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令和3年(2021年)8月18日更新

令和3年第二回都議会臨時会

令和3年第二回都議会臨時会の開会に当たりまして、新型コロナウイルス感染症への対策等について申し述べます。

去る4月17日、名誉都民である安達雅一さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

先週から続きます記録的な大雨により、日本各地で、甚大な被害が発生しています。河川の氾濫や土砂災害が相次ぐなど、命の危険に直面する深刻な事態であります。亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

デルタ株との闘いに総力戦で臨む

そして、同じく私たちの命を脅かす、新型コロナウイルス感染症。まさに今、コロナとの闘いが始まって以来、最大の危機を迎えています。この間、長きにわたり、都民の皆様、事業者の皆様、そして医療従事者の皆様方には、多大なるご協力・ご尽力をいただいてまいりました。深く感謝を申し上げるとともに、改めて、お一人お一人の力を結集し、東京が一丸となって「見えざる敵」との闘いに挑まなければなりません。
感染力が従来株の約2倍。これまで知られた中で最も強いウイルスとも言われるデルタ株への置き換わりが急速に進み、かつてないスピードで感染が拡大しております。加えまして、都内における新規陽性者の約7割が30代以下の若い世代となり、重症者の中心は40代、50代へシフトするなど、いわゆる第3波、第4波とは異なる様相を呈しております。
今、我々が為すべきは、デルタ株の脅威を正しく認識する。そして、刻々と変化する情勢に即した戦略を果敢に展開し、この強敵に立ち向かうことであります。ワクチンや抗体カクテルという「攻め」、人流抑制や基本的な感染防止対策という「守り」を同時並行で進めていく。現下の情勢を「医療非常事態」と位置づけ、大切な都民の命と健康を守り抜く。都として、総力戦で臨んでまいります。

医療提供体制の充実を図る

感染拡大による療養者の急増に対応するため、医療提供体制をさらに充実させてまいります。「重症・中等症」患者を受け入れる医療機関と、「軽症・中等症」患者を受け入れる医療機関の役割を明確化し、それぞれの症状に応じた医療を提供しております。また、入院されていない方々も安心して療養いただけるよう、宿泊療養について、新たな施設開設をはじめとする受入強化を図るとともに、自宅療養については、医師会と協力し、訪問診療の体制を拡充しております。都立・公社病院には、酸素ステーションとして、緊急搬送先が見つからない場合の受入要請に応じる病床を既に確保したほか、主に中等症患者に酸素投与等を行う病床を新たに整備してまいります。また、軽症患者の一時的な受け入れ先となる酸素ステーションを、まずは渋谷に開設をし、今後、感染状況に応じて順次拡大いたします。さらには、新たな武器となる治療法として、重症化を防ぐ効果が期待できる「抗体カクテル療法」を積極的に進めておりまして、一昨日には、菅総理、田村厚生労働大臣とともに、宿泊療養施設での活用を確認したところであります。関係機関との強固な連携の下、貴重な医療資源を最大限に活かし、対策に万全を期してまいります。

今一度、基本に立ち返る

命を守るべく奮闘する医療現場を支えるため、そして、これ以上の感染拡大を防ぐため、今一度、基本に立ち返り、人と人との接触を徹底的に減らさなければなりません。緊急事態宣言下のこの夏、全国知事会や一都三県とも連携し、不要不急の外出や都県境を越える移動の自粛を強く呼びかけております。先日には、経済団体との会談等を通じて、改めてテレワークの一層の推進をお願いしたほか、国にも、人流抑制の取組について広く企業等に働きかけるよう要望いたしました。併せて、集客施設等に対しましては、各種業界団体を通じ、従来以上に徹底した入場整理や施設内における人との距離の確保など、デルタ株のリスクを踏まえた感染防止対策の強化を求めております。飲食店等への休業や時短営業の要請に伴う協力金につきましては、審査方法の工夫や人員の拡充に加え、一定額を先払いする取組も実施するなど、支給の迅速化を図っております。

