- 報道発表資料
「瓦がずれていて危ない」などと嘘を告げて、リフォーム工事を勧誘する訪問販売事業者2社に業務停止命令
本日、東京都は、屋根等のリフォーム工事を勧誘していた訪問販売事業者2社に対し、特定商取引に関する法律に基づき、業務の一部を停止するよう命じ、違反行為を是正するための措置を指示しました。併せて、両事業者の代表取締役に対し、当該停止を命じた範囲の業務を新たに開始することの禁止を命じました。
事業者1
事業者名
株式会社さくら建築
代表者
代表取締役 深澤駿文
所在地
東京都町田市原町田二丁目4番3号スカイパレス町田303号室(登記上)
業務内容
屋根等のリフォーム工事(訪問販売)
事業者2
事業者名
株式会社樹建設
代表者
代表取締役 伊東大樹
所在地
埼玉県川口市鳩ヶ谷緑町一丁目3番地2宮下ビル201号室
業務内容
屋根等のリフォーム工事(訪問販売)
- ※1 同名又は類似名の事業者と間違えないようご注意ください。
- ※2 上記2社に資本関係及び人的関係は無く、関連性はありません。
勧誘行為等の特徴
突然、消費者宅を訪問し、屋根などの不具合を見つけた、見てあげる、と消費者に声を掛ける。
- 近所で作業をしていたら瓦がずれているのが見えました。
- 放っておくと危ないから見てあげます。
直ちに修理が必要な状態ではないにもかかわらず、すぐに工事をしないと危険だ、などと不実を告げて工事を勧誘する。
本当はすぐに修理しなくていいけど
- すぐに工事をしないと雨漏りする。
- 強風で瓦が飛ばされるかもしれない。
- 今のうちに工事しないと大変…
消費者へのアドバイス
- 突然訪問してきた事業者から「屋根が浮いていて風で飛ばされそうだ。」「瓦がずれて雨漏りのおそれがある。」などと住宅の不具合を指摘されても、慌てて点検に応じたりせず、慎重に対応しましょう。
- 工事を勧められても、すぐに契約せずに、本当に必要な工事なのか、複数の事業者から見積りを取ったり、家族や身近な人に相談して十分に検討しましょう。特に、その場で高額な契約を迫ったり、しつこく勧誘する事業者には注意が必要です。
- 同様のトラブルでお困りの方、事業者の対応に疑問を感じた方は、すぐに最寄りの消費生活センターにご相談ください。
〔別添1〕
特定商取引に関する法律第8条第1項に基づく業務停止命令及び第7条第1項に基づく指示並びに第8条の2第1項に基づく業務禁止命令
1 事業者の概要
事業者名
株式会社さくら建築(法人番号1012301013067)(以下「さくら建築」という。)
代表者名
深澤駿文(ふかさわしゅんや)
所在地
東京都町田市原町田二丁目4番3号スカイパレス町田303号室(登記上)
設立
令和4年7月11日
資本金
100万円
業務内容
屋根等のリフォーム工事(訪問販売)
売上高
約6,972万円(令和4年7月~令和5年5月)(事業者報告による。)
従業員
正社員1名、営業業務委託契約者5名(事業者報告による。)
※東京都が、平成30年及び令和4年に、特定商取引法に基づきそれぞれ業務の一部停止を命じた別の2事業者に在籍していた営業員らが、さくら建築において、以前と同様の不適正な取引行為を行っていました。
2 さくら建築に関する都内の相談の概要(令和6年3月21日時点)
平均年齢 | 平均契約額 | 相談件数 | ||
---|---|---|---|---|
令和4年度 | 令和5年度 | 合計 | ||
約66.3歳 (47~85歳) |
約93万円 (最高約250万円) |
8件 | 16件 | 24件 |
3 業務停止命令(法人)の内容
令和6年3月27日(命令の日の翌日)から令和7年6月26日までの間(15か月間)、特定商取引に関する法律第2条第1項に規定する訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
- 役務提供契約の締結について勧誘すること。
- 役務提供契約の申込みを受けること。
- 役務提供契約を締結すること。
4 不適正な取引行為の内容
不適正な取引行為 | 特定商取引に関する法律の条項 |
---|---|
「近くの現場で作業していたんですけど、そこから見て、お宅の家の屋根瓦がずれて落ちそうになっているのが見えました。棟梁から、お前行って教えてこいと言われたのでやって来ました。」「前のビルからお宅の屋上を見たら、屋根が破れていて、少し浮いているのが見えたのでお知らせに来ました。」「向こうのマンションで工事をしていたら、お宅の屋根がパカパカしていた。風にあおられて飛んじゃって通行人に怪我をさせたら危ないから、親方から教えてやって来いと言われて来た。」などと告げて消費者宅を訪問しており、勧誘に先立って、事業者の名称及びリフォーム工事の契約の締結について勧誘をする目的である旨を明らかにしていなかった。 | 法第3条 【勧誘目的等不明示】 |
