1. 都庁総合トップ
  2. お知らせ
  3. 報道発表
  4. 2025年
  5. 10月
  6. 東京都主催「HENCA Tokyo 2025」における知事の発言
報道発表資料
産業労働局

東京都主催「HENCA Tokyo 2025」における知事の発言について

バナーの画像1

昨日の「HENCA【注1】 Tokyo 2025」における知事発言について、以下のとおりお知らせします。

【注1】Hydrogen Energy Conference for Actionの略称。「水素エネルギー行動会議」の意。

日時

令和7年10月21日(火曜日) 17時30分~19時00分

テーマ

グリーン水素の社会実装化 水素プロジェクトの進展と水素ビジネスの胎動

形式

対面・オンラインによるハイブリッド開催(ライブ配信)

ホームページ

ホームページ

QRコード画像1

小池都知事の主な発言主旨(口述筆記ではありません)

  • 脱炭素化とエネルギー安定確保の切り札の一つが、グリーン水素。「つくる」、「はこぶ」、「つかう」をキーワードに、施策を展開し、水素の社会実装化を推進。
  • 「つくる」では、臨海部で都内初となるグリーン水素の大規模製造拠点が稼働開始。
  • 「はこぶ」では、将来的な海外からのグリーン水素の調達を見据え、川崎市から都内への供給を念頭にパイプライン構築に向けた具体的調査を開始。
  • 「つかう」では、水素を燃料とする航空機支援車両が完成し、モビリティの商用分野における水素利用が本格化。また、全国初の取組となる2030年までに燃料電池タクシー約600台の導入目標など、「TOKYO H2プロジェクト」を展開し、水素の利活用を推進。
  • 水素の需要と供給を「つなぐ」取組としてグリーン水素のトライアル取引を実施し、水素化価格の見える化を推進
  • グリーン水素の社会実装化には、様々な主体間でのパートナーシップが重要。国内、海外の都市間連携の強化や、官民が連携して共通の目標に向かって、取組の輪を広げていく。
  • 持続可能な社会の実現に向けた国際社会の取組をリードしていくことを、「グリーン水素の社会実装化に向けた共同メッセージ」として、皆様のメッセージと共に表明する。

「グリーン水素の社会実装化の加速に向けた共同メッセージ」

このメッセージは、「HENCA Tokyo 2025」の会議参加者による、グリーン水素の社会実装化の加速に向けたコミットメントについて記載するものである。

観測史上最高気温を幾度も更新するほどの危険な暑さや、これまでに経験したことのない豪雨による大規模な水害など、気候危機の影響は年を追うごとに深刻さを増し、私たちの命と生活を脅かしている。
また、混迷を極める国際情勢などを背景に、エネルギーを取り巻く環境も激動の只中にある。
私たちは、この地球規模のピンチをむしろチャンスに変え、明るい未来を切り拓いていくことが強く求められている。
特に、再生可能エネルギーから生み出されるグリーン水素は、脱炭素化とエネルギー安定確保を両立させる切り札となる存在であり、その利活用を進め、社会に実装していくことは、極めて重要な取組である。
私たち参加者は、こうしたエネルギー移行の最前線に立つ者として、今後も官民の連携による水素プロジェクトを着実に進め、グリーン水素の社会実装化を強固なものとすることで、持続可能な社会の実現に向けた国際社会の取組をリードしていくことを本会議で確認した。

私たちは、以下のとおり未来を変えるための具体的な行動を表明する。

東京都知事 小池百合子

迫りくる気候危機の克服は、現在を生きる私たちが次の世代に向けて果たすべき責任です。東京は、直面する危機的状況に怯むことなく、世界初となるグリーン水素の市場取引など、先進的な取組で水素社会構築に向けたムーブメントを先導してきました。
今回の「HENCA Tokyo 2025」を契機に、強い覚悟の下、脱炭素社会実現の切り札となる水素の実装を、一層力強く進めてまいります。
世界の国、都市、企業、団体の皆様と力を合わせ、共に行動することこそが、持続可能な社会を実現する大きな力となります。
より豊かな未来を次の世代に引き継ぐため、都市と都市、そして官と民の連携を深め、可能性に溢れた水素社会を創り上げてまいりましょう。

国際水素・燃料電池パートナーシップ(IPHE) 副議長 ノイ・バン・フルスト

日本はクリーン水素市場の構築において世界をリードする存在であり、世界各国のインスピレーションの源となっています。クリーン水素は、鉄鋼、製油所、海運、航空といった脱炭素化が困難な分野の脱炭素化に不可欠です。また、エネルギー安全保障の向上や新たな経済活動・雇用の創出にも貢献します。単独での実現は不可能であるため、国際協力が不可欠です。IPHEでは水素政策に関する情報交換や優良事例の共有に取り組むとともに、国際基準の整備、認証制度の相互承認、貿易障壁の低減を通じて、世界的な水素貿易の促進に努めています。(仮訳)

