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平成28年(2016年)9月2日更新

小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成28年9月2日)

知事記者会見
2016年9月2日(金曜)
14時00分~14時41分

知事冒頭発言

1 取水制限の解除について

【知事】最近、この記者クラブの会見は生放送しておられるようで、ちょうど時間に合わせてばっちり来ましたので、これからスタートさせていただきます。
まず、ご報告がございます。今回、関東にも接近いたしました台風10号でございますけれども、北海道、岩手県など、本当にかなりの被害をもたらしているということでございます。亡くなられた方々へのご冥福を心からお祈りを申し上げ、そしてまた、被害に遭われた方々に対しましても心からお見舞いを申し上げたく存じます。
現在、総務省消防庁からの要請にもよりまして、東京消防庁からは2隊9名を緊急消防援助隊として派遣をしているところでございます。本当に災害大国と言ってもおかしくないような状況でございまして、いつどこで何が起こるか分からないということかと思います。
そして、一方で、利根川水系のダムの貯水量でございますけれども、こちらの方は、本日9時から取水制限が全面解除されております。前に私自身が節水へのご協力をお願いするビデオを作らせていただき、また、ご協力もいただいたところでございますけれども、この点につきましては、皆様方のご協力に、まず感謝を申し上げます。そしてまた、水資源の大切さ、改めて感じ取っていただけたのではないだろうかと、このように思っております。引き続き、水は大切にお使いいただきますようにお願いしたいところでございます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 都庁内保育所の開所について

【知事】2点目でございますけれども、都庁内の保育所の事業開始についてお知らせをさせていただきます。かねてより待機児童問題というのは大変大きな話題、課題、問題となってきたわけでございます。そして、この待機児童解消というのは、ある意味、政治、政策として、また行政として、シンボル的な課題となってきたわけでございますけれども、この都庁内の保育所の開設準備が整いました。10月1日、「とちょう保育園」、「とちょう」と平仮名で書きます。「とちょう保育園」として開所する運びとなりました。開所式は9月27日(火曜日)を予定しておりまして、私も出席いたします。
この保育所では、待機児童解消に寄与するということで、定員の半分は地元、新宿区の皆様方に開放させていただきます。また、残り半分は従業員枠として、事業所内保育所として近隣の企業、ここは新宿のど真ん中でございますので、近隣の企業の方々と都が共同で利用するという形でございます。
また、働く保護者の方々を強力に支援するために、朝7時からの開所とさせていただきます。早朝に登園なさるお子さんと一緒に朝ご飯を食べることのできる「モーニングカフェ」、そしてまた、手ぶらで通える、紙おむつ、衣服の洗濯サービスなど、これを一種の試みとしてやっていきたいと考えております。
また、都庁に来庁される方々にも広くご利用いただくということで、一時保育も実施をいたしまして、あわせて定期利用保育も実施するということでございます。言ってみれば、この「とちょう保育園」というのが、都のシンボル事業となります。そして、地域、近隣企業の皆様方にも親しまれる、そんな存在にしていきたい、そして、子育ての施策のその充実に少しでも寄与していければと、このように考えているところでございます。
これは、以前から準備をされてきたということでございますけれども、この待機児童の問題というのを、まさしく「隗より始めよ」で、この都庁からスタートして、そして、その使い勝手であるとか課題、これらをこの都庁においてつぶさにフォローできればと、このように思うところでございます。
近隣の方々のいろいろなご要望もあろうかと思って、近隣にご在住の方もいらっしゃるということですので、ご利用いただければと思います。ということで、これが、まず、都庁内保育所の開所の話題でございます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 ブラジル・リオデジャネイロ市への出張について

