小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年5月2日)

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知事記者会見
2025年5月2日(金曜)
14時00分~14時25分

知事冒頭発言

1 SusHi Tech Tokyo 2025

【知事】今日は3点お伝えをいたします。まず、SusHi Tech Tokyo 2025、いよいよ始まります。ビジネスデイがですね、8日(木曜日)と9日(金曜日)になりますけれども、10日(土曜日)が誰もが楽しめるパブリックデイということで、8、9、10です。ビジネスデイの入場登録、お済みでない方はぜひご登録いただきたいと思います。それから、初日が8日(木曜日)になりますけれども、UAEからお越しのアブダビ経済開発庁長官、アル・ザアビさん、経団連の副会長でいらっしゃいます南場智子さん。それぞれ私と対談の機会も設けております。そしてアジアのキーパーソンでいらっしゃると言ってもいいかと思うのですけれども、お2人、スタートアップ・エコシステム発展に向けまして、有意義な議論を交わしていきたいと思います。次。これが8日(木曜日)ですけれども、9日(金曜日)には、タイの財閥でCPグループというのがあります。チャロン・ポカパンと言うのですけれども、CPグループのタニン・チャラワノンさん、財界人です。そして、台湾の元デジタル担当大臣、もう皆さんおなじみのオードリー・タンさん。それからシンガポールからは、政府系の投資機関バーテックス、こちらのチュア・キーロック氏が登壇していただきます。こうしてアジアのトップクラスの方々が揃うというのも、これもSusHi Techならではと言っていいかと思います。それから当日は複数のセッションが同時に進行になりますので、両方や、いくつも掛け持ちという、なかなか見逃してしまうということもあるかと思いますので、見逃し配信を行います。こちらの方はアプリで見ていただくことになります。またSusHi Techの、この流れを共に盛り上げていこうということで、100以上のパートナーイベントも続々と開催されることとなっております。横浜、京都などでも予定されていまして、そのほか、地域的にはアジア、ヨーロッパ、アメリカなど、多くの海外の関係者が集まることとなります。ぜひSusHi Techに合わせですね、世界中のこのイノベーションの担い手が大いに交流して盛り上がることを期待しております。そしてその中から大きなイノベーションが生まれてくる、こちらのほうも期待をするところでございます。スタートアップ戦略推進本部で担当いたしております。これが1点目。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「SusHi Tech Tokyo 2025の詳細をお知らせします!」は、こちらをご覧ください。)

2 世界陸上と連携した廃油回収キャンペーン

【知事】それから、今年9月になりますが、世界陸上と連携いたしまして、ご家庭で出る油ですね、天ぷらとか揚げ物をした後のその油、その回収キャンペーンを行いますので、これ前からも行われていますけど、ここでしっかりやっていきたいと思います。今年9月に開催される世界陸上でありますけれども、世界中からのトップアスリートがフライトで利用して訪れるわけでもあります。そこで使用済みの油などから作られます環境にやさしい航空燃料SAF。最近広告もよく出ていますけれども、SAFの普及に向けまして、家庭の油を回収するキャンペーン、東京2025世界陸上財団と連携いたしまして展開をするというお知らせでございます。今日から都庁舎や区市町村の施設など約80か所に特設の回収所を設けますので、場所の詳細については、ホームページに掲載いたします。ぜひこちら、都民の皆様のご協力をお願いをしたいと思います。おうちの天ぷらの油がですね、飛行機を飛ばすって、ちょっと壮大なものではないでしょうかね。東京2025世界陸上、世陸のアスリートアンバサダーを務めてくださるのが槍投げの北口榛花選手でございます。北口選手から応援のメッセージも届いていますので動画でご覧いただきたいと思います。どうぞ。

(動画放映)

