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令和2年(2020年)3月23日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年3月23日)

知事記者会見
2020年3月23日(月曜)
11時25分~12時14分


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知事等冒頭発言

新型コロナウイルス感染症に対する対応方針について

【知事】おはようございます。新型コロナウイルス感染症に対しましての、東京都といたしましての今後の方針について、都民の皆様方に申し上げたく存じます。
中国に端を発しました新型コロナウイルス感染症でございますが、今、世界各地で猛威を振るっております。これまでの感染者でございますが、世界では30万人を超え、死者が約1万3,000人、特に先ごろは、イタリアでは1日で800人近くが亡くなるなど、欧州をはじめとする世界は非常に厳しい状況にあるという認識でございます。
東京におきましては、3月21日(土曜日)現在、チャーター船、クルーズ船関連などの方々を除きまして、感染者の累計が136名、入院されておられるのは101名、一方で退院された方々も31名おられます。亡くなられた方は計4名という状況でございまして、改めて亡くなられた方々にご冥福を心からお祈りを申し上げるところでございます。
さて、昨今の東京の傾向として挙げられますのは二つございます。まず海外から帰国した感染者、そして、感染源が特定されない感染者が増えているということであります。
一昨日、専門家の皆様方をお招きいたしまして、意見交換会を行わせていただきました。そして、専門家の皆様方からのご指摘で、世界各地で都市が封鎖されている、いわゆるロックダウンをされているところで、海外から多くの在留邦人が帰ってこられるという状況がございます。こうした方々を起点とするクラスターが形成されるおそれがあるとのことで、そのクラスターの連鎖や、大規模なメガクラスターになったときには、感染者の爆発的な増加、いわゆるオーバーシュートが発生しかねないということでございます。そうなりますと、強力な社会的な隔離策をとる以外に、逆に選択肢がなくなるということでございます。
まず水際がどうなっているのかということで、私は、本日の午後にも羽田空港に参りまして、国際線での検疫がどうなっているのか、現場を視察してくることを考えております。昨日も2人感染者が出ましたけれども、2人とも海外からの帰国者であったということでございます。
そして、3月6日(金曜日)付で国が示しました算式を用いた計算によりますと、東京においては、ピーク時の外来患者数が1日約4万人、入院患者数が約2万人を超えると推計されています。この推計は、公衆衛生上の対策を行わなかった場合、ビジネス・アズ・ユージュアルの場合の数字でありますが、引き続き、予断を許さないという状況には変わりはございません。
そこで、都民の皆様に引き続き、本日3月23日(月曜日)から4月12日(日曜日)までの3週間、「換気の悪い密閉空間」、「多くの人の密集する場所」、「近距離での会話」、この三つの条件が重なる場を避けるための行動をお願いしたいと存じます。
それから、国の専門家会議によりますと、それらの三つの条件が重なる場所を避けるだけで、多くの方の重症化を食い止めることができるとされております。
こうした観点から、ライブハウスやスポーツジムなどの施設の利用、そしてイベントの自粛について、引き続きご協力いただきますよう強くお願いを申し上げます。
この3週間、先ほど申し上げましたように、オーバーシュートが発生するか否かの大変重要な分かれ目、分かれ道であるということでございます。
それから、東京の特徴といたしまして、多くの企業、大学が集積していて、全国から人が集まるという日本最大の都市であることは、改めて言うまでもございません。こうした特性から、専門家の先生方からのご指摘で、東京は、発見が困難な若年層のクラスターが発生するおそれがあるということでございます。特にこの季節は、入学、そして入社を控え、夢膨らませて上京される方々も多い季節でございます。しかし一方で、この専門家の皆様方のご指摘のように、感染しても症状の出ない若い方々が無自覚のうちにウイルスを拡散させてしまうということが懸念されるわけであります。
このように若い方々から高齢者や基礎疾患がある方へと感染が広がって、重症者が増加するという傾向は何としてでも避けなければならない状況となります。こうした危機意識を、改めて都民の皆様、特に若い皆様方と共有したいということが、最大のメッセージでございます。都内では、多くの大学が新年度の授業の開始をいつにするかということで、開始の時期をずらすということでご協力いただいております。また、民間企業の入社式でございますが、こちらも延期、また中止などの対応をとっていただいていると伺っております。さらに、体調が悪いとき、無理せずに休んでいただき、少し心配なときには、まずかかりつけの先生に電話で相談をしていただき、さらに高齢者などへの感染防止に努めていただきたい。これらのことについて、ぜひご協力をお願い申し上げます。
それから、通勤でございますが、これは働き方改革という別の意味もございます。テレワーク、時差通勤、在宅勤務など、かなりの企業にもご協力いただいて、それは如実に数字にもあらわれているところでございます。特にテレワークについては、都といたしましても、10分の10という支援を出しておりますが、これを効果的に使おうという企業も大変多うございまして、その規模ですけれども、大体それの20倍の応募があるというような状況で、今、この働き方がこういう形で大きく変わろうとしているということを実感するわけであります。都といたしましても、こうした流れ、しっかり受けとめていきたいと思います。
加えまして、これから時期を迎えます歓送迎会についても、先ほど申し上げましたような三つの条件が重なる場をぜひともお避けいただきたい。ご協力をよろしくお願いを申し上げます。
それから、高齢者の皆様、そのご家族の皆様でございますが、感染を避ける行動をぜひお避けいただきたい。
それから、引き続きご不便おかけいたしますけれども、何度も申し上げますが、感染者の爆発的な増加、いわゆるオーバーシュートを回避して、命を守るためのご協力、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
子供さん、学校については、後ほど教育長からご報告させていただきます。
これまで都民、国民の皆様方には、手洗いの実行であるとか、非常に心がけて、ご協力をいただいてきたわけでございます。感謝申し上げます。
一方で、事態の今後の推移によりましては、都市の封鎖、いわゆるロックダウンなど、強力な措置をとらざるを得ない状況が出てくる可能性があります。そのことを何としても避けなければならない。そのためにも、引き続き、都民の皆様のご協力、さらに一層のご協力をよろしくお願いを申し上げて、私からのご報告とさせていただきます。
どうぞよろしくご協力のほど、お願いいたします。

