小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年9月12日)

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知事記者会見
2025年9月12日(金曜)
14時00分~14時35分

 

知事冒頭発言

【知事】はい、よろしくお願いいたします。定例記者会見、今日は昨日の大雨の件も含めて4本お伝えをいたします。昨日の14時24分、都内におきまして大雨・洪水警報が発表されました。都は即座に情報連絡態勢を構築しました。そして、区市、また関係機関と連携するとともに、防災Xなどを通じて注意情報を発信をいたしました。今回はですね、五つの区で記録的短時間大雨情報が発表されまして、世田谷区では観測史上1位の時間雨量を記録をいたしております。特に谷沢川、また立会川の氾濫、そして内水氾濫などによりまして、大田区、目黒区、そして品川区など多くの区市の住宅において、床上、そして床下浸水が発生をいたしております。被害に遭われた皆様方にはお見舞いを申し上げたく存じます。さて、今回被害がありました地域ですが、過去にも繰り返し被害が発生をしているということから、短期的・長期的な視点で早急に検討を行いまして、対策をとりまとめるよう関係局に指示をいたしました。また今ちょうどそのための様々な取組、対策を進めている、ing形で進めているところもありますので、できるだけ早く早く進めるようにということも指示をいたしました。今、ちょうど季節の変わり目で、今日は涼しくて、ついこの間の暑さをあっという間に忘れそうではありますけれども、しかしながら、今後も急激な気象の変化、予想されます。そのため、都民の皆様におかれましては、都や区市町村が発信する防災情報、そして気象情報には十分ご注意をいただきたいと思います。そしていくつかのポイントありますが、豪雨の時はですね、まず、河川に近づかない。それからアンダーパスの通行ですね。車でそのまま水の溜まりになってしまっているところに入ってしまう、これは絶対に避けていただきたいと思いますので、特にご注意いただきたいと思います。どうぞご自身、そしてご家族の身を守る行動を取っていただきますようお願いいたします。

1 東京2025世界陸上開幕

【知事】それから、次はですね、いよいよです。明日から東京2025世界陸上が開催いたします。世界のトップアスリートが東京に集結しまして、9日間にわたる熱戦が繰り広げられることとなります。まあね、コロナ禍で東京2020大会を開いたわけですけれども、あの時は本当に寂しいことに無観客となってしまいました。そして、皆さんには現地での観戦ができなかった、叶わなかったということ。これは私個人に取りましてもとても悔しい思いでした。今回の世界陸上ですが、選手が躍動する姿、ぜひ国立競技場の場でご覧いただきたい。また大会期間中は、競技場の周辺で今ご覧いただいているいくつかのスポットがありますけれども(スライド)、こういったところを活用して多くのイベントを行います。ステージエリアにおいては、選手にメダルを授与するメダルセレモニーを行います。それからプロランナーの大迫傑選手のトークショー、それから、Little Glee Monsterのスペシャルライブ、彼女らいいですよね。それは置いておいて、そのほかの、そうですね。北口選手のやり投げ、これを皆さんが疑似体験できるような、そんなブースも設置いたしまして、色々なコンテンツをご用意いたしております。どうぞ、またぶり返しの暑さもくる恐れもあります。日傘・帽子、マイボトルなどの暑さ対策しっかりと行いながらどうぞ、国立競技場の内外で世界陸上の盛り上がりを体感していただきたいと思います。また世界陸上の開幕に合わせまして、自衛隊ブルーインパルスが飛行いたします。東京の空を鮮やかに彩ってくださいます。都心上空での本格的な飛行は、東京2020大会以来となります。今回のブルーインパルスですが、いつもお伝えしておりますようにSAF、家庭の油などから作られます航空燃料SAF、これを使用して飛行をいたしますので、上を見上げてブルーインパルスをご覧になれば「天ぷら油で飛んでいる」というふうにイメージしていただければと思います。そして、明日13日(土曜日)ですけれども、12時25分からの10分間の飛行になります。国立競技場の上空を通って、それからまずそこで展示飛行を行いまして、その後都内の各所を飛行する予定でございます。当日の午前のセッションのチケットをお持ちの方はですね、競技終了後にそのまま競技場の中から、内部から、航空自衛隊の解説付きでブルーインパルスの勇姿をご覧いただけるようになっております。チケット大変売れ行きもいいのですけれども、そのチケットもまだ購入可能な部分がありますので、ぜひご来場いただきたいと思います。そして東京での世界陸上ですけれども、振り返ってみますと、もうだいぶ昔になりますが、34年ぶりになります。約200の国と地域、そして2千人のトップアスリートがまさに人間の限界に挑戦する。そのパフォーマンスをぜひ見逃さずにご覧いただきたいものだと思っております。スポーツ推進本部で担当いたしております。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「TOKYO FORWARD 2025 for 世界陸上イベント」は、こちらをご覧ください。)

