庁議
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令和7年（2025年）1月31日（金曜日）、東京都庁において庁議が開催され、小池知事は職員に対する訓示を行いました。
はじめに
本日、2050年代の東京の将来像を描いた新たな長期戦略「2050東京戦略」の案を策定いたしまして、併せて「シン・トセイ」もリニューアルをいたしました。そして、その実現に向けました令和7年度の「予算」および「組織定数」の案がまとまりました。担当の政策企画局、財務局、総務局を中心に、取りまとめに尽力されました各局の皆さん、大変ご苦労様でございました。この機に、私から一言、申し上げたいと思います。
人が輝く持続可能な未来の東京を描く
今はまさに時代の節目であります。紀元前B.C.「Before Christ」を「Before Covid」と読み替えるならば、A.D.は「Age of Digital」。コロナ禍を経て、デジタルの時代を迎えております。
国際社会は昼夜を問わずダイナミックに動き、テクノロジーは分単位・秒単位で進化を続ける。変化はどんどんと加速しております。自然災害や少子高齢化、人口減少にも直面する私たちの未来は不確かなものです。
しかし、だからこそ、その未来を自らデザインするチャンスでもあります。
今回の戦略は、目指すべき東京の姿を描き、為すべき政策を明らかにいたしました、都政運営の新たな羅針盤であります。策定にはAIを活用したブロードリスニングという最先端の手法も駆使して都民の声を反映いたしました。言うなれば、都民の皆様と共に東京をリ・ビルド、再構築していく「未来の設計図」でもあるのです。
DXで「手取り時間」を増やす
明るい未来を創る、その鍵の一つは「時間」です。DXを新たなステージへと導く「シン・トセイX」は、時間の創出を強力に推し進めてまいります。都民の「手取り時間」を増やし、リスキリングや趣味、家族との時間を充実させて、一人ひとりが豊かさを実感できるようにしてまいりましょう。
東京の未来を切り拓く予算
戦略の実現に踏み出す今回の予算ですが、「不確実性が高まる社会情勢の中、『成長』と『成熟』が両立した持続可能な都市の実現に向けて、全ての人が輝く東京の未来を切り拓く予算」と位置付けております。その規模でありますが、9兆1580億円。知事就任当初から掲げます3つのシティをさらに進化させるとともに、DXなど新たな視点で業務を見直し、持続可能な執行体制の構築を図りながら、無駄を一層なくす取組を強化いたしました。事業評価による見直しも徹底することで確保した財源は、過去最高となった昨年度をさらに上回りまして1303億円。就任から9年間の総額は約9400億円となりまして、メリハリのある予算を築き上げることができました。
新たな執行体制
組織定数につきましては、新たな戦略の確実な推進に必要な体制の充実・強化を行ってまいります。
まず、犯罪が多様化・巧妙化しております現状を踏まえまして、防犯・治安対策を一層推進するため、「都民安全総合対策本部」を設置いたします。
また、世界陸上・デフリンピックの開催によってスポーツに都民の大きな注目が集まりますこの機を捉えまして、国際大会のレガシーを継承しながら恒常的にスポーツ推進に取り組む体制を構築する、そのための「スポーツ推進本部」を設置いたします。
さらに、社会に技術革新の波を呼ぶスタートアップの成長を後押しするため、「スタートアップ戦略推進本部」を設置し、施策を強力に推し進めていきます。
この新体制の下で、都政の課題解決を一層加速させてまいります。
未来にもっとワクワクしよう
さて、戦略に綴じ込まれております新聞記事のようなちょっと変わったページがございますが、AIが導き出した未来予測、「22世紀の予言」でございます。
医療の進歩で誰もがいきいきと豊かな人生を謳歌できる「健康で120歳まで死ねない」。脳に直接インストールして一瞬でスキルをマスターできる「瞬間スキルゲット」。音やにおい・手触りといった感覚を他人と共有できる「五感デリバリー」。
実現したら面白いと思いませんでしょうか？未来にもっとワクワクする。それこそが変革の原動力であります。
共感を力に東京を世界で一番の都市へ
そして、2050年代の東京の姿に都民の皆さんにもワクワクしてもらう。そのためには、今回の戦略や予算に込めました政策を、しっかりとお伝えしなければなりません。都民一人ひとりが「もっとよくなる東京」、これを実感できますように、発信の仕方にも知恵を絞るようお願いをいたします。
目指すべき姿、戦略、そして、予算と執行体制。さて、準備は整いました。都民の皆様の共感を力にして政策を実行に移し、世界で一番の東京を、都庁一丸となって実現してまいりましょう。
以上で、私の話を終わります。