ニュー・サウス・ウェールズ州 気候変動・エネルギー・環境・水資源省 事務次官 アンソニー・リーン

ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW)は、HENCAへの貢献を再び果たし、東京都とのパートナーシップを強化できることを誇りに思います。昨年、NSWの水素に関するビジョンを共有する機会に恵まれ、その対話を継続できることを嬉しく思います。
NSWは人口と経済規模においてオーストラリア最大の州です。豊富な再生可能資源、熟練した労働力、確立されたインフラを背景に、クリーンな水素と再生可能燃料の信頼できる供給源となるための好位置にあります。
30億豪ドル規模の「NSW水素戦略」と「投資実施局(IDA)」を通じ、大規模プロジェクトが計画段階から確実に実行段階へ移行できるよう支援しています。オリカのグリーン水素プロジェクト、ニューカッスル港クリーンエネルギー地区、モーリー水素ハブといった2025年までの主要プロジェクトが、我々の進捗を実証しています。
東京をはじめとする国際的なパートナーシップは、水素サプライチェーンの構築と世界のエネルギー転換を推進する上で不可欠です。共に、よりクリーンで豊かな未来を創り上げましょう。

ノルトライン・ヴェストファーレン州首相 ヘンドリク・ヴュスト

日本とドイツは緊密で信頼に満ちた友好関係を築いてきました。この友好関係は、私たちドイツノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州にとって特に重要です。日本はNRW州にとって極めて重要なパートナーなのです。双方の経済は共通の課題に直面しており、その課題とは気候中立を実現しつつ、経済的強さを維持すること。水素はここで重要な役割を果たします。NRW州は、水素経済の発展で欧州の先駆者となることを目標に掲げており、この成功にはNRW州が他のパートナーと緊密に連携することが必須です。私たちは既に水素分野で大阪府、福島県、愛知県と緊密に協力しています。そしてまた東京都は特に意義ある大切なパートナーです。このことに深く感謝申し上げますと共に、この協力を今後も継続し、さらに拡大して参ります。

イル・ド・フランス地域圏議会 副議長 ステファン・ボーデ

イル・ド・フランス地域圏は、2018年に採択した野心的なエネルギー・気候戦略の基幹技術として、水素の導入加速に取り組んでいます。計画段階から具体的な行動へ移行しており、水素を軸とした強固な地域エコシステム構築に向け、既に2100万ユーロ以上を配分済みです。
当戦略は二つの柱に焦点を当てています:低炭素水素の生産・流通支援と、その利用促進です。当地域では既に水素バリューチェーン全体で20件以上の主要プロジェクトを支援しており、地域全域に15ヶ所の水素ステーションを設置、47台の新規水素バスを導入したほか、官民連携を促進する105団体で構成される地域プラットフォーム「水素クラブ」を創設しました。
水素は、バッテリーでは限界がある高負荷移動手段(バス、トラック、タクシー)において、ゼロエミッションと運用効率の両立を可能にする不可欠な存在です。産業化の推進と国際連携の強化により、水素を競争力あるクリーンな現実とし、ネットゼロの未来を実現します。(仮訳)

スエズ運河経済特区 長官 ワリード・ガマルエルディン

スエズ運河経済特区は、持続可能な産業のダイナミックな拠点として、戦略的優位性、先進的なインフラ、再生可能エネルギー資源を活用し、未来志向のセクターの成長を支援しています。
我々は強力なパートナーシップの構築、イノベーションの促進、国際協力の育成を通じて、影響力があり拡張性のあるプロジェクトの創出に取り組んでいます。こうした取り組みを通じて、SCZONEは世界の持続可能性、エネルギーレジリエンス、共有繁栄の推進において積極的な役割を果たすことを目指しています。(仮訳)

オーストラリア水素協議会CEO フィオナ・シモン

日本は水素分野で主導的役割を果たしており、オーストラリアは皆様や他国と連携し、この移行を成功させることに深くコミットしています。
確かに課題はありました——コスト上昇、プロジェクト遅延、期待の変化——しかしそれらが私たちの焦点をより明確にしました。水素が不可欠な分野——海運、航空、肥料、グリーン鉄鋼——が今や明らかです。また、成功は信頼の構築、政策枠組み、人々が頼れるインフラ整備から生まれることも明確になりました。
オーストラリアは新たな政策措置とプロジェクトの進展により、着実な前進を遂げています。しかし、単独での実現は不可能です。真の機会は協力にあります——取り組みを調整し、信頼を築き、教訓を共有することで、水素が単なる約束ではなく、私たちの共有するエネルギー未来の確かな一部となるのです。(仮訳)

