アムステルダム・ロッテルダム・アスタナ出張の概要・成果
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令和8年5月、小池知事が、オランダ王国アムステルダム市及びロッテルダム市並びにカザフスタン共和国アスタナ市を訪問しました。
1 出張概要
期間
令和8年5月17日(日曜日)~5月23日(土曜日) ※日程表はこちら
出張人数
7名
総経費
9,865千円 ※出張者及び経費の内訳はこちら(PDF:62KB)
2 主な出張成果
アムステルダム市
- アムステルダム市長と面会。都市のレジリエンス強化や、脱炭素の取組について意見交換を行った。国際都市ネットワークを通じた実践的な都市間連携を推進していくことを確認した。
- アムステルダム港を視察。市中心部に近接した港湾としての物流機能等について確認した。特に、船、鉄道を活用したモーダルシフトが進められおり、輸送の効率化と環境負荷の低減に関する知見を得た。
- 水と共生する都市づくりを視察。船上から、運河が担う水位調整機能と景観形成や回遊性向上を一体的に実現する取組を確認し、施策推進に資する示唆を得た。
ロッテルダム市
- 世界最大級の水素分野の国際会議「世界水素サミット」から招待を受け、パネルディスカッションに登壇。東京の先進的な取組を広く発信した。また、水素分野の専門家や各国政府関係者との意見交換を通じて、水素の社会実装に向けた知見の獲得や関係構築を図った。
- ロッテルダム市長と面会。グリーン水素の取組や、都市のレジリエンス強化、気候変動対策など、両都市が直面する共通課題について意見交換を実施した。今後も知見を共有し、都市間連携を一層深めていくことを確認した。
- ロッテルダム港を視察。荷役機械の自動化や手続きのデジタル化など、世界最先端の技術を活用した、効率的な港湾経営の状況を確認した。また、港湾内にある欧州最大級のグリーン水素製造拠点を視察し、東京におけるグリーン水素製造拠点整備に資する知見を得た。
アスタナ市
- トカエフ大統領やカシンベック アスタナ市長と面会。東京都とアスタナ市との合意書を踏まえ、AI・デジタルや防災・都市強靭化等の分野について意見交換を行い、今後の更なる連携強化を確認した。
- 国際AIセンターを訪問するなど、合意書に基づく連携を強化した。AIについて、スピード感をもって非常に熱心に取り組んでいる様子を確認した。また、現地の学校を訪問し、理数系教育や英語による授業、探究学習を通じた人材育成を視察した。
- 農業大臣と面会。双方の農業・水産業の取組について紹介し認識を共有した。また、チョウザメの養殖やキャビア生産の取組について、意見交換を行うとともに、今後、協力を行っていくことを確認した。
- 都内GX関連中小企業・スタートアップと現地企業とのビジネスマッチングイベントにおいて、トップセールスを実施。カザフスタン市場における協業促進や新たなビジネスチャンス創出を後押しした。
3 出張先での主な行動
オランダ王国アムステルダム市
5月18日(月曜日)
アムステルダム市長との面会及びワーキングランチ
- フェムケ・ハルセマ市長と面会し、気候変動の影響を踏まえた都市のレジリエンス強化や防災対応の重要性について認識を共有するとともに、水管理をはじめとする具体的取組について意見交換を行った。
- 併せて、エネルギー分野での水素活用や脱炭素に向けた取組、人口動態の変化への対応などの共通課題について議論し、今後も知見の共有や都市間連携を進めていくことを確認した。
「水と共生する都市モデル」に関する視察(船上視察)
- 水と共生する都市づくりを進めるアムステルダム市において、都市のレジリエンスの観点から、まちづくりについて視察を実施した。
- 今回の視察では、船上から運河を巡りながら、アムステルダム市のチーフ・アーバン・デザイナーであるミリャナ・ミラノヴィッチ氏より、運河地区の歴史や都市開発の考え方について説明を受けた。
- 運河が水位調整機能と景観・回遊性の創出を両立している点など、防災と都市の魅力を一体的に高める工夫を確認するとともに、都市空間を活用したレジリエンス強化に関する知見を獲得し、都の施策推進に活かし得る示唆を得た。
アムステルダム港視察
- アムステルダム港を視察し、市中心部に近接した港湾としての物流機能や、都市と一体となった港湾運営の在り方等について確認した。
- 現地では、アムステルダム港湾会社CEOのコーン・オーフェルトゥーム氏から、水素等のエネルギー転換や循環型経済への移行などの取組について説明を受け、既存資源を活用した持続可能な産業集積の形成に向けた考え方を確認した。
- また、TMAターミナルにおいて、CEOジョン・デ・ボア氏及び商務ディレクターのヴィクトリア・オッペンハイム氏から説明を受け、船舶や鉄道等を組み合わせたモーダルシフトにより、輸送の効率化と環境負荷の低減を図る取組を確認するとともに、港湾機能の高度化に資する知見を獲得し、都の施策推進に活かし得る示唆を得た。
都市農園「Growy Amsterdam」視察