【知事】それから、3点目でございますけれども、今日はJOC、そしてパラリンピックの鳥原会長も含めてでございますけれども、森組織委員会会長、そして私、松野・丸川両大臣ということで、6者によります調整会議を、今日は都庁で開かせていただいたところでございます。そして、9月7日(木曜日)から、いよいよパラリンピック大会が開幕するわけでございまして、私は、9月15日(木曜日)から9月21日(水曜日)まで、改めまして、ブラジルのリオデジャネイロ市に出張をすることといたしております。過去最多のメダルを獲得したオリンピックでございました。41個、金、銀、銅ということでございましたけれども。パラリンピックにおきましても、日本選手団の活躍を心から期待をして応援をしていきたいと思っております。また、都民の皆様方には、是非この機会に、パラリンピック競技の奥深さ、面白さに触れていただきたいと考えます。
そしてまた、私の役割は何かと申しますと、前回、いろいろな会議が重なったことで、十分会場を見ることができませんでした。数か所にとどまっております。ということで、パラリンピックの滞在期間中はできるだけ多くの恒久、そして仮設の会場を見て回って、そして、いかにしてリオでの工夫がなされているのか、これをつぶさに見てまいりたいと、このように考えておるのが1点と、それから、二つ目の大きな役割が、今度は雨が降っていないことを期待いたしますけれども、閉会式で、フラッグハンドオーバーセレモニー、今度はパラリンピックの旗でございますけれども、同じくリオの市長から、このパラリンピックの旗を頂戴すると、引き継ぐという、そのセレモニーに参るわけでございます。
2020年の東京大会の成功のためには、これはロンドンでもそのようなレガシーが表明されたかと思いますけれども、パラリンピックの重要性というのは非常に大きな部分がございます。その意味で、私自らがパラリンピック旗を東京に持ち帰って、パラリンピックこそ大事なのだという、そのような機運を盛り上げていきたいと考えております。
大会の運営状況、それから大会関係者から直接、またお話も伺うことといたしまして、2020年大会の計画に生かしていきたいと考えております。前回、バッハIOC会長とも懇談をいたしました。IOCのトップの方々とお会いをし、今はメールでやりとりをするという、そのような状況にまで人間関係を構築しつつあります。そしてまた、今回の日程等については、関係のオリンピック・パラリンピック準備局の方にお聞きいただければと、このように考えております。
私の方から3点のご報告をさせていただきました。以上でございます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、読売新聞の木下と申します。よろしくお願いします。幹事社から、まず3点ほど伺います。今お話があったリオデジャネイロパラリンピックの視察の件なのですけれども、リオは今回で2回目ということで、今、いろいろな施設をつぶさに見てまいりたいとおっしゃっておられましたけれども、特に施設のどういったところを見ていきたいかということと、あとまた、パラリンピックということで、バリアフリーの状況等とかも知事は視察されるのかなと思うのですが、その辺、どこを着目していくのかというのを改めてお聞かせください。

【知事】先ほど申し上げましたように、今回のリオ行きは2度目でございます。前回は、それぞれ部分的なものを見ましたけれども、例えば、交通をどのようにして確保しているのか、これをもう少しシステマティックにしっかりと理解できるように見ていきたいというのが1点と、それから、二つ目には、やはり仮設の使い方でございます。布だと思うのですけれど、大変おしゃれにテント風に、テントというかな、おしゃれな幕で囲っているけれども、実は鉄骨でできていて、その後はぱたぱた、ぱたぱたかどうかは分かりませんけれども、畳んで、そして、リオの市長によりますと、会場で使ったそれらの骨組み等々を活用して、小学校を四つ作るのだという話で、私はまさしく、これは3Rの思想に通ずるものだ、もったいないの思想に通ずるものだということで、大変参考にさせていただいて。その現実、では、どのような小学校に持っていくのかとか、そういったことについても見てまいりたいと思います。
そして、ポイントはやはり費用の問題だと思います。ブラジルの為替の問題もございましょうけれども、やはりコストです。このコストがやはり、昨日も現場、海の森のボート、カヌーの現場を見てまいりましたけれども、元々が69億円だったのが、7倍に増えていると。確かに恒常的な建物の部分は、私はお金をかける価値もあるかなとは思うのですけれども、やはり仮設部分でどれぐらいお金を使っているのかというのは、これは、昨日スタートいたしました改革本部の方でしっかりとプロジェクトチーム、情報公開調査チーム、オリンピック・パラリンピック調査チーム、二つございますけれども、その両方にまたがっている課題だと思っておりますので、そこでチェックをしてもらおうと、このように考えています。
バリアフリーについては、例えば、リオの場合、車椅子の方々はまとめて、スペースがとってあったりするのです。車椅子でアプローチがしやすくて、バリアフリーで、「ここで、はい、見てください」というふうになっているけれど、車椅子の方々も上の階から見たい方もおられるというようなことで、今回の東京オリンピック・パラリンピック用の建物では、そういった、もっとフリーな、本当の意味でのバリアフリーのものにしていくという、そのような試みがあると聞いております。リオの場合、どうしておられるのかをつぶさに見てきたいと思っております。