【知事】はい。という元気なメッセージをいただきました。槍を飛ばすのではなくて、こちらの方は飛行機を飛ばそうというものであります。東京2020大会の時もですね、色々とメッセージ、東京から発信しました。例えば、使い終わった携帯電話などを集めまして、そのメダルの、いわゆる都市鉱山ですね、それを集めて、金銀銅のメダルにしたメダルプロジェクトというのをやりましたよね。これとても世界へのメッセージ、大きいものがありました。今回も「東京2025世界陸上とサステナブルな未来へ 家庭の油で飛行機を飛ばそう」という、そういうキャッチコピーのもとで新たなレガシー残していきたいと考えています。ちなみにですね、古くは江戸時代、着物をですね、何度も洗い張りしたり、ほかの着物と合わせて新しく仕立てたりという、そういうのがごく当たり前だったり、それからお風呂の、新しく仕立てたりという、そういうのがごく当たり前だったり。それからお風呂のお湯を夕方になると打ち水をして、有効に水を使ったというのもしかり。それから人間様のですね、糞尿を肥料として活用するというので、これも一つのビジネスでもなっていたわけで、何も捨てるものはなかったわけです。一言で言うと、江戸時代というのは、これはある意味、そういう社会、まさしく循環型の社会ですね。サステナブルな社会であったということからも、江戸時代から受け継がれてきた江戸の文化が世界陸上という、そういう国際的な舞台でよみがえるということを発信していきたいと思っております。担当は環境局とスポーツ推進本部となっております。

(会見で放映した動画は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「都庁舎でも回収します! 世界陸上を契機とした「家庭の油 回収キャンペーン」を開始」は、こちらをご覧ください。)

3 暑さ対策

【知事】それから皆さん、もうこの言葉言えますか。キーワード、「暑熱順化」。この字ですね(スライド)。「暑い」「熱い」が二つ重なって、字を見ているだけで暑くなりますけれども、これをですね、キーワードにしたいと思います。まだ暑さに体が慣れていない、そこでですね、今から暑さに順化、慣れていくということがポイントになるわけで、「暑熱順化」、この言葉をキーワードにしたいと思います。例えばですね、具体的にはどうするかというと、2日に1回はシャワーだけの方もですね、お風呂の湯船に浸かってもらう。それによって新陳代謝を良くするとか、ウォーキングで、これまた新陳代謝を良くして、ちょっと汗をかくとか。身近な方法で軽く汗をかくということで、体を慣らしていく。それから気象庁の予報によりますとですね、もう今、飛び石連休の真っ最中ですけれども、このゴールデンウィークの期間中にもこれからも夏日があるという見込みでございます。この時期は、まだ暑さに体が慣れていないということから、体温が急に上昇した日にはですね、熱中症にかかる恐れがあるということで対策が必要になります。お出かけの際はぜひ通気性の良い服装を心がけていただいて、そして帽子、それから男性も最近日傘を活用しておられます。これを利用していただいて日差しを避けていただく。それから、こまめに水分補給を行うということも大切でございます。十分な対策をとって楽しいゴールデンウィークをお過ごしいただきたいと思います。暑さ対策を強化していくためにスタートアップの技術、積極的に活用してまいります。都は、スタートアップ支援でキングサーモンプロジェクトという、そういうプロジェクトをこれまでも組んできているのですけれども、行政でこのスタートアップの知恵を使っていこうというものです。スタートアップというのは、まだまだ経験が足りないとかですね、これまでに入札したことがないとか、色々なハードルがあるわけですけれども、このキングサーモンプロジェクトというのは、まずそれを試す、その機会を作っていこうという、そういうプロジェクトですが、このキングサーモンプロジェクトにおいて、ウェアラブルデバイスで、今日私もつけているのですけれども、これ「カナリア」というものです。腕時計式で。これはですね、炭鉱のカナリアというのは、先に行ってですね、危険を察知するという役目がカナリアというのはそういう役目もあるとよく言われますけれども、熱中症予防のためのこの腕時計型、体の中心部の温度を、これが上がっていくと、それをまず検知をします。そして、熱中症の危険がありますよという時に、音や振動などで知らせるというものでございます。都はこの機器を購入して、在宅で熱中症にかかる方、特にご高齢の方というのは、エアコンをですね、「もったいない」とお使いにならない方などおられるわけで。ぜひそういう「うちのおじいちゃん大丈夫かしら」といったら、このカナリアを腕につけていただいて、ピピピと鳴ったらですね、注意を、そこでお水を飲むとか、色々な工夫を、そこで警告をしっかりと捉えてもらえるというものです。都は、この機器購入しまして、今申し上げたような在宅の高齢者や都立学校の生徒や先生、それから屋外で働かれるエッセンシャルワーカーなどの皆さんにお使いいただいて、予防につなげていこうという機器でございます。これからもこのスタートアップをはじめとする民間企業とも協働、共に働きながら暑さ対策を推進して、都民の命を守っていきたいと思います。これ、腕時計型になっておりまして、最初につける時に、これでオンにすると、強く押しているのですけどね。(警告音)と言って、これでつけるということで警告音もこのような形で知らせてくれて、気をつけなくちゃねと。これ実はですね、去年ですかね、アブダビ出張でスタートアップの皆さんと一緒に出かけた際に、あの地域、湾岸諸国での建設現場というのは、日中60度ぐらい平気でいくのですね。そこに皆、建設作業員が色々な国から来ているし、作業員がですね、実際に働いているのですね。非常にこれ、アブダビの方、関心を持っていただいたというスタートアップの一つでございます。こういった形で警告、「危ないよ」ということを知らせてくれる。まさにカナリアの役割をスタートアップがこういう技術を開発をしている。これをですね、東京発の、SusHi Tech Tokyoからの更に発信をつけて増していこうというところでございます。以上、私から今日は3点お伝えをいたしました。
(詳細は、環境局、スタートアップ戦略推進本部、政策企画局へお聞きください。)