【事務方】続きまして、梶原副知事、お願いします。

【梶原副知事】それでは、私から、都内における新型コロナウイルス感染症の動向と、今後の医療提供体制の強化に向けた取組についてご説明を申し上げます。
初めに、東京都の特設サイトをご覧ください。このサイトは、累計で約150万人がアクセスし、神奈川、大阪など、他の府県でも各地域に対応させたサイトが開設されております。ご覧いただいていますように、都内の検査陽性者数は3月22日(日曜日)現在、累計138名となっており、そのうち退院された方が31名、亡くなられた方が4名、入院されている方が103名で、重症者は9名となっております。
次に、検査実施状況でございますが、3月19日(木曜日)現在、チャーター機やクルーズ船を含めて、3,221件の検査をしております。この他、特設サイトでは、陽性患者の方の属性や陽性患者数の推移、検査した人数や検査件数の推移、コールセンターや受診相談窓口の相談件数の推移の最新の状況をお示ししております。また、相談窓口なども掲載しておりますので、ご活用いただきたいと思います。
現在、専門家の皆様からは、国内における新型コロナウイルスの感染状況は現時点では爆発的な感染拡大に進んでおらず、引き続き、持ちこたえているものの、東京など都市部を中心に感染源が分からない感染者が増えており、感染状況が拡大傾向にあるとのご見解をいただいております。
こうしたことを踏まえまして、以下、患者数が増加した場合に備えた、東京都の今後の医療提供体制の整備に向けた取組について、ご説明申し上げます。
まず、入院医療体制の強化です。入院医療体制につきましては、患者の重症度に応じて病床を確保してまいります。
重篤や重症の方向けには、感染症指定病院、公的病院、大学病院等の集中治療室や感染症病床等を当面100床確保し、患者数が大幅に増加したときに備え、700床程度を視野に入れて病床確保に取り組んでまいります。そのうち、都立・公社病院では100床から200床程度確保いたします。
中等症の方向けには、民間病院等のご協力を頂きながら、一般病床を当面300床確保し、患者数の大幅な増加に備え、3,300床程度の確保を目指します。そのうち、都立・公社病院で100床から300床程度を確保いたします。
軽症の方は、現在、入院していただいておりますが、患者数が大幅に増加した場合には、かかりつけ医等の管理の下で、自宅または宿泊施設等で療養していただくことを検討しております。病床の確保に当たりましては、感染状況を踏まえつつ、通常診療や救急医療体制を維持しながら、段階的に進めてまいります。
次に、東京都調整本部の設置でございます。多くの患者が発生した場合には、患者の受け入れ、搬送が円滑に進むよう、各医療機関の病床稼働状況や人工呼吸器等の稼働状況などを把握した上で、入院患者や重症患者の受入医療機関の調整を行うことが必要となります。そのため、集中治療、呼吸器内科治療、救急医療、感染症医療の専門家や災害医療コーディネーター、東京DMAT等からなる東京都調整本部を設置してまいります。
次に、外来診療体制についてでございます。東京都医師会の皆様と連携し、かかりつけ医でも相談に対応し、必要な場合に「新型コロナ外来」を設置する医療機関での受診に直接つなげる体制を構築してまいります。
また、現在77カ所設置している「新型コロナ外来」の拡充を図ってまいります。さらに、オンライン医療相談・診療につきまして、現在、都医師会等の皆様と協議を進めており、かかりつけ医によるテレビ電話等の情報通信機器を用いたオンライン医療相談や診療を推進してまいります。
私からは以上でございます。

【事務方】続きまして、大曲先生、よろしくお願いいたします。

【国際感染症センター長】国際医療研究センターの大曲と申します。よろしくお願いいたします。私、専門家の観点から発言させていただければと思います。実は、大事なところは既に知事、副知事がご発言になったとおりであります。私は専門家としてもここに座っておりますし、もう一つの意味では、実際現場の医療者としてこちらに座っておりますので、その実感も含めてですね、今お伝えしたいことをお話しできればと思います。