- アムステルダム市において、都市内における新たな食料生産モデルである垂直農場について視察を実施した。
- Growy Amsterdam社の共同オーナーであるローラ・ファン・デ・クレーケ氏から説明を受け、AIやロボット等の自動化技術を活用した垂直農場を視察した。
- 同社は、物流拠点内において、種まきから収穫、箱詰めまでの一連の作業を自動化した垂直農場を運営している。物流拠点内での自動化生産や再生可能エネルギーの活用、効率的な物流との連携により、安定的な食料供給と環境負荷低減を両立する取組が進められていることを確認するとともに、都市型食料生産に関する知見を獲得し、都の施策推進に活かし得る示唆を得た。
オランダ王国ロッテルダム市
5月19日(火曜日)
フローティングファーム(浮体式酪農施設)視察
- ロッテルダム市において、港湾エリアに設けられた浮体式の都市型酪農施設を視察した。同施設の設立者であるペーター・ファン・ウィンガーデン氏から、水上における酪農の取組について説明を受けた。水面下では電気を使わずに自然の熱循環によって室内温度を一定に保ち、酪農製品の生産にも活用されているなど、浮体式建築による特性を現地で確認することができた。
- 食品副産物や廃棄物の飼料化、排泄物の再利用、再生可能エネルギーの活用などにより、資源循環と安定的な食料供給を両立する取組を確認するとともに、都市環境と調和した食料生産モデルに関する知見を獲得し、都の施策推進に活かし得る示唆を得た。
世界水素サミット パネルディスカッション登壇
- ロッテルダムで開催された世界最大級の水素分野の国際会議「世界水素サミット」に招待を受け、パネルディスカッションに登壇した。同サミットは、エネルギー分野の閣僚や政策決定者、企業経営者等が一堂に会し、脱炭素社会の実現に向けた議論が行われる、水素分野で最も影響力のある国際会議である。
- パネルディスカッションにおいて、各国政府代表と議論を行い、東京都の水素ビジョンや施策を発信した。特に、水素社会実現における都市の役割の重要性を国際社会に向けて訴えた。
- 水素分野における専門家とも意見交換を実施した。
- 今回の登壇を通じて、東京の先進的な取組を広く発信するとともに、各国の政策動向や最新の知見を把握し、水素社会の社会実装に向けた取組を加速させるための知見を獲得した。
ロッテルダム港視察(グリーン水素製造/物流ターミナル)
- ロッテルダム港を視察し、物流とエネルギーの両面で国際的に重要な役割を担う港湾の取組について確認した。
- まず、グリーン水素製造の現場である「Holland Hydrogen I」を訪問し、アセットマネージャーのロール・アレツ氏から、再生可能エネルギーを活用した水素の製造・貯蔵・輸送・供給を一体的に進める取組について説明を受けた。あわせて、水素関連施設の集積状況を視察し、エネルギー転換に向けた先進的な取組を確認した。
- 次に、APMターミナル・マースフラクテⅡ地区を車上から視察し、コマーシャル部門長のニールス・デッカー氏からの説明を受け、自動化されたクレーンや無人搬送車などの高度な自動化技術の導入状況を確認した。あわせて、港湾手続きのデジタル化により、物流の迅速化及び効率化が図られている状況を確認し、港湾機能の強化に関する知見を得ることができた。
- 東京港とロッテルダム港とは1989年より国際姉妹港として連携している。今後とも、相互の知見を活かしながら、港湾の国際競争力の強化や持続可能な発展に向け、連携を深めていく。
ロッテルダム市長との面会
- カロラ・スホーテン市長と面会し、両都市のこれまでの友好関係を振り返り、港湾を核としたエネルギー政策や課題について意見交換を行った。
- 面会では、ロッテルダム港における水素エネルギーの取扱いの進展や、水素普及に向けたコスト・市場形成の課題について説明を受け、都市・港湾がエネルギー転換に果たす役割について認識を共有した。
- また、水素パイプライン整備やドイツとの接続構想など欧州のインフラ動向について理解を深めるとともに、低地都市としての取組も含め、持続可能な都市づくりに関する知見を獲得した。
- 両都市は、今後もこうした分野における意見交換を継続し、相互の知見を活かした連携を深めていくことを確認した。
世界水素サミット公式夕食会
- 世界水素サミットの公式夕食会に出席した。
- 夕食会では、オマーンのエネルギー・鉱物資源大臣をはじめ、各国の水素関係者とも懇談するなど、世界の水素分野をリードする関係者とのネットワークを強化し、今後の政策づくりや国際連携の推進に役立つ有益な知見を得ることができた。
カザフスタン共和国アスタナ市
5月21日(木曜日)
日本人死亡者慰霊碑への献花・参拝
- アスタナに所在する第二次世界大戦後に拘留されて死亡した日本人の慰霊碑を参拝し、献花を行った。
国際AIセンター「Alem.ai」視察
- アスタナ市内にある国際AIセンター「Alem.ai」を訪問し、AI・デジタル技術を活用した都市課題解決の取組についてヒアリングを行うとともに、ムハメトカリエフ・バフティヤル人工知能・デジタル開発副大臣と意見交換を実施した。
