小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年1月17日)
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知事記者会見
2025年1月17日(金曜)
14時00分~14時29分
【字幕版】は
知事冒頭発言
【知事】それでは始めさせていただきます。まず今日は1月17日ですね。阪神・淡路大震災、発生して30年でございます。私自身、この大震災、経験をした一人でございます。あの時の光景、もう一つ一つのシーン、今でも忘れることができません。改めてお悔やみ、そしてまた被災された皆さん、これからも頑張ってまいりましょう。昨年、元日には能登半島地震。こちらが震度7でしたね。そしてまた、これも言えば毎日になってしまうのですけれども、宮崎県では震度5弱、地震が起きました。首都直下地震もいつ起こってもおかしくないというのは、もういつも申し上げていることでございます。更に振り返りますと100年、101年前になりますか。東京は関東大震災でより大きな被害を受けたわけですが、当時の帝都復興院総裁が後藤新平さん、第7代の東京市長。震災の教訓を踏まえて、災害に強い東京のまちづくりに取り組まれた人として、今も大きく名前を残しておられます。現在、都はインフラの耐震化、そして都市の不燃化など、徹底した減災の対策に取り組むとともに、消防装備の充実、実践的な訓練の積み重ねなど、災害対処能力の向上を図っているところでございます。こうした取組に加えまして、都民の皆様方による自助の取組も、自らが助くという自助の取組も不可欠であります。だからこそ、「備えよ、常に」ということを申し上げております。家具などを固定する、これとても有効ですよね。そして避難場所・経路を確認しておく。水、また食料などの備蓄など、改めてご家族、大切な方と一緒に考えていただきたいと思います。昨日も知事査定の後で、皆様方にそのサマリー、お伝えしたばかりですけれども、現在も防災という、「備えよ、常に」の精神の下で、何が最も有効なのか、予算に入れ込んでいるという作業を行っているところでございます。
1 ロサンゼルスの山火事への見舞金
【知事】それからもう1点で、こちらも災害関係ですけれども、ロサンゼルスの山火事。山火事という言葉が合うのかどうか、もう都市災害ですよね。住宅が燃えて大きな被害になっているということで、ご承知のとおりであります。そして先週、現地時間の1月7日(火曜日)から火事が発生されたとされているのですが、甚大な被害は本当にどこまでどう広がるのか、未だにまだ燃え続けているということでございますが、改めて犠牲になられた方に対しまして、追悼の意を表したいと思います。そして被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げたく存じます。東京都は、カリフォルニア州知事、そしてロサンゼルス市長、それぞれお見舞い状をまず発出をいたしました。また、こうした被害踏まえまして、都としてロサンゼルス市へ災害見舞金の贈呈を行うことといたしました。政策企画(局)、そして総務局の方で担当いたしております。
2 世界陸上の公式マスコット
【知事】ガラッと変わりまして、次が世界陸上に関してのお知らせでございます。いよいよ今年の9月に国立競技場で世界陸上が開催をされます。世界中のトップアスリートが集結をしまして、東京で繰り広げられます9日間ですね、の熱戦、多くの興奮と感動を届けてくれると、このように思います。そして大会の盛り上がりに欠かせない公式マスコットですけれども、今日から、今日ですね、世界陸上財団の方ですね、そちらから発表をされました。今、ご覧いただいている(スライド)、これ柴犬ですね。小学生とのワークショップを通じまして、子供たちが描いたイラストを参考にしましてデザインされたというこの、最近イーロン・マスクも柴犬よく使うのだけども、それとは違います。世界陸上のワンちゃんです。そしてこのマスコットの名前をですね、皆さんから募集をするということで、こちら画面にも出ておりますけれども、3案あります。「そらしば」「ぽちち」「りくワン」この三つの、3案の中から選んでいただくということで、今日から始めます。2月11日(火曜日・祝日)までですね。特設サイトがありますので、そちらの方に投票していただきたいと思います。多くの皆さんに投票いただいて、マスコットと一緒に大会を盛り上げていきたいと思います。
(詳細は、生活文化スポーツ局へお聞きください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:93KB)
3 アニメ東京ステーション