まず、新型コロナウイルスの専門家会議が3月19日(木曜日)に開催されておりまして、そこで東京は感染が拡大傾向にある地域という判断がなされました。これは先ほどお話もあったように、海外から帰国された方から陽性の方が出てきているということが一つ大きな変化として出てきておりますし、リンクの追えない陽性の方が出てきているということも大きな変化であります。これは実際に現場で診療していて、我々が見ている事実であります。この1、2週は、特に3月の前半と後半では状況が明らかに変わってきているということは感じるところでありまして、その現場の実感ともこれは合うということで、今後3週間は感染防止対策を継続する必要があると考えています。
3週間という数字の根拠は色々ありますが、一つは、今日、今から対策をして、なおかつ、今日、今、感染をした人がいたとします。そうすると、その方が病院に来られるのは約2週間後です。ということは、今日から行った対策の効果が見えるのは、どう早くても2週間後なんですね。それにプラスして1週間ぐらい様子を見ないと先はわかりません。そういう意味でも3週間は必要と考えています。
当面、大規模イベントはやはりしないほうがいいだろうと思いますし、もう一つ、規模にはかかわらず、先ほどからもお話に出ております、いわゆる三つの密ですね。換気の悪い密室空間、多くの人が密集するところ、そして会話があるところでありますが、これまで感染が起こった場所というものを見てきますと、こういったところで起こっているということが、これは明確に見えてきています。こちらを避ければ、多くの患者さんが発生するであろうことはかなり防げると思いますので、これは若い人に限らず、全ての世代の方々がこうした場を避けるということが非常に重要であると考えています。
オフピーク通勤やテレワーク、これは私たちも非常に重要なことだと考えていますし、大学の話がございました。大学の入学というのは、全国から、それこそいろいろな若い方々が来られるわけですが、それは、色々な地域から、ひょっとすると感染している方が移動してくるということと言い換えることができるのかもしれません。そういう意味では、ここから感染が二重に広がらないように対策をするということが非常に重要になってこようと思います。
また、情報提供に関しまして、特にどの病院にかかるかということに関しては、これからも引き続き、都民の方々にお伝えすることが非常に重要だと思っておりますし、先ほどの行動の制限、三つの密のお話がありましたけども、これは全ての世代の方に必要であるということを強く申し上げたいと思います。若者だけが悪いように言われますが、決してそうではありません。感染した方の中には中高年の方もたくさんいらっしゃいます。
もう一つは、軽症の方がご自宅でケアを受けるといいますか、自宅療養するというときが来るかもしれません。そのときに一つ大事なのは、家庭の中で感染を起こさないようにするということであります。それには工夫が幾つかありますので、それを伝えていくことも大事だと思います。
もう一つは、とはいっても若者にお願いしたいことはありまして、彼らがコロナの感染症にかかることはあり得る話ですが、本当に軽く済みます。身動きとれます。遊びにも行けます。お店にも行けると思います。でも、それがゆえに、先ほどのリスクの高いところに行ってしまって、例えばご自身のご両親世代ですとか、あるいはおじいさん、おばあさん世代の方にうつすということはあり得るわけです。そして、彼らは重症になり得ます。そういうことが起こらないように、行動に関してぜひご協力をいただきたいと思います。これは本当のお願いであります。
そのためには、この問題は若い方々の協力も必要ということをぜひ知っていただきたいということは我々も思っているところでありまして、そのための一つの方策としては、例えばSNSを使ってコミュニケーションをとっていくといったところが重要かと思っております。
私からは以上です。

