令和8年第二回都議会定例会 知事所信表明
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令和8年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を述べさせていただきます。
1 はじめに
中東情勢の混乱により、我が国は資源の確保という根源的な課題に直面しています。日本全体の持続可能性が問われる中、東京は首都として、その役割を果たさなければなりません。エネルギーをはじめ人口減少など、我が国が長年抱える構造的な課題に、今こそ向き合う時だからであります。日本成長の鍵は、東京の力を活かすことです。「世界の中の東京」の視点に立ち、国と東京が連携して生まれるシナジーで、より大きな成長のエナジー、エネルギーを生み出す。東京、ひいては我が国全体の持続的な発展に繋げてまいります。
時代の動きはあまりにも速く不確実です。だからこそ、先手先手で政策を展開していきます。その先に、いかなる危機にも揺らぐことのない、持続可能な世界一の都市・東京を実現してまいります。
2 現下の危機を乗り越え、首都東京の持続可能性を高める
中東情勢を踏まえた補正予算案の編成
まずは、長引く中東情勢の影響を踏まえた、都の対応について申し上げます。先月、都は国に対し、新エネルギーの普及に向けた事業者支援や規制の緩和措置のほか、物価高騰の影響を受ける事業者の支援などを求める緊急要望を実施いたしました。国では、予備費を活用し、電気・ガス料金の補助を行うとした上で、中東情勢などの影響に対応するための補正予算が成立したところです。
こうした中、都は、エネルギー構造の転換や都市に眠る資源の有効活用に向け、先駆的施策に前倒しで着手する補正予算案を編成いたしました。現下の状況をむしろチャンスと捉え、足らずを補うだけではなく、未来を切り拓くイノベーションによって、持続可能な社会に向けた新たな一歩を東京がリードしていきます。
石油のみに依存しない新たな技術や素材の開発に取り組む事業者を支援するほか、スタートアップと連携し、資源やエネルギーの構造転換に繋がる新技術の社会実装を推進します。
身近にある資源を有効活用する観点から、さらなる取組を展開します。家庭の使用済み食用油などから作られる航空燃料SAFの利用を促すため、国産SAFを供給する事業者に対し、これまでの支援にさらに上乗せを行います。また、家庭から携帯電話などを回収する事業者への支援を行い、レアメタルなどの再資源化を促進します。身の回りに埋もれた、まさに「東京油田」「東京鉱山」から資源を掘り起こしてまいります。
水素の社会実装も加速させます。先月のオランダ出張では世界水素サミットに登壇いたしました。都の先進的な政策を発信するとともに、各国の最新動向や知見に触れる貴重な機会となりました。次に訪問した中央アジアのカザフスタンではトカーエフ大統領と面会をし、水素の導入拡大を含む脱炭素化に向けた連携など、協力関係を深めていくことを確認しました。都が主催する水素の国際会議「HENCA Tokyo」は、こうした出張の成果を活かすとともに、先進的な取組を行う自治体間の連携強化にも活用し、水素社会の実現を目指します。
このほか、補正予算案では、中小企業の経営安定化に向けた事業も盛り込んでいます。収支が悪化する事業者に対して、信用保証料の補助を拡充し、支援を強化していくほか、コスト高騰の影響を受ける事業者に対し、適切な価格転嫁や原材料費の縮減を支援します。また、物価高騰を踏まえて、国の交付金をもとに実施してきた福祉施設など、価格転嫁が困難な中小事業者への支援を、独自に継続・拡充します。石油のみに頼らない社会の実現に向けて、エネルギー構造の転換などを加速化するとともに、事業者の不安を払拭してまいります。
ライフスタイルの変革で暑さから命を守る
今年も迫る夏の猛暑。エネルギー確保が喫緊の課題となる中、夏の電力ひっ迫を乗り切らなければなりません。こうした中、都民の命と暮らしを守るには、ライフスタイル自体の変革が必要です。キーワードは、年間を通じて働く・暮らす・装う環境をクールにする「東京クールビズ」です。早朝勤務や東京暑さマップの活用など、賢い省エネと快適性の両立を目指す働き方・暮らし方を、新常識として推進します。
