- 報道発表資料
恩賜上野動物園情報 飼育下生まれのオガサワラカワラヒワのペアが繁殖しました!
オガサワラカワラヒワは小笠原諸島のみに生息し、野生での絶滅の危険性が極めて高いとされている鳥です。本種の生息域外保全の一環として、恩賜上野動物園(園長 福田豊)や父島施設において飼育繁殖に取り組んでいます。
このたび上野動物園では、昨年飼育下で生まれたオガサワラカワラヒワ同士がペアとなって繁殖し、3羽のヒナが巣立っています。野生での絶滅の危険性が高い種において、このように飼育下で複数世代に渡る繁殖ができることは、個体数を増やし絶滅を回避するために非常に重要です。
1.経緯
上野動物園では、オガサワラカワラヒワの保全に貢献するため、近縁種での飼育繁殖技術の開発や普及啓発等に取り組んできました。2025年3月には父島内の施設から野生由来のオガサワラカワラヒワ2羽を受け入れて飼育繁殖に取り組み、2025年7月に2羽のヒナが巣立ちました。父島の施設では同年6~7月に計4羽が巣立っています。
その後、2025年10月に父島の施設から上野動物園へ2羽を移動し、2026年は新たなペアでの繁殖に取り組んでいました。
2. 2026年の繁殖状況
上野動物園
巣立ち数
3羽
父親
2025年6月15日 父島施設生まれ
2025年10月15日 上野動物園に来園
母親
2025年6月30日 上野動物園生まれ
父島施設でも、飼育下生まれ同士のペアの繁殖に成功しています。
小笠原自然文化研究所 飼育施設
- 飼育ペア1 2026年6月14日〜16日 4羽孵化
- 飼育ペア2 2026年6月18日までに、交尾行動を確認
東京都父島飼育施設
- 飼育ペア1 巣立ち数 2羽
- 飼育ペア2 2026年6月4日〜産卵(計4卵)
3.公開について
当面は公開の予定はありません。
4.国内の飼育状況(2026年6月15日現在)
- 恩賜上野動物園 8羽(うち2026年生まれ 3羽)
- 父島 16羽(うち2026年生まれ 6羽)
参考
オガサワラカワラヒワ(スズメ目 アトリ科)
(環境省レッドリスト:CR(絶滅危惧1A類))
学名
Chloris kittlitzi
英名
Ogasawara Greenfinch
分布
東京都小笠原村の一部
生態等
全長は130ミリメートル。外見は本土に生息するカワラヒワに似ていますが、翼や尾がやや小さく、くちばしが相対的に大きいです。また、オスはメスより鮮やかな色彩をしています。種子食で、時期に応じて多彩な植物の種子を食べますが、近年は外来種であるトクサバモクマオウの種子を多く食べていることが確認されています。外来のネズミ類やノネコ、気候変動などによる餌資源の枯渇、渇水などの影響により個体数が急激に減少しており、絶滅が危ぶまれています。
※「絶滅危惧1A類」の数字の正しい表記はローマ数字です。