【事務方】では、最後に猪口先生からよろしくお願いいたします。

【東京都病院協会長】東京都医師会の猪口です。私からは、医療提供体制についてお話させていただきますが、これも知事と、それから副知事から、かなり具体的な数字まで含めて、お話がされておりますので、考え方についてお話させていただきたいと思います。
医療提供体制は、感染者が増えて、医療需要が非常に高まってきたときには、どうしても重症者を中心とした提供を行わなくてはいけない。そして、その確保を行わなくてはいけないと考えております。東京は感染が拡大傾向にある地域とされておりますので、その望ましくない拡大に対しても想定した対応をしなくてはならないと考えます。
新型コロナウイルス感染症対策は、通常の診療や救急医療体制を保ちながら、感染症指定医療機関と公的医療機関が中心となって、民間病院と協力して体制の確保を進めていくことが必要です。まさに今、地域医療構想等で進めている連携が大事だと考えます。
外来についてです。感染を疑う患者さんには、まず、かかりつけ医による電話受診相談をお勧めします。突然ですね、感染の患者さんが外来に来られますと、他の患者さんにうつしてしまう可能性もありますので、ぜひ、電話をかけていただいて、時間、それから場所などをしっかり指示を受けて、受診していただきたいと思います。
また、妊婦、基礎疾患を持つ人々の対応を強化していきます。行動抑制ですかね、その自粛が求められている状況の中においては、この際、オンライン健康相談、診療などについて検討していくべきと考えます。具体的にはなかなか難しい部分もあるのですけれども、この際、これを進めていく検討をするべきだと考えます。
それから、入院についてです。感染症指定病床や特定機能病院等の集中治療室は患者さんの増加に応じて、重症者のために活用することとなります。今後の感染拡大に対応できるよう、重症者以外の患者さん、軽症の患者さんは入院する必要はないのですけれども、やはり入院が必要な程度の患者さんというのはいらっしゃいますので、それから、重症の患者さんで回復した方で、感染症指定病床や特定機能病院などにいるのには、そのベッド確保の意味からあって、あまり望ましくない患者さんに関してはやはり民間病院等の一般病床を確保していく必要があると考えます。
軽症者への対応です。今後、患者数が増加した場合には、現在、原則入院という形で診ておりますけれども、かかりつけ医等の管理のもと、自宅等での療養が原則となります。このため、自宅での安静や家庭内での感染防止の方法など、都民への十分な説明と普及啓発が必要です。
以前、東京都医師会から、四つのお願いというような形で発表させていただいているものがあります。これを読み上げさせていただきます。
無理せずに休んでください。これは経営者の方にもお願いしたいところです。少しだるい、それから発熱があるというような患者さんで、若い人の場合にはこれで感染しているという方もいらっしゃいますので、無理をせず休んでください。
それから、新型コロナが心配な方、先ほども話しましたけれども、電話でまず相談してください。それから、かかりつけ医のある慢性疾患を持っておられるような方は、早めの治療が必要な場合もありますので、とにかく早くかかりつけ医に電話をしていただきたいと思います。
喫煙者には、この機会にぜひ禁煙を、とお話ししています。重症化率が約2倍、死亡率に関しては3倍ぐらいという論文が出ています。受動喫煙防止法の施行もありますし、それだけではなく、喫煙者の方にはこの際、禁煙をお勧めしたいと思います。
それから、新型コロナ対策による要介護高齢者等への二次被害、これは介護サービスを提供している提供者から感染者が出た場合に、その地域一体の介護サービスが停滞してしまうということがありました。ぜひ、高齢者の感染に関しては防ぐように皆さんでご協力をよろしくお願いしたいと思います。
これからも東京都と連携して、感染拡大の防止に努めてまいります。都民の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

