- 報道発表資料
多摩動物公園情報 ユキヒョウの「ヴァルデマール」が死亡しました
多摩動物公園(園長 渡部浩文)で飼育していたユキヒョウの「ヴァルデマール」(オス)が死亡しましたので、お知らせします。
(撮影日:2024年7月24日)
1.死亡したユキヒョウ
名前
ヴァルデマール
性別
オス
年齢
21歳
生年月日
2004年5月23日
コルケアサーリ動物園(フィンランド)生まれ
死亡日
2025年8月9日
死因
多臓器不全
2.経緯
ユキヒョウ「ヴァルデマール」は、2025年8月9日時点で国内最高齢の個体でした。2023年夏頃から高齢による腎機能の低下や後肢に痛みがある様子が確認され、投薬による治療を続けながら最近までは落ち着いて過ごしていました。しかしながら、2025年7月中旬から餌への反応が悪くなったため、夏の高温による食欲低下を疑い、放飼時間を短縮し空調の利いた室内で嗜好性の高い餌を与えてみましたが、食欲は回復しませんでした。
8月5日から元気消失し、採食、飲水が確認できなくなりました。6日に麻酔下での検査・治療を試みましたが、麻酔薬投与後に呼吸が不安定となったため速やかに麻酔から覚醒させ、補液のみ実施しました。翌日以降も状態は変わらず、苦痛を少しでも軽減するために、檻越しに補液と利尿剤の投与を行い、身体の下に床擦れ防止用マットと藁を敷くなどできる限りの対応を行いましたが、9日朝、死亡を確認しました。
解剖の結果、死因は多臓器不全でした。
3.当園での飼育状況(2025年8月13日現在)
4頭(オス2、メス2)
※今回死亡した「ヴァルデマール」は含みません。
4.国内の飼育状況(2024年12月31日現在)
8園館 18頭(オス7、メス11)
資料:2024年ユキヒョウ国内血統登録台帳【(公社)日本動物園水族館協会】
参考
ユキヒョウ(食肉目 ネコ科)
ワシントン条約附属書1、IUCNレッドリスト:VU(絶滅危惧1B類)、東京都ズーストック種
学名
Uncia uncia
英名
Snow leopard
体長
100~150センチメートル(尾長:80~100センチメートル)
体重
35~55キログラム
分布
中央アジアの山岳地帯、標高2,700~6,000メートルの高山、岩の多い山腹
生態
基本的に夜行性で、昼間は物陰に潜むことが多いです。冬はエサを求めて標高1,800メートルあたりまで降りてきます。寒さに耐えるため、被毛は長く密に生えています。妊娠期間は90~103日、通常は1回で2~3頭出産します。
※「ワシントン条約附属書1」、「IUCNレッドリスト:VU(絶滅危惧1B類)」の数字の正しい表記はローマ数字です。