【記者】ありがとうございました。
2点目ですが、一昨日表明された築地市場の移転の延期に関してなのですけれども、交渉相手となる業界団体、築地市場協会が、知事が表明された後、延期の再考を求める要望書を出していると思います。それに対する対応ですとか、あと、かなり反発しているようなのですけれども、今後理解を求めるに当たって、知事が直接会談等で説明をしたりとかする予定があるのか、お聞かせください。

【知事】それぞれ、推進されてきた方、そして反対されてきた方、いやいや、そもそも、反対といっても時期の問題で反対をされていた方、使い勝手に対して不満をおっしゃっていた方、いろいろな方がおられて、それが「11月7日でひとまずまとまっていたのに延期をするのはいかがなものか」、「いや、やはり食の安全を優先するのであるならば、ここは一旦、最後まで確認をして、その上でやってほしい」という方、「特に年末の繁忙期にかかるところで、新しいところではなんだから、もう少し待ってくれ」という方、もういろいろな声を聞いてまいりました。
それから、私も以前から、環境大臣時代から、この豊洲の安全性について、私もこれまでも、私自身のものに書いたり、考えたりしてきたところでございます。何よりも私は、食の安全ということ、これを最後まで確認すべきだという、そのスタンスは変わりありません。市場の方々も、「やはり食の安全というのは大事だよね」と。そもそも私自身が、主体はあの建物、そして、あの市場というのは、そもそも東京都が保有するものでございます。そのためには、やはり真の意味での安全を東京都が、そしてまた都知事が確認をしなければ、農林水産大臣への申請が出せないわけでございます。ですから、その意味では、これまでの長い歴史、ご苦労があったことはよくよく存じております。そういった方々へのご労苦に対して、もちろん私は敬意を表しますし、また一方で、今、ここの段階に至って、やはり食の安全ということについてはこだわっていきたいということから今回の結論に達したわけでございます。
様々な問題が生じていることも承知をいたしております。それらについては、小島座長を中心としたプロジェクトチームを作っておりますので、そこの中でも精査をさせていただくし、何よりも市場担当者等へのご陳情等々もいただくことになるかと、このように思います。今、まだ延期を決めたばかりでございますので、それぞれの立場の方々からのヒアリングというのは、時期を考えて、そして、お受けしたいと考えております。
もちろんそれについて、真摯に東京都として延期を決めたわけでございますので、対応をすることは当然と考えておりますが、それに対しての精査も必要になってくるかと思っております。

【記者】すみません。確認ですが、改めて説明する機会等を設けるというお考えはあるのでしょうか、知事ご本人が。

【知事】基本的に、市場関係者の方々に、この前に初めて知事がヒアリングの機会を設けさせていただきました。それらのような対応については、時期を考えて臨みたいと考えております。

【記者】関連して、今お話もありましたプロジェクトチームなのですけれども、最終判断は1月の結果が出てからというのは理解しているのですが、それ以外に、事業費の適正さ、5900億円の適正さであるとか、あと、豊洲の使い勝手の見直しですとか、損害を被るとしている業者さんへの支援措置、こういったこともプロジェクトチームで検討されていくということですが、これについて、調査というか、検討のめどというのが、いつぐらいを設定されているのでしょうか。