【事務方】どうもありがとうございました。それでは、これより質疑に入らせていただきたいと思います。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:525KB)
都と国の新型コロナうウイルス対策の概要(PDF:135KB)
都の対応(PDF:223KB)
専門家との意見交換会発言要約(PDF:266KB)
経済情勢ヒアリングメモ(PDF:356KB)
クラスター東京緊急対策班による都における現状分析・推計(PDF:262KB)

質疑応答

【記者】知事に2点お伺いします。まず1点目なんですけれども、4月12日(日曜日)までの3週間のイベント等の延期の方針の継続なんですけれども、これ、先ほどご協力いただきますよう強くお願い申し上げますという趣旨のご発言もありましたが、都として、民間のほうにある種、目安として設定されたという理解でいいのか、それをまず1点お願いします。

【知事】イベントでございますが、まさしくその目安として申し上げたところでございます。4月12日(日曜日)まで。その設定につきましては、先ほど大曲先生から疫学的な判断をするにそれだけかかるであろうということもございますので、その間、ご協力、強くお願いを申し上げたいと思います。

【記者】次にテレワークの件なんですけれども、先ほど10分の10の補助金について、20倍の応募っていうことで、ちょっと驚いた数字なんですけれども、例えば、令和2年度の予算、補正予算ですとかで、例えば何らかの財政措置っていうのはお考えなのか、その点をお願いいたします。

【知事】今、令和2年度の本予算についてご審議いただいているところでございます。今日、このように対応策について、特に医療面、それから行動面で対応策について発表させていただきました。これまで令和元年度の補正予算、そして予備費を活用した対策、そして、これまで矢継ぎ早に対策を打ってまいりました。
そして、これからですけれども、想定をはるかに超えるご要望をいただいておりますので、これにつきましては経済対策、日本の経済、先ほどのDIについても、大変な弱含みでリーマン・ショックと並ぶような状況でございます。過去は、リーマン・ショックの際、二度にわたっての補正予算で1,900億、それから東日本大震災のときは1,300億を超える大型の対策を講じてきたということであります。
何が最も有効で、そしてまた、何が社会的にも、これからの大きな流れをつくっていくのかなどを踏まえまして、令和2年度、今、予算をご審議いただいておりますが、それを超えた上で何をすべきかということを今後まとめていきたいと考えております。