屋根がパカパカしていた。風にあおられて飛んじゃって通行人に怪我をさせたら危ないから、親方から教えてやって来いと言われて来た。」などと告げて消費者宅を訪問しており、勧誘に先立って、事業者の名称及びリフォーム工事の契約の締結について勧誘をする目的である旨を明らかにしていなかった。 | |
リフォーム工事の契約を締結する際に消費者に交付する契約書面に、役務の種類、役務の対価(単価)、契約の履行に際して使用する防水シート、屋根材、棟材等の商品名及び商品の商標又は製造者名、商品の型式、商品の数量を記載していなかった。 また、電磁的方法により、契約の申込みの撤回又は契約解除を行うことができる旨を記載していなかった。 さらに、現に活動している実態がないにもかかわらず登記上の本店所在地のみを記載し、現に活動している住所を記載していなかった。 |
法第5条第1項 【契約書面記載不備】 |
リフォーム工事の契約の締結について勧誘をするに際し、実際には消費者宅の屋根に著しい不具合はないにもかかわらず、「屋根瓦が雪止めのところに引っ掛かっていた。もう少しで落ちる所で危なかった。崩れてきているので直さないといけない。この崩れた個所から雨漏りもするし、他の所も傷んでいるので崩れてしまいます。」「屋根が破れて、剥がれて浮いていた。そこから雨が入ってくるといけないので修理したらと思って知らせに来た。」「お宅の屋根がパカパカしていた。風にあおられて飛んじゃって通行人に怪我をさせたら危ない。」などと、消費者が契約の締結を必要とする事情に関する事項について事実と異なることを告げていた。 | 法第6条第1項第6号 【不実告知(顧客が契約締結を必要とする事情)】 |
※具体的な相談事例は、参考資料1(PDF:311KB)を御参照ください。
5 指示(法人)の内容
- 業務停止命令を受ける原因となった違反行為の発生原因について、調査分析の上検証し、その検証結果について、業務停止命令の日から1か月以内に東京都知事宛て文書にて報告すること。
- 違反行為の再発防止に向けた、再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築し、当該再発防止策及び当該コンプライアンス体制について、本件業務停止命令に係る業務を再開する1か月前までに東京都知事宛て文書にて報告すること。
6 業務禁止命令(個人)の内容
対象者 | 業務禁止命令の内容 | 命令の原因となった事実 |
---|---|---|
深澤駿文 | 令和6年3月27日(命令の日の翌日)から令和7年6月26日までの間(15か月間)、さくら建築に対して業務停止を命じた範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止する。 | さくら建築の代表取締役であり、さくら建築の訪問販売における業務全般を統括管理し、営業方針等を決定するとともに営業に係る指揮命令を行うなど、当該業務の停止を命ぜられる業務の遂行に主導的な役割を果たしていた。 |
〔別添2〕
特定商取引に関する法律第8条第1項に基づく業務停止命令及び第7条第1項に基づく指示並びに第8条の2第1項に基づく業務禁止命令
1 事業者の概要
事業者名
株式会社樹建設(法人番号4030001144293)(以下「樹建設」という。)
代表者名
伊東大樹(いとうひろき)
所在地
埼玉県川口市鳩ヶ谷緑町一丁目3番地2宮下ビル201号室
設立
令和3年9月9日
資本金
500万円
業務内容
屋根等のリフォーム工事(訪問販売)
売上高
約4億1千万円(令和4年8月~令和5年7月)(事業者報告による。)
従業員
正社員1名、営業業務委託契約者5名(事業者報告による。)
2 樹建設に関する都内の相談の概要(令和6年3月21日時点)
平均年齢 | 平均契約額 | 相談件数 | |||
---|---|---|---|---|---|
令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 合計 | ||
約70.4歳 (48~88歳) |
約223.7万円 (最高902万円) |
1件 | 28件 | 4件 | 33件 |
3 業務停止命令(法人)の内容
令和6年3月27日(命令の日の翌日)から令和6年9月26日までの間(6か月間)、特定商取引に関する法律第2条第1項に規定する訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