室内の熱中症は特に注意が必要です。エアコンの利用を促すため、ゼロエミポイントを活用したエアコン設置支援や、今夏に限り水道基本料金を4か月間無償とする臨時措置を実施します。暑さチェッカーの活用や暑熱順化の実践も組み合わせ、対策を進めていきます。学校においても、熱中症対策に要する備品の整備など対策を進めてまいります。
事業者には、暑さに配慮した職場環境づくりへの奨励金を支給します。また、都が発注する工事において現場の熱中症対策を強化し、都民、事業者それぞれにきめ細かな暑さ対策を展開します。
レジリエンスこそ持続可能な都市の土台だ
持続可能な都市、その土台となるのは強靭性、レジリエンスです。先日、「国の首都直下地震における被害想定の分析と首都東京の強靭化に向けた都の見解」を公表しました。国に対し、発災時の火力発電所の被害軽減や、電力供給を確保することを提案しております。都の被害想定の見直しは専門家等の意見を踏まえ、より実態に即したものとしていきます。また、令和4年の都の被害想定策定以降も、都の対策は着実に進展し、被害の軽減に寄与しています。東京への重点的な対策や集中投資は減災効果が極めて高く、国力にも直結します。都は、災害の脅威から、都民そして首都を守るべく、世界で最も強靭な都市を実現してまいります。
こうした考えの下、大地震への備えを一層進めます。発災時の迅速な救援活動には、無電柱化が欠かせません。新たな無電柱化計画を今月末に策定します。5か年で新たに320キロメートルの区間などに着手するとともに、宅地開発の無電柱化条例も踏まえ対策を強化します。また、地震に伴い発生する火災から都民を守るため感震ブレーカー「グラぴたスイッチ」の普及や、消火活動が困難な場所でも活用できる消火用ドローンの実用化に向けた開発を進めます。
激甚化する豪雨対策では、現在30か所、総容量約270万立米の調節池が稼働しています。昨年は約64万立米を取水し浸水被害を軽減しました。過去に浸水被害が度々発生している善福寺川では、新たに容量約30万立米となる調節池の工事に着手しております。また、高台まちづくりの取組の拡大や、地下街の浸水対策として、AIなどを活用した防災支援システムのモデル構築に取り掛かります。来月には、江戸川区と合同で、大規模風水害を想定した総合防災訓練を実施するなど、対策を着実に進めてまいります。
災害は平時からの備えが肝要です。先日完成した2隻の防災船を、平時は災害対応訓練や定期便として運航します。また、災害時に適切な食品衛生対策を講じるためのマニュアルを作成し、避難所などにおける食の安全を確保します。島しょ地域については、海底光ファイバーケーブルの計画的な更新や安定運用に向けた方針を検討してまいります。富士山噴火に対しましては、降灰時の物資輸送や交通インフラ、火山灰処理などについて対策の具体化を進めます。
3 「人」が生み出す活力こそ、持続的な成長の源泉
「人」は、持続的な成長の源泉です。「人」が生み出す活力を引き出してまいります。
東京の出生数増加からムーブメントを起こす
知事就任以来、果断に展開してきた結婚、子育て支援策には、都民から多くの共感が寄せられています。昨年の都内出生数は前年比で1.0%増加しました。プラスに転じるのは10年ぶりとなり、特筆すべきことであります。また婚姻数は4.0%増加となり、2年連続の大幅増加であります。
一人ひとりの「叶えたい」を支えるべく、結婚・出産支援を一層拡充します。結婚おうえんキャンペーン「TOKYO八結び」は、先月末に気運醸成イベントを開催し、約2万人の方が来場されました。そして、令和8年8月8日の八並びの日には、TOKYO結婚おうえんフェスタを、麻布台ヒルズをはじめ各地で開催します。結婚を希望する多くの方々の「はじめの一歩」を応援し、東京から社会全体にムーブメントを広げてまいります。妊娠・出産期から子育て期の支援も充実させます。10月から産婦健診などにおいて都内共通の受診方式が導入され、自治体の区域を越えて受診できるようになります。従事者への研修など、導入に向けた準備を着実に進めてまいります。また、区市町村による産後ケア施設の改修や開業を促進し、支援の受け皿を拡充いたします。