2 女性首長によるびじょんネットワーク

【知事】次です。女性の首長によりますびじょんネットワーク、また開きます。都においては、働く女性の活躍を促進する様々な取組を「女性活躍の輪~Women in Action」、頭文字とって「WA」ですね。そのように位置付けまして気運醸成を進めていっているところであります。こうした取組の一環として、今年も女性首長によりますびじょんネットワーク、これを10月18日(土曜日)に開催をいたします。この会議ですが、全国の首長さんをはじめとする女性の首長の皆様方と連携をいたしまして、日本全体で女性の活躍を後押しをしようという、その目的で、令和元年に山形県の吉村知事と立ち上げたものでございます。現在、70名を超える首長の方々にご参画いただいております。当日ですが、「女性活躍の輪を広げるために~変わる社会、変えるリーダーたち~」、これをテーマにしまして、女性活躍を進める取組などについて、女性首長さんや、また駐日女性大使、また経営者と様々な視点から意見交換を行ってまいります。これはどなたでもオンラインでのご視聴が可能でございますので、ぜひ申し込んでいただきたいと思います。そして参画自治体、また女性大使のそれぞれの国の特産品をですね、そばのKITTE丸の内、10月16日(木曜日)から20日(月曜日)まで販売をいたします。あわせましてオンラインマルシェの方も今日から開催いたしますので、ぜひご利用いただきたいと思います。このイベントでありますけど、会議ですけれども、日本商工会議所の方でもご支援いただいておりますので、それぞれの特産品などを持ち寄って、そして販売していこうということ、これもこのイベントの中に入っており、コンテンツの中に入っております。ぜひご利用いただきたいと思いますし、何よりも女性の活躍というのはただ女性のためだけではなくて、男性の活躍にもつながります。そして社会全体のプラスになっていくと。このびじょんネットワークなどを通じまして、人口の半分の女性の力を、これからもっと社会の中で大きく花開かせていく。そのような良いプラットフォームになればと、このように思っております。産労局(産業労働局)の担当となっております。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「女性首長によるびじょんネットワーク」は、こちらをご覧ください。)

3 「年収の壁」等に関する普及啓発動画

【知事】続いてでありますが、いわゆる「年収の壁」ですね、これについて取組をご紹介をしたいと思います。もうあっという間に9月も半ばに入ろうとしているわけですけれども、これから年末にかけまして、配偶者の扶養の範囲で働く方の中に、税とか社会保険料の負担が増えないように働き控えをするという方も今もいらっしゃると思われます。いわゆる「年収の壁」ですけれども、実はその「年収の壁」で思い込んでいることが本当にそうかという点をですね、もう一度理解を進めて欲しいという、そういう思いで今回、女性だけではなく、世帯の皆さんが制度を正しく理解をして、自分事として捉えられますように、新たに夫婦を対象とした動画で、その考え方を改めて確認をしていただく、そんな動画作りましたので、早速ご覧いただきたいと思います。どうぞ。

(動画放映)

【知事】はい。まあ壁、壁といって、何だか縛られるように、せっかく働くチャンスがあるのにかえって控えてしまうと、そのためにね。というのはもう頭にこびりついてるかもしれませんが、色々な不安があるかと思いますけれど、この「年収の壁」、また社会保障制度、これ改めてですね、分かりやすく解説をする必要があるということで作ったのがこの動画。今の最初の部分であります。3分少々で分かりやすく説明をしていますので、ぜひご覧になっていただいて、その壁を越える、まず理解を深めていただきたいと思います。例えば生涯に得る収支、お金ですね、収入。そのシミュレーションツールで、イフキャリという、これもですね、紹介する動画も作っておりますので、こちらもご覧いただければと思います。その不安の解消に役立てていただくというために特設のホームページ、またSNS、それから電車の中ですね、トレインチャンネルなどで配信していますので、ご自身のライフキャリア、またそれぞれの家庭にふさわしい働き方を考える、そのようなきっかけにしていただきたいと思います。産業労働局が担当いたしております。以上、私からお伝えするのはそれで以上でございます。

