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令和4年(2022年)12月27日更新

エジプト出張の概要・成果

1 出張概要

令和4年(2022年)11月5日(土曜日)から11月11日(金曜日)まで、エジプトを訪問しました。
COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)では、気候実施サミット ハイレベルラウンドテーブルなど、各国の首脳などが参加するCOP27の複数の会合に参加し、グリーン水素の活用など都の脱炭素へ向けた取組を世界に向けて発信するとともに、気候変動対策の最前線に立つ都市の首長として、共に一丸となってこの問題に立ち向かうことを国際社会に呼びかけました。
また、リダー・ヒガージー教育・技術教育大臣と面会し、エジプトと東京の青少年がお互いの国の伝統・文化等を学ぶことを通じて多文化共生を推進するため、青少年の交流を進めていくことについて合意しました。そして、幼稚園児から高校生までが在籍する公立学校であるエルガラー校、日本が協力して設立した日本式工学教育・研究活動を行う科学技術大学であるE-JUST(エジプト日本技術科学大学)などを視察し、都の教育・文化行政に係る知見を得ることができました。
さらに、ハレド・アブデル・アール カイロ県知事との面会では、教育をはじめ、廃棄物処理改善・都市交通網改善・気候変動対策など、大都市が抱える共通の課題について、これからも両都市で連携していくことを確認しました。

期間

令和4年11月5日(土曜日)~11月11日(金曜日) ※日程表はこちら

出張人数

10名

総経費

11,798千円 ※出張者及び経費の内訳はこちら(PDF:66KB)

2 出張先での主な行動と成果

11月5日(土曜日)

夜、羽田空港を出発しました。

11月6日(日曜日)

現地時間の午前、カイロ国際空港に到着しました。

まず、カイロ大学を訪問しました。モハメド・オスマン・エルコシィット学長との会談では、在学当時には8万人であった全校生が現在27万人となり、日本語を学ぶ多くの学生がいるとの説明を受け、国際社会において日本への理解が広がっていることへの感謝を伝えました。また、教育や研究分野の国際交流は重要だと考えていることを伝え、今後も教育分野での連携をしていくことを確認しました。
その後、カイロ大学文学部日本語日本文学科の学生など約90名に向けて、わかりやすい日本語で講演会を行いました。講演の中では、東京の歴史、循環型社会、気候危機への対応、教育・スポーツ・文化での国際交流、観光・インバウンドなどについて説明しました。
参加した学生は熱心な様子で聴講していました。参加した学生からは、「留学時代の経験」、「政治家として力を入れて取り組んできたテーマ」や「女性リーダーとして、女性活躍や女性の働きやすさに対する考え」など、多くの質問を受けました。学生とのコミュニケーションを通じて日本語を学んでいる次世代が育っていることが分かり、とても嬉しく思いました。

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カイロ大学での会談、講演

その後、ハレド・アブデル・アール カイロ県知事と会談をし、1990年以来の友好都市であるカイロ県の多くの幹部から出迎えを受けるなど、温かい歓迎に謝意を述べました。また、約1400万人の人口を抱える東京に対し、カイロ県は2000万人の人口を抱えており、人口の多い首都という共通点があります。そこで、教育をはじめ、廃棄物処理改善・都市交通網改善・気候変動対策などの分野で両都市の経験を共有しながら、大都市が抱える共通の課題について、これからも連携して取り組んでいくことを確認しました。

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カイロ県知事との会談

11月7日(月曜日)

午前、幼稚園児から高校生までが在籍する公立学校である、エルガラー校を視察しました。
同校は、当番活動や学校行事などの日本型教育「Tokkatsu」を取り入れており、英語で授業が行われています。
こうした特色ある教育活動について、エマド・メトワリ・モハマッド校長等から説明を受けるとともに、日本の教育や高校生の国際交流について意見交換し、同校生徒と都立高校生の交流に向けた検討を進めていくことで、認識が一致しました。

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エルガラー校の視察

続いて、カイロ市内にあるシンゾウ・アベ道路を視察しました。この道路は、2020年にエジプト大統領の命令により、故安倍晋三首相の名前にちなんで、シンゾウ・アベ道路と名づけられたカイロ市から郊外に続く幹線道路です。

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シンゾウ・アベ道路の視察

午後、カイロ国際空港を出発し、シャルム・エル・シェイク国際空港に到着しました。

まず、COP27会場内にあるジャパンパビリオンを訪問しました。
展示企業や団体から日本の気候変動対策の長期目標である「2050年カーボンニュートラル」の実現と世界の脱炭素化や気候変動適応を支える環境技術について、環境省の担当者等から説明を受けました。具体的でわかりやすく展示されており、他の国々にとっても非常に参考となると感じました。

11月8日(火曜日)

午前、ハラ・ヘルミー・アル・サイード経済・計画開発大臣と会談をしました。会談では、2050年ゼロエミッションに向けて、太陽光やグリーン水素といった再生可能エネルギーの利用を推進していることについて説明し、都市のリーダーとして、持続可能な社会構築に向け、貢献していく決意を示しました。また、大臣からは、COP27の場で、グリーンイノベーションを活用した18の環境プロジェクトを行うことを発表したこと、そして、日本をはじめ諸外国にもそのプロジェクトに参加していただき、気候変動対策における前例のない解決策を見出していきたいとの説明を受けました。
また、環境問題などの世界レベルの課題を可決するためには、国レベルだけでなく、都市を含めて様々な主体が国際連携を進めることが重要であるという点で一致しました。