【知事】続きまして、アニメの関連です。アニメ東京ステーションで新たな企画展示をいたします。池袋にアニメ東京ステーションを一昨年の10月に開館をいたしました。この間ですね、大変多くの方訪れられまして、その数、13万人を超えております。約3割は外国の方。この数字を見ましても、改めて日本のアニメの人気の高さ、実感するところでございます。このたび、2月8日(土曜日)から新企画を行います。国内外にも本当に多くのファンを持つ人気のアニメ「推しの子」ですけれども、この企画展を開催をいたします。この企画展におきましては、人気キャラクターの等身大パネル、そしてフォトスポットのほか、作品に登場するアイドルのライブ観覧も体験できる、そんなコーナーも設けてまいります。ぜひアニメ東京ステーションにお越しいただいて、この「推しの子」の世界、世界観とでも言うのでしょうか、体感していただきたいと思います。産業労働局で担当しております。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:173KB)
(「「アニメ東京ステーション」の企画展示」は、こちらをご覧ください。)
4 ソーシャルファームの認証
【知事】それから、ソーシャルファーム。またガラッと違いますけれども、ソーシャルファームの認証がまた増えました。都は障害者やひとり親など就労に困難を抱える方を雇用するソーシャルファームの設立を後押しをする、そのために認証や助成などを行っております。令和3年に初めて認証事業所が誕生いたしまして、それ以来54事業所を認証、そして今回新たに19の事業所をソーシャルファームとして認証をいたします。新たに認証した事業所におきましては、障害を持った方々などがリハビリで、障害児ですね、がリハビリで使用するデジタルツールの開発、またホテルのレセプション、そして折り畳みコンテナを洗浄する、そういう、本当にそれぞれ違う認証所でございますので当然ですけれども、それぞれ特色のある取組を行っている事業所ばかりであります。福祉的な就労ではなくて、就労がなかなか難しいという方々が、もう現実に戦力として活躍して、そして自立した経営を目指しますソーシャルファームを多様性の象徴として、また真に包摂性のある東京に実現をしていくということであります。大体こういった形でのサポートというのは、福祉局などで担当するという、そういう印象があるかもしれませんが、これはまさに戦力として皆さんがですね、働くという、そういう場でありますので、これは担当は産業労働局となっております。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:117KB)
5 受験期の痴漢撲滅キャンペーン
【知事】それから、そうですね。まもなくというか明日、明後日ですね。大学入学共通テスト、始まります。受験期の痴漢の撲滅するキャンペーン、前もちょっとお伝えしたと思うのですが、いよいよ明日、明後日になりました。改めて申し上げます。痴漢は犯罪です。痴漢は被害者に身体的、また精神的に苦痛を与えるという、まさに卑劣で許せない犯罪です。都におきましては、痴漢被害のない社会を実現する、そのために警視庁と連絡・連携をいたしまして、痴漢撲滅プロジェクトを進めているところであります。今年度の受験期の痴漢撲滅キャンペーンですが、昨年の10月に15の鉄道事業者、そして警視庁などとの会議体を立ち上げました。そして今回初めてこういう形で実施をするというものであります。2月28日(金曜日)までのキャンペーン期間、共通試験だけでなくて、ずっとこの間、受験が続くわけですね。ということで、2月28日(金曜日)までキャンペーンは続きます。会議体のメンバーと一緒に電車内や駅構内などで共通のメッセージを発信をして、警戒を強化していくというものであります。今日はですね、スライドショーをご覧いただきたいと思うのですが、これはですね、音声ありません。電車内で上映をするものでございますので、ご覧いただきたいと思います。
(動画放映)
【知事】はい。ということで、これが電車内に流れるわけであります。これだけでも大きな抑止力につながると思いますけれどもね。いずれにしましても、もう痴漢は犯罪だということ。そして今申し上げたように、明日、明後日が大学入学共通テストでありますので、まず受験生の皆さん頑張ってください。そして万万が一、テスト会場に行くまでに被害に遭った場合、声を上げてください。ただ、何より試験会場に安全に向かうこと大事ですので、電車を利用する際はですね、例えば友達と一緒とか、親御さんたちと一緒とかですね、複数で行動するというのも安全を確保するという意味では対策になると思われます。本当に日頃のね、努力の成果が共通テストで、そしてその後も受験のたびにですね、きちんと発揮できるように、受験生の皆さんには頑張っていただきたいと思います。生活文化スポーツ局の方で担当いたしております。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:320KB)
6 東京都公立大学法人の新体制
