- 報道発表資料
世界初のレジリエンスボンド(国際認証取得済)を発行します 「TOKYOレジリエンスボンド」の発行について
東京都は、資金の用途をTOKYO強靭化プロジェクト【注1】の対象事業に特化した都債として、「TOKYOレジリエンスボンド」の準備を進めてきました。
この度、その概要が決定し、世界初のレジリエンスボンド(国際認証取得済)を発行いたしますので、お知らせします。
【注1】TOKYO強靭化プロジェクトについて
深刻化する気候危機などに対して、2040年代に目指す強靱化された東京の姿を明らかにし、その実現に向けて強化した施策の全体像を取りまとめています。
1 「TOKYOレジリエンスボンド」について
(1)概要
気候変動によってもたらされる自然災害などに対する都市のレジリエンスが、世界の共通課題となっています。
このような背景を踏まえ、東京都は、「TOKYOレジリエンスボンド」を、TOKYO強靭化プロジェクトを財政面から下支えするために発行します。さらに、海外市場において発行することにより、国際社会に向けて東京都の強靱化の取組を発信するとともに、この分野への世界的な投資を促進することで、サステナブル・レジリエントファイナンスのリーディングシティを目指します。
発行規模
500億円相当(外貨建て)
発行日
10月中予定
(2)資金の用途(予定)
対象事業 | 主な対策 |
---|---|
中小河川の整備 | 豪雨等に対処するため、護岸や調節池等を整備 |
東京港・島しょ海岸保全施設整備事業 | 高潮等による被害を防ぐため、防潮堤等を嵩上げ |
河川施設の耐震・耐水化 | 高潮による被害を防ぐため、堤防等を強化 |
無電柱化の推進 | 暴風雨等による電柱の倒壊を防ぐため、電線類を地中化 |
土砂災害対策施設・海岸保全施設の整備 | 暴風雨による土砂災害や波浪被害等を防ぐため、砂防施設や護岸等を整備 |
港湾建設事業 | 暴風雨による波浪に対して、岸壁等の耐力を向上 |
※いずれもTOKYO強靭化プロジェクトの対象で、気候変動により激甚化する風水害への対応に資する事業
用途の具体例
2 国際認証(クライメートボンド認証)の取得について
資金の用途を限定した債券としてはグリーンボンド(環境問題の解決に資する債券)等が存在しており、東京都は日本の地方自治体として初めてこれらを発行し、国内市場の発展を牽引してきました。
このような債券の発行にあたっては、調達した資金の用途が目的に合致していることなどを明示するため、国際基準による認証等を得ることが重要であり、それにより投資家への訴求力を高めることができます。
一方、これまでレジリエンスの実現に資する債券の国際基準はありませんでした。
こうした中、債券発行基準の作成において国際的に権威があるクライメート・ボンド・イニシアチブ【注2】が、気候変動適応への投資を促すため、同団体のクライメートボンド基準を改定するとともに、クライメートボンド・レジリエンスタクソノミーに関する認証基準を策定しました。
【注2】クライメート・ボンド・イニシアチブについて
気候変動対策に向けた国際的な資金動員を主導するNGOで、基準、認証制度、データ・分析、政策提言など科学的根拠に基づく枠組みを通じて、グリーン/サステナブル債市場の成長を推進しています。
「TOKYOレジリエンスボンド」は、この制度による認証を受け、世界で初めてのレジリエンスボンド(国際認証取得済)として発行する予定です。
東京都は、この認証取得により、多くの投資家の皆様から「TOKYOレジリエンスボンド」への賛同を得ることを目指します。
今般の認証取得にあたり、クライメート・ボンド・イニシアチブからも報道発表がなされていますので、ホームページ(外部サイトにリンク)をご覧ください。
(参考)「TOKYOレジリエンスボンド」のフレームワーク及び評価書等
「TOKYOレジリエンスボンド」の資金使途や管理方法などを定めたフレームワーク、第三者評価書等については、東京都ホームページで公開しています。
本件は、「2050東京戦略」を推進する取組です。
戦略12 国際金融(Global Finance)
戦略21 都市の強靭化(Urban Resilience)