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平成28年(2016年)9月10日更新
知事記者会見
2016年9月10日(土曜)
17時00分~17時30分
【知事】突然のお呼びかけとなりました。豊洲市場の建物の下の土壌の安全性について、今日はお時間を頂戴いたしまして、私からご報告、会見をさせていただきます。
これまで新市場につきましては、まだ地下水のモニタリングが、2年間の採水もまだ行われていないという話、これをずっとさせていただいてまいりましたけれども、いろいろな方面からの情報を頂戴いたしまして、その中で、建物の下の土壌の安全性に問題があるのではないかとのご指摘を頂いております。そして、このことによって、安全性をもう一度改めて確認をしたいと、このように思いますし、また、なぜそのような疑問が出ているのかについて、今日、土曜日ではございますけれども、様々確認をいまだにしている部分もございますが、取り急ぎ皆様方にご報告をさせていただきたいと思います。
土壌汚染対策といたしましては、法律に基づいて汚染した土壌を取り除いて、盛土をするということを説明してきたところでございます。
2メートルきれいな土に入れ替えて、そして、更に2.5メートル、合計4.5メートル、きれいな土を持ってきます、盛土をいたしますと、このようにしてきたわけでございます。それから「(築地市場移転整備)疑問解消BOOK」ということで、いろいろと情報公開には努めていたということでございます。しかしながら、これだけいろいろと情報公開はしてきたということではございますけれども、しかし、青果棟、水産棟などにおきまして、実はこの4.5メートルの盛土が行われていなかったのではないか、そして、それは一体どうなっているのか、といったような疑問が出てきたわけでございます。4.5メートル分抜けているではないかと。結局、空間になっている。中にはいろいろな配線、配管などが行われているというようなことでございまして。つまり、これまでの情報公開など、説明してきたのと事実は違うという、そのようなご指摘などでございます。
この問題につきまして、深いところにある、汚染土壌がある部分については、その土壌を除去して、きれいな土壌で埋め戻しているわけでございますけれども、しかし、ほかのところが、このところと同じように、全てが盛土されていると、入れ替えた上で盛土がされているというのは、この様々な情報と言いましょうか、現状においては、それは正しくないということでありまして、ここで訂正をまずさせていただきたいと思います。ただ、汚染土壌を除去して、その上に厚めのコンクリートを敷いているということで、建物の地下の土壌汚染対策の安全性についてはいかがかという問題があるわけです。つまり、空間になっているけれども、そこに厚いコンクリートを敷いて蓋をしたということによって、それで安全性が一体確保されているかどうかということなのですが、ずっとこの間、土壌汚染などについて、平田先生という専門の先生をヘッドにする、そのような会議がずっと開かれてきて、その議事録などは皆さんもご覧になることができます。ところが、その平田先生が率いる専門家会議というのは、ここの部分を蓋をした、コンクリートでもって蓋をしたことについて、それで安全性が確保できているのかどうかということを確認する前に、そもそも専門家会議を終えてしまっていて、解散してしまったというような、これは、私は行政的な問題であろうと、このように思っております。ということで、オーソライズされていないというのが今日の一番の大きな問題であろうと、このように思っております。よって、ではどうするかでありますけれども、この件については、別途改めて専門家の方々に判断をしていただくと。これはもともと、この土壌問題について、長い間専門家の会議を開いていただいていた平田先生にも、もう一度改めてお伺いをしなければなりませんし、平田先生にしても、全然違う前提でもっての、このところに蓋をしているという状況については、たぶん、御存じないのではないかと思うのです。よって、そういった状況の中で、この専門家の会議として、これで安全なのかどうかというのをもう一度聞いてみないといけないということだと、私はそのように理解したところでございます。
いずれにいたしましても、これまで土壌汚染対策として、巨額なお金が投じられてまいりました。858億円という、とてつもないお金でございます。今、海の森のところの工事現場で、70億円くらいだったのが、それが7倍になっているではないかという話、これだけで約500億円の話ですけれども、こちらの方は858億円、土壌対策だけでお金をつぎ込んでいるわけでございまして、タックスペイヤーズマネーを考えますと、こちらの方はさらには食の安全ということも鑑みますと、非常に大きな問題だと思います。
