- 報道発表資料
体内時計の正確なカウントに重要なリン酸化修飾部位を発見
|
|
公益財団法人 東京都医学総合研究所 体内時計プロジェクトの乙部優太研究員(研究当時 東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻 大学院生)と吉種光プロジェクトリーダー(同専攻 准教授兼任)らは、ほ乳類の概日時計の周期長を決定しているリン酸化修飾部位を発見しました。概日時計は睡眠・覚醒など毎日24時間周期で繰り返す生理機能リズムを生み出します。概日時計の乱れは高血圧や糖尿病、心臓疾患など、さまざまな疾患の原因となります。本研究では、培養細胞を用いたノックアウトレスキュー実験系と数理モデルを用いたシミュレーション(韓国KAISTとの共同研究)を組み合わせることで、概日時計の中心因子であるCLOCKとBMAL1タンパク質の、周期決定に重要なリン酸化修飾部位の同定と、その分子メカニズムを明らかにしました。本研究成果は、生物が細胞レベルで一日を正確にカウントする仕組みの理解に繋がり、将来、体内時計を自在に操作することが可能になると期待されます。
この研究成果は2024年5月28日(火曜日)に米国科学誌「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」のオンライン版に掲載されました。
論文名
原題:Phosphorylation of DNA-binding domains of CLOCK-BMAL1 complex for PER-dependent inhibition in circadian clock of mammalian cells.
CLOCK-BMAL1複合体のDNA結合部位へのリン酸化はマウス概日時計におけるPER依存的転写抑制を制御する
発表雑誌
Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)(外部サイトへリンク)
DOI:10.1073/pnas.2316858121.
※別紙 詳細(PDF:1,229KB)