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平成30年(2018年)12月27日更新

ロンドン・パリ出張の概要・成果

1 出張概要

ロンドンでは、シティ・オブ・ロンドンを訪問し、「国際金融都市・東京」構想の実現に向け、知事による金融プロモーションを行うとともに、ロードメイヤーと会談し、両都市の金融分野における連携をさらに強化した。
また、ロンドン市長と、気候変動対策、オリンピック・パラリンピック等について意見交換したほか、オリンピック・パークを視察し、ロンドン2012大会の経験を学んだ。
パリでは、パリ市長と、東京2020大会とパリ2024大会に向けて、オリンピック・パラリンピック、環境、文化、観光等の分野において、連携を進めていくことに合意した。また、パリ市内で実施した、東京都とパリ市の文化交流事業である「パリ東京文化タンデム2018」や東京2020大会及び開催都市東京のPRブースを視察し、東京の魅力をアピールした。

期間

平成30年10月30日(火曜日)~11月4日(日曜日) ※日程表

出張人数

9名

※現地での行事参加や連絡調整に関する事務は、各所管局職員が担当した。
(政策企画局、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局、環境局、産業労働局)

総経費

8,567千円 <出張者及び経費の内訳はこちら(PDF:83KB)

2 出張先での主な行動と成果

10月30日(火曜日)

午前、羽田空港を出発しました。

午後、英国 ヒースロー国際空港に到着しました。

10月31日(水曜日)

午前中は、ロンドン大学シティ校において、今年7月に同校と首都大学東京が研究・教育の連携に関する覚書を結んだことを記念する講演会で、講演を行いました。講演では、国際金融都市・東京の実現に向けた取組、中でも金融分野におけるシティ・オブ・ロンドンとの連携について紹介したほか、気候変動対策における都の取組、東京2020大会に向けた様々な取組についてPRし、2020年とその先の持続可能な未来に向け、ロンドンをはじめとする世界の都市と協力しながら取り組んでいくことを発信しました。

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ロンドン大学シティ校での講演の様子 ポール・カラン学長と

午後は、友好都市であるロンドン市を訪問し、サディク・カーン市長と面会しました。面会では、気候変動対策など両都市共通の課題やオリンピック・パラリンピックについて意見交換し、今後も両都市で協力していくことを確認しました。
市長との面会後、ロンドン交通局からロンドン2012大会時の交通需要マネジメントについて、市民や企業に対して行った広報や情報提供に関する説明を受けました。

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ロンドン市長との面会の様子

 

<ロンドン市長との面会後の知事発言概要>

  • カーン市長からは、2012年のロンドン大会の成功の秘訣ということで、交通需要管理や、その一環としてのテレワークなどの柔軟な働き方について、話を聞くことができた。また、ロンドン市が公開するビッグデータを活用して民間がアプリを開発し、観光客や市民が交通機関やイベント等の情報を得られるといった話もあった。東京の場合、どこまで参考にできるか、練ってみたい。
  • ロンドン市とは、環境については、大気をきれいにするなど、共通の課題がある。今後、それぞれが工夫しながら気候変動対策を進めていき、お互いに連携を取っていくことを確認した。
  • また、首都大学東京とロンドン大学シティ校がMoU(覚書)を結び、金融の教育面で連携していくこととしており、今朝、私もそこで講演した。ロンドンは金融の長い歴史を有している。ロンドンと東京という金融のハブがうまく連携することにより、相乗効果で、両方の強みを活かしていこうという話をした。


その後、シティ・オブ・ロンドンを訪問し、チャールズ・ボウマン第690代ロードメイヤーと会談しました。会談では、シティ・オブ・ロンドンとのさらなる連携強化に向けて、来年度、都職員を派遣することに合意しました。

ビジネスラウンドテーブルでは、日英の金融関係者約30名が出席し、英国の最新金融動向を聞くことができたほか、日本企業が英国でビジネスを行う上で抱えている課題や要望等について意見交換を行いました。

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第690代ロードメイヤーと ビジネスラウンドテーブルの様子

 

<ロードメイヤーとの会談後の知事発言概要>

  • 今回は、東京都として初めて、日本の金融事業者や金融庁と共に、官民一体となって金融プロモーション活動を実施するため、ロンドンを訪問している。
    先ほど、チャールズ・ボウマン第690代ロードメイヤーと会談し、シティと東京都の連携を強めていくことを確認した。具体的には、来年度、都の職員をシティ・オブ・ロンドン・コーポレーションに派遣することに合意した。
  • 人材の交流なども含め、お互いが連携することにより、WINWINの関係を築き、東と西でさまざまな情報の共有なども行うことによって、安定的な、また発展的な関係に繋げていくことが出来ればと考える。

11月1日(木曜日)

午前中、「東京-ロンドン金融セミナー2018」において、英国金融系企業等を対象に講演を行い、国際金融都市としての東京の魅力、国際金融都市・東京の実現に向けたビジネス環境整備や生活環境整備、グリーンボンド等の具体的な取組についてPRしました。

