- 報道発表資料
操業中の事業場に適用できる「地下水汚染の拡大の防止技術」を認定しました
東京都では、狭あいな土地で施工できる低コストで効果的な地下水汚染拡大防止の対策技術の確立・普及を図るため、「地下水汚染拡大防止技術の支援事業」を実施しています。これまで、廃止後の事業場に適用できる地下水汚染拡大防止技術について令和5年度から計3回の公募を行い、認定した技術の実証を進めているところです。
このたび、新たに操業中の事業場にも適用できる地下水汚染拡大防止技術を公募し、10件の技術を認定したので、下記の通りお知らせします。
なお、認定された技術で地下水汚染拡大防止の対策を行う場合、経費の一部を東京都が支援します。
記
1 認定した技術
認定した技術は表のとおりです。技術の詳細は、ホームページをご覧ください。
| 対象物質 | 技術名・除去機構概要※ | 申請者 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 第一種特定有害物質【注】 (ベンゼン、1,3-ジクロロプロペンを除く) |
原位置浄化(原位置分解)生物処理法 ※地下水下流に、微生物を活性化する栄養剤を壁状に連続して注入し、壁を通る地下水中の汚染物質を浄化 |
株式会社大林組 |
| 2 | 六価クロム、カドミウム | バイオメタガード工法 ※地下水下流に、微生物を活性化する栄養剤を壁状に連続して注入し、壁を通る地下水中の汚染物質を浄化・不溶化 |
株式会社大林組 |
| 3 | カドミウム、六価クロム、水銀、セレン、鉛、砒素、ふっ素、ほう素 | 薬剤注入による汚染拡散防止壁工法 ※地下水下流に、薬剤を壁状に連続して注入し、壁を通る地下水中の汚染物質を吸着 |
株式会社大林組 |
| 4 | 第一種特定有害物質【注】 (ベンゼンを除く) |
原位置浄化工法:BioJet工法 ※地中に薬剤をスリット状に噴射注入し、微生物を活性化して汚染物質を浄化 |
ケミカルグラウト株式会社 |
| 5 | 第一種特定有害物質【注】 | 温促バイオ(R) ※加温した薬剤を地下水の帯水層に注入し、微生物を活性化して汚染物質を浄化 |
株式会社竹中工務店 |
| 6 | 第一種特定有害物質【注】 (ベンゼンを除く) |
バイオ栄養源EDCによる塩素系VOCの原位置バイオ浄化法 ※地中に栄養剤を注入し、微生物を活性化して汚染物質を浄化 |
エコサイクル株式会社 |
| 7 | 第一種特定有害物質【注】 | 化学酸化剤COA-Xによる原位置化学分解法 ※地中に環境に配慮した酸化剤を注入し、汚染物質を浄化 |
エコサイクル株式会社 |
| 8 | シアン化合物 | バイオ栄養源HAR-CNによるシアン化合物の原位置バイオ浄化法 ※地中に栄養剤と酸素を注入し、微生物を活性化し汚染物質を浄化 |
エコサイクル株式会社 |
| 9 | 六価クロム化合物 | バイオ栄養源EDC-Mによる六価クロム化合物の原位置バイオ不溶化法 ※地中に栄養剤を注入し、微生物を活性化して汚染物質を不溶化 |
エコサイクル株式会社 |
| 10 | テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、クロロエチレン | PlumeStop(R)・S-MicroZVI(R)・ATV1株、コンソーシアを用いた地下水バリア工法 ※地下水下流に、コロイド状活性炭・還元剤・微生物を壁状に連続して注入し、壁を通る地下水中の汚染物質を浄化 |
株式会社エンバイオ・エンジニアリング |
【注】第一種特定有害物質とは常温で揮発する有機化合物のことで、環境確保条例において12物質を規定
2 支援のスキーム
東京都土地利用転換アドバイザーによる助言のもと、重度の土壌汚染が存在する廃止後または操業中の工場等の土地の関係者が、このたび認定した技術を用いて地下水汚染拡大防止対策を行った場合、東京都が対策工事に係る費用の一部又は全部を負担します。
対策工事の内容は、事例としてホームページにて公表します。
参考
地下水汚染拡大防止技術支援は「工場跡地等における持続可能な土壌汚染対策支援事業」の一環です。
工場跡地等における持続可能な土壌汚染対策支援事業のスキーム