庁議

令和5年（2023年）1月27日（金曜日）、都庁第一本庁舎において庁議が開催され、冒頭、小池知事は職員に対し、令和5年度予算、組織定数、「『未来の東京』戦略 version up 2023」、「シン・トセイ3」について訓示を行いました。

（小池知事）

それではまず、本日、令和5年度の「予算」、そして「組織定数」の案がまとまりました。また、明るい未来へと繋がる道を示しました「『未来の東京』戦略 version up 2023」、そして、都政の構造改革を爆速で進める「シン・トセイ3」を策定をいたしたところであります。担当の財務局、総務局、政策企画局を中心に、取りまとめに尽力された各局の皆さん、本当に、ご苦労様でございました。混迷の時代の中からチャンスを掴んで、東京にさらなる「成長」、そして「成熟」をもたらすために欠かすことのできない予算でございます。そしてまた、戦略であります。都議会の皆様や都民の皆様、このご理解、共感を得られるように、しっかりと説明を尽くしまして、スピード感を持って実行に移してまいりたいと思います。
今回の予算ですが、「明るい未来の東京の実現に向けて、将来に渡って『成長』、そして『成熟』が両立した光り輝く都市へと確実に進化し続ける予算」と位置付けております。その額は、過去最大となりまして8兆410億円。特に、我が国の行く末を左右すると言っても過言ではないチルドレンファーストの社会の実現には、今年度の予算から約2,000億円の増となります1.6兆円を計上をいたしております。この他、都市の活動の基盤となります安全・安心、持続可能で美しい地球を未来に残す取組など、大都市東京が抱えております課題の解決に向けて大胆に財源を振り向けております。一方、事業評価の徹底によりまして過去最高となる1,141億円の財源確保に繋げるなど、メリハリを効かせています。
この予算に込めました東京都の想いを、ぜひ都民、そして事業者の皆様、区市町村など関係者の皆様とも共有をいたしまして、共に明るい未来の実現に取り組んでいきたいと思います。
さらに、都政の羅針盤となる「『未来の東京』戦略」。こちらの方もバージョンアップいたしました。
国際競争が激しさを増す中で、我が国では少子化という静かなる脅威も着実に、かつ予想以上のスピードで進んでいます。こうした困難な状況にあるからこそ、大胆な発想で、ゲームチェンジを起こすことが必要であります。そのために、前例にとらわれることなく為すべきことは一体何なのか、これを考え抜いて、戦略を磨き上げたところでございます。明るい未来を次の世代に引き継いでいく。そうした使命感を持って、戦略に掲げた数々の政策を確実に前へと進めてまいります。
同時に、その推進力となる都政の構造改革も次なるステージへと引き上げて、クオリティ・オブ・サービス、QOSを一層高めていかなければなりません。ここにいる各局長の皆さんが先頭に立って、デジタルの力を大いに活用しながら、組織文化にまで踏み込んで都庁の仕事の進め方、これをバージョンアップしてください。シン・トセイのマインドを組織の隅々まで浸透・徹底させて、東京大改革にドライブをかけてまいりましょう。
そして、予算や戦略を確実に実行に移すべく都庁の体制も充実・強化してまいります。
まず、「福祉保健局」を廃止をし、新たに「福祉局」と「保健医療局」を設置をいたします。都民の生命、そして健康を守り、福祉・保健・医療サービスを将来に渡って盤石にしてまいります。この重要な使命をしっかりと果たしてまいらなければなりません。
また、イノベーションを生み出すスタートアップの力を取り入れ、金融の力と融合させることで東京の成長と社会課題の解決を主導してまいります。そのために、スタートアップに係ります中核部門を集約して、国際金融都市構想、外国企業誘致、規制改革を推進する機能、これらを併せ持った「スタートアップ・国際金融都市戦略室」を設置をいたします。
この新たな体制構築を機といたしまして、これまで以上に各局で連携を取り合いながら、また実効性ある施策を強力かつスピーディに展開するようにお願いをいたします。
さて、私は先日の新年挨拶の場で、「反転攻勢の『のろし』を上げる一年だ」とお伝えをいたしました。直面する厳しい現状を打開するターニングポイントにする、その決意を具現化するのが、本日お話しをいたしました戦略であり、予算であります。そして、体制でもあります。100年先も豊かさに溢れる持続可能な東京を目指して変革を起こし、日本の明るい未来にも繋げていく。そのためにも、全庁一丸となりまして政策の実現に邁進してまいりましょう。
以上で、私の話を終わりたいと思います。