【知事】それから最後ですけれども、都立大、東京都公立大学法人の新体制についてのお知らせでございます。今年の3月末を持ちまして、山本良一現理事長ですが、この山本先生の任期が今年の3月末を持ちまして満了となります。山本理事長にはこの4年間、大変なご尽力を賜りました。感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。そして後任ですけれども、中山泰男氏を任命することといたしました。中山さんは日銀のご出身で金融政策の舵取りとして日本銀行で要職を歴任されまして、その後、民間企業に転身され、経営者として手腕を振るってこられた方でございます。近年はですね、東京商工会議所で東京の将来を考える懇談会の座長も務めておられまして、東京の課題、また経済活性化にも造詣が深い。そしてもちろん人材の育成というのは、東京の活性化にも必要な、不可欠な要素でありますので、そういった点でもご理解が深い方であります。ぜひとも中山さんには国際感覚、経営感覚、そして産業界とのネットワークを生かしていただいて、法人経営にリーダーシップを発揮していただくことを期待いたしております。この新理事長を支える体制ですけれども、国際的に豊富な知見を持つ人材にご就任いただくことといたしております。4月からアドバイザーとして、コロンビア大学の名誉教授で日本研究の第一人者として知られるジェラルド・カーティス先生が着任されます。つい先月まで日本経済新聞の「私の履歴書」にずっと日本政治の変遷など、カーティス先生の目に映った、この日本の政治について非常に分かりやすくお書きになっていた。非常にお詳しい方であります。ジェラルド・カーティス先生にはアドバイザーを務めていただきます。これに先立ちまして、今月、この1月から既に就任していただいているのが国際担当理事でありまして、日本の大学で学長経験もお持ちで、ウスビ・サコ先生、時々テレビにも出演されて、もう滑らかな素晴らしい日本語で、そしてまた切れ味もよくコメントされたりする方ですし、何よりもこれまでも大学の学長を務めてこられた経験があります。ということで、ウスビ・サコ先生に既にご就任いただいているところでございます。国際化の取組、この3人のお名前を紹介したわけですけれども、ここでもう読み取っていただいていると思いますが、国際化の取組の一環なのですね。その一環といたしまして、国際系の新学部、新しい学部、令和10年度の開設を目指しまして、その準備に着手をいたします。新しい学部ですけれども、多様な国や地域の学生が互いに切磋琢磨できる、そんな環境を構築しまして、幅広い教養や豊かな発想力、そして高度な語学力を身につけたグローバル人材を育成をしていくことが目的であります。これによって他の学部も含めまして、大学全体の国際化を更に進めていくこととしまして、必要な関連経費を、今知事査定しておりますが、令和7年度予算案に盛り込むことといたしたというお知らせでございます。ということで、今日は何本でしたかね。何本かありました。ということでお伝えしました。最後は総務局が担当ということになります。私から以上です。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:155KB)
質疑応答
【記者】(日刊工業新聞・小西記者)それでは、幹事の日刊工業新聞社です。質問1点お願いいたします。1月14日の知事査定ぶら下がりの中で、中小企業の経営統合などによる産業力強化支援事業のお話があったかと思います。中小企業は人手不足ですとか、原材料の高騰で厳しい状況が続いています。この事業を打ち出す意義、また期待する効果を教えてください。お願いいたします。
【知事】中小企業は言うまでもありませんが、都内の経済を引っ張る原動力であります。そして今日も東商(東京商工会議所)で、多摩地域のね、多摩地域の会長の皆さんとも意見交換してきたばかりでありますけれども、悩みは賃上げであったり、物価高騰であったり、そしてこれもずっと続いていますけれども、事業承継が大きな課題になっていること。実際に皆さんからその声を伺ったところでございます。とりわけサプライチェーンの要であるものづくりですね、製造業者が減少しているということ。そして次の世代へとその匠の技術が承継されなければならない事業ばかりですので、これによってですね、結果として産業の空洞化が起きかねないということでございます。中小企業が発展的な経営統合を契機として、大規模な変革に踏み出す取組、強力に都は後押しをしていくことを考えております。それによって都内経済、更なる活性化につなげていこうというふうに考えております。
【記者】ありがとうございます。
【知事】はい、ジャパンタイムズさん、ああ、手上がっていらした。じゃあジャパンタイムズさん。
【記者】ジャパンタイムズの井上です。1月12日の知事査定ぶら下がりで海外留学の支援制度のお話があったと思います。改めてこの制度を通して、都としては何を目指しているのか、あとまたどのような学生さんに応募していただきたいのかというところをお伺いしたいと思います。