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「農業従事者向けの暑熱対策フォーラムを開催します!」は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】ありがとうございました。幹事社の朝日新聞の山岸から2点質問させていただきます。まず1点目、新生児の取り違えの訴訟の関連で、一昨日墨田区が都の調査に協力しますというリリースを出しました。それを受けてですね、都として今後の調査の進め方、おそらく国との連携などのアプローチが必要になるかと思うんですけれども、どういうふうに進めていくのか、知事の考えをお聞かせください。

【知事】飛び石連休中ではありますけれども、今週30日にですね、一昨日、担当部署がですね、墨田区の方と既に協議を行っております。区からは「都の調査に協力していく」という旨のお話がございました。調査ですけれども、戸籍の情報、これを取得しまして、その情報をもとに、対象者を把握をする。そして個別にご意向を伺っていくという、このようなことになろうかと思います。必要な情報が得られますように都と区で連携して、戸籍法にもそういったことを考えているというか、盛り込んでいる法律そのものがございませんので、戸籍法など所管する国にですね、判断は促していきたいというふうに考えております。

【記者】はい、ありがとうございました。もう1点、和歌山県のアドベンチャーワールドでパンダ4頭が前倒しで返還されるということになりました。そうすると上野動物園の2頭が日本の唯一のパンダということになりますけれども、それも来年2月に返還期限を迎えるということで、今後、先日、国会議員さんも議員連盟でも中国とのやり取りがあったみたいですけれども、今後、都としてですね、何か中国側に働きかけていくとか、知事としてどういうふうに動いていくのか、お考えを聞かせてください。

【知事】そういう報道については承知をいたしております。野生の動物の保全という取組は、重要であります。これからも上野動物園における日中共同の繁殖研究プロジェクトについては継続をしていきたいと、このように考えております。

【記者】ありがとうございました。幹事社からは以上です。質問のある社は挙手の上でお名前を名乗って、知事から指名を受けて質問してください。

【知事】MXさん。

【記者】TOKYO MXの白井と申します。よろしくお願いします。2点ありまして、まずは選挙についての話題なんですけども、改正公職選挙法が今日、施行となりまして、品位を損なう内容を記載してはいけないと定められる一方で、2馬力選挙については今後の議論となっています。既にですね、鳥取と島根ではこういった2馬力選挙を防ぐという方針が決定しているような、いるようなんですけども、昨年、都知事選に立候補された小池知事として、こういった公職選挙法の施行だったり、2馬力選挙というところに対してのご認識をお願いします。