(会見で放映した動画は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「いわゆる「年収の壁」等に関する普及啓発動画について」は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】はい、どうもありがとうございました。幹事社の文化放送、伊藤と申します。幹事社から2問質問させていただきます。まず1問目です。知事からもお話がありましたように、いよいよ明日、世界陸上が始まります。おっしゃったように東京2025(正しくは、東京2020大会)では無観客ということでしたけれど、今回は大勢の観客を迎えての大会となります。改めて間近で見られることへの期待や観客に与える効果についてお聞かせいただけますでしょうか。

【知事】はい。今回の世界陸上でありますけど、スローガンがあります。それは、Every Second、1秒、毎秒ですね、SUGOI(すごい)、「Every second “SUGOI”」というのがモットーでございまして、1秒に大きな意味のある陸上競技において、最初から最後まで全ての瞬間がすごい、「すごい」は日本語のままでいきます。そんな大会を実現したい。陸上の競技は1分を競い合うではなくて、1秒もしくは0コンマ1秒、0コンマ001秒を競い合うということで、そういう意味でも「Every second “SUGOI”」というモットーでございます。1秒のためにですね、もうずっとアスリートの皆さんはもう本当に毎日挑戦、トレーニングという、その成果をですね、国立競技場で、皆様の前で、競い合っていただける。それを見られることを大変楽しみでございます。何しろ34年ぶりであります。またとない機会でございますので、特に今回、未来を担う子供さんたちをですね、国立競技場にもお招きをいたしております。またテレビを通じてもですね、陸上競技、様々な種目がありますから、ぜひ東京のこの場で行われているんだということを考えながら楽しんでいただければと、スポーツの喜び、楽しさを実感してほしいと、このように思っております。

【記者】ありがとうございます。続いて2問目です。自民党の総裁選挙、知事ご自身もご経験おありだと思うんですが、今回、自民党総裁選挙立候補を表明したのが、茂木前幹事長、小林鷹之さんはじめ、高市さん、林官房長官、小泉農水大臣の名前が挙がっております。この顔ぶれについては、知事としてはどのような印象をお持ちでしょうか。また、特に期待、あるいは注目している候補がいらっしゃれば教えてください。

【知事】皆さん頑張って欲しいと思います。

【記者】はい、ありがとうございます。それでは幹事社からは以上です。質問のある社は挙手の上、知事の指名があってから、社名・氏名を名乗って質問してください。よろしくお願いいたします。

【知事】NHKさんどうぞ。

【記者】NHKの佐久間です。よろしくお願いします。SNS上でですね、東京都が税金を使って都内の高級タワマンに外国人労働者向けの住宅を整備するなどといった誤った情報が拡散しておりました。都は見解をホームページにアップしておりましたけれども、今後もですね、同様の事項が起こると、起こってくるということもあり得ますけれども、都としてこういったネット上での誤情報などについてどのように対応していくか教えてください。

【知事】一言で言うともう怪情報ですね、それが怪情報の方がむしろ拡散しやすいというのがSNSの課題でもあり問題点でもあるというふうに思っております。都として、その誤情報については即訂正というか、訂正ではない、正しい情報をお伝えするという形でX上にはハッシュタグですね、(#)TOKYO_CORRECTというコーナーがありますので、これを用いて発信をいたしております。サムネイルというのは、非常に何と言うのでしょうか、炎上しやすくしている、そういうものも中にはあります。正しい情報を、それによってこの誤った情報、とらえ方にされてしまうということが起こりがちでございます。多くの都民の方々にこの#TOKYO_CORRECTを、よくお読みいただいているということで逆に都への疑念や根拠のない批判の払拭にも効果があると、このように考えております。正しい情報の発信をスピーディーに努めていきたいというふうに考えております。

【記者】すいません、もう1問なんですけれども、秋篠宮様がですね、成年式の儀を終えられました。一方でですね、皇族数の減少も課題となっていますけれどもお受け止めを教えていただければと。

【知事】はい。先日の加冠の儀を拝見させていただいて、とても一国民として嬉しく思ったところでございます。また成年の儀を迎えられたましたことを心からお祝い申し上げたいと思います。今後、本格的に始まる成年皇族としてのご公務も立派に果たしていかれるということを心からお祈りを申し上げたいと思います。また皇室のあり方などについては国民の理解を得ながら様々な観点で議論を深めていくべきではないか、このように思っております。テレビ朝日さん。