【記者】よろしくお願いします。知事へなのか、大曲先生なのか、ちょっとわからない質問なんですが、今、東京で欧米の大都市のようにですね、大規模なロックダウンのようなものが必要でない状況で保たれているというのは、どういうふうに考えるべきなんでしょうか。例えば、握手やハグなどの習慣がないということだけでそれは保たれているということなのか、それとも、感染者のケースを見落としているという可能性のほうが高いのか、ご見解を伺いたいと思います。あと、3週間の集中的な期間ということですけれども、これを超えたならば一安心ということではないかと思うんですか、その3週間を超えたときは、都民としてどういうふうに考えるべきなのかということのアドバイスも伺いたいと思います。
あと、また最後、マスギャザリングとしてオリンピックについて懸念を持たれておりまして、感染状況がこのまま続くようであるならば、中止という決断もやむなしという言論も出ております。この辺についても知事のご見解伺いたいと思います。よろしくお願いします。

【国際感染症センター長】国際医療センターの大曲です。まず最初の点でありますけども、一つの基準として、やはり医療が現状を抱え込み切れているかどうかというところが大きな判断だと思います。現状では、医療体制は十分に耐えられています。
つまり、COVID-19の患者さんが来られても入院する病床はありますし、助けるための集中治療室はしっかりあります。我々医療者も働いています。それが回っている間は少なくとも医療に関しては緊急事態ではないのだろうと思います。もちろん、普段より少し頑張っていますけれども。ただ、それを超えるような兆しが出てくると、それは緊急事態というのは色々な判断から出てくるものですけども、医療の状況というのは一つの判断材料になるのだろうと私は思っています。
もう1点、2、3週間後の判断、つまり3週間後の判断でありますけれども、一つは、まず、今日から対策を行い、どれぐらい新規の患者さんが出てくるのかというトレンドを見ていきます。それによって、効果が出ているのかどうかという判断ができるわけなのですが、それはおそらく3週目に入らないとできないだろうということです。
それ以降をどうするのかというのは、その時々の状況を見ないと、実は判断しがたいです。例えば、今の状況も、例えば2月の頭頃から、2月の中頃を振り返ってみて、今の状況を見てみると、一つ、我々として、新しい要素として出てきたのは、一つは海外での流行です。ヨーロッパを中心とした海外での大流行があって、それは実は日本に影響がある。つまり、海外から帰ってくる。主に邦人の方が中心ですが、感染して帰ってこられる方がかなりの数来られているということです。それがこの瞬間に起こるということは、実はなかなか読みにくかったところです。
今はそこを読みながら、対策を立てなければいけないというのがまさに今日この日なわけです。日本の中でどれぐらい感染が起こっているのか、それと、もう一つは外的な要因、日本の外でどれぐらい感染が起こっていて、ひょっとして流入があるのかないのかといったところを少なくとも考えあわせて、3週間後以降の対策は練られていくべきだと思いますので、その後どうなるのかというのはまだ言えないというのが正式な答えだと思います。

