報道発表資料
建設局, (公財)東京動物園協会

葛西臨海水族園情報 オーストラリアから輸送したフェアリーペンギンの有精卵がふ化。ヒナが順調に成育中!

葛西臨海水族園(園長 錦織一臣)では、オーストラレーシア動物園水族館協会(Zoo and Aquarium Association Australasia:以下「ZAA」)加盟園「バララットワイルドライフパーク」「メルボルン動物園」から輸送した12卵のフェアリーペンギンの卵のうちの8卵がふ化したので、お知らせします。

1.経緯

日本では、フェアリーペンギンは4園館で合計50羽が飼育されており、そのうち26羽を当園で飼育しています(2025年12月末時点)。これまでは限られた国内個体群の中で、遺伝的多様性に配慮しながら計画的な繁殖と血統管理をおこなってきましたが、血縁関係が近い個体が多いことから、新しい血統の導入が喫緊の課題となっていました。
そこで、葛西臨海水族園では、フェアリーペンギンの主要な生息地であるオーストラリアから有精卵を導入するために、2017年から「ZAA」と交渉を進めるとともに、2021年以降、国内他施設との間で有精卵の移動を実施して輸送技術の確立を図ってきました。
2025年6月には、4卵の輸送を行い、うち1卵がふ化しましたが、3日齢で死亡しています。
今回、順調に成育が進めば、長距離の輸送がヒナの成長に影響を及ぼさないことが確実になり、長距離輸送技術の確立につながるとともに、国内個体群の遺伝的多様性向上に大きく寄与することとなります。

2.輸送した卵と孵化した個体の情報

(1)輸送した卵の数

12卵(2026年5月18日(月曜日)~6月14日(日曜日)に産卵した卵)

(2)輸送

  • バララットワイルドライフパーク発 2026年6月19日(金曜日)10時40分(現地時間)
  • メルボルン動物園発 2026年6月19日(金曜日)15時40分(現地時間)
  • 葛西臨海水族園着 2026年6月20日(土曜日)21時30分
    (輸送中は、携帯ふ卵器にて温度と湿度の管理を行った。)
写真1
バララットワイルドライフパークでの作業の様子
写真2
メルボルン動物園での作業の様子

(3)ふ化日

2026年6月23日(火曜日)、25日(木曜日)、7月3日(金曜日)、8日(水曜日)、9日(木曜日)、12日(日曜日)

(4)体重(7月12日現在)

6月23日生まれ

  • ふ化時 40.9グラム
  • 19日齢 311.3グラム

6月25日生まれ

  • ふ化時 41.2グラム
  • 17日齢 351.0グラム

7月3日生まれ

  • ふ化時 42.9グラム
  • 9日齢 116.7グラム

7月8日生まれ

  • ふ化時 35.2グラム
  • 4日齢 36.4グラム

7月9日生まれ

  • ふ化時 39.1グラム
  • 3日齢 41.5グラム

7月9日生まれ

  • ふ化時 32.2グラム
  • 3日齢 30.5グラム

7月12日生まれ

  • ふ化時 34.3グラム(0日齢)※7月14日 死亡

7月12日生まれ

  • ふ化時 38.7グラム(0日齢)

(5)ふ卵の状況

  • 8卵 誕生
  • 4卵 発生が中止

(6)公開の予定

成育を最優先させるため未定です。

写真3
ふ化したヒナ
写真4
育雛の様子

3.有精卵移動を行った理由

個体を移動する場合、動物検疫などに時間を要するほか、長時間の輸送や新しい環境への馴化など多くの負担がかかります。それに対して、卵の移動ではこれらの個体にかかる負担がなくなります。また、個体の移動の場合、搬出元(「ZAA」)の飼育個体を手放すことになり、個体群の維持に影響が出るため、調整に時間がかかりますが、卵であれば「ZAA」の個体群への影響が少なくなります。

4.今後の取組

ふ化した個体は、当面の間、葛西臨海水族園で飼育する予定です。
引き続き、遺伝的多様性の向上のため、海外からの個体や有精卵の導入に向けた調整を行っていきます。
また、今回の輸送で得られた知見は、ZAAや国内飼育園館で共有し、飼育管理方法の向上に活かしていきます。

参考

フェアリーペンギン(ペンギン目 ペンギン科)

IUCNレッドリスト:LC (低懸念種)

写真5
フェアリーペンギン

学名

Eudyptula minor

英名

Little Penguin

別名

ブルーペンギン・リトルペンギン・コビトペンギン・コガタペンギンなど

分布

オーストラリア南部、タスマニア島、ニュージーランドなどの暖かい地域の海岸全域。

食性

魚類、頭足類、甲殻類

形態

全長40センチメートル、体重約1キログラム。ペンギン類18種の中で最も小さい種。頭部の上半分、背中、翼の外側、尾は光沢のある濃い青、耳の周りと顎は灰色がかった淡い青で、喉から腹部にかけてと翼の内側は銀白色になる。虹彩は薄い灰色、嘴は濃い灰色。足は淡い桃色で、足の裏は黒っぽい。

生態等

社会性があり小さく穏やかなコロニーを形成する。植物が多く生えた海岸や光の入らない洞穴、地中に掘った巣穴、岩の隙間などに巣を作り過ごす。現地での繁殖期は7~12月で、2~3日おいて2つの卵を産む。雌雄交代で約35日抱卵し、雛は7~9週で巣立つ。定住性で、つがいや巣への執着度は高い。

記事ID:000-001-20260714-079014