【知事】地下水のモニタリングについては、大体1月の半ばぐらいに事実上の数字が出てくるかと思います。法律的、行政的な手続というのは2月に入るかと思います。まず、その結果、これは経過によって数字が、前回申し上げましたように、時間がたてば減っていくのかというと、そうでもないところもございますので、よって確認が必要だということでございます。
私も元ジャーナリストとして言うならば、この9回目のモニタリングが終わらずして、そしてスタートすると、多分、見出しは「見切り発車」と書いたことでありましょう。そして、その意味で、食の安全を確認するというのは、やはり事業主体とすれば、重視すべきことではないかと考えております。
そして、これについては、しっかりと説明もしていきたいと思っておりますけれども、基本的には専門家の方々がメンバーとなられるプロジェクトチームの方の分析に任せていきたいと、このように思っております。建物などについては建物の関係の方々にお話を聞いて、分析をしていただくことになろうかと思います。

【記者】最終判断以外の部分は事前に考えをまとめたりとか、報告書を出させたりとかという機会は特に設けられないのでしょうか。

【知事】いや、それは、やはり、今、数字を待っているわけでございますので、予断を持たずに進めていきたいと思います。
ただ、それ以外の部分では、例えば、建物の使い勝手、ここに至って使い勝手のことを言っているというのは、元々設計の思想があったのかないのか、私はちょっと、その点でも疑問に思いますし、そもそも面積を広げたのに間口が狭まったとか、少し、普通に考えても、なかなか理解しがたいところもございます。「いやいや、それでいいのだ」と言う方々もおられます。水の使い勝手がどうとかいう話もございます。
大体、そこで働く方々のお声をしっかり聞いた上で設計するものではないのかな、と私は普通に考えるのですけれど、そのあたりを皆様方にも説明できるように、プロジェクトチームの方で精査していただくということだと思います。

【記者】分かりました。

【記者】時事通信の斉藤と申します。すみません、小池知事は、今公開されている「シン・ゴジラ」で制作協力をされていると思うのですけれども、ご覧にはなられましたか。

【知事】いえ、残念ながらまだ拝見しておりませんけれど、でも、時間を見て、観に行きたいということを考えております。

【記者】その中で、ゴジラに対して、小池知事にそっくりな防衛大臣が自衛隊に対して防衛出動を命じているのですけれども、これについて、ある方は……。

【知事】ある方って、石破さんでしょう。

【記者】石破さんです。鳥獣駆除ではないかと、それによる命令ではないかというようなこともおっしゃっております。知事はどういうふうに思われているのか。
それと、これに関連して、昨日は防災の日でしたし、台風もございました。災害に対する知事の心構えのようなものをお聞かせいただければと思います。お願いします。

【知事】「シン・ゴジラ」については、是非観に行きたいと、皆さんが「あれは、モデルは小池ではないか」ということを結構おっしゃいますので。それから、庵野監督に、事前にご相談を受けまして、そしてできるだけリアルにしたいからということで、防衛省の協力はいただけないものかという話でございましたが、防衛省の方でそれは判断されての結論だったかと思います。ちなみに、庵野監督に、「是非、電線をゴジラが取るのはやめてほしい」と言ったら、「いや、あれはゴジラの大好物ですからとれません」という話でございました。
それはともかく、防衛出動が必要かどうかということですけれども、では、UFOに対してはどうするのかとか、そういった話にもつながってくるかと思いますが、是非その点は専門家である石破さんに改めて確認をしていただきたいと思っております。災いというのは想定外のものも起こる、ゴジラを含めて、だと考えておりますので、そういった想定外への対応をするのが私は最大の防災だと思います。そして、とはいえ、普通、まずは考えられることに対しての備えをするというのは、これがまず一つ。でも、それを超えてのことも起こるという、その心構えが重要だと思います。阪神大震災も経験をいたしました。各地での、台湾とかトルコの地震についての、その後も、仮設住宅などの支援などもいたしてまいりましたけれど、今、知事となって1360万人、それから昼間人口といたしましては、それにプラス少なくとも300万人ということですから、2000万人近い方々の命を預かるというその重みについては、私自身、防衛大臣を経験したことが大変プラスになっているかと思います。
今回の防災訓練もそうでありますけれども、やはり体を慣らしておくということは、これを積み重ねることは重要であり、9月4日(日曜日)には2か所ほど防災訓練に私自身が参ることにいたしております。1か所はスカイツリーの近辺でございまして、そこには、多分、外国からの観光客の方々もおられるときにそういう災害が起こるかもしれないということから、そこにたまたまおられるのか、それとも集めるのかちょっと存じませんけれども、外国からのインバウンド客の方々に対しての訓練、1回で終わっちゃうのでしょうけれども、そういったことも想定をして備えていく。日本、この東京に暮らす、そこにいる人たち、皆さんの命をいかにして守るかということを徹底していきたいと、このように考えております。

