報道発表資料
建設局, (公財)東京動物園協会

多摩動物公園 ライオンの状況について(最終報告)

多摩動物公園(園長 渡部浩文)のライオン園において、令和8年7月、飼育していたライオン複数頭に体調不良が確認され、その後3頭が死亡しました(令和8年8月3日発表)。本件について原因調査を行い、再発防止策を取りまとめましたので、ご報告いたします。
皆さまにはご心配をおかけしたことにつきまして、改めて深くお詫び申し上げます。

1 事故発生後の対応

(1)ライオンの治療

7月18日、ライオン2頭に食欲不振などの症状が確認されたため、投薬を開始しました。その後、同様の症状を示す個体が相次いだため治療を行い、8月3日時点で療養していた3頭も8月29日までに回復しました。

(2)暑熱対策の強化

複数頭の体調不良の原因として暑熱の影響が考えられたことから、治療と並行して、ライオン舎内へのスポットクーラー設置などの暑熱対策を強化しました。

(3)原因究明及び再発防止策のとりまとめ

(公財)東京動物園協会が設置した危機管理委員会において、都立動物園・水族園長や各園獣医師の専門的な意見を聴取しました。
その後、発生状況及び検査結果等を考察し、原因究明と再発防止策をとりまとめました。

2 事故原因の考察

発症時の状況及び外部機関に依頼した各種検査の結果、最も可能性の高い死因は、暑熱順化(体が暑さに慣れること)が不十分なまま、暑熱による影響が蓄積したことによる熱中症、及び熱中症の重症化による多臓器不全であると考えられます。
飼育管理は例年通り行っておりましたが、今年の6月から7月初旬までは比較的涼しかったものの、それ以降急激に気温が上昇したことで、暑熱順化が不十分であったことが事故に至った要因として考えられます。

3 事故の再発防止

(1)施設対策

大放飼場内では、来夏までに、樹木下の緑陰を利用しやすくするとともに、遮光設備を設置し、日陰を増やします。また、大型送風機の設置により空気の流れを創出するほか、水飲み場の改修等を進めます。
中長期的には、ライオン舎を改修し、常設空調設備の導入や舎内の断熱・気密化を図るとともに、給電設備を整備のうえ、大放飼場内のやぐら等既存の日陰場所への空調機等の導入を検討します。

(2)飼育管理上の対策

放飼場内の温度や動物の体温を遠隔で測定できる機器を導入し、熱中症リスクが高まる前に対策を講じます。また異変兆候が見られた場合は、園内および関係部署が迅速に情報を共有し、適切な医療や展示中止につながるよう、体制を改めて整備します。
今後、気候環境による動物の熱中症リスクを考慮した健康管理に向け、環境省が公表する暑さ指数(WBGT)やライオンの異変兆候を踏まえた展示中止基準を策定します。

4 当園での飼育状況(2026年10月29日現在)

13頭(オス5、メス8)

参考

ライオン(食肉目 ネコ科)

ワシントン条約附属書2、IUCNレッドリスト:VU(絶滅危惧2類)、東京都ズーストック種

学名

Panthera leo

英名

Lion

分布

サハラ砂漠以南のアフリカ

生態等

ライオンはネコ科で唯一プライド(群れ)をつくる。群れは主にメスとその子で構成され、複数のオスが加わることがある。群れの規模は通常4〜6頭、最大で30頭に達する。オスはたてがみを持ち、オスとメスで性的二型がある。飼育下の平均寿命は約20年。妊娠期間は98~115日、通常は1回で2~4頭出産する。

療養していたライオン(回復後)

写真1
モルト(オス、8歳)
写真2
ニイナ(メス、11歳)
写真3
ライアス(オス、1歳)

※「ワシントン条約附属書2」「絶滅危惧2類」の数字の正しい表記はローマ数字です。

記事ID:000-001-20261029-106008