- 報道発表資料
令和6年度 東京都商品等安全対策協議会報告 「水辺のレジャーにおけるライフジャケットの着用と安全な使用」 着用効果等の訴求、消費者の要望を反映した商品展開などを提言
河川、海等における水難事故は毎年絶えず発生している一方、事故時にはライフジャケットを着用していないことが多いことから、東京都は今年度、消費者団体、事業者団体、学識経験者等で構成される東京都商品等安全対策協議会において、「水辺のレジャーにおけるライフジャケットの着用と安全な使用」に関する検討を行いました。
このたび、協議会の報告書を取りまとめましたので、お知らせします。
報告書のポイント
調査・実験結果等から(報告書概要P.4~6)
実地調査
都内のライフジャケット着用状況(2024年5,7,8月実施、観測者数918人)
- 「水遊び・遊泳」、「釣り」で着用率が低い
- 「水遊び・遊泳」では、一般(概ね中学生以上)の着用率が低い
活動内容 | 着用率 | ||
---|---|---|---|
全体 | 一般 | 子供 | |
水遊び・遊泳 | 13.0% | 2.5% | 21.3% |
釣り(ボート上を除く) | 7.9% | 8.9% | 4.5% |
ボート(カヌー等) | 90.9% | 90.4% | 96.0% |
アンケート調査
対象
海、川等の自然環境でレジャー活動【注1】の経験がある都民2,000人
【注1】ライフジャケットの着用義務があるレジャーを除く
大人用の所有率が低い
所有率 | |
---|---|
大人用(中学生以上) | 19.6% |
子供用(小学生以下) | 37.8% |
改善要望の意見(上位3つ)
こうであれば使いたいと思う点 | |
---|---|
持ち運びのしやすさ、保管のしやすさ | 28.6% |
動きやすさ | 25.2% |
メンテナンスの容易さ | 22.5% |
使用方法に関する内容の認知度は、所有者、非所有者ともに低い。
着用や保管に関する内容 | 認知率 | |
---|---|---|
所有者 | 非所有者 | |
大き過ぎるサイズやベルトの締め付け不足は、水中で脱げる場合がある | 36.4% | 24.2% |
重いものを載せると、潰れて浮力が低下する恐れがある | 23.1% | 6.8% |
検証実験
被験者を用いた浮遊試験(検体:認証マーク等がある6製品)
- 立位に近い浮遊姿勢では、非着用時は口位置が水面下、着用時は水面上
→ライフジャケットの着用は、落水時等の呼吸可能な浮遊姿勢の確保に有効 - 不適切な使用(緩めに着用、サイズが過大なものなど)では、口元高さ【注2】が低くなる傾向
【注2】水面から口位置までの垂直距離
→適切な使用(各種ベルトを適切に締め付けて着用、体格に合ったサイズを選択、保管時に重量物を載せない)が重要
課題(報告書概要P.7)
水辺のレジャーにおけるライフジャケットの着用
- ライフジャケットの購入、着用の検討を促すことが必要また、子供だけでなく、大人の着用の検討についても訴求が必要
- 消費者が「購入したい、着用したい」と感じるようなライフジャケットの実現
商品の安全性
- 性能基準への適合を示すマーク等の認知度の向上
- ライフジャケットの選択時に注意が必要な活動環境やレジャー内容などの周知
ライフジャケットの適切な使用
- 誤った着用方法や性能低下したものの継続使用を減らすため、ライフジャケットの使用者に対して、正しい使用方法等を理解してもらう取組が必要
提言(報告書概要P.8)
着用の促進
着用効果等の訴求
- 水辺のレジャー活動における着用の必要性について、着用時と非着用時の口位置の差、着用で助かった事例など具体的な着用効果等とともに消費者へ訴求
準備の一般化
- 着用義務がない場合も、ライフジャケットの準備が一般的となるよう、啓発を積極的に実施
消費者の要望を反映した商品展開
- 持ち運びしやすい、動きやすい、保守点検が容易などの特徴や機能を併せ持つ商品の展開
商品の選択
- 性能基準適合マーク等とその安全性能について、消費者に届くように広報
- 活動環境等によって商品の選択時に注意が必要なことを消費者に周知
- 商品情報や取扱説明書等への、推奨される活動環境等の表示を検討
適切な使用
- ベルトの適切な締め付け具合の確認方法、性能低下のチェック方法など適切な使用方法を周知
- 着用方法や適応サイズ等に関する表示の改善(イラストでの図解、サイズ情報の追加など)
- 形状や各種ベルトの調節幅等が異なることから、試着した上での購入を推奨
要望・情報提供
協議会の提言を踏まえて、製造事業者団体、販売事業者団体、消費者団体、関係機関及び国等に対して、水辺のレジャーにおけるライフジャケットの着用と安全な使用を推進するため、要望・情報提供を行います。
消費者への注意喚起
関係団体等と連携して、ホームページ、SNSなど、様々な媒体を活用し、積極的に注意喚起を行います。
※東京都商品等安全対策協議会の報告書等は、ホームページからダウンロードできます。
詳しくは東京くらしWEBをご覧ください。