【記者】東京MXの三嶌です。昨日の改革本部でも、怒濤の1か月であったとおっしゃっていましたが、就任1か月を迎えて、改めて知事の職責に対する思いで何か思い立ったこととか、あるいはご自身で、この1か月、点数をつけられれば、どういうふうなことになるのかといったところをお聞かせ願いたいのですが。

【知事】今日は、まさしく知事就任1か月でございます。本当に早くもあり、また、まだ1か月しかたってないのかという思い、両方でございます。そしてまた、先ほどは、長年の友人であります岐阜県の古田知事が表敬に来られまして、そして、「小池さん、あんまり飛ばし過ぎるなよ」という、「長いのだよ」というようなことを、アドバイスを頂戴したところでございます。
ただ、私はこの3か月間というものは、アメリカの大統領選後の、例えば、私はもちろん大統領ではありませんけれども、政治のリーダーシップの在り方として、最初の100日間というのはハネムーンというのです。そして、その間にいろいろなことを進めていくというのは、大体、政治の手法として世界的にも一般的だと思います。ですから、この3か月間というものは、もうとにかく怒濤であれ何であれ、いろいろな課題を、まず種まきをし、そしてまた、これはもう明らかにおかしいというものはそこでストップをしという、そういうことをむしろ矢継ぎ早にやっていきたいと考えております。
そのことが、その後の落ちついた都政にもつながってくるのではないか。2回も遠い遠いリオに往復するというのも、少々体力的にはというか、誰にとってもきついものがあるかと思っておりますけれども、とにかく100日間というものは大切に、いろいろと仕込みをし、そして種をまいて、同じでしょうか、しっかりと対応していきたいと思っております。
点数については、これはまさしく都民の皆様方がおつけいただくことではないかなと思っております。

【記者】テレビ東京の太田と申します。すみません、ありがとうございます。カジノ誘致に関してちょっとお伺いしたいのですけれども、今、大阪の吉村市長がシンガポールへ視察に行かれています。今後、知事としてカジノの視察に海外へ行かれる予定はあるでしょうか。また、積極的に動く大阪市の姿勢についてどうお考えかというのと、知事のカジノ誘致への考えをお聞かせください。

【知事】まず一つ、カジノの視察に海外に行く予定は全くございません。
二つ目にはですね、IRというのはただカジノだけではないわけです。私はむしろカジノということが真っ先に語られることによって、「それは教育的にどうだ」、それから「中毒になってしまう問題があるのではないだろうか」、あと社会的な問題、いろいろな議論があって、それはむしろ進みにくい、思考停止に陥ること、だからIRに変えたのだと思うのですけれども。ですから、私自身は、エンターテインメントをそっくり考えるという意味でのIRについては積極的でございますけれど、カジノだけ特筆して、それを引っ張ってくるということで、また国内を二分するような議論をしているのはあまりプラスではないのではないだろうかなと、こうに思うところでございます。

【記者】フジテレビ「グッディ!」の広瀬と申します。よろしくお願いいたします。先ほど……。

【知事】今、ちょうど生中継中?