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経済・計画開発大臣との会談

続いて、リダー・ヒガージー教育・技術教育大臣と会談しました。会談では、未来を担う子供たちが、夢や希望を抱いて育ち、笑顔溢れる社会の実現に向け、チルドレンファーストの政策を推進していることを伝えました。また、大臣からは、エルシーシ大統領が日本を訪れた際に、規律や協調性を育成する日本の教育に感銘を受けたことから、エジプトで日本型教育が導入されているとの説明を受けました。そして、エジプトと東京の青少年がお互いの国の伝統・文化等を学ぶことを通じて多文化共生を推進するため、青少年の交流を進めていくことについて合意しました。さらには、次代を担う同世代の若者たちの交流が両国の友好関係の発展につながることを確認しました。

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教育・技術教育大臣との会談

午後、各国の首脳などが参加するCOP27の複数の会合に参加し、グリーン水素の活用など都の脱炭素へ向けた取組を世界に向けて発信するとともに、気候変動対策の最前線に立つ都市の首長として、共に一丸となってこの問題に立ち向かうことを国際社会に呼びかけました。

まず、エジプトのエルシーシ大統領とドイツのショルツ首相が共同議長を務め、ブレンデ世界経済フォーラム(WEF)総裁がモデレータを務める気候実施サミット ハイレベルラウンドテーブルに参加しました。当該会議では、各国首脳や国際機関代表、民間企業CEO等がグリーン水素に焦点をあて、水素生産の現状やその将来等について説明しました。そして、東京都からも「未来のエネルギーへの投資:グリーン水素」というテーマに沿って、東京都の脱炭素化に向けた施策について発信しました。
具体的には、新築住宅等への太陽光発電の義務付け制度の議会提案など、再生可能エネルギーの基幹化に向けた取組のほか、グリーン水素を脱炭素社会の柱とすること、東京2020大会選手村地区への水素供給パイプラインの実装、まちのエネルギー源として水素利用を拡大していくことなどについてスピーチしました。

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気候実施サミット ハイレベルラウンドテーブル

その後、グローバルクライメイトアクション ハイレベルイベントに参加しました。当該イベントには、環境の分野で活躍される著名な方々が出席しました。
2050年ゼロエミッション、2030年カーボンハーフの実現に向けたTIME TO ACTの取組等、ハード・ソフト両面からの戦略的な適応策の実行について発信するとともに、東京等の大都市が気候変動に対して適応力を高めていく方策等について意見交換を行いました。

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グローバルクライメイトアクション ハイレベルイベント

続いて、イクレイ【注1】及び国連開発計画(UNDP)によるハイレベルダイアログに参加しました。
キャップ&トレード制度の成果や太陽光パネルの設置義務化に向けた取組など、大都市東京における建築物対策、気候変動対策の最前線に立つ都市が果たす役割の重要性等について発信するとともに意見交換を行いました。

【注1】イクレイ(ICLEI - Local Governments for Sustainability)
「イクレイ(ICLEI)-持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会」は、持続可能な社会の実現を目指す2,500以上の自治体で構成された国際ネットワーク

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マルチレベル・アクション・パビリオン ハイレベルダイアログ

11月9日(水曜日)

午前、シャルム・エル・シェイク国際空港を出発し、カイロ国際空港に到着しました。

午後、国立エジプト文明博物館を訪問しました。本博物館は、2021年4月にオープンした23,000平米の広大な敷地に、先史時代から近代までのエジプト文明を網羅した展示が戦略的になされています。こうした取組も参考にして、改修中の江戸東京博物館について、展示やプレゼンテーションの方法を工夫していきます。

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国立エジプト文明博物館の視察

11月10日(木曜日)

午前、新アレクサンドリア図書館を視察しました。同図書館は、紀元前に世界最古の図書館があったとされる場所に、ユネスコとエジプト政府が共同で2001年に再建した図書館です。デザイン性に優れた館内施設や貴重な展示品などについて、説明を受けながら視察しました。
同図書館は、エジプト文明の紹介等の展示がされているほか学術研究センターを担うなど、図書館としての機能のみならず歴史や文明など専門的な研究などにも取り組んでおり、都の図書館の運営の参考となる知見を得ることができました。

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新アレクサンドリア図書館の視察

続いて、E-JUST【注2】を訪問しました。E-JUSTは、日本が協力して設立した、日本式工学教育・研究活動を行う科学技術大学で、2009年に設置されています。アムル・アドリー学長と会談し、比較的新しい大学であるにもかかわらず、イギリスの高等教育専門誌Times Higher Education(THE)が2021年に実施したアラブ大学ランキング(Arab University Ranking)において11位にランクインするなど、中東及びアラブ、アフリカ地域における科学技術教育・研究の中核的拠点となりつつあり、そうした取組に敬意を表しました。そして、同大学と東京都立大学との関係強化を都としても支援していくことを表明しました。

【注2】E-JUST
(エジプト日本技術科学大学 Egypt-Japan University of Science and Technology)
エジプトと日本の二国間協定に基づきエジプト政府が設置した大学。JICAの技術協力プロジェクトとして、2008年10月より日本国内の12大学(現在は13大学)、関係省庁、産業界の協力を得て開始しており、着実に協力関係を拡大している。

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E-JUSTの視察

現地時間の夜、日本に向け、カイロ国際空港を出発しました。

11月11日(金曜日)

午後、羽田空港に帰着しました。

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