【知事】ご質問の中に、今、踏みとどまっている状況についての感想ということで、今、大曲先生から医学の観点からお話しいただきました。
一方で、私はやはり国民皆保険というのがしっかり整っているということと、国民、都民の衛生に対しての観念が、非常にしっかりしているということも一つあるのではないかと思います。よって、都民の皆様方のこの健康に対しての様々な知識や、それから落ちついた行動などによって支えられていて、そして、医療の現場におられる大曲先生のような方々に本当に頑張っていただいているということ、これら両方からの面で今の状況、日本の状況と東京の状況があるのではないかと思います。
一方で、先ほどからも若者の行動ということについて、これについては、より彼らに届く方法、メッセージの出し方など工夫していかなければいけないのではないかと、このようにも考えるところでございます。
それから、あとのオリンピック・パラリンピックについての質問でありますけれども、昨日、IOCの臨時理事会が開かれて、中止はないと。それから、今後のシナリオについては、4週間かけて精査していく、査定していくというようなことで聞いております。
私はこれまで開催都市の長といたしまして、まず、中止はあり得ないということを再三申し上げてまいりました。かつ、まず最優先すべきは、このコロナ感染症に対しての対応を、都民の健康を守るという観点から最優先すべきだということも申し上げてまいりました。
また、かつて競技連盟の会長をやってまいりましたウエイトリフティングですが、この経験から申し上げると、選手の皆様は、やはりピークを合わせてこれまでずっと努力されているわけでありまして、こういう世界の状況を見るにつけ、非常に不安に思っておられるということでございます。ですから、IOC、そして、組織委員会、東京都、しっかり連携をとりながら今後どうしていくのか、これについては、様々課題は多いのですけれども、検討していくということだと思います。
また、総理がG7においてこの件について提案、発言をされたというのが一つの突破口になってここまでこの事態が進んできたのではないかということではないかと思います。総理も今日、仮に予定どおりの開催が困難な場合には、アスリートの皆様のことを第一に考え、延期の判断も行わざるを得ないと国会でも答弁されておられますが、私もそのとおりだと考えております。

【記者】今のお答えに関連して伺わせてください。総理が延期も行わざるを得ないという答弁をして、私もそう思いますということですけれども、改めて小池知事は延期に対する容認をお考えだというふうに考えてよろしいでしょうか。また、そのIOCが、決めた4週間以内の判断は遅過ぎるという指摘もありまして、その4週間という目安のことについてもご見解を教えてください。

【知事】4週間というのはIOCの定めといいましょうか、提案としてその期間が出てきたということでございます。実際にこのオリンピック・パラリンピックの準備をする上においては、競技がたくさんあって、会場があちこちにあって、そして、それに付随する様々な課題は山積みです。ボランティアの皆様をどうするのか、選手村をどうするのか、色々と課題がございます。そういう意味で、大体その課題に対してそれぐらいかかるのであろうというIOCの判断ではないかなと思います。
延期がどうかということについてはこれらをひっくるめて判断をされるのではないかと思っております。

【記者】小池知事の延期に対するスタンスを改めて教えてください。

【知事】これは、それぞれかかわっているステークホルダーがたくさんいらっしゃいますので、その皆さんの判断、そしてまた声などをこの4週間かけてということであろうと思いますし、東京都とすれば、一番重要なステークホルダーであろうと思います。しっかりと東京都の意見も述べていきたいと考えています。

【記者】教育長に伺いたいんですけれども、学校の再開の方向で準備をするというお話ですが、先ほどの対策本部会議での大曲先生のほうから再開の判断というのは慎重にというお話がありました。それから、ここにもありますけれども、感染予防策として休校は事実上、効果を上げているというお話なんですが、効果は上げている中で、それから感染予防という観点が必要な中であえて再開の準備をするというのはどういうところを配慮してということなんでしょうか。