- 同センターは、人材育成、研究開発、スタートアップ支援を一体的に担う拠点として整備が進められており、AI分野の中核拠点を目指す取組を確認した。
- 意見交換では、東京都の「スマート東京」の取組等を紹介するとともに、AIやデジタル技術を活用した都市課題の解決や人材育成の重要性について認識を共有した。
国際金融センター視察
- アスタナ国際金融センター(AIFC:Astana International Financial Centre)を訪問し、同センターに関する説明を受けるとともに、レナト・ベクトゥロフ 国際金融センター総裁と、カザフスタンにおける国際金融拠点化の取組等について意見交換を行った。
- 同センターは、外国企業が活動しやすい制度を整備した特別区域として、英米法を基礎とする法制度や税制優遇、独立した監督・紛争解決機能を備え、国際金融拠点の形成に向けた取組が進められていることを確認した。
- 意見交換では、東京都の「国際金融都市・東京」の実現に向けた取組に加え、外国企業支援やスタートアップ育成等の取組を紹介するとともに、投資環境整備が都市の成長や産業振興に果たす役割について認識を共有した。
カザフスタン農業省との意見交換
- サパロフ・アイダルベク・セイペロヴィチ 農業大臣と意見交換を行い、同国におけるチョウザメ養殖及びキャビア生産の取組についてヒアリングを実施した。
- 同国では、資源保護の観点から天然採捕を制限し、養殖への転換を進めるとともに、養殖・稚魚放流・密漁対策を一体的に推進し、輸出向けの高付加価値産業として位置付けていることを確認した。あわせて、トレーサビリティを通じた品質管理と国際的信頼性の確保について理解を深めた。
- また、神津島における養殖の取組を紹介し、資源を守りながら利用する水産業のあり方について認識を共有した。
アスタナ市長との面会
- ジェニス・カシンベック市長と面会し、2025年12月に締結した東京都とアスタナ市との合意書を踏まえ、デジタル分野及び防災・都市の強靭化分野を中心に、今後の都市間連携について意見交換を行った。
- 意見交換の中では、AIやデジタル技術を活用した市民サービスの高度化、気候変動に伴う風水害への対応、災害時の対応体制強化など、両都市が共通して直面する課題について幅広く議論を行った。
- 今後も実務レベルでの交流を積み重ねながら、都市の持続的発展と市民生活の向上に向けて、都市間連携を一層深化させていくことで一致した。
アスタナ市長主催歓迎夕食会
- 夕食会では、都市政策や国際協力に関する意見交換を行うとともに、両都市のこれまでの交流の経緯を振り返り、今後の関係深化に向けた意見交換を行った。
- 特に、同席したマディエフ・ジャスラン 副首相兼人工知能・デジタル開発大臣とは、AI・デジタル分野に関する意見交換を通じて相互理解を深め、今後の都市間連携の推進に向けた基盤構築につながった。
- また、夕食会では、カザフスタンの伝統舞踊や音楽等が披露され、同国の文化への理解を深めた。
5月22日(金曜日)
カザフスタン大統領との面会
- カシム=ジョマルト・トカエフ大統領と面会し、AI・デジタル、教育、脱炭素・エネルギー等の分野における連携について意見交換を行うとともに、今後も友好・協力関係を一層深めていくことを確認した。
- また、アスタナ市と東京都との交流や連携強化も含め、これまでの日本・カザフスタン間の交流の積み重ねを振り返り、相互の貢献に対する敬意を表し合うとともに、今後の更なる関係発展に向けた認識を共有した。
都内GX関連 中小企業・スタートアップのトップセールス
- 東京都の中小企業・スタートアップ5社が参加した現地でのビジネスマッチングイベントに出席した。
- ムラト・カリムサコフ カザフスタン対外商工会議所会頭やサーブル・エシムベコフ カザフスタン日本経済委員会会長の列席のもと、GX分野における東京発スタートアップ・中小企業のトップセールスを実施し、企業の海外展開を後押しした。
ナザルバエフ・インテレクチュアル・スクール訪問
- ナザルバエフ・インテレクチュアル・スクール(NIS)アスタナ校を訪問し、アヌアル・ジャンゴジン理事長から、同校における教育理念や教育課程、学校運営について説明を受けた。
- 同校は、政府が人材育成を国家発展の中核に位置付けて設立した教育改革のモデル校であり、理数系(STEM)教育や英語による国際教育を重視した取組が進められていることを確認した。
- 視察では、国際バカロレア(IB)プログラムを基軸としたカリキュラムや英語による授業、探究学習やロボティクス等の取組を確認するとともに、先進的な教育手法に関する知見を獲得し、都の教育施策の推進に資する示唆を得た。
アルマトイ市長との面会
- アスタナから東京への帰路の乗継地点であるアルマトイ空港において、ダルハン・アマンゲルディエヴィチ・サトゥバルドゥ市長と面会。自然災害に対する都市の強靭化などの取組について意見交換を行った。
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