- 役務提供契約の締結について勧誘すること。
- 役務提供契約の申込みを受けること。
- 役務提供契約を締結すること。
4 不適正な取引行為の内容
不適正な取引行為 | 特定商取引に関する法律の条項 |
---|---|
「お宅の瓦に巻いてある銅線が切れているのが見えました。風が吹くと瓦が落ちてしまい、危険です。見るだけ見せてくれませんか。」「屋根に隙間があります。このままでは雨漏りしますよ。点検をしましょうか。」「隣にご挨拶に行った時、お宅の瓦がずれているのが見えました。お気づきですか。」などと告げるのみで、勧誘に先立って、リフォーム工事の契約の締結について勧誘をする目的である旨を明らかにしていなかった。 | 法第3条 【勧誘目的不明示】 |
リフォーム工事の契約を締結する際に消費者に交付する契約書面に、役務の対価(単価)、支払の方法、契約の履行に際して使用する防水シート、瓦桟木等の商品名及び商品の商標又は製造者名、商品の型式、商品の数量を記載していなかった。 また、電磁的方法により、契約の申込みの撤回又は解除を行うことができる旨を記載していなかった。 |
法第5条第1項 【契約書面記載不備】 |
リフォーム工事の契約の締結について勧誘をするに際し、実際には消費者宅の屋根に著しい不具合はないにもかかわらず、「瓦がずれており、垂木が腐りかけています。」「瓦の下地が破けており、雨漏りのおそれがあります。」「瓦が浮いていて、カタカタして鳴っています。瓦がずれています。」などと、消費者が契約の締結を必要とする事情に関する事項について事実と異なることを告げていた。 | 法第6条第1項第6号 【不実告知(顧客が契約締結を必要とする事情)】 |
リフォーム工事の契約の締結について、消費者が半年前に自宅屋根工事の施工を行ったばかりであると告げたにもかかわらず、消費者宅に長時間にわたり居座り説明及び勧誘を継続したり、高額であることから当日中の契約をためらっている消費者や、契約金額や工事内容等に納得できず、「家族で話し合わせてほしい。」と告げて、その日のうちに契約するつもりはないとの意思を示した消費者を相手に、「今やれば、他の現場から材料を調達できるので安くできます。」「明日になったら、○○○万円になります。」などと、今契約しないと値上がりする旨を告げて執拗に契約の締結を勧めたりするなど、消費者に迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行っていた。 | 法第7条第1項第5号の規定に基づく旧省令(【注1】)第7条第1号及び省令(【注2】)第18条第1号 【迷惑勧誘】 |
※具体的な相談事例は、参考資料2(PDF:316KB)を御参照ください。
【注1】旧省令:特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する命令(令和5年内閣府・経済産業省令第2号)による改正前の特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号)
【注2】省令:特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号)
5 指示(法人)の内容
- 業務停止命令を受ける原因となった違反行為の発生原因について、調査分析の上検証し、その検証結果について、業務停止命令の日から1か月以内に東京都知事宛て文書にて報告すること。
- 違反行為の再発防止に向けた、再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築し、当該再発防止策及び当該コンプライアンス体制について、本件業務停止命令に係る業務を再開する1か月前までに東京都知事宛て文書にて報告すること。
6 業務禁止命令(個人)の内容
対象者 | 業務禁止命令の内容 | 命令の原因となった事実 |
---|---|---|
伊東大樹 | 令和6年3月27日(命令の日の翌日)から令和6年9月26日までの間(6か月間)、樹建設に対して業務停止を命じた範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止する。 | 樹建設の代表取締役であり、樹建設の訪問販売における業務全般を統括管理し、営業方針等を決定するとともに営業に係る指揮命令を行うなど、当該業務の停止を命ぜられる業務の遂行に主導的な役割を果たしていた。 |
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