子供たちが安心して育ち、世界に羽ばたく土台を築く
未来を担う子供たちが安心して健やかに育つ環境を整えます。遊びを通じて多様な経験ができるプレーパークの整備や、夏休みの生活リズムを保つための朝の居場所づくりに取り組む区市町村を後押しします。また、事故情報データベースを活用した産学連携による製品開発などへの支援を開始したほか、近年増加している子供の自殺への対策やSNSの利用によるトラブルを防止するための普及啓発など、子供を守る取組を一層進めてまいります。
若いうちから世界を知り、グローバルな素養を磨くことは、自らの可能性を広げる上で重要です。大学生の留学を支援する「東京グローバル・パスポート」は、来月から第1期の留学がスタートします。また、今年度新たに、世界トップレベルの海外大学への進学に向けた給付型の支援制度を創設しました。まずは都立高校生を対象に来月から募集を開始し、多様な分野におけるチャレンジを後押しします。
都立高校の魅力向上を図る
予測不可能な世界情勢や、AIが劇的に進化し、社会に大変革をもたらす時代だからこそ、国際舞台で活躍できる能力や、人の手でしか生み出せない技術を備えた人材の育成が必要です。都立高校では「新たな教育のスタイル」を導入し、AIやグローバル・リーダーの力を結集した教育を展開します。また、数学的な思考力と国際ビジネスの知識を合わせた国際金融教育を導入し、商業高校の専門性を高めるほか、工科高校では、建設業界やバス事業者と協議会を開催し、カリキュラムの充実と業界のイメージアップ広報に連携して取り組みます。
こうした取組を専門家との議論を重ねた上で、「都立高校改革構想(仮称)」として取りまとめます。まずは年内を目途に中間まとめを作成し、都立高校のさらなる魅力向上の取組に繋げていきます。また、教員の働き方改革の検討を進め、職場としての魅力向上も図ってまいります。
条例施行を梃子に女性活躍を一層進める
昨年度可決いただいた、全国初の女性活躍推進条例を来月1日から施行します。女性が個性や能力を発揮できる環境の創出に向け、都では、基本的な考え方・進め方を整理した指針を策定するとともに、実際に事業者が行った有用な取組をまとめた事例集を公表しました。条例の理念実現に向けた事業者の具体的な行動を、業界団体とも連携し後押ししていきます。また、都民に広く理解を深めていただけるように、普及啓発を積極的に進めてまいります。
条例の施行と合わせ、男女平等参画推進総合計画を改定します。今回の改定では、男女ともに自分らしく希望する生活ができる社会の実現や、雇用・就業分野における女性活躍の推進など4つのビジョンを掲げ、数値目標を充実し、様々な主体と連携しながら施策を推進することとしています。また、アクションプランに基づく事業の進捗管理により、計画の実効性を高めます。誰もが性別に囚われず自分らしく生きられる社会の実現に向け、取組を一層加速してまいります。
高齢者が安心していきいきと暮らす
人生100年時代。いつまでも健康でいたい、というのは誰もが持つ願いです。生活機能全般が衰えるフレイル対策として、サポート医を活用する医師会や区市町村を支援します。また「東京Chojuアプリ」に、生活習慣のデータをかかりつけ医に提供できる機能などを追加します。さらに、市販のスマートウォッチとの連携に向けた検証を進め、誰もが手軽にアプリを使える環境を整えます。地域社会やデジタルの力を活用し、心豊かなChōju社会を実現いたします。
4 「世界の中の東京」の視点に立ち、課題解決を東京が牽引する
世界に視野を広げて課題解決を牽引し、サステナブルな社会のモデルケースを築き上げます。
スシテックの勢いを東京・日本の成長に繋げる