【知事】最初に「二馬力」って読めなかったのですよ。というか、そういうことをまず想定していないので。こういうことについては法律で定めなければならないという時世については、非常に、何と言うのでしょうかね、今のそういう流れはどうかなと強く思いますね。ただ、それ何をするかというと、各県でやっておられるのは、1文を書き添えるというぐらいでございまして、どれぐらい効力があるか分かりませんけれども、ただ、もう少し常識というものを信じたいですね。

【記者】ありがとうございます。次2点目なんですけども、墨田区の、あの賛育会病院の件で、親が育てられない子を受け入れるベビーバスケットで、初めての子供の預け入れがありました。実際、運用から1か月というところで、子供の預け入れがあったことに対する知事のご所感等、都として何か対応などあれば教えてください。

【知事】はい。「いのちのバスケット」という、そのような呼び方でございます。そういう事実、預け入れがあったかどうかということについては承知をいたしております。新生児など匿名での受入れが、預け入れがあった場合には、都といたしましては、子供の、まさに命を守るという観点から、地元区とも連携して対応をいたしております。こういった匿名における預かりでございますけれども、ポイントはそこに至る前にですね、妊産婦の方々を支援をするということで、都といたしまして、妊娠相談ほっとラインを設けて、様々な相談に応じているところでございます。悩んでおられる妊産婦の方には、ぜひこうした窓口、ご相談をいただきたいと、このように思います。

【記者】はい、ありがとうございます。

【知事】はい。

【記者】日刊工業新聞社の楠と申します。よろしくお願いいたします。先ほど世界陸上と連携して、SAFの普及に向けて、家庭の油を回収するキャンペーンを開始したと話があったかと存じます。世界陸上と連携する背景に関しまして改めてお聞かせいただけますと幸いです。お願いいたします。

【知事】国際的なイベントでございます。そのイベントと連携しながらですね、様々発信をしていく。オリンピック・パラリンピックもそうでありますし、それぞれ、種目ごとに色々な国際的なイベントが開かれるに当たって、メッセージを発信していく良い機会でございます。今回、この東京、改めて江戸の文化や、またサステナブルという、持続可能性という点、また、それが江戸時代から受け継がれてきたという、そういう歴史や、社会のあり方など、それを伝えるにはとても良いチャンスではないかというふうに思っております。皆さんに共感の得られる、そしてまた歴史の深さや江戸時代に、ちょうど今江戸や浮世絵などについても、大変関心も高まっているところ、そのさらにそこから色々とメッセージを伝える好機ではないかというふうに思います。

【記者】東京新聞の奥野です。先ほどちょっとMXさんからも質問があったんですが、あの、都議選や参院選を控える中で、SNSと政治活動について伺います。近年、政治家や政治家のその支援者の方々が誹謗中傷を受けた後に亡くなるような悲しい事例が複数起きています。選挙活動においてもSNS活用が広がる中で、こうした誹謗中傷への対策が必要だと考えますけれども、知事はこうした状況とか、またその対策についてお考えをお願いします。

【知事】今回はポスターなどの法律の改正ということは、今回、実際には行われて、その効果がどうなのかということを先ほどもご質問があったと、このように思います。SNSはですね、非常に便利で、色々なことを伝える。その効果というのは、これまでとは全く違う次元に入っているかと思います。一方で、その誹謗中傷ということについてはですね、個人名や住所まで晒されてですね、非常にそれに対して恐怖を感じる方は多く、そこで自死を選ばれたという例も、残念ながら何件か見られるところでございます。ただそれを発信した人にはその意識はほぼないのではないかなと思います。それが集団的に受ける方はですね、非常に恐怖そのものだと思います。私自身、自宅の前で大きな音で、また声で街宣をしていかれたという、そしてもう近所の方が逆に止めてくださったというような、そういう事例に、私自身が、こういうことを目にしておりますので。これについてはですね、その一言を投げかける時に、それがどういう効果を、結果をもたらすのか、少し考える必要が、利用される方も、考える必要もあるかなというふうに思います。

【記者】ありがとうございます。

【知事】はい、以上でございます。ありがとうございました。

※テキスト版については、読みやすさを考慮し、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどの整理や補足説明をしています。

(テキスト版文責 政策企画局戦略広報部企画調整課)

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