【記者】テレビ朝日の森嶋です。よろしくお願いします。知事は冒頭でもありましたとおり、昨日の豪雨では被害が相次ぎました。都として改めてですね、このような豪雨についてどのような対策が必要かどうか、またどのようなことをしていくべきであるかっていうのを都知事としてお考えのことありましたら教えてください。

【知事】昨日もですね、雨雲が急に発生をし、また流れて、地域をずっと横たわってということから、先ほどもお伝えしましたように、例えば世田谷区ではですね、これまでの記録を超える降雨量があったということでございます。例えば谷沢川がですね、今回も、溢水をし、床上浸水も発生をしたということでございます。この矢川橋という、その付近なのですけれども、東日本台風の際の浸水域の上流に位置しているところでございます。この谷沢川の分水路というのは、今の調節池事業としてですね、既に建設工事が始まっておりまして、完成予定が令和8年(度)、来年(度)ということになっております。こうやってこの水の流れ、極めて正直なので、そしてその流れについて、降り方、降雨量によってそのたびにも違いますけれども、こういった点については、ポイントについては、伺っておられる部分について、常に様々な対応策を講じて、そして、目下、その対策に当たっているというところでございます。今回の谷沢川の周辺につきましては今申し上げたとおりで、ほかの調節池対策もですね、着々と進めておりまして、来年(度)、完成する(予定の)ところも何か所もございます。いずれにしましても、これまで以上の想定を超えるような、この降雨についての対策を引き続き進めてまいります。マンホールも、前に一度 新宿でマンホールのふたがポンと上に上がって、それからですね、色々とマンホールの蓋の飛ばないような工夫なども行っておりますけれども、今回もいくつかの事象もございますので、それをベースにしながらまた様々な工夫もして、安心・安全な、そして首都防衛に邁進していきたいと、このように思っております。はい、日経さん。

【記者】日経新聞の飯塚です。全国的な人口減少と都内の労働力の確保の観点からちょっとご質問させてください。東京都が都市として成長を持続するためには、人や企業の集積を保つことが必要であり、特に情報通信や金融などの分野で働く高度人材やエッセンシャルワーカーの確保が不可欠となると思います。ただ一方で、今後、全国的な人口減少により、地方から都内への働き手の流入が減ることが見込まれる中、外国人人材の活用も不可欠になると思います。首都東京の持続的な成長を実現するために、外国人人材の生活基盤の整備なども含めて、東京の労働力を維持していくために必要な方策について、知事のお考えをお聞かせください。

【知事】まず私はいつも国力の計算式というのを紹介しています。国力は、まず人口と、そして経済力と、さらに国を守る、地域ですと、安全の確保ですね。これに戦略とそれを成し遂げようという意志、これを掛けていくことが国力の計算式だと、いつも念頭に置いて様々な政策を進めております。人口というファクターは極めて重要でございます。だからこそ個々人の自己実現の夢に対してどうやってその環境を整えるか、それも部分部分ではなくて東京都ではシームレスに行うことによって、人生って予定が立つような立たないようなことはたくさんありますけれども、その中で夢の実現のための選択ができるような環境を整えてきたというのが、これまでの例えばチルドレンファーストに代表されるような政策であります。かつ、時代の変化に柔軟に対応していく必要もありますし、例えば子供を産み育てる環境をどう整えていくか。018サポートから授業料についても様々な取組、これらが、まず人々が、都民の皆さんが望むような選択肢を確保していくということを進めているところでございます。それから高度外国人材の活用も必要でございます。これについても先ほどのサービスアパートメントなどは、まさにこれら足りないと言われている金融関係の方々からの声などもあります。こういった形で様々な取組を進めていく必要があると思っております。それプラス、あとはAIの活用とか、イノベーションですね。自動運転なども含めて、こういうニーズに対してのハイテクで答えるというのが実は日本は得意な分野で、これまでの環境技術など世界のトップを走る、牽引していくような技術も、古くは石油ショックの時からですね。それこそ太陽光であるとか、それからハイブリッドなどはその時に苦しんだ結果、またそれまでにずっと積み重ねてきた技術が花開くという瞬間を迎えている。これからますます人手が足りなくなるという点では、さらにはロボティクス、AI、IT、これらを活用していくというのも、またこの時期だからこそ、より研ぎ澄まされるのではないか。そういったスタートアップや、そういった技術開発を行っているところに多くを期待もし、また後押しもしていきたい、そう思っています。MXさん。