いずれといたしましても、しっかりと、これからの専門家の会議、それから、来週、私は定例の記者会見はございませんので、リオの方に参りますけれども、プロジェクトチームを立ち上げることとなっております。今、ご参加いただく方々の、それぞれお勤めになっているところのファイナルな許可などを待っているということで、皆さま方へのご報告が済んでおりませんけれども、いずれにいたしましても、早期にこのプロジェクトチームを立ち上げと言いましょうか、スタートさせていただいて、その中には建築、そしてまた土壌問題、そういったそれぞれの専門家の方、青山学院大学の小島先生をヘッドといたしまして、このプロジェクトチームを動かしてまいりたいと考えております。
以上、このように行政の手続的な問題、それから、情報公開しても、正しい情報を伝えていたのかどうかという問題、それぞれ、今、市場の担当者、それから少し遡りますので、当時の担当者などにも話を聞かなければならないと、このように思っております。いずれにいたしましても、次から次といろいろな課題が出てきて、非常に悩ましいところではございますけれども、やはり、これによって、食の安全に対しての、消費者、そして、この市場で働く方々、そういった方々が本当の意味で安心できるのかどうか、オリンピック・パラリンピックのために必要な道路は一体どうなるのか、総合的に一つひとつの問題を解決していきたいと、というか、答えを出して、そして取り組んでまいりたいと思っております。こういった問題は、あとから出てくるよりも、今出していく、どんどん出していこうというくらいの気持ちでおります。さもなければ、結局、あとから遡ってどうだったとかというのは、私はかえってまずいし、それから、急がば回れだと思っておりますので、いずれにいたしましても、しっかりと取り組んでいきたいと、このように思っております。私の方から、以上でございます。
【記者】NHKの小嶋です。確認ですが、盛土をしていなかったことの評価について、その専門家プラスPTで協議して、判断をしてもらうという理解で、まずよろしいのかというのを1点よろしくお願いいたします。
【知事】極めて専門的な話でございます。そして、この豊洲市場の安全性について、環境の観点からお調べいただいてきた平田先生をはじめとする専門家会議の方々に、改めて、こういった事情ですけれども安全なのかどうか、お調べいただきます。そして、また、一方で、新しいプロジェクトチームは、まさしく第3者の目、新しい目でありますので、その方々にはそれぞれのご専門から、この安全性、そして豊洲そのものの安全性と、それから妥当性、価格などの問題点、コストの問題点もございます、それをお諮りしていただくということで、2段構えになると思います。
【記者】その専門家というのは、かつてあった専門家の会議のメンバーに、改めてこの方法について評価をしてもらうという理解でよろしいでしょうか。
【知事】その流れでいいかと思います。つまり、解散するのが早かったわけです。若しくは、解散させずに最後までこのところに、若しくはというか同じことですけれど、やはりそこで専門家の方に判断をしていただくという、その行為を怠ったのではないかと思っております。
【記者】あと、今回のこの事態が、築地の移転の時期の判断に与える影響については、現時点ではどのようにお考えなのか。影響は全くないとは言い切れないと思うのですけれども、そのあたりの御見解をお願いいたします。
【知事】極めて重要な課題だと思っております。そしてまた、私は選挙中から「立ち止まって考える」というところから、それから新たにいろいろな情報、そして流れ、そして実際に都知事になった上で、延期ということで、11月7日の開場ということを見送っているのが現状でございます。逆に言うと、あのままOKを出していたならば、そのあとからまたいろいろな課題が出てきて、そのままスタートすることに対しては、大変な問題になっていたと思っております。だからこそ、この間を活用して、しっかりと安全性を本当に確認していくという、その作業が必要であろうと思いますし、念には念を入れて、そして急がば回れで、今の安全性の確認というのをしっかりとしていきたいし、どういう結果が出るかは、それこそこれからのモニタリングであれ、それから専門家、プロジェクトチームの皆さんの様々な提言、判断ということになろうかと思います。予断を持たずに、いろいろなケースを考えていきたいと思っております。
【記者】TBSテレビの永田と申します。今回の安全性の問題もさることながら、知事が一貫しておっしゃっている情報公開の透明性に関しての、そもそも公開された情報が事実と異なっていたという問題があると思うのですけれども、この点に関してはいかがでしょうか。
【知事】私は前回も、延期を発表させていただいたときも、まず、三つ申し上げました。一つが安全性への懸念であります。それから、巨額かつ不透明な費用の増加ということ。それから三つ目が、情報公開の不足でありますが、そもそも情報が間違っていたというのは、そもそも論として、どうかということがございます。私は、ここの点は、これからの改革本部のところで、本当に正しい情報を伝えているのかどうか、のり弁どころではなくて、違ったことを載せていたら、公開してもそれに対しての疑義が出ては、意味がないわけでございます。改めて、今、改革本部の方でご議論いただいている点に、非常に初歩的な話ですけれど、正しい情報をいかにして伝えるか、その辺のところを盛り込んでいただいて、検討していただきたいと思っております。
