- 報道発表資料
2025年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況 令和7年度東京都花粉症対策検討委員会(第1回)検討結果
東京都は、花粉症の予防や治療を適切に行うことができるよう、花粉飛散予測を実施するとともに、飛散花粉数の観測を行っています。
このたび、令和7年9月10日に開催した東京都花粉症対策検討委員会における専門家の意見を踏まえ、今春(2025年春)の都内スギ・ヒノキ花粉飛散状況の解析及び予測との比較検証結果等をまとめましたので、お知らせします。
結果の概要
1 2025年春【注1】の花粉飛散状況
- スギ・ヒノキの飛散花粉数は、昨春の7割、過去10年平均の8割であり、花粉別では、昨春に対してスギは7割、ヒノキは5割だった。
- 飛散花粉数が「多い」【注2】以上の日数は、28日だった。
【注1】令和7年1月6日から5月14日までの期間
【注2】飛散花粉数の区分(1日に観測された花粉数 単位:個/平方センチメートル)
少ない:10個未満、やや多い:10~30個未満、多い:30~50個未満、非常に多い:50~100個未満、極めて多い:100個以上
(日本花粉学会「花粉情報等標準化委員会」において採用されている区分による。)
2 予測との比較
- 都内の飛散花粉数(12地点の平均)は、予測最小値を下回った。
- 飛散花粉数が「多い」以上の日数も、予測を下回った。
1 花粉飛散状況
今春の飛散花粉数
都内12地点の飛散花粉数の平均は、4,810個/平方センチメートルであり、昨春の7割、過去10年平均(2015年~2024年)の8割だった。
花粉別では、昨春と比べ、スギは7割、ヒノキは5割であった。過去10年平均と比べると、スギは平均並み、ヒノキは4割であった。
飛散花粉数が「多い」以上の日数
飛散花粉数が「多い」以上の日数は、都内12地点の平均で28日であり、昨春(39日)よりも11日少なかった。また、過去10年間平均(35日)よりも7日少なかった。
2 予測との比較
都全体の飛散花粉数予測との比較
都の飛散花粉数の予測値(都内平均)が、5,800~7,900個/平方センチメートルであったところ、実際の飛散数は、4,810個/平方センチメートルであり、予測最小値を下回った。地点別に見ると区部では予測最小値にほぼ一致したが、多摩部では予測最小値を下回った。
多摩部で予測を下回ったのは、関東周辺に比較して多摩地域のスギ雄花数が前年と比較して少なかったこと、花粉飛散時期である3月の多摩西部、埼玉県秩父の雨量が多くなったことから、周辺に輸送される花粉数が減少したためと考えられる。
一方、区部の花粉飛散数に影響する地点の雨量は、平年よりは多かったが、多摩地域に比較すると少なかった。そのため、区部の花粉飛散数は予測最小値と同程度となったと推定される。
飛散花粉数が「多い」以上の日数予測との比較
都内平均の飛散花粉数が「多い」以上の日数は42日程度と予測していたところ、実際は28日であり、予測を下回った。区部では37日、多摩部では46日と予測していたところ、実際は区部が33日、多摩部が25日であり、予測と比較すると区部では4日少なく、多摩部では21日少なかった。
3 スギ花粉飛散開始日の変更について
大田のスギ花粉飛散開始日について、調査を開始した1985年以来一番早い飛散開始となる1月8日と速報したが、今春の飛散状況を解析・検討した結果、1月上旬に観測されたスギ花粉の飛散は本格的な飛散の前の一時的なものであったと推測されるため、2025年3月15日に改正された飛散開始日の定義【注3】に従い、大田の飛散開始日を2月15日に変更した。
なお、この変更により、今春の都内におけるスギ花粉飛散開始日は、2月13日(青梅)となった。
【注3】飛散開始日の定義(日本花粉学会「花粉情報標準化委員会」より)2025年3月15日改正
スギ花粉の飛散開始日は1月以降1平方センチメートルの花粉数が1個以上連続した初日とする。
ただし、該当する開始日が過去10年の平均値より1か月前後早い場合であって、その後の花粉飛散状況においてゼロ個が多い状態であれば、不時現象とし、2回目に1個以上の花粉が連続した場合を統計上の飛散開始日とする。
4 東京都花粉症対策検討委員会資料
花粉飛散状況等の詳細はホームページに掲載の委員会資料をご覧ください。
夏から秋に飛散する草本花粉にもご注意ください!
イネ科、ブタクサ属、ヨモギ属、カナムグラの花粉の観測値を、ホームページに掲載しています。