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東京-ロンドン金融セミナー2018

その後、ロンドン2012大会関連施設の後利用の状況等を視察するため、クィーン・エリザベス・オリンピック・パークを訪問しました。
オリンピック・パークでは、ロンドン2012大会時、組織委員会でCEOを務めたポール・ダイトン卿及びロンドン大会のIOC調整委員会委員であったアレックス・ギラディ氏と東京2020大会の成功に向け、意見交換を行いました。

続いて、ロンドンレガシー開発公社【注1】CEOであるリン・ガーナー氏等の案内により、オリンピック・パークの全景を見ながら、オリンピック・パークの開発や競技施設の後利用の状況、パラリンピックレガシー等について、説明を受けました。
ロンドン東部の開発の遅れていた地区が、スポーツ施設、公園、住宅、商業施設の整備された街へと再整備されてきた状況や、今後の文化教育地区としての開発計画など、大会後の街づくりが順調に進んでいる様子がうかがえました。

ロンドン2012大会時に水泳競技の会場として使用されたアクアティクス・センターは、開催時17,000席ありましたが、大会後に、地域での利用を想定したサイズ(2,500席)に改修されたほか、50メートルプールが可動壁で25メートルに分割できる等、大会後の活用に向けたさまざまな工夫がなされていることを確認しました。

【注1】ロンドン・レガシー開発公社(London Legacy Development Corporation)
2012年大会後のオリンピック・パークの改修、運営に責任を持つ組織

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アクアティクス・センター(手前)と
インターナショナル・クォーター(業務商業地区)
アクアティクス・センターにて

 

<クイーン・エリザベス・オリンピックパーク視察後の知事発言概要>

  • ロンドン2012大会が行われた現場を、当時の組織委員会でCEOを務めたダイトン卿、IOC調整委員会委員を務めたギラディ氏と視察し、ロンドン大会では、いろいろな工夫が凝らされていることを改めて感じた。
  • アクアティクス・センターは、大会時17,000席あったが現在は2,500席と非常にコンパクト。50メートルのプールを25メートルずつ半分に区切って、市民やちびっ子も練習していたり、大会後も使い勝手が良くなっている。持続可能性を考えていた1つの例だと思う。
  • 今日は、パラリンピック専門の方も一緒について回ってくれた。東京としても、パラリンピックに力を入れ、超高齢社会の東京の次の姿を探していこうと思っている。ロンドン大会の成功はパラリンピックの成功であったと言われるように、ロンドン大会のこれまでの経験から様々学び、共有していきたい。


夕方、ユーロスターにて、ロンドン・セントパンクラス駅からパリ北駅へ移動しました。

11月2日(金曜日)

午後、パリ市内ショッピングモール(フォーラム・デ・アール)に設置した、東京2020大会及び開催都市東京のPRブースを訪問しました。東京2020組織委員会の遠藤会長代行、パリ市のクルーグマン副市長、パリ2024組織委員会のトボワ事務総長のほか、フランス空手連盟のディディエ会長たちとともにステージイベントに参加し、東京2020大会や開催都市である東京の魅力、そして、パリ2024大会に向けたパリ市との連携について、集まった多くの方に発信しました。

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PRブース ステージイベントでの挨拶 東京の伝統工芸品の紹介

続いて「パリ東京文化タンデム2018」の一環として実施した「大学生の東京・パリのポスターコンテスト」の作品が展示されているサンジャック塔を訪問しました。東京とパリの両都市を結びつけるものや象徴するものなど、両都市を自由に表現した優秀作品31点(東京15点、パリ16点)を、パリ市のアンヌ・イダルゴ市長とともに視察しました。

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パリ市長とポスターコンテスト作品展示の視察 ポスターコンテスト作品展示の様子

パリ市庁舎前広場では、「パリ東京文化タンデム2018」の一環として実施した「FUROSHIKI PARIS」を視察しました。風呂敷包みをイメージしたパビリオン内で、アートディレクターの田根剛氏の案内により、日仏アーティストがデザインしたオリジナル風呂敷の展示等を視察したほか、体験コーナーでは、イダルゴ市長に風呂敷の包み方をレクチャーし、日本の伝統であり、芸術であり、環境の知恵でもある風呂敷の魅力を新しい形で伝えました。

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撮影:市岡祐次郎(株式会社TAM) 撮影:市岡祐次郎(株式会社TAM)
パビリオン外観(左)、内観(右)

 

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(c)パリ市 (c)パリ市
FUROSHIKI PARIS視察の様子

