報道発表資料
労働委員会事務局

日本郵便(郵政非正規ユニオン)事件(令和4年不第17号事件)命令書交付について

当委員会は、令和8年5月13日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF:211KB))。

1 当事者

申立人

合同・一般労働組合全国協議会全国郵政非正規ユニオン(東京都葛飾区)

被申立人

日本郵便株式会社(東京都千代田区)

2 争点

  • (1)令和4年3月1日の組合加入通知以降、会社は、A1に対して、業務指導や訓練を実施したか否か。実施しなかったと認められる場合、組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たるか否か。(争点1)
  • (2)4年3月1日の組合加入通知以降、B3部長は、以下の言動を行ったか否か。行ったと認められる場合、組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たるか否か。(争点2)
    • 1)3月1日から同月18日までの間に、A1に対して、「どうせ辞めるのに、組合なんかに連絡しやがって。」、「どうせクビになるのに、何言ってんだよ。」、「どうせ辞めるのに、無駄。」、「自分から辞めねえのか、畜生め。」と発言したこと。
    • 2)3月8日の遅刻を欠勤扱いとし、A1に対して始末書の提出を命じたこと。
    • 3)3月11日及び同月16日、A1に有給休暇の取得を求める発言をしたこと。
    • 4)3月11日、A1が雇止めの理由を尋ねたところ、「一人で仕事を任せられない。」、「まだそこまでいっていない。」と発言したこと。
    • 5)3月16日、A1の同僚に対して、「辞めるのに何で仕事をやらせるんだよ。」と発言したこと。
  • (3)4年3月1日の団体交渉申入れに対して、会社が3月28日以降の日程を提示したことは、正当な理由のない団体交渉の拒否及び不誠実な団体交渉に当たるか否か。(争点3)
  • (4)4年3月31日付けで、会社がA1を雇止めしたことは、組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たるか否か。(争点4)
  • (5)組合と会社(B2郵便局)との第1回から第3回までの団体交渉において、会社は、以下の対応を行ったか否か。行ったとしたら、不誠実な団体交渉に当たるか否か。(争点5)
    • 1)A1がB1郵便局に在籍していた当時の関係者を出席させなかったこと。
    • 2)A1がB1郵便局を自己都合退職し、B2郵便局で新規採用された旨の発言を繰り返したこと。
    • 3)A1の雇止めに関する資料を提示せず、十分な説明をしなかったこと。

3 命令の概要<一部救済>

(1)争点1について

4年3月1日の組合加入通知以降、会社は、A1に対して、新たな業務指導や訓練を行わず、雇止め予告通知書の交付前と同じ業務のみを行わせていたと認められるものの、会社のこの行為は、組合員であることを理由とした不利益取扱いには当たらない。

(2)争点2について

争点2 1)及び5)については、争点とされた事実があったとの疎明がなく、また、争点2 2)から4)までについては、いずれも、会社の行為が組合員であることを理由とした不利益取扱いであるとは認められない。

(3)争点3について

組合からの4年3月1日の団体交渉申入れに対して、会社が同月28日以降の日程を提示したことは、正当な理由のない団体交渉拒否及び不誠実な団体交渉に当たるとはいえない。

(4)争点4について

会社のA1に対する雇止めが組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たるということはできない。

(5)争点5について

ア 争点5 1)について

会社が、第1回から第3回までの団体交渉にA1がB1郵便局に在籍していた当時の関係者を出席させなかったことは、不誠実な団体交渉に当たるとはいえない。

イ 争点5 2)について

A1がB1郵便局を自己都合退職し、B2郵便局で新規採用された旨の発言を会社が繰り返したことが、不誠実な団体交渉に当たるとはいえない。

ウ 争点5 3)について

組合からのA1の業務遂行能力に関する説明要求に対する会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たるが、それ以外の資料に係る組合の開示要求に対する会社の対応は、不誠実な団体交渉には当たらない。

参考

命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

  • 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
  • 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
記事ID:000-001-20260513-061001