【記者】フリーの記者の永尾と申します。4.5メートル。掘削した上で盛土をするということで、建物の下もそういう対策がとられると、私は市場当局から聞いて、確認をしたところにこういう報道がありまして、非常に驚いているのですけれども。市場はそういうふうにずっと4.5メートル、掘削、土を入れ替えて、盛土をすると説明をしてきまして、これはきつい言葉ですけれど、都民を騙したということにもなるのではないかとも思うのですけれども、その点の責任をどうおとりになるのかということと、それは、小池知事が前々回の記者会見の席でお配りになった「東京WOMEN革命」という本の中で…
【知事】革命は言っていない。
【記者】失礼。「東京WOMEN大作戦」という本の中で、築地で、アスベストの問題などはあるのだけれど、それを取り除く工夫をしながら再整備するのがいいのではないかと。豊洲については、食に関係ないメディアセンターなどに使うのがいいのではないかというお考えを示されているのですけれども、これはまさしく今、適用できるお考えではないかと思うのですが、築地を再整備するようなお考えはあるのかどうか、以上2点お願いします。
【知事】まず、4.5メートル。2メートル足す2.5メートルやってきましたと言っていながら、建物の下の部分が抜けているというのは、まさしく間違った公開の仕方、情報だと思います。ここは真摯に反省をしながら、このような間違った情報を与えるなどということは、都政に対しての信頼を回復すると言っていることと、逆行するわけでございますので、この豊洲市場問題のみならず、全都庁の職員に、この点について、当然のことというか、あまりにも基本的な話なのでございますけれど、改めてそのことで粛正をしていきたいと、このように思っております。
二つ目のご指摘でありますけれども、8年前に書いたときのその思いは、普通の生活者、消費者として、そのように感じていたということ、それから土壌汚染については、やはり、環境大臣の経験から、これまでもいろいろな課題がございました。そういったことをベースにして、私の思いを書いたものでございます。しかし、同時に、今回この課題については、やはり客観的な判断というのを待って、そして、様々な方法があろうかと、その答え次第では、あろうかと思いますけれども、最もワイズスペンディングな方法ということを考えていくべきだと思っております。
【記者】東京新聞の内田と申します。よろしくお願いします。先ほど、情報の訂正ということをおっしゃられましたけれど、なぜこの情報が誤ってしまったのかという理由については、現時点で分かる範囲で教えていただければと思います。
【知事】正にその点も精査していかなければならないと思います。特に食に関することについては、昔から、例のカイワレ大根の話からBSEから、みんなみんなとてもセンシティブになるわけであります。ですから、そういった責任ということ、これが十分ではなかったと言わざるを得ないと思っております。その点は大いに反省して、そして、改めてこういったことが繰り返さないように努めていくというのが、今の私、都知事としての立場であります。役割であります。
【記者】先ほどの専門家会議の、平田先生のお名前が出ましたけれども、識者の方々の組織は、専門家会議と技術会議と二つあったかと思うのですけれど、技術会議の方の先生方も、この点についてのご認識は。
【知事】私自身が豊洲新市場で直接お目にかかったのが平田先生でありましたので、それぞれの知見、ご専門の方々の知見を集めて、そしてこの豊洲新市場を建設し、また、移転を進めてきたわけでございます。これまでに関わってきた方々のご意見も伺っていく。特にこの件については、土壌の安全性に関してでございますので、平田先生はまさしくそちらの方のご専門をやっていただいたということで、お名前を上げさせていただいた次第でございます。実際に平田先生にお目にかかった折には、これらのことを前提にした上で、安全性は十分だと、このようにおっしゃっておられました。ただ、ここの部分の空間にしてしまっているということについては、大前提が変わってくるでしょうから、その上でどのようなご見解をお出しになるのかということは、お諮りしなければならないと思っております。
【記者】朝日新聞の小林です。すみません、先ほどの質問とつながるのですけれども、違った説明がずっと続いてきたことに対して、都の担当者の方は、今、小池知事にどういうふうに、なぜそういうことが起きたのかということを説明されておられるのかということを1点お伺いしたいのですが。
【知事】なぜこのような形になったのかということも含めて、当時の担当者の話も聞かなければならないと、こう思っております。ただ、今回の件については間違いでしたということを、明確に担当者は申しております。それから、この判断が行われた時期というのは、少し長い期間にわたるわけでございますけれども、今担当している、それぞれ、例えば環境局であったり、建設局であったり、それから市場担当、それぞれ各局にまたがっております。これを週明けには、もう一度改めて、関係当局を集めた上で指示を出したいと思っております。
