- 報道発表資料
教育庁
令和8年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告について
東京都教育委員会は、公立中学校や都立高等学校の校長、保護者の代表などの委員で構成する「令和8年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」を本年5月に設置し、令和7年度入学者選抜の検証を行う中で、これまでの入学者選抜方法の成果と課題を明らかにするとともに、令和8年度入学者選抜以降の改善策等について検討してきました。
このたび、別添のとおり「令和8年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書(PDF:4,392KB)」を取りまとめたので、お知らせします。
なお、報告書の概要及び東京都教育委員会の今後の取組は、以下のとおりです。
1 報告書の概要
(1)令和8年度入学者選抜において変更して実施する制度の周知
全日制課程の分割募集廃止
通信制課程における前期選抜・後期選抜の実施
- 令和6年10月に公表した全日制課程の分割募集廃止及び通信制課程における前期選抜・後期選抜の実施について、志願者が必要な情報を得られるための周知方法等として、都から発行する案内冊子やリーフレット等によりできるだけ早期かつ確実に情報を発信する方向で進める。
(2)入学者選抜における調査書の取扱い
新たな受入環境充実校として改編する深沢高等学校への導入
- 困難を抱える生徒の多様なニーズに応えることができるよう、学力検査の得点と調査書点の比率について7対3と10対0の両方の方法で算出しどちらか高い方を本人の得点として選抜する新たな選抜方法を、令和8年度入学者選抜では新たな受入環境充実校として改編する深沢高等学校において導入する方向で進める。
- 仮に同校において第二次募集を行う際には、従来の分割後期募集で実施している6対4と10対0の両方の方法で算出しどちらか高い方を本人の得点として選抜することとする。また、追検査を実施する際には、第一次募集の追検査であることを踏まえ、第一次募集と同様の比率である7対3と10対0の両方の方法で算出しどちらか高い方を本人の得点として選抜する方向で進める。
新たな選抜方法の今後の展開
- 学力検査の得点と調査書点の比率について7対3と10対0の両方の方法で算出しどちらか高い方を本人の得点として選抜する新たな選抜方法の今後の展開については、今回深沢高等学校で導入した取組の成果や実施状況等を十分検証し、ニーズを把握するなどした上で、方向性について慎重に検討する。
(3)受検者の多様なニーズ等に対応する入学者選抜の在り方
専門学科における選抜方法
- 専門学科の入学者選抜においては意欲や適性等をみることが重要であるが、中学校3年間の学習の成果をみるため、現行の制度では普通科と同様、一律5教科の学力検査を実施しており、令和8年度入学者選抜における学力検査に基づく選抜においても引き続き5教科の学力検査を実施していく方向で進める。各高校の特色やスクールポリシーに応じて実施する検査内容を、学校ごとに実態に応じて定められるようにすることについては、引き続き検討を行う。
定時制課程における選抜に係る志願変更
- 定時制課程においては、これまで第二次募集にのみ志願変更の機会を設けてきたが、近年低迷している応募の状況や、志願変更の実績がほとんどないこと、志願する際に生徒や保護者とともによく考えた上で出願をするなど、志願者に対する中学校等における進路指導が十分可能であることから、志願変更は行わない方向で進める。
在京外国人生徒等の入学者選抜への対応
- 令和7年度入学者選抜から、日本語指導を必要とする日本国籍の生徒にも対象を広げた国籍要件の撤廃や入学日現在3年3か月までを3年以内とする応募要件の緩和については、一定の役割を果たしている。今後も在京外国人生徒等対象の募集における選抜状況の検証を続けていく。
- 在京外国人生徒等対象の選抜だけでなく通常の学力検査において、ルビ付問題の配慮申請をする際に提出する様式については、受検者が日本語指導を必要とすることを前提としていることから、申請理由の記載欄を削除する方向で進める。
- 在京外国人生徒等対象の選抜では、受検者が日本語指導を必要とすることを前提としていることから、日本語により作文等を実施する場合は全ての受検者に対してひらがなのルビを振った問題で実施することとし、ルビ付問題の配慮申請を必要としない。
- 在京外国人生徒等対象の選抜におけるインターネットを活用した出願については、志願者等の利便性の向上や他の選抜との統一性を図る等の観点から、今後、導入する方向で進める。その際、日本語を十分理解できていない志願者及び保護者にも出願に必要な書類や手続き等を分かりやすく伝えられるよう環境整備を続けながら、具体的な方法については、様々な事項を想定して検討する。
(4)その他の制度
インターネットを活用した出願及び合否照会
- インターネットを活用した出願及び合否照会は、受検者の利便性が高いことから、インターネットを活用した出願における志願者の入力や中学校での確認方法等の改修を実施しつつ、令和8年度入学者選抜においても継続して実施する方向で進める。
- 国際高等学校において、1月に実施している国際バカロレアコースの選抜や2月に実施している在京外国人生徒等対象の選抜においても、インターネットを活用した出願を導入する方向で進める。
中学校から都立高校へ提出される出願書類
- 出願に際して中学校から都立高校へ紙で提出される書類については、出願方法を紙からインターネットを活用した方法に変更したことを踏まえ、デジタル化して処理していくことが有効であるが、セキュリティ面への配慮など、早期の運用には課題が多い。そのため、将来的にはデジタル化する方向で課題を整理し、志願者等が混乱しないよう引き続き慎重に検討する。
- 自己PRカードは、これまで推薦選抜など面接を実施する学校に出願する場合は出願時に、面接を実施しない学校に出願する場合は合格後に当該校に提出することとしていたが、中学校から進学先の高校へ提出されるキャリアパスポートには自己PRカードに記載される内容が含まれていることから、推薦選抜など面接を実施する都立高校に出願する場合のみ提出する方向で進める。
2 東京都教育委員会の今後の取組
当該委員会の報告を踏まえ、令和8年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目において詳細を定めるほか、入学者選抜における調査書の取扱い、専門学科における選抜方法、在京外国人生徒等対象の選抜におけるインターネットを活用した出願及び合否照会、中学校から都立高校へ提出される出願書類については、引き続き検討を進めていく。
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