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報道発表資料
福祉局

児童虐待死亡ゼロを目指した支援のあり方について 令和5年度東京都児童福祉審議会児童虐待死亡事例等検証部会報告書

児童福祉審議会児童虐待死亡事例等検証部会では、重大な児童虐待事例の検証を行っています。
この度、都は、検証部会から、検証結果及び再発防止策について、「児童虐待死亡ゼロを目指した支援のあり方について」として、提言を受け取りましたので、お知らせします。

1 検証対象事例及び検証方法

東京都において発生した重大な児童虐待で、令和4年度中に発生した重大な事例等14事例について、総体的な分析・検証を行った。
そのうち4事例について、関係機関に対し、詳細な経過等のヒアリング・調査を行い、事例から明らかになった課題等に関して、検証部会において改善策を検討した。

2 提言の内容

(1)総体的な分析・検証(14事例)

子供の状況

  • 0歳児が6事例で半数を占めている。
  • 保育所や学校等の所属がある子供は8人であった。

養育者の状況

  • DV被害が見られたケースが5事例あった。

(2)詳細な調査・ヒアリングによる検証(4事例)

  内容 主な改善策
事例1 父母が離婚(過去に面前DVの通告有)したが、児相は父が養育に関与している状況について、再調査を検討せず、その後、子供の安全が図られず無理心中に至った事例 養育環境に変化が見られる場合は、十分な調査やアセスメントを行い、夫婦間の問題や親権問題であるとの固定観念にとらわれず、子どもの安全が図られているかで対応すべき。
事例2 子どもの抱えていた悩みの緊急性に気づくことができず、本児童の自死を防げなかった事例 子どもに関わる機関は、子どもの自死について知識を深める研修機会を持つこと。
事例3 家庭に対するリスク評価の認識のずれを、関係者間で共有できず、その後、死亡した事例 行政機関等による助言や支援の受入れが良い保護者の場合、リスク評価が甘くなりがちだが、保護者とのやり取りだけでなく、子どもの安全を基準にリスクを判断すること。
事例4 転居によるケース移管の際にリスク評価を下げ(「虐待」から「養育困難」)、転居後の状況変化に応じた支援の見直しができず、その後、死亡した事例 移管元及び移管先自治体間で、リスク評価に関して現行水準から一段引き上げるべき限界線を設定し、相互に共通の危機管理意識を持つこと。

※詳細は、別添「報告書(全文)」(PDF:1,328KB)をご参照ください。

3 提言を踏まえた都の対応

(1)妊産婦への支援

  • こども家庭センターにおける児童相談部門と母子保健部門が連携した虐待の未然防止の取組支援を強化していく。

(2)関係機関との連携

  • 育児に不安を持つ特定妊婦の把握・早期支援、関係機関間のリスク共有のため、要保護児童対策地域協議会の積極的な活用を促進していく。
  • 「東京ルール【注】」について、見直しの検討、円滑な連携に向けたポイント整理、実務者への普及啓発を実施していく。

【注】区市町村の子供家庭支援センターと児童相談所との間における連携・協働のための基本ルール

(3)児童相談所等の体制強化

  • 都及び区市町村の合同研修(都区共同企画研修・相互開放研修)を充実していく。
  • 児童相談所の児童福祉司や児童心理司等の増員を図るとともに、子供家庭支援センターの虐待対策コーディネーターや児童相談所と連携を強化するための職員の増配置を行う区市町村を支援していく。
記事ID:000-001-20250430-041481