マーチソン・ハイドロジェン・リニューアブルズ CEO ショーハン・セネヴィラトン

コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)が開発するマーチソン・グリーン水素プロジェクトは、オーストラリアのクリーンエネルギー転換を牽引する旗艦事業です。豊富な陸上風力と太陽光を活用し、再生可能水素とグリーンアンモニアを大規模に生産することで、オーストラリアをクリーンエネルギーの主要輸出国として位置付けられています。
連邦政府による主要プロジェクト認定と西オーストラリア州政府による主導機関指定を受けた本プロジェクトは、承認手続きの効率化と調整された支援の恩恵を受けています。これらの優位性は、マーチソンのような戦略的インフラ整備を迅速化する「州開発調整促進法案2025」によりさらに強化されます。
オーストラリア水素ヘッドスタートプログラムの初回採択案件として、再生可能水素の生産コストと市場価格の差を埋めるための生産ベースの資金を大幅に確保。これに加え、水素生産税制優遇措置により1キログラムあたり2豪ドルの還付可能な税額控除が提供され、プロジェクト競争力がさらに強化されています。
これらの施策は、再生可能エネルギーに対する国家的な強いコミットメントを示すと同時に、戦略的な官民連携がオーストラリアのグリーン水素の可能性を解き放ち、世界の脱炭素化を支える方法を実証しています。(仮訳)

ACWA Power 水素事業開発本部長 ドリス・ベラッホ

持続可能で社会的に包摂的なグリーン水素経済を構築するには、共同目標達成に向け、イノベーションを推進しグローバルなパートナーシップを強化しなければなりません。
グリーン水素分野の先駆者として、ACWA Powerは研究、技術交流、サプライチェーン開発を推進し、世界的な水素経済の拡大と社会的・環境的便益の実現に取り組んでいます。再生可能エネルギーの専門知識を活用し、グリーン水素ソリューションの導入加速、エネルギー安全保障の強化、そして世界の脱炭素化努力への有意義な貢献を目指します。サウジアラビア、ウズベキスタン、エジプト、チュニジア、モロッコ、インドネシアにおける当社のプロジェクトは、技術革新を推進するだけでなく、新興グリーン水素経済分野で数千の雇用を含む新たな経済機会を創出しています。
ACWA Powerは、持続可能な成長を促進し、気候変動対策を支持し、将来の世代により豊かな未来を約束するグローバルな水素プロジェクトの加速に、ここにコミットメントを表明します。(仮訳)

旭化成株式会社 上席執行役員 グリーンソリューションプロジェクト長 竹中克

グリーン水素は、自動車や発電用の燃料、化学品の原材料、さらにエネルギーの貯蔵・運搬の担い手として、カーボンニュートラルの実現に不可欠です。
水素社会を早期に実現するためには、各国の政策による環境整備とグローバルでの企業間連携による、経済合理性を高める施策が必須です。
旭化成は、長年蓄積してきた素材・化学の技術知見を活かし、官民一体での水素サプライチェーン構築に寄与することで、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

川崎重工業株式会社 取締役会長 金花芳則

グリーン水素はこれからの社会にとって欠かせないエネルギーです。私たち川崎重工の液化水素サプライチェーン構築プロジェクトも、着実に進んでいます。国や地域、企業、自治体、市民のみなさんと一緒に、知恵や経験を持ち寄って、グリーン水素をもっと身近なものにしていきましょう。技術の進歩や国際的なつながりを大切にしながら、安定した供給と需要の拡大を目指して、次の世代に豊かな地球を残せるよう、一緒に歩んでいきましょう。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)水素・アンモニア部水素共通基盤ユニット長 原大周

今日この日、HENCAに世界各国から卓越した有識者の皆様が結集しました。この場で皆様の見識が交換されてそれらを通じて結晶化された英知が、水素社会の実現に向けた着実かつゆるぎない前進を導く上で、重要な原動力にあると深く確信しています。

バナーの画像2

本件は、「2050東京戦略」を推進する取組です。
戦略20 【ゼロエミッション】「水素エネルギーの社会実装化」

QRコード画像2
▲2050東京戦略

バナーの画像3

記事ID:000-001-20251022-043936