その想いを凝縮したのがSusHi Tech Tokyoであります。今年は3日間で、100を超える国・地域から6万人もの参加者が来場。出展したスタートアップは790社以上となり、世界のトップランナーによる多彩なセッションなど、スシテックブランドは、もはや世界に定着したと言えるでしょう。初日には高市総理をお迎えし、国と都が連携してイノベーション創出を後押ししていくと世界へ力強く発信いたしました。
このスシテックの勢いを、東京、そして日本の成長へと繋げていくため、海外のエコシステム拠点との連携をさらに深めていきます。シンガポールなど海外都市との連携をもとに特別プログラムを開始し、スタートアップの進出を強く後押ししてまいります。
国内外の連携・協調の輪を広げ課題解決を牽引する
全国各地との共存共栄の取組を進め、東京が課題解決を牽引いたします。これまでも、女性活躍や結婚支援で愛知県と、農林水産分野で新潟県と連携するなど全国の自治体と様々な取組を進めています。今年度は取組をさらに発展させ、東京に集積する知識や技術を活用し、地域の課題解決を先導いたします。4月にTokyo Innovation Base、TIBで開催したイベントでは、秋田県、山形県、新潟県の各知事にお越しいただき、大雪やクマなど地域課題をテーマに、行政とスタートアップが共に解決に向けた議論を行いました。7月にはDXをテーマに議論する予定であり、オールジャパンの結節点として、課題解決に資するイノベーションを東京から起こしてまいります。
海外都市との連携も重要であります。G-NETSは世界55都市が参加し、レジリエンスなどに関する共同声明を採択いたしました。並行して行った東南アジア地域の首都との連携強化に向けたTOKYO-SEADSでは、風水害対策と都市インフラの整備をテーマに共同声明を採択しました。今後、共同プロジェクトの実施など実践的な取組に着手いたします。また、OECDとは、都市の首長のネットワークであるチャンピオン・メイヤーズの議長として、さらなる連携を図ります。世界の都市が抱える共通課題の解決を、東京が強力に推し進めてまいります。
5 魅力に溢れ、安心して暮らせる東京を実現する
最後に、東京が持つ魅力を高めるとともに、都民が安心して暮らせる環境を実現する取組について申し上げます。
スポーツや文化で都民の暮らしを豊かにする
困難を乗り越え成功した東京2020大会から5年。メモリアルデーイベントの開催など、大会のレガシーを発信していきます。先月、ロス五輪に向けたオリンピックQシリーズの開催地に東京が選ばれました。大会で実施されるアーバンスポーツは東京2020大会で初めてオリンピック競技となったレガシーです。ユースカルチャーと合わせ、東京の魅力を世界に発信する絶好の機会となります。世界陸上・デフリンピックで培った経験やノウハウも活かし、大会の成功を応援してまいります。
江戸から続く文化や伝統は、東京の魅力の源泉であります。江戸文化の魅力を発信する「Edo Tokyo キャンペーン」が今週末から始動します。季節ごとのプロモーションを官民一体で展開し、江戸文化を未来へ継承してまいります。江戸東京の匠の技や商品などを磨き上げる江戸東京きらりプロジェクトでは、東京と全国の魅力を発信・体感できる常設拠点を年度内に開設する予定です。
東京のポテンシャルを高めていく
AIを活用するAX、AIトランスフォーメーションの時代です。AIは東京のポテンシャルを飛躍的に高めます。都政のAXを有効に進めるべく、生成AIを活用したアプリ開発のためのプラットフォームを本格展開しました。また、行政分野に特化した国産AIモデルの構築を目指し、GovTech東京や大学などと連携して開発を進めます。こうした先駆的な取組を全国に広げ、行政のAXを東京がリードしていきます。加えて、多様化・高度化するサイバー攻撃に対応するセキュリティ対策を強化いたします。
交通や物流の円滑化は、都市機能の向上に繋がります。策定から約20年経つ踏切対策基本方針を、時代の変化を踏まえ今月、改定し、駅周辺の回遊性や災害対応の観点で、鉄道立体化など対策を強化します。また、東京港の機能強化は、東京のみならず日本全体のポテンシャルを高めます。先日視察したオランダのロッテルダム港では、荷役機械の自動化や手続きのデジタル化が図られ、同じくアムステルダム港では、船、鉄道を活用したモーダルシフトが進められていました。こうした先進事例を今後に活かすとともに、港湾物流システムの速やかな連携を促進し、世界トップクラスの効率性を備えた港を実現してまいります。