【記者】そうです。

【知事】では、タイムリーですね。

【記者】はい。よろしくお願いいたします。先ほど、使い勝手という点をお話しされていましたけれども、もう少し詳しくお伺いしたいのですが、間口の狭さであったり、重さへの耐久性などが挙がっていると思いますが、これをもし改修するということがあるのかどうかという点と、この点、予算はどのようにして用意するのか。それと、その期間となってくるとまた移転に時間かかるのかなというようなことを危惧されている業者の方もいるということなので、改修があるかないかという点についてお聞かせお願いできますか。

【知事】これはまさしく専門性の部分だと思いますので、プロジェクトチームにお任せをしていきたいと、このように思っております。基本的には、繁忙期である年末年始を過ぎて、1月に9回目のモニタリングの結果が出てくると。そこから改めて、その上で、そこに至るまでに様々なチェック、建物であるとか耐震性も含めて、水の問題、海水が使えない云々の話もございます。そういったことについて、あと、ターレーというのが、ピンカーブで曲がれるのかどうかといった話も出てきているわけでございますけれども、実際にあそこで曲がってみて、大丈夫なのかどうかとかチェックすればいいと思うのです。ですから、そういった具体的な話こそ先にやっておくべきだなと思います。改修が必要であるならば、改修すべきでしょうし、それにどれぐらい日数がかかるかのかというのは、まさしく専門家の方々からご意見を頂戴するということになろうと思います。
そもそも30年間、40年間、話をしてきたと。そして、ようやく決まったのだということがございますけれども、私も四半世紀近く国会におりますけれども、やはり日本国内でずっと議論をしていると、そちらの結論が出るまでに随分時間がかかっている間に、世界が変わっているのです。流通も変わっているのです。物流も変わっているのです。そういったことを、この30年間の延長の中で決めていいのかというのは、私は若干疑問がございまして、だからこそ新しい豊洲の市場、これだけのお金をかけてやってきたのであるならば、本当の意味で使い勝手であるとか、将来性であるとか、そういったことを本当は考えなくてはいけなくて、ただこれまでの延長線でやってくるというのでは、古いビジネスモデルをただ莫大なお金を使って、そして、それを、「はい、使ってください」というのでは、私は現実のビジネスを知らない世界ではないかと。民間だったら、これはあり得ないと思います。もっと使ってくださるお客様に配慮したり。もちろん法律が変わりました。衛生管理についての法律が1930年頃の時代と、今は全く違います。HACCPであるとか、もういろいろな厳しい管理があるわけです。ですけれども、もう少しfuture looking(未来志向)にしておかないと、これまでの延長線でただお金かけましたから、「はい、すばらしいです」というのだけではない。つまり、ここは食の安全性とは全くカテゴリーが別ですけれども、そういったことを本来考えるのが行政の役割ではないのかなと思います。

【記者】朝日新聞の岡と言います。市場の移転についてなのですけれども、先ほどご説明があったときに、移転の延期で生じる影響について、真摯に対応するのは当然だと、精査も必要であるがというようなお話があったのですけれども、延期に伴って、業者さんに新たに生じる負担について、どれだけが適切かはともかく、精査はまさに必要だというお考えなのでしょうけれども、そこは精査するにしても、何らかの補償は必要だという、何らかの補償はする考えはあると、そういうご姿勢なのでしょうか。

【知事】例えば、冷蔵庫を買いました、大変なお金はかかりましたと。ただ、それはその後、豊洲の安全性というのが確認をされたならば使えるわけです。ただ、その間のリース代がかかるというような話で、一つひとつ精査していく必要があろうかと思います。それは、ですから、極めてロジカルな話になっていくかと思いますので、まさしく専門の分野に入っていくと思います。
しかしながら、これについては、東京都として延期をするわけでございますので、その点については検討させていただきますということを前回も申し上げたところでございます。