【知事】知事査定の中で、留学生を応援する、そのような予算組みを考えている旨、先日発表させていただきました。これはですね、やはり先ほどの都立大学の国際化、また国際的なこの新学部の創設にも絡みますけれども、やはりグローバルな人材をですね、育てていくということは、東京の将来の発展にもつながっていくということです。なのですが、昨今は特に円安の影響を受けてですね、非常に留学そのものが高くついているという現実もございます。そういったことからですね、海外で学びたいという人たちの背中を押すという点でも、今も円安非常に、海外とのね、物価の差もあります。そういった点で今回、このような形で留学の後押しをしていきたいと考えています。どういう人たちというのはもちろん希望者ということで募るわけでありますけれども、生計を担っておられる方が都内にお住まいで、そしてご本人が海外で学びたいという強い意志を持って、そしてまた一定のですね、条件を満たす方々、こういった方々が世界へ向けて学んでいただくように、そういう制度を作っていくということでございます。じゃあはい、TBSさん。
【記者】TBSの赤岩です。お願いいたします。少子化対策に取り組む小池知事について、SNS上で「最強の義母」ですとか、「都民の義母」といった声が上がっていますが、これについてどう思われますでしょうか。
【知事】昔、「新宿の母」という人が伊勢丹の角で色々相談に乗っていたのを思い出しました。私はその少子化というか、自己実現をしたいという人の背中を押したいですね。先ほどの留学もそうでありますけれども、やはり子育てをしたい、子供を産みたいと、そう思っている方々がですね、少しでも叶う、その希望が叶うような、そういう環境を作りたいと思っています。一方でこの少子化とか、婚活がどうという、無痛分娩がどうとか色々な課題、今回も知事査定で予算をつけているわけでありますけれども、少子化の問題というのは切り口がいっぱいあって、そもそも子供がなかなか育たないというのは、それは未婚が多いからでしょうと言って、切り口が違う。それから無痛分娩とかにしますと、またこれも課題があることは事実ですので。でもその課題だけを取り上げて、全部がオールオアナッシングにするわけにもいかない。色々な選択肢がある中で、それらの結果として、希望する方々が実現しやすい、その夢を実現しやすい東京を作っていきたいというふうに思っております。今なさなければ間に合わないというような点もございますので、私は今できることは、もう精一杯やっていきたいというふうに思っております。
【記者】続けて「シン東京2050」について質問です。25年後の東京の姿ということですけれども、これを今計画作られているところだと思いますが、計画で終わらせないため、集めた意見をどのように都の政策として具現化していくのか、どういう位置付けにして、どんなロードマップでやっていくのか、お考えをお聞かせください。
【知事】まさにそのことをブロードリスニングも含めて、皆さんの意見を聞いているところでございます。これは行政としての計画でございますので、色々な、例えばカーボンハーフなども年数を定めたり、目標を決めたりしております。そういった形で進めていくのが普通のやり方であり、またそこに意思を込めて進めていくということ。その意思の中には、都民の皆さんの意思ということをしっかりと込めていく必要があるというふうに思っています。
【記者】改めてその安野貴博さんを起用した狙いを改めてお教えください。
【知事】それはブロードリスニングの、AIを活用したという点で、今一緒に分析していただいているということです。はい、ではどうぞ東京新聞さん。
【記者】東京新聞の奥野です。先ほども出ましたけれども、知事が知事査定の中で明らかにされた若者の海外留学支援制度について伺います。制度の詳細というのは、今後検討されると思うんですけれども、現時点で、留学するご本人が日本国籍を有するものという支給要件がありました。これについて、東京新聞の方にもですね、外国籍の方も税金を納めているのに、どうして対象にならないのかという声が届いてまして。知事が、東京の人口増加の大部分は外国人の増加によるものというお話も前にされていたと思うんですけれども、この支給要件に日本国籍を有するとした理由をお聞かせください。
【知事】多くの方々がご納得いただけるのではないかということから、そういう方針でいきたいと思っております。
【記者】日本語を母語としないその外国籍のお子さんも都内に多いと思うので、対象にしてほしいという声が来ているということも踏まえて、もしご検討いただけたらと思います。
【知事】ご意見として伺います。
【記者】ありがとうございます。
【知事】ありがとうございました。はい、じゃあ最後どうぞ。
【記者】読売新聞の上田と申します。すみません。先ほど入ってきたニュースではあるんですが、パーティー券収入の不記載問題で、自民会派の会計担当職員が政治資金規正法違反で略式起訴されました。一応、事件としての決着を見たということで、知事として自民会派に求めたいことですとか、この今回のパーティー券収入不記載問題についてのお受け止めというのをお聞かせください。
【知事】詳細は伺っておりませんけれども、一言で申し上げると、やはり政治の信頼をいかにして取り戻すのか、確保していくのか、そのための説明ということも必要なのだというふうに思います。ありがとうございました。
※テキスト版については、読みやすさを考慮し、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどの整理や補足説明をしています。
(テキスト版文責 政策企画局戦略広報部企画調整課)