【記者】今の点で確認なのですけれども、先ほど、今までの、平田先生をはじめとする専門家の方に、もう一度その判断はどうだったのかということを聞くのと、今のPTで、小島先生などがやっているPTと、そことは全く別の組織みたいなものができて、そしてそれぞれに結論を出してもらうという形になるのでしょうか。
【知事】順番とすれば、作業が若干違うと思うのですけれども、平田先生の専門家の会議のところについて言うならば、これまでの積み上げがある、それとその中で、このような形で行われてきた、では、結果として、いかがな結論をお出しになるのかということを伺う。それから、これはもうずっと関わってこられた方、それから、これは小島プロジェクトチーム、PTについては、またこれは専門の分野がそれぞれ違う方々ではありますけれど、全く新しい目で見ていただくことによる、一種のセカンドオピニオンです、お医者さんで言うところの。ファーストオピニオンの次に、セカンドオピニオンを頂くということを考えております。
【記者】日刊ゲンダイの今泉と申します。2点、質問がございます。食の安全という基準で、土壌の安全性についてはいろいろとご説明はあったのですけれども、4.5メートルくらい地下が空洞になってしまっているわけですよね。そこにぎっしりと土が埋まっていた状態よりも、建物の安全性、強度という問題でも、問題が出てくるのではないかなと、素人考えで思うのですが、
その点はもう対策というか、今後、これはPTで話し合う予定なのかというのがまず1点。その土というのも、タダではないと思うのです。それだけみっちりと埋めるからには、1立方メートル幾らというコストがかかるわけで、それも知事が立ち止って考えると言った理由の、不透明に積み上がった建設費の中に、本来含まれていると思うのです。それがなされていなかったことによる、恐らく、「消えてしまった建設費」というのか、「どこに行ってしまったのだ、建設費」というのか、「誰のところに渡ったのだ、建設費」というのがひょっとしたらあるのかもしれないのですけれど、そういったところまで調査されるおつもりがあるのかということをお尋ねいたします。
【知事】まず、そこに土がぎっしり詰まっているのか、それとも、空間で、建物の耐震度だと思いますけれど、一言で言うと。これについても、小島プロジェクトで検討をさせていただきます。そして、「ただ数字を間違えました」などということではなく、記入のミスなどということではなくて、実際に耐震度がどれくらいあるのかということについてきっちりとした見解と申しましょうか、セカンドオピニオンと申し上げましたが、この辺りを分析していきたいと。これは小島プロジェクトチームであります。その分、土代が、盛土代がどこかに飛んでいるのではないかと。これについては、一体どのような形でそれが決められ、その分がオンされているのか、それとも、あまりにも膨らみすぎたのを、少し安く上げる努力を、変な努力ですけれども、してしまったのかどうか、この件についても調べて行きたいと思っております。
では、最後の方でよろしいでしょうか。
【記者】すみません、朝日新聞の岡と申します。平田先生をはじめとする専門家会議の方々のご見解を聞かれたり、あるいは、なぜ正しい情報が発信されていなかったのか、過去の経緯を遡って聞かれると、これは小島先生のところのPTが中心になって聞き取りをされるということなのでしょうか。それとも、当局の方がされるということなのでしょうか。
【知事】それぞれ手分けしながら進めていきたいと思っております。プロジェクトチームの方々も、それぞれ専門性を持った方々ではありますので、その専門に沿って必要なところを。当局についても、当局がずっとこれまで進めてきたので、当局による当局のinvestigation(調査)というのは、本当にできるのかどうかというのは、若干問題があると思いますが。でも、私はやはり、あくまでも当局が責任をもってこの問題をクリアにしていかないと、同じようなことが、この部署だけでなくて、自分たちで自分たちのことを説明できない都政というのは、それはダメだと思うのです。ですから、そのことを含めて、東京大改革ということで、私は進めていくというのが、私が都知事に選ばれた最大の役目ではないかと思っております。つまり、これまでの延長線で、なあなあで、なあなあと言ったら前の方に失礼なのですけれども、これまでどおりの延長線ではいかないということを、私は宣言しているわけでございますので、そのために必要なことをしていきたいし、何よりも職員の方々にも、是非、意識改革ということをしていただきたい、このように思っております。
ありがとうございました。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)
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