庁議
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令和7年(2025年)4月1日(火曜日)、東京都庁において庁議が開催され、小池知事は職員に対する訓示を行いました。
(小池知事)
時代は変わった
一年が過ぎ去るのは本当に早いものです。また新たな年度を迎えました。まず最初に申し上げたいことがあります。それはいつもの年度の始まりと、この新年度は全く別物だということです。
今、世界は極めて不安定です。先を見通せないウクライナ、そして中東問題をはじめとする国際情勢、研究者の予想をもはるかに超えるようなAIの進化、関税政策に象徴されるアメリカの経済や外交政策。我が国の株価も乱高下して、近頃は、日本経済を支えてきた有名な大企業の合併があったり、買収があったりなどといった、そのような報道も目につくことも多くあります。
産業・雇用をどうやって守っていくのか、食料・エネルギーをどう確保していくのか、加速する少子化にどう立ち向かっていくのか。そして今、もはやガラリと時代が変わっている、そして今この時でさえ、経験したことのないようなスピードで変わっているのであります。
揺るぎなき東京を築き日本を支える
いくつもの課題が複雑に絡み合っていますが、厳しい局面に立つ日本であります。揺るぎなき東京を築いていくこと、そして我が国を牽引することこそが、首都としての使命でございます。
今日、新たに3つの本部が発足をしまして、「2050東京戦略」の確実な推進に向けた体制を充実・強化いたしました。必要な予算もしっかりと整えています。これまでも申し上げているように、鳥の目、虫の目、魚の目、この3つの目で大きな変化を読み解く。そして東京の強みを伸ばして、都民が抱く将来への不安を、むしろ安心に変えていきましょう。
今日は、そのために心掛けていただきたいことについて3点、これから申し上げます。
組織の垣根を越えて課題解決に挑む
まず1点目ですけれども、都庁の内外を問わず組織の垣根をどんどん越えていってほしいということです。
山積する社会課題に真正面から向き合って、そして多様な都民ニーズに迅速に応えることが、より強く求められております。世の中を俯瞰をし、鳥の目ですね、問題を大局的に捉え、その入り口から出口まで一気通貫で解決に導かなければなりません。例えば、局、また政策分野といった枠に囚われずに、国、都、区市町村といった組織をも飛び越えるのが「政策DX」です。これを一層推し進めてまいりましょう。それぞれが持つプロフェッショナルの力が、足し算ではなく掛け算となって何倍にもなるように組織横断で課題解決に臨んでください。
都民へ政策を確実に届けよう
2点目です。政策は都民にしっかり届いてこそ政策たりえます。
都民の不安を安心に変える、そのためには、「良くなった」「便利になったね」と政策の効果を都民に実感いただくことが不可欠であります。SNSも社会に浸透し、都政との接点が多様化しています。都民一人ひとりを意識した「伝わる広報」にもっともっと一人ひとりの職員が工夫を凝らすようにお願いしたいと思います。
そして、デジタル時代に都民と都政の新たな接点となりますのが「東京アプリ」です。様々な手続きやサービスを一元化して、都民の利便性を格段に高めたい、こう思っています。都民と繋がる。そして都政を伝える。日常に欠かせないプラットフォームへと進化させてまいりましょう。
都庁から働き方の変革を起こす
3点目です。都庁から働き方を変革することです。東京、そして日本の底力を引き出す鍵、それは女性活躍だと考えています。Women in Action、女性活躍の「WA」を、大きな輪に広げていきたいと思っています。そのために、起爆剤となります条例を策定をいたします。加えまして、都庁から働き方を変革していくことが大切です。
どうぞ、男性の皆さんも女性の皆さんも、仕事に趣味に、そして育児にと、時間はいくらあっても足りませんよね。介護もありますね。週休3日制の導入など一層柔軟になった制度を活用してください。そして、DXによる事務負担の軽減はもとより、今年度から都庁のAI活用も新たな段階へと進めてまいります。徹底的に業務の生産性を高めまして、大切な時間を生み出していきましょう。
創出された「手取り時間」で、どうぞ私生活をより豊かにして、蓄えた力を都民のために還元していただくことで、より良い東京を創り上げていきたいと思います。各局のリーダーである皆さん。皆さんには、職員が限られた時間で最大限の力を発揮できるように、時代に合わせた職場づくりを改めてお願いをいたします。
都民ファーストで改革のギアを上げる
さて、今、私たちは非常に重要な時期を迎えております。
激動の時代という荒波を乗り越えて、2050東京戦略で描いております「世界で一番の都市」へと力強く歩いていきたいと思っております。それには、首都防衛の四文字を胸にして、都庁の力を最大限に発揮することが必要でございます。そして、都民が第一、都民ファーストという揺るがぬ芯を持って、ギアを一段も二段も上げて、東京大改革を加速していきましょう。
冒頭に申し上げました。時代は変わりました。私たちの発想も変えなければなりません。ここにお集まりの皆さん、そして、都政の現場を支える職員の皆さん、一人ひとりの力に期待をしています。頑張っていきましょう。
以上で、冒頭、本日の庁議の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。