報道発表資料
教育庁

令和9年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告について

東京都教育委員会は、公立中学校や都立高等学校の校長、保護者の代表などの委員で構成する「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」を本年5月に設置し、令和8年度入学者選抜の検証を行う中で、これまでの入学者選抜方法の成果と課題を明らかにするとともに、令和9年度入学者選抜以降の改善策等について検討してきました。
この度、別添のとおり「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書(PDF:3,165KB)」を取りまとめたので、お知らせします。
なお、報告書の概要及び東京都教育委員会の今後の取組は、以下のとおりです。

1 報告書の概要

(1)令和8年度入学者選抜を踏まえた対応

(1)全日制課程の分割募集廃止

  • 分割募集を廃止した学校においては、第一次募集の募集人員が増えたことにより、その学校への入学を希望する生徒が多く入学することができた。第一次募集での合格者が増えることは、受検者の安心感につながっており、早期の進路決定というニーズに概ね応えることができたと考えられる。今後も継続し、結果について確認していく。
  • 昼夜間定時制高等学校の分割募集については、多様な生徒の受検機会を確保する観点から、継続して実施しながら今後の動向を確認する。

(2)通信制課程における前期選抜・後期選抜の実施

  • 通信制課程の志願者に対する受検機会の拡大とともに、早期の進路決定による安心感の確保につながっており、一定の効果があったと考えられることから、今後も継続する方向で進める。引き続き効果検証を行うとともに、前期選抜及び後期選抜の募集人員の在り方について検討していく。

(3)定時制課程における選抜に係る志願変更

  • 夜間定時制課程の第二次募集において志願変更の手続きを行わないとする取扱いについて、運用上、支障は認められていない。令和9年度入学者選抜においても、引き続きこの方向で進める。

(4)自己PRカードの扱い

  • 面接を実施する学校に出願する場合のみ自己PRカードを提出する取扱いについて、運用上、大きな支障は認められていないことから、継続する方向で進める。追検査等における提出については、中学校や受検者に対して十分に周知し、円滑に運用できるよう進めていく。

(5)出願方法のデジタル化

  • 入学願書に記入する情報を出願サイト上で入力し、出願に要する書類を郵送するという形式については、問合せ件数が減少していることから、制度の定着が進んでいると考えられる。必要に応じて注意喚起やマニュアルの整備を行いながら、令和9年度入学者選抜においても継続する方向で進める。
  • 中学校から高等学校宛てに出願書類を電子データによって提出することについては、自治体ごとのシステムの違い等を踏まえ、セキュリティ面などに配慮しながら、運用に向けて検討を進める。

(6)在京外国人生徒等対象の選抜の実施方法

  • 在京外国人生徒等対象の選抜において導入した、全受検者に対するルビ付問題での検査実施、一般の学力検査におけるルビ付問題の配慮申請書にある理由欄の削除については、効果的であり、運営上の支障も特に認められなかったことから、継続する方向で進める。

(2)受検者の多様なニーズや時代の要請等に対応する入学者選抜の在り方

(1)調査書点の比率に係る新たな選抜方法

  • 受検者ごとに7:3と10:0のそれぞれの比率に基づき学力検査の得点と調査書点の合計を算出した上で、どちらか高い方を選考に用いる方式は、受検者の多様なニーズに応えられる選抜方法の一つであると考えられる。引き続き成果や課題について検証を行いながら、継続して実施していく。他校への展開については、受検者一人一人の可能性をより適切に評価する観点や、地域バランス等を踏まえながら、検討を進める。

(2)学力検査に基づく選抜の在り方

  • 学力検査点と調査書点の比率については、現行の考え方に一定の根拠があることから、変更する場合には必要性等の整理が必要である。検査内容については、様々な資質・能力を見極めるための方法を選抜に取り入れることに意義はある一方で、受検者の負担や、中学校における進路指導への影響を考慮する必要がある。調査書点における実技教科の評定の算出方法については、中学校の教育活動への影響が大きいことから、変更する場合には学力検査点と調査書点の比率等も含めた制度全体としての考え方を整理する必要がある。以上を踏まえ、学力検査と調査書点の在り方については、引き続き十分な議論を行うとともに、実施に当たっては周知期間も考慮しながら検討を進める。

(3)推薦に基づく選抜の在り方

  • 推薦に基づく選抜では、課題を解決するための力や、人間関係を構築するためのコミュニケーション能力など、これからの社会において必要となる力を評価し、選抜できている。また、面接や集団討論等に向けた準備は、中学生が自らの考えを整理し、高校での学びや将来について考える機会にもなっている。こうした推薦選抜の意義を踏まえ、各学校が求める生徒像に応じて、意欲ある生徒をより適切に受け入れられるよう、入学後の学びを支える視点にも留意しながら、推薦選抜の募集人員の定員割合について、引き続き検討していく。
  • 「部活動の特別強化プロジェクト」指定校における文化・スポーツ等特別推薦については、本プロジェクトが部活動等に力を入れてきた中学生にとって進路選択の可能性を広げるとともに、都立高校の特色を一層充実させる取組であることを踏まえ、今後は、学校が求める生徒像や競技・活動実績の把握の在り方、入学後の学習面・生活面での支援等も踏まえながら、選抜方法の工夫や特別推薦枠の拡大について検討を進める。

(4)学力検査に基づく選抜における併願制

  • 併願制については、都立高校を志望する受検生の受検機会を拡大し、進路選択の幅を広げる観点から、今後の入学者選抜の在り方において検討すべき視点の一つである。一方で、第一志望ではない学校に進学することによる学習意欲等への影響や、高等学校が入学生に期待する生徒の姿とのギャップ等についても考慮する必要がある。今後も、国の動向や受検生のニーズ等を注視しながら、私立高校が多いなどの東京都特有の状況や、過去に実施していた制度との関係、検査問題に係る課題等も踏まえ、引き続き慎重に検討する。

(5)検査問題へのデジタル活用

  • デジタルを活用した学びが進展していく中、教育活動におけるCBTの活用は、今後さらに進むことが見込まれており、学力検査においてもデジタルを活用することの意義は大きい。一方で、実施に当たっては、通信環境や端末の整備、出題方法、受検生のICT活用に係る操作の習熟など、課題となる事項を整理する必要がある。教育活動におけるデジタル活用の進展状況を踏まえながら、入学者選抜におけるデジタルを活用した検査方法の在り方について、引き続き議論しながら検討していく。また、CBTの特性を踏まえ、現行の検査方法との違いやCBTによる新たな可能性等を明確にしながら、入学者選抜におけるデジタルを活用した検査方法の在り方について検討を進める。

2 今後の取組

当該委員会の報告を踏まえ、都教育委員会において、令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目において詳細を定めるほか、引き続き検討することとした各課題等については、引き続き検討を進めていく。

記事ID:000-001-20260917-094950