【記者】日本テレビの久野村ですけれども、すみません、築地の移転について、先ほど、知事も時間がたてば数値が減るようなものでもないというお話があったかと思いますが、これまでの7回の都の調査で基準を下回っていることで、安全だという指摘をする専門家もいるようですが、その点でもやはり知事は、7回の調査で基準値を下回っていても、安全だとは言えないと思われた理由と、逆に9回目の結果を待てば安全だと言えるのかというところをお願いします。

【知事】やはり2年間で見ていくということが元々決めていたわけでございますので、途中で自然由来のヒ素の関係ででも、これは法律の対象にしなくていいというような経過があったとしても、私はあくまでも食の問題というのは大切にしていきたいと、このように思っております。ましてやオリンピック道路を建設するためには、11月7日だという、それで、むしろ市場は、「よし、協力しよう」という話になったという話もあるようでございますけれども、でも、それはやはり本末転倒だと思っております。
今回の座長をお務めいただく小島さんは、長年、水俣の対策に当たってきた方でございます。環境庁というのは、まさしく水俣、そして、四日市の公害問題でできた役所でございます。そして、それによって長年苦しんできた方々がおられ、そして、訴訟が行われ、時には役所の方で自殺する方が出られ、ずっとそういう歴史を重ねてきて、そして、そのことを科学的に説明など、ずっとしなければならない、そういう責任を負ってこられた方であり、私も一時期ではございますけれども、その環境大臣を務めたということであります。
ですから、そういった問題というのはとてもセンシティブであって、そして、築地というのが世界ブランドで、そして、築地の安全の、築地が、いろいろ課題も、今もございますけれども、しかし、ブランド力というのは大変強いものがあって、それが、新しいブランドを新しい豊洲市場に持っていくためには、やはり最初から見切り発車というような形にはしない方がいいと、急がば回れだと考えております。そこは非常に科学的な部分と、そして、道路、オリンピック・パラリンピックがあるからという全然別の理由とはちょっと合致しないところがあるのではないかと思っておりますので、そこには、私はこだわるところであります。

【記者】東京新聞の内田と申します。よろしくお願いいたします。本日の会見中、重要な課題について、何度かPTに任せたいというお言葉ございましたけれども、少し、都職員の方が蚊帳の外に置かれているような印象を受けてしまうのですが、実際、そのように感じていらっしゃる職員の方もいらっしゃるようで、知事の都政運営の手法についてお考えをお聞かせください。

【知事】ありがとうございます。これまでの都庁の方々、いろいろと関わってこられたわけで、その職員の方々にはヒアリングをさせていただいて。それから、都政改革本部も、昨日申し上げたように、外部の顧問の方々は決してリットン調査団ではないし、これは満州です。それから、私自身はGHQの回し者でもないし、そうではなくて都政というのは、都庁の職員が行政を担うわけですから、だからこそ自律改革を第一に掲げさせていただいたわけであります。自分で変えていかなければなりません。しかし、改革には時には痛みも伴いますし、それから、改革するには、新しい発想でいかなければならない。私は新しい都知事になったこの機会を、これをもっと活用してくださいということを、特に若手の皆さんに発破をかけているところであります。そして、そういうアンシャンレジームを、それを変えていくためには、外からということもあるけれども、やはり内側から変えていくというのが一番重要なことであります。また、都庁の職員というのもまだまだ、ある意味では、これまでも一律といいましょうか、いろいろな方々と一緒にやってこられた方であります。中には、ご注進、ご注進としていらっしゃる方もおられるかもしれません。でも、そこは、私は信頼をして、そして、相談することは相談を私自身もしておりますし、それから、顧問に就任をされた皆さんも、職員の方々からきちんと物事を、これまでの経過を最初に伺わなければ、物事は進みませんので、そういった協力をお願いするということで進めているところでございます。
外からの改革だけでは十分ではありません。内側からの改革が進んでこそ、本当の東京大改革になって、そして、それが都民ファーストという、私が何度も使わせていただいておりますけれども、その言葉を実現するものだと、このように考えております。だからこそ、自律改革という、自分で律する改革ということを訴えさせていただいたところでございます。
それでは、この後、公務がございますので、失礼をさせていただきます。またどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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