安心して暮らせる環境を整える
住宅は、空き家の増加や価格の上昇、また世代に応じた様々な課題に対応する必要があります。空き家を改修して若者の挑戦を応援する事業者を支援し、空き家の利活用を促進します。子育て世帯等が手軽な家賃で安心して住むことができるアフォーダブル住宅は、先月からファンド事業者や東京都住宅供給公社と連携し、順次募集を開始しています。新たなマスタープランの策定は、こうした課題への対応をさらに進める観点から検討してまいります。
足元の不安を払拭し、都民の安心を確保していきます。倒木対策では、東京グリーンビズマップにより、点検で異状が見つかった公園などの周知を行っております。今後はAIなど新たな技術も活用し、効果的な維持管理を徹底いたします。また、多摩地域で出没が相次ぐクマへの対応は喫緊の課題であります。地元自治体と連携するとともに、大学などの専門家の知見やスタートアップの技術を活用した実効性のある対策にも取り組み、その成果を東京から全国に発信してまいります。さらに、はしか対策として、新たに患者接触者へのワクチンの緊急接種場所を、地域の診療所でも可能となるよう追加し、感染拡大の抑制を図ってまいります。
安定的な火葬体制を確保する
火葬事業は、人の尊厳や社会秩序の維持に繋がる極めて高度な公共性を有するサービスです。先日、特別区内で民間火葬場を経営する株式会社の投資ファンドへの売却について、報道がありました。これを受けて特別区長会は、火葬事業の公共性を確保するため、自治体としての責務を果たす意思を明確にしました。その上で、都に対しては、広域的な観点からの協力要請がなされたところであります。先般、都は特別区と共に、民間火葬場の経営権変更などの際は、監督官庁の事前関与を可能とするよう、国へ要望いたしました。また、先週開催した火葬場に係る検討会では、民間火葬場は利益追求の手段として資本取引の対象となり得ることなどを踏まえ、民間主体であることの不安定性や、自治体による整備の必要性などの議論がなされました。東京の火葬事業の公共性をさらに高め、将来にわたり永続的に提供される体制整備を目指し、区市町村と連携し取組を進めてまいります。
6 おわりに
さて、知事就任から間もなく10年。「東京大改革」を掲げ、施策の不断の見直しを行い「都民が第一」の都政に邁進してまいりました。チルドレンファーストなど「人」を中心に据えた政策は共感を呼び、国をも動かしてまいりました。それは10年ぶりとなる出生数の増加という結果に繋がっています。明るい未来に向けて、取組は着実に前進しております。
一方で、我が国全体を見ると、低迷する出生率や長年続いたデフレ、後れを取る経済成長など、これまで築き上げた世界の中での存在感が薄れつつあります。しかし、ここが正念場であります。今こそ、日本が抱える構造的な課題の解決に向け、前へ進めるべきではないでしょうか。
4月から開始した国との協議会では、日本の成長に向け、地方税財政制度のあり方の検証などを国に求めております。インセンティブを阻害する地方交付税制度、役割に見合わない税源配分など、現行の制度もまた、構造的な課題の一つに他なりません。必要なのは、限られたパイを奪い合うのではなく、全国が一丸となって、パイそのものを拡大し持続的な成長に繋げていくことであります。かつて「論語無くして算盤無し」という言葉で、社会の利益を重んじてこそ、我が国全体の成長が実現できると説いた渋沢栄一翁。東京はこうした先人の精神を受け継ぎ、国と建設的に議論を深め、日本全体の発展に向け、全力を尽くしてまいります。
なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含めまして、予算案1件、条例案9件など、合わせて41件の議案を提案いたしております。よろしくご審議お願いをいたします。
以上をもちまして、私の所信表明を終わります。