パリ市庁舎では、イダルゴ市長と、文化交流事業や環境分野での取組、オリンピック・パラリンピック等について意見交換した後、パリ市主催のシンポジウムに出席しました。
シンポジウムでは、パリ市民やメディア関係者に向けて、小池知事とイダルゴ市長から、東京2020大会及びパリ2024大会後のレガシーを見据えた両都市の取組を紹介しました。小池知事は、東京2020大会を跳躍台として東京を進化させる取組の中から、大会が遺すレガシーとして重視している、バリアフリー(ダイバーシティ)、環境、文化、観光の4つの分野について発信しました。
その後、両首長は、(1) オリンピック・パラリンピック(スポーツ)、(2) 環境、(3) 文化、(4) 観光の4分野を中心に、両都市が連携や交流を促進していくことを確認し、「オリンピック・パラリンピック競技大会における東京都とパリ市の協力に関わる合意書」に署名しました。

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(c)パリ市 (c)パリ市
合意書署名式 パリ市長のメダルプロジェクトへの協力

署名式では、イダルゴ市長から使用済の携帯電話が送られ、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」に御協力いただきました。

<パリ市主催シンポジウム後の知事発言概要>

  • パリ市と東京都で、2020年、2024年のオリンピック・パラリンピック大会というスポーツの分野での協力関係のほか、環境、観光、文化等、さまざまな面での協力関係を進めていくことに合意した。
  • 今、世界の多くの大都市は成熟社会へ向かっていくという点では共通している。イダルゴ市長も強調していたのは、パラリンピックに重心、重点を置くということ。成熟社会、高齢化ということについての共通項になるのではないか。また、環境という点でもつながることが沢山ある。互いに刺激し合い、良い案は共有していくことが必要ではないか。
  • 東京オリンピック・パラリンピックのPRをフォーラム・デ・アールで行った。子供たちによる空手の演武、東京きらりプロジェクトの作品やけん玉などもあり、足を止める人も多く、何日間かで随分たくさんの方々が見に来て下さっていると聞いている。
  • パリ市庁舎で行っている「風呂敷展」では、日仏のアーティストにデザインを提供してもらい、風呂敷をつくった。風呂敷は単なる布ではなく、フランスでは既に禁止している「レジ袋」の代わりに、風呂敷を使っていただくということで、芸術・アートと環境の二つのメッセージを込めた。日本の伝統や文化、知恵を世界に発信していくことが、日本と東京の価値を高めていくと思う。

11月3日(土曜日)

午前中、パリ市立アルサンピエール美術館を訪問し、「パリ東京文化タンデム2018」の一環として実施している「アール・ブリュット ジャポネ2」(52組629点の日本のアール・ブリュット作品を展示)を視察しました。
※「ジャポネ2」の正しい表記はローマ数字です。

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「アール・ブリュット ジャポネ2」視察の様子

続いて、パリ市内の柔道場において、東京の柔道指導者・オリンピアンが現地のジュニア選手の技術向上や指導者のスキルアップに向け、柔道指導を行う様子を、フランス柔道連盟の幹部等とともに視察しました。

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柔道指導の様子 柔道指導者・ジュニア選手と記念撮影

午後は、パリ日本文化会館を訪問し、「パリ東京文化タンデム2018」の一環として実施した「からくり人形の動態展示」(実際にからくりで動いている人形を見せ、日本の技術、伝統文化を発信)や「FUROSHIKI PARIS」関連イベント(ふろしきの展示)、「ジャポニスム2018」【注2】事業である「縄文展」を視察しました。

【注2】ジャポニスム2018
日仏友好160年を記念した日本文化・芸術の祭典
2018年7月から、パリ内外の100近くの会場で、展覧会や舞台公演に加えて、さまざまな文化芸術を約8か月間にわたって紹介

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パリ日本文化会館視察の様子 からくり人形の動態展示

 

<パリ日本文化会館視察後の知事発言概要>

  • 東京都の関連の特別企画いくつかを視察した。「アール・ブリュット ジャポネ2」は、非常に奥深く素晴らしい作品が並んで、1か月半で2万人が来場したとのこと、ぜひ多くの方々に御覧いただきたい。
  • 柔道指導者の派遣事業では、フランスのちびっ子たちが大変柔道に力を入れており、そこに日本のメダリストを派遣することによって柔道を通じた交流を進めているという現場を見てきた。東京、パリがスポーツの分野、文化の分野で繋がっていくことを確認したところである。
  • パリ日本文化会館では、ジャポニスム2018事業の「縄文展」を視察した。日本の文化、歴史の長さというのをみなさんに知ってもらういい機会である。世界に発信するという意味で、ここパリからというのは非常に意味がある。からくり人形も日本産業の礎でもあり、パリの方、フランスの方、ヨーロッパの方に見ていただければと思う。
  • 2020年の大会は、日本の文化を発信する最大のチャンスではないかと思う。日本の誇るべき文化を最大限世界に知らしめていくことが、国の価値、東京の価値を高めていくことになると確信している。


午後、日本に向け、パリ シャルル・ド・ゴール空港を離れました。

11月4日(日曜日)

午後、羽田空港に帰着しました。

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