和抗体薬、この「三種の神器」をしっかりと備える一方で、「感染しない、させない」ために、都民・事業者・行政が一体となって、対策を進めなければなりません。また、医療提供体制についても、感染拡大緊急体制を敷いて、さらなる強化を図ってまいります。引き続き、気を引き締め、対応に当たってまいりましょう。
皆さん一人ひとりの健康もかけがえのないものです。感染防止に最大限の注意を払ってください。そして、皆さんが担う、都庁の仕事は、都民生活を支える現場の最前線、まさに、社会活動の基盤の一丁目一番地です。一たび、多くの感染者が発生し、行政サービスが止まるようなことがありましたら、都民の日常生活に大きな支障を来たすことになります。
誰もが感染してもおかしくない。そのような状況の中、改めて基本的な対策、そしてテレワークを徹底していきましょう。併せて、万一の事態に備え、各職場で、BCP、事業継続に向けた体制についても改めて確認をお願いします。
最後に、皆さんにしっかりと心に刻んでいただきたい。東京、そして我が国を取り巻く環境が激変する中、私たちは、スピードと実行力が求められているのです。
調査や実証実験ばかりを繰り返している時間はありません。世界に目を向け、未来を見据えながら、まさに「光」の如き速さで政策を進めなければ、東京を持続的に発展させることは叶わず、都民の幸せも実現できない。事業の早期実行、積極的・効果的な広報など、施策の効果が最大限に発揮できますよう、「今、為すべきこと」を実践し、結果を出していきましょう。
以上で、私の話を終わります。