庁議

令和2年（2020年）7月13日（月曜日）庁議を開催しました。小池知事は、新副知事の就任など、新体制のスタートを踏まえて、幹部職員に対して訓示を行いました。

皆さま、ご苦労様でございます。先月、武市副知事、新たに就任をされました。よろしくお願いします。そして、本日は、局長級に異動がございまして、新たな体制を迎えたその機会において、私の方から一言、申し上げたく存じます。
まず先日、九州の各地、そして、長野、岐阜等におきまして、豪雨による甚大な被害が発生をいたしました。改めまして、亡くなられた方々に深く哀悼の意を表したいと存じます。また、被災された皆様方には、心からお見舞いを申し上げます。都は先日、熊本県の人吉市に液体ミルクを提供したほか、長野県に2名の職員を派遣、梅雨の最中でございまして、これから本格的な台風のシーズンを迎えるという中で、改めて、東京における備えにも万全を期していかなければなりません。コロナ禍の中での複合災害を防ぐという観点も踏まえまして、各局の緊密な連携の下で、着実な対応をよろしくお願いをいたします。
先の都知事選におきましては、多くの都民の皆様のご支持をいただきまして、再び都政を担うこととなりました。引き続き皆さんと共に仕事ができること、大変嬉しく思っております。また、選挙から一夜明けての会見におきまして、速やかに進めていく取組として、何点か申し上げました。一つが「新型コロナウイルス感染症対策」、そして、もう一つが「都庁の構造改革」でございます。東京2020大会につきましても、安全・安心を最優先といたしまして、都民・国民の皆様の理解と共感を得られる形での開催を目指しまして、準備を進めていく必要がございます。新たな体制の下で、山積する課題を力強く前へ進める決意でありますので、どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。
「感染症対策」でございますが、「感染拡大要警戒」の状況の中で、皆さんには連日の対応をいただいております。大変、ご苦労様でございますが、引き続き、「見えざる敵」との闘いに全力を尽くしてまいりますので、全庁あげて進めてまいりましょう。そのために、「東京都版CDC・疾病対策予防センター」の創設に向けた準備、そして、検査及び医療提供体制の強化、地域と連携した感染拡大防止対策の推進などを図ってまいります。そして、これらの取組を具体化するために、先週には、医療従事者等の方々への慰労金、そして、医療機関への支援金の支給、更には、区市町村との共同によります対策の推進、国の交付金を活用しました都独自の家賃支援などを盛り込みました、今年度で6度目になります補正予算案を発表したところであります。今週末には、この予算案の審議をいただくべく、都議会の臨時会を召集をいたします。都民の命を守る予算であります。しっかり説明を尽くして、成立に万全を期してまいりたいと存じます。
また、「都庁の構造改革」でありますが、これまでの取組をさらに進化させる「東京大改革2.0」を進めていくに当たりまして、「隗より始めよ」の精神で、都庁の中で進めていく改革であります。現在、「ポスト・コロナ」を見据えた「社会構造改革」の検討を進めていて、9月の末に提言を取りまとめる予定でありますが、「都庁の構造改革」も、これまでの延長線ではありません。大胆な発想の下で、大いに推進したいと思います。
そこで職員の皆さま方には、この機に改めて、仕事の進め方をゼロベースで見直してください。この間、テレワーク、そして、時差出勤が大きく進んではまいりました。そして、働き方も大きく変わってはおります。一方で、引き続きながら、これまでの常識に囚われることなく、見直しを進めていただきたい。そして、AIやICTなどの最先端の技術も徹底的に活用して、都庁の仕事をよりクリエイティブなものへと向上させる、そのことによって、都政の価値、さらには、都の職員としての皆さん自身の価値を一層高めることにも繋がってまいります。その実現に向けまして、障壁となる規制についても見直しを図って、国にも強く働きかけてまいります。全庁を挙げて、構造改革、推し進めてまいりましょう。
社会の構造改革、そして都庁の構造改革、両方が目指すべき東京の未来を実現する上で極めて重要な取組であります。今後、具体の方策につきましては、「構造改革プラン」として取りまとめて、「長期戦略」にもしっかりと反映させてまいりますので、精力的な取組をよろしくお願いします。
激動の国際情勢、そしてまた、日進月歩で進化する最先端技術、世界に例のない規模、そして、その速度、すさまじいほどの速度で進む少子高齢化、そして、コロナ禍による社会変容。今、まさに社会経済状況は激変している中にありまして、都民が安心して暮らし、一人ひとりが輝く東京を実現するためには、刻々と変化する情勢を的確に捉えること、そして、スピード感を持って、都政を不断に改革していくことが不可欠でございます。
「現状維持は、後退である」。「現状維持は、後退である」。皆さんには、この言葉を改めて心に刻んでいただきたい。そして、共に「東京大改革2.0」に邁進をして、その先に、「『未来の東京』戦略ビジョン」で描きました東京の明るい未来を切り拓いていきたいと思います。
新たな体制の下で、また新たな気持ちで、都民のため、東京の未来のため、一緒に頑張ってまいりましょう。どうぞよろしくお願いをいたします。