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  6. 多摩動物公園 今年は6羽のトキが育っています
報道発表資料
建設局, (公財)東京動物園協会

多摩動物公園では、今年誕生した6羽のトキが育っています 2025年繁殖結果報告

多摩動物公園(園長 渡部浩文)では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)からトキを預かり、非公開での飼育を行っています。
今年も飼育中のトキが産卵し、当園では、6羽が無事に育っていますので、お知らせします。
なお、当園以外の6施設【注1】でも繁殖に取り組んでおり、現在のところ、当園含め38羽が育っています。

【注1】5の「国内の飼育状況」の各施設参照

写真
CHペアと巣立ったヒナ
(左から雛3)とCHペアオス)
(撮影日:2025年7月3日)

1.飼育中のトキのペアについて

  • CHペア オス:2018年5月13日生まれ、メス:2018年5月2日生まれ
  • CQペア オス:2022年5月6日生まれ、メス:2021年5月6日生まれ
  • CRペア オス:2014年5月6日生まれ、メス:2014年4月23日生まれ

※CRペアのメスは新潟県長岡市生まれ、その他は佐渡トキ保護センター生まれ

2.産卵と孵化の状況

飼育中の各ペアのヒナ計6羽が育っています。
鳥の繁殖には産卵後に卵を巣から取り上げて人工的に孵卵器(ふらんき)で孵化させる「人工孵化」と巣の中で孵化させる「自然孵化」があり、ヒナの育成には人の手で育てる「人工育雛(いくすう)」と親が育てる「自然育雛」があります。

No.  両親  産卵日  孵化日  備考 
1  CQペア  3月5日  4月2日  自然孵化・人工育雛 
2  CHペア  3月25日  4月24日  人工孵化・自然育雛 
3  CHペア  3月28日  4月27日  自然孵化・自然育雛 
4  CQペア  4月16日  5月14日  自然孵化・人工育雛 
5  CQペア  4月18日  5月16日  人工孵化・自然育雛 
6  CQペア  4月23日  5月21日  人工孵化・人工育雛 

3.多摩動物公園でのトキ飼育の経緯

単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生に伴い全滅するおそれがあります。トキについても、鳥インフルエンザなどの感染症対策として、複数の施設に分散して飼育しています。
都立動物園は、40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがある多摩動物公園において2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功しています。

4.公開について

環境省の飼育方針により非公開で飼育しており、ご覧いただくことはできません。

5.国内の飼育状況(2025年6月24日現在 放鳥した個体を除く)

  • 佐渡トキ保護センター 73羽(うち2025年生 8羽)
  • 佐渡トキ保護センター・野生復帰ステーション 37羽(うち2025年生 6羽)
  • 多摩動物公園 13羽(うち2025年生 6羽)
  • いしかわ動物園 12羽(うち2025年生 7羽)
  • 出雲市トキ分散飼育センター 14羽(うち2025年生 4羽)
  • 長岡市トキ分散飼育センター 15羽(うち2025年生 5羽)
  • 佐渡市トキふれあいプラザ 4羽(うち2025年生 2羽)

合計168羽(うち2025年生 38羽)

参考

トキ(ペリカン目 トキ科)

環境省レッドリスト

絶滅危惧1A類(CR)、国の特別天然記念物、国際保護鳥、東京都ズーストック種

学名

Nipponia nippon

英名

Crested Ibis

分布

野生のトキは、20世紀初頭には中国や朝鮮半島、台湾、日本などの東アジア一帯やロシア東部に広く分布しており、決して珍しい鳥ではありませんでした。江戸時代の日本でも北海道から九州までほぼ全国に生息していました。しかし乱獲と生息環境の悪化により東アジア一帯で減少が進み、中国を除き一旦絶滅しました。その後の保護活動や野生復帰の取組みなどにより、現在では中国陝西省の洋県と寧陝県付近、韓国南東部、および新潟県佐渡付近にのみ、野生のトキが見られます。

生息地

水田や湿地、川など

生態等

一年中ほぼ同じ場所に生息し、非繁殖期には群れをつくって集団で生活します。ドジョウ、サワガニ、カエル、タニシ、昆虫など、もっぱら動物性のエサを食べます。
1月頃、首から背中がグレーの繁殖羽に変わり、ペアでの交尾が確認されるようになります。大木に小枝を組んだ直径60~80センチメートル程度の巣をつくり、3月頃には産卵を開始します。卵は1日おきに1個ずつ、合計3個から4個を産卵します。有精卵だった場合、孵化までの日数は28日ほど。孵化後約35~45日で巣立ちを迎えます。

※「絶滅危惧1A類(CR)」の数字の正しい表記はローマ数字です。

記事ID:000-001-20250715-042600