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報道発表資料
建設局, 環境局, (公財)東京動物園協会

オガサワラカワラヒワが巣立ちました

オガサワラカワラヒワは、絶滅危惧種であり「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づく国内希少野生動植物種に指定されており、生息域外保全事業の一環として、恩賜上野動物園(園長 福田豊)や父島施設において飼育繁殖に取り組んでいます。
このたび、オガサワラカワラヒワが産卵・孵化し、動物園として初めて恩賜上野動物園で2羽、父島の2施設で4羽が巣立っています。

1.経緯

恩賜上野動物園ではこれまで、母島属島に生息し絶滅が危ぶまれている小笠原諸島の固有鳥類であるオガサワラカワラヒワの保全に貢献するため、本土に生息する近縁種であるカワラヒワを導入し、飼育繁殖技術の確立に努めてきました。また、オガサワラカワラヒワの保全に関する技術の開発や普及啓発に、関係各局や地元活動団体等とともに取り組んでいます。
2021年度から父島の施設においては、生息域外保全の取組として、環境局及び小笠原支庁による捕獲個体の飼育の試みが進められてきました。
これらの保全の取組にも関わらず、近年の気候変動等の影響による個体数の減少が報告され、動物園においてもオガサワラカワラヒワの飼育下繁殖の必要性が高まったことから、2025年3月18日に父島内の施設から2羽を恩賜上野動物園に受け入れました。そして2025年7月、産卵を経てヒナ2羽が孵化し、無事巣立ちに至りました。また、父島の施設では、同年6月にヒナ1羽、7月に3羽が巣立ちに至っています。

写真
オガサワラカワラヒワのヒナ(中央の2羽。2025年7月7日恩賜上野動物園内で撮影)

2.巣立ちまでの状況

恩賜上野動物園

  • 2025年6月15日 メスが巣にいることが多く、産卵の可能性ありと判断
  • 2025年7月1日 オス、メスとも巣の縁にとまり、ヒナを育て始めたと思われる(6月30日孵化と推定)
  • 2025年7月3日 巣内に2羽のヒナを確認
  • 2025年7月14日 ヒナが巣立つ 2羽

父島

都施設

  • 2025年5月30日から6月1日 産卵 3卵
  • 2025年6月13日から15日 孵化 3羽
  • 2025年7月1日から3日 ヒナが巣立つ 3羽

NPO施設

  • 2025年5月22日から5月25日 産卵 4卵
  • 2025年6月7日 孵化の確認
  • 2025年6月26日 ヒナが巣立つ 1羽(3羽は死亡を確認)

3.公開について

当面の間は公開の予定はありません。

4.国内の飼育状況(2025年7月29日現在)

  • 恩賜上野動物園 4羽(うち2025年生まれ 2羽)
  • 父島 10羽(うち2025年生まれ 4羽)
    • (都施設) 7羽(うち2025年生まれ 3羽)
    • (NPO施設) 3羽(うち2025年生まれ 1羽)

参考

オガサワラカワラヒワ(スズメ目 アトリ科)
(環境省レッドリスト:CR(絶滅危惧1A類))

学名

Chloris kittlitzi

英名

Ogasawara Greenfinch

分布

東京都小笠原村の一部

生態等

全長は130ミリメートル。外見は本土に生息するカワラヒワに似ていますが、翼や尾がやや小さく、くちばしが相対的に大きいです。また、オスはメスより鮮やかな色彩をしています。種子食で、時期に応じて多彩な植物の種子を食べますが、近年は外来種であるトクサバモクマオウの種子を多く食べていることが確認されています。外来のネズミ類やノネコ、気候変動などによる餌資源の枯渇、渇水などの影響により個体数が急激に減少しており、絶滅が危ぶまれています。

※「絶滅危惧1A類」の数字の正しい表記はローマ数字です。

記事ID:000-001-20250729-042762