ワクチン接種を一段と加速する

感染収束に向けた確たる流れを創り出す。その鍵となるのは、最大の武器であるワクチンを早く、広く行き渡らせることであり、接種を一段と加速させなければなりません。
そのため、都自らが運営する大規模接種会場を順次拡充しておりまして、警察・消防関係者や教育関係者など都民生活を支える方々をはじめ、今月からは、大学や経済団体と連携しまして、学生や中小企業の従業員などへの接種を開始いたしました。自力での移動が困難な方には、介助者が運転する車に乗車したまま接種を受けられる会場も整備しております。さらには、目下、感染が急拡大している若者世代に、いち早くワクチンを浸透させる。そのために、今月、渋谷駅付近に、事前予約なしで接種可能な若年層専用の会場を開設するとともに、今後、アプリ等を活用したキャンペーンも展開してまいります。また、都が確保しているワクチンの一部を区市町村に配分いたしまして、中高年層等を対象とした接種に充てており、国に対しましても、必要十分な供給量を確保するよう、強く要請を重ねております。都内では、今月末に一回目の接種を約6割、二回目の接種を約4割の方が終える見込みであり、あらゆる手段を講じながら、希望する方々が一日も早く接種を受けられるよう取り組んでまいります。

補正予算の編成

そして、本臨時会には、厳しい経営環境にある事業者に対する都の独自支援の拡充や、ワクチン接種を行う医療機関への支援など、総額1556億円の補正予算案を提案いたしました。さらに、この度の緊急事態措置の延長に伴います協力金の支給などに加えて、現下の感染状況を踏まえた医療提供体制の強化・充実を図るため、総額1722億円の補正予算案を併せて提案しております。引き続き、為すべき取組を着実に推進し、この厳しい局面を何としても乗り越えるべく、全力を尽くしてまいります。

熱戦のバトンをパラリンピックへと繋ぐ

連日の熱戦が繰り広げられましたオリンピックがその幕を閉じました。史上初の1年の延期、そして、コロナ禍というかつてなく厳しい環境。その中で、自分自身と向き合いながら、日々、鍛錬を重ね、この大舞台に臨んだアスリートの皆様に、最大限の賛辞を贈りたいと思います。閉会式でオリンピック・フラッグを引き継いだ、アンヌ・イダルゴ・パリ市長からは、「コロナ禍における大会の運営を、国際社会も成功と見ている」との言葉をいただいたところでありまして、世界各国からも称賛や感謝の声が寄せられております。この未曽有の難局の中、歴史に残る祭典を成し遂げたことは、東京、そして我が国が持つ底力を示したものと言えましょう。この大会を実現するにあたり、多大なるご協力をいただいた世界各国の皆様、大会に携われたボランティアをはじめとする全ての関係者の皆様、そして、ご自宅で応援していただいた都民・国民の皆様に、心から御礼を申し上げます。
いよいよ6日後、東京2020大会のバトンは、パラリンピックへと繋がれます。「パラリンピックの成功なくして、大会の成功はない」。かねて申し上げている、私の一貫した思いであります。無限の可能性を秘めたパラリンピアンが放つ大いなる輝きは、コロナ禍という困難に立ち向かう我々に、計り知れない勇気を与えてくれるものと確信をしております。そして、このパラスポーツを通じて分かち合う感動が、多様性を認め合い、あらゆる違いを超えた真の共生社会の実現へと繋がっていくのであります。安全・安心な大会運営を最優先に、組織委員会や国、関係自治体等と連携しまして、パラリンピックも必ずや成功へと導いてまいります。

なお、本臨時会には、先ほど申し上げました予算案2件のほか、この間実施をいたしました専決2件、合わせて4件の議案を提案をいたしております。よろしくご審議のほど、お願いを申し上げます。

最後に、今一度、申し上げます。コロナウイルスは目に見えません。しかも、デルタ株は手強い。陽性者の数も重症者の数も、まさに災害級でありまして、日本各地を襲う豪雨と同じく、「これまでに経験したことのない」局面を迎えております。しかし、コロナは、都民、事業者、医療従事者、そして行政が、心を一つにし、力を合わせれば、必ずや抑えることができる。だからこそ今、最大限の警戒と、命を守るための最善の行動が必要である。このことを、私は都民の皆様お一人お一人に改めて強く呼びかけております。
この強敵との闘いを何としても乗り越える。強い決意を胸に、一日も早い感染収束に向け、都は総力を挙げてまいります。都議会の皆様、都民の皆様のご理解、そしてご協力をよろしくお願いを申し上げます。

以上をもちまして、私の発言を終わります。
ご清聴、誠にありがとうございました。

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