【記者】TOKYO MXテレビの佐藤です。多摩地域と都心の医療格差についてお伺いしたいと思います。武蔵野市の吉祥寺南病院が施設の老朽化などで休診をしているということで大規模な災害などの時にも対応していた病院ということで、改めて都心と多摩地域の医療に関する地域格差について知事のご所感をお伺いできればと思います。

【知事】それぞれ地域の事情があり、また病院も公の病院及び私立の病院、それぞれであります。規模も大きいものもあれば、小さな中小のものもあると。やはり、コロナ以降ですね、かなり患者さんというか都民の皆さんの意識や、また行動パターンが変わってきているというのも、昨今の医療の現場に変革をもたらしてきていると、このように思います。これからもまたそれぞれの医療圏において医療のサービスの提供、そしてまた安心が確保できるような取組、多摩、また区部に限らずですね、都として対応をしっかりと進めていくことを考えております。日テレさん。

【記者】日本テレビ内藤です。よろしくお願いします。本日このあと夕方に知事が登壇される「TOKYO わっしょい」のオープニングセレモニーに関連してなんですけれども、東京都は日頃からですね、例えば江戸の文化だったり歴史の魅力発信にすごい力を入れてるかと思うんですけれども、東京都が江戸文化の魅力発信に力を入れる意図といいますか、知事のお考えを改めてお願いいたします。

【知事】はい。もちろん現在あるこの東京もですね、かつて江戸の時代に育まれた様々なこの文化や、また暮らし、そういったものがベースになっているのは言うまでもございません。また特に鎖国時代であったことからもですね、今、大河ドラマで出ておりますように、この独特の文化が育まれてきた大切な時期でありました。浮世絵などについては、また歌舞伎の世界であるとか、そういったこともですね、やはり江戸の文化、またその時の日本の文化などが凝縮されてきた。さらには江戸の経済で言うと、水路を活用して、この物流を確保してきた点なども、これも顕著な、特筆すべき江戸の残してくれたものだと思います。それから静脈経済と言いましょうか、循環型社会を作ってきたのも江戸時代ならではであり、また言うならば人間様のし尿などもですね、有効に活用して、それが農産品、農業につながっていく。昔ながらの種屋さんなどが、中山道、旧中山道であるとか、そういったところにも、種屋さんがあり、また練馬地域などは昔からの小麦を育ててきたようなところであります。世田谷も野菜や小松菜もそうであります。内藤南瓜もそうです。江戸のこの農業というのが、今にも多くの農業の礎を残してくれ、ひっくるめてですね、やはりそういった江戸の歴史の中で育まれてきた様々な宝物を改めて紹介をし、そして、これからはインバウンドのお客様もですね、リピーターが増えていくことが想定されます。そういった方々には、そのぜひ色々なストーリーを、江戸のストーリーを頭に描いていただきながら、楽しんでいただく。それをアクティビティにつなげていただくなど、色々な工夫をしていく。江戸はまさに最高のコンテンツであり、世界遺産にもふさわしいと、このように思っておりますので、これからも色々な機会をとらえてPRを行っていきたい、このように思っています。東京新聞さん。

【記者】東京新聞の奥野です。これからの高齢化、多死社会が本格化すると言われる中で都内の火葬場について伺います。東京23区の火葬場について、火葬料金の値上げが都議会でも問題視されています。また多摩地域では、火葬場を使うのに待たされるといった待機問題があるようです。公営の火葬場の新設を求める声も出ていますが、知事は、この火葬場のあり方、火葬場の新設についてどのようにお考えでしょうか。現状の認識等ご見解をお願いします。

【知事】これは都というよりは、法律的にも区市町村の役目と規定をされております。いわゆる墓埋法(墓地、埋葬等に関する法律)でありますけれども、これに位置付けられておりますのが区市町村の役割ということでございます。それぞれこの地域の実情に応じまして、将来にわたって安定した火葬体制を確保するということは重要だと思います。公衆衛生の確保のほか、公益性の観点など、火葬場の適正な経営管理を確保するということは重要かと思います。これからも法律とは別に、区市町村と連携するということは、適切な対応につながるのではないかと、このように思っております。

【記者】ありがとうございます。

【知事】ありがとうございました。

※テキスト版については、読みやすさを考慮し、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどの整理や補足説明をしています。

(テキスト版文責 政策企画局戦略広報部企画調整課)

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