令和7年第二回都議会臨時会 知事発言

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令和7年第二回都議会臨時会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。

先の都議会議員選挙におきまして、都民の信任を得て当選されました127名の議員の皆様に、心よりお祝いを申し上げます。誠におめでとうございます。ここにお集まりの皆様と共に東京大改革を加速させ、都民の負託に応えてまいりたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。

さて、世界が衝突や対立を乗り越え築き上げてきたグローバルな秩序を揺るがすような動きが相次ぎ、「分断」が加速しつつあります。エネルギーや半導体、AIなどを巡る国際競争も過熱するばかりであります。そして、さらに深刻さを増すのが気候変動であります。50℃を超える熱波や頻発する洪水、大規模な山火事など、人類の生存そのものを脅かす事態が、急速、かつ現実に人々の生活に牙を剥きつつあるのであります。時代の大きな転換点に当たりまして、地球規模のドラスティックな変化をプラスに転じるための行動こそが、強く、強く、求められております。
激動の中での都市運営を左右する鍵は「レジリエンス」、すなわち都市の強靭化であります。先のアメリカ出張におきましては、災害対策の現場や日本人が現地で起業したスタートアップの取組をこの目で見てまいりました。気候変動への対応におきましても、経済の発展を支える基盤としても、安全・安心が極めて重要だという想いを一層強くしたところであります。近頃、国内外で地震や火山の噴火が相次いでいます。こうした自然災害への備えはもとより、インフラの老朽化対策や、海外に依存するエネルギー・食料等の安定確保、未知なる感染症への対応など、いかなる危機にも負けないレジリエント、強靭な都市を実現し、東京の強みである安全・安心をさらに磨いてまいります。
その揺るぎなき土台の上で、「人」が中心の都政を展開することが肝要であります。コロナ禍を経まして暮らし方・働き方、大きく変化をし、人口減少の影響も至る所で顕在化しております。人々の自己実現を阻むような仕組みや制度があれば、一刻も早く見直していかなければなりません。まちづくりにおきましても、変えるべきものは変え、守るべきものは守りながら、あらためて「人」が主役の東京へ再構築していきます。一人ひとりが輝く持続可能な都市のモデルを生み出し、いち早く社会に実装することこそが、都民から強く期待されております。
日本全体を元気にしていくのもまた、首都東京の大切な使命に他なりません。残念ながら、我が国は内向きの発想に囚われ過ぎております。熾烈な国際競争に背を向け、東京一極集中論のようなパイを切り分ける議論の先に、果たして明るい日本は待っているのでありましょうか。今為すべきは、パイそのものを大きくすること。日本地図だけではなく世界地図を広げて考えましょう。トランプ関税のようなピンチもチャンスと捉えて、産業の競争力強化に繋げるくらいのしたたかさが必要であります。海外の資金を呼び込み、イノベーションを加速することも欠かせません。東京が国内外を結ぶ「結節点」となり、こうした動きを牽引してまいります。
「21世紀は都市の時代」であります。災害を例に取っても、目の前で苦しむ人々を救うのは都市であり、今後、国際社会でその存在感はますます高まってくることでありましょう。だからこそ、互いに助け合うための情報交換と実践を追求する「多都市間連携」をさらに進めるべきだと考えております。世界各地で生まれる新たな知恵や技術革新を共有することで、都民の幸せ、ウェルビーイングに繋げていきます。

世の中が加速度的に変化し、極めて不確実な局面を迎える今、首都防衛の下、都議会と執行機関が車の両輪となって都政もさらにスピードアップしていかなければなりません。東京をもっと良くしたいという共通の想いを胸に、強く、しなやかに、共に明るい未来を切り拓いていこうではありませんか。増子ひろき議長、菅野弘一副議長をはじめ、都議会の皆様方の一層のご理解、ご協力をお願いを申し上げます。
なお、本臨時会におきましては、監査委員の選任の同意に関する議案を提案をいたしております。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

以上をもちまして、私の発言を終わります。

記事ID:000-001-20250808-042877