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  6. 犬の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)発生に伴う注意喚起
報道発表資料
保健医療局

都内における犬の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)発生に伴う注意喚起について

このたび、都内で初めて犬の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の症例が確認されました。
SFTSは、ウイルスを保有するマダニに刺されることにより感染します。
野外で活動される際は、人もペットもマダニに刺されないようにご注意ください。

1 症例の概要

※飼い主のプライバシーの確保に十分な配慮をお願いします。

動物種

  • 犬(15歳、基礎疾患あり)

飼育環境

  • 屋内飼養
  • 都外滞在歴あり(8月下旬)

経過

9月2日

  • 嘔吐・下痢の症状があり、動物病院を受診
  • 以降、治療継続

9月18日

  • 飼い主がマダニの付着を発見
  • 容体が悪くなったため動物病院を再受診
  • SFTSを疑った獣医師が検査機関に検査を依頼

9月24日

  • 遺伝子検査陽性

9月26日

  • 抗体検査陽性

備考

  • 現時点で、飼い主及び動物病院関係者に症状が認められたとの報告はありません。
  • 9月27日 当該犬は死亡していますが、基礎疾患があり、SFTSとの因果関係は不明です。

2 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

概要

  • SFTSは、マダニにより媒介されるSFTSウイルスによる感染症です。
  • 多くの場合、ウイルスを保有するマダニに刺されて感染します。また、人と動物との共通感染症で、感染した動物の体液、血液、排泄物等にはウイルスが含まれており、動物から人に感染した事例も報告されています。
  • 人では、これまで主に西日本で発生が見られていましたが、近年、感染地域が拡大しており、関東や北海道でも発生が見られています。
  • 都内では2019年、2022年に人で各1例の報告がありましたが、いずれも都外での感染です。

主な症状

  • 人の場合、主に発熱と消化器症状(嘔吐、下痢、腹痛など)が現れます。意識障害や出血症状など重篤な症状をきたすこともあります。
  • 犬猫の場合、発熱、食欲不振等の症状や白血球減少症、血小板減少症などが認められます。

3 犬や猫の飼い主の皆様へ

人もペットも、マダニに刺されないことが重要です。次の点にご注意ください。

ペットの対策

  • ペットは屋内で飼う。
  • 散歩後にペットの体表をチェックし、マダニが皮膚に食い込んでいる場合は、無理に取らず、動物病院で取り除く。
  • ペットへのマダニの駆除・予防薬の投与について動物病院に相談する。
  • ペットが体調不良の際は、直ちに動物病院を受診する。

飼い主の対策

  • マダニに刺されないように、草むらやヤブなど、マダニが生息する場所に行く際は肌の露出を少なくする。
  • マダニに効果があると記載されている虫よけ剤(有効成分:ディート、イカリジン)を使用する。
  • マダニに刺された場合は、自分で取り除こうとせず、医療機関で処置してもらう。また、マダニに刺された後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診する。
  • 動物由来感染症を予防するために、
    • 1  口移しで食べ物を与えるなど、過度の接触をしない。
    •  2 ふん、尿は早めに処理をする(直接触らないように注意)。
    •  3 ペットの体や生活環境を清潔にする。世話をした後はよく手を洗う。

4 動物病院の皆様へ

獣医療関係者の皆様は次の点にご注意ください。

  • SFTSを疑う動物の診療時はPPE(個人防護具)を適切に着用する。
  • 診察台等は70%エタノール、0.5%次亜塩素酸ナトリウム液等で必ず消毒する。
  • 体調が悪いと感じたら、すぐに医療機関を受診し、動物との接触状況を医師に伝える。

参考

保健医療局ホームページ(SFTS(重症熱性血小板減少症候群)について)

QRコード画像

※別紙 (参考)全国におけるSFTS発生状況(PDF:442KB)

記事ID:000-001-20251009-043738