報道発表資料

地方独立行政法人東京都立病院機構 第1期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価結果

〔別紙5〕

東京都が設立した地方独立行政法人東京都立病院機構(以下「法人」という。)の第1期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価について、お知らせいたします。

1 評価制度の概要

  • 知事は、法人の中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価について、地方独立行政法人法第28条及び東京都地方独立行政法人評価委員会条例第2条の規定に基づき、附属機関である東京都地方独立行政法人評価委員会(以下「評価委員会」という。)の意見を聴いたうえで、評価を行うこととなっています。
  • 評価委員会は、大野髙裕氏(早稲田大学名誉教授)を委員長とし、計24名の外部有識者で構成されています。当法人については、福井次矢氏(日本薬科大学学長)を分科会長とする都立病院分科会の審議を踏まえ、評価委員会に意見を聴いています。

2 評価方針と手順

  • 法人の業務及び組織の全般にわたる検討並びに次期中期目標の策定に活用するため、中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績を調査・分析し、中期目標の達成状況等の全体について総合的な評価を行うことなどを基本方針とし、法人から提出された業務実績等報告書をもとに、法人に対するヒアリング等を実施するとともに、評価委員会から意見を聴取しました。

3 評価結果の概要

  • 評価は、「項目別評価」と「全体評価」とで実施しました。
  • 項目別評価は、「行政的医療や高度・専門的医療等の安定的かつ継続的な提供」「災害や公衆衛生上の緊急事態への率先した対応」などの分野における、中期計画の計21項目について、事業の達成状況・成果を5段階で評価しました。
  • 全体評価は、項目別評価を基礎とし、「中期目標期間終了時において着実な業務の達成状況にあるものと見込まれる」と評価しました。

項目別評価(21項目)

  • 評定S(中期目標の達成状況が極めて良好である)・・・ 3項目
    周産期医療/小児医療/災害や公衆衛生上の緊急事態への率先した対応
  • 評定A(中期目標の達成状況が良好である)・・・ 10項目
    がん医療/精神疾患医療/救急医療/災害医療/島しょ医療/感染症医療/総合診療の提供/その他の行政的医療、高度・専門的医療等の提供/地域包括ケアシステム構築に向けた取組/業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためとるべき措置
  • 評定B(中期目標の達成状況が概ね良好である)・・・ 7項目
    難病医療/障害者医療/健康増進及び疾病予防に向けた普及啓発/患者中心の医療の推進/質の高い医療の提供/診療データの活用及び臨床 研究・治験の推進/その他業務運営に関する重要事項
  • 評定C(中期目標の達成状況がやや不十分である)・・・ 1項目
    財務内容の改善に関する目標を達成するためとるべき措置
  • 評定D(中期目標の達成状況が不十分であり、法人の組織、業務等に見直しが必要である)・・・ なし

全体評価

1 総評

  • 第1期中期計画の4年目までの実施状況から見て、中期目標期間終了時において着実な業務の達成状況にあるものと見込まれる。
  • 計画期間を通じて、断り症例の分析や救急隊、地域医療機関との連携強化等に取り組み、救急応需率を高めながら、ハイリスク妊産婦、新生児等への対応や、精神科救急患者、精神科身体合併症患者、小児の重症・重篤患者の積極的な受入れなど、一般医療機関では対応が困難な医療を着実に提供した。
  • 全都立病院に患者・地域サポートセンターを設置し、地域医療機関との連携を推進しながら、訪問看護同行支援の実施など、地域の医療人材育成や技術支援等に着実に取り組み、地域医療の充実に貢献した。

2 都民に提供するサービス及びその他の業務の質の向上に関する事項

  • ロボット支援下手術や高精度放射線治療の体制強化等により集学的治療を推進し、多面的に高度医療の提供体制を強化するとともに、各病院が役割に応じた機能を発揮しながら、高度医療と患者支援の両面から取組を発展させた。
  • 松沢病院をはじめとする各病院において、一般医療機関では対応が難しい精神科救急医療、精神科身体合併症医療、児童・思春期精神科医療等、専門性の高い精神疾患医療を着実に提供した。
  • 島しょ地域からの救急患者等の受入れを着実に行ったほか、5Gを活用した遠隔診療支援の開始、島しょ地域の医療機関等との連携強化など、質の高い島しょ医療提供のために、積極的に取り組んだ。
  • 法人の総力を挙げて新型コロナ対応に注力し、重症・中等症の患者や他医療機関では対応が難しい患者等を積極的に受け入れるとともに、5類移行後も、都からの要請に柔軟に対応した。能登半島地震への対応でも、切れ目のない被災地支援を行うなど、公的病院に求められる役割を率先して果たした。

3 法人の業務運営及び財務状況に関する事項

  • 独立行政法人制度のメリットを生かして、人事や予算の弾力的な運用等により効率的・効果的な病院運営体制を構築したほか、電子カルテシステムの標準化・統一化に向け契約を締結し、業務効率化の基盤整備に取り組んだ。また、法人本部と各病院が協働し、幅広い分野でプロジェクトやチームを立ち上げ、業務改善に努めるとともに、働きやすい環境整備に継続して取り組んだ。
  • 採算の確保が困難な行政的医療の安定的かつ継続的な提供を行いながら、法人を挙げて経営改善に取り組んだ結果、令和7年度は経常収支比率が年度計画の目標値を上回るなど、一定の改善が見られる。一方、中期計画における経営指標は、経常収支比率や医業収支比率等が目標値に届かない見込みであり、収支改善に向けた取組の一層の推進が必要である。

4 第2期中期目標期間の運営に向けて

  • 第2期においても、行政的医療を着実に提供し、新たな政策課題へ率先して対応するとともに、医療機能の充実と質の向上を推進していく必要がある。また、一般の医療機関では対応困難な患者へ積極的に対応するほか、地域医療充実への更なる貢献が求められる。さらに、災害・感染症の有事における受入体制確保に加え、都全体の有事対応力強化や人材育成に貢献するとともに、有事であっても行政的医療を提供できる体制を維持していくことも必要である。
  • 法人においては、引き続き、機動的な経営判断や弾力的な予算執行、デジタル基盤の強化、医療AXを推進しながら、地域医療構想や地域の状況を踏まえ、求められる機能や医療需要に応じて医療提供体制を最適化するとともに、更なる収入確保・支出抑制により収支改善を図ることで、持続可能な運営基盤を確立し、将来にわたりその役割を着実に果たし続けることを期待する。

※別添 地方独立行政法人東京都立病院機構 第1期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績評価書(PDF:3,612KB)

記事ID:000-001-20260911-092779