【東京都教育委員会教育長】ただいまのご質問ですが、これは国の専門家会議からの提言、あるいは先ほどの大曲先生の都における専門家のご意見ということで、その究極のところの判断基準としては、クラスターが発生しやすい3条件、これを同時に重なる場、あるいはこれにかかわる場を避けるというのが重要だと言っている中で、学校においては、こういったことを十分これまでも徹底してきましたし、これからも再度徹底をしていくという中で開いていくということでございまして、先ほど、休校中の効果ということですけれども、これは先ほど来、大曲先生がおっしゃってますように、2週間、あるいは2週間プラスアルファの時期の時点で、ずれて効果が出てくるということでございますので、私どもとしての一つの判断としては、これも、今回のコロナウイルスに関してでございますけれども、1月下旬からずっと文科省の通知文も含めまして各学校、これは公立、私立も全てですけれども、注意喚起をしてきている中でございます。
その後、3月2日から一斉一律休校ということで全国的に入ったわけですが、その間、学校に起因する感染者、あるいはクラスターも発生していないという、一つ事実がございます。ということは、遡って2週、3週前のその休校に至るまでの学校での子供たちへの手洗いの指導であるとか、換気、あるいは清掃の徹底という、教職員、あるいは学校関係者の衛生管理ももちろんですが、そういったことの効果が出ているという一つの、事実上効果を上げている、これはなかなか疫学的にとか、そこのところは難しいと思うのですが、少なくともそういったものがございます。
しかも、学校というところは、もともと学校安全保健法の観点から、学校感染症、諸々ございます。ただ、今回、コロナはウイルスの特性がわからないという部分がありますので、そこの部分だけかなり慎重にというか、専門家のご意見等々も参考しながらやっていくわけですが、もともとそういった学校医、あるいは保健所、あるいは発熱した場合の処置とか、そういったことについては個人個人の管理という意味では、もともとの素地がある施設ということでございますので、そういった諸々の判断。
それから、もう一つは教育上の話で申し上げますと、やはり新学期というのは新入学、あるいは学年進行と、進級ということで、これは子供たちにとっても、学校にとっても大切な時期でございます。そういう意味では、この後、もし爆発的なことが起きて、また休校せざるを得ないといったときにも、まずはクラスが決まらない、担任が決まっていないという状況ではなかなか自宅学習といっても、進まないということも、これありということで、非常に大事な時期を迎えるということで、総合的な判断の中で新学期を開始していきたいということでございまして、国のガイドラインも間もなく発出されるということですので、これは都立、それから区市町村のほうの準備の支援もやっていきたいというふうに思っております。

【知事】少し追加ですけれども、私立の小中などは、電車通学も多いかと思います。そこは私立の皆さんとよく連携して、子供たちの安心安全を、健康を守っていく方法、確保したいと思います。
大学については、先ほど申し上げましたように、多くの大学が、新年度をかなり遅らせるという方針だと伺っております。これは、先ほど来の重点項目としての若年層、若い人たちの行動をどのように管理というか、どう行動を安全にしていくかという観点からの判断をお願いしているところです。

【記者】すいません、関連で1点だけ知事に伺いたいんですけれども、今、大学がですね、多くの大学が授業の始業をおくらせているというお話があったんですが、そもそもその東京五輪をですね、予定どおり開催するとして、その場合、その各大学は五輪の開会式までに授業をできるだけ終えると、それによって五輪期間中のTDMにある程度協力しつつ、そのボランティアというのを確保するというところに協力するという前提だったわけですが、こういう形で後ろにずれていくってことに関しては、コロナ対策ではありますけれども、どのように捉えてますか、その五輪との兼ね合いという部分ですが。

【知事】やはり完全な形でと、それから、無観客試合はないということを総理もおっしゃっており、私も申し上げてまいりました。ボランティアなどの関連から、在京の大学にはね、随分ご協力をいただくことにもなっておりました。一方で、何を最優先すべきかということについては、やはり都民の安心安全を守ってこそ、この完全な大会になるのだと、そこの順序を考えた上で、そのような判断が必要ではないか、それはむしろ大学の皆さんがそのようなご判断をされていると考えております。

【記者】都知事に2点伺いたいんですけれども、今日、一部の報道が出てたんですけれども、新たな対策を講じられなかった場合は、都内で新たに500名の患者が出る可能性があるという報道が出たんですけれども、これについてどう受けとめてるんですか。そして、3週間、あと3週間でイベント自粛の対象に花見も含まれるんですか。先週、お花見に行く方が多かったんですけれども、それにおそれの声も出たんですけれど、それについてどう受けとめてますか。

【知事】まず最初のご質問で、500人の根拠について、私どもは把握しておりません。先日、専門家の皆様方との意見交換会でご提供いただいた推計によりますと、3月25日(水曜日)までの間に患者さんは、現状の対策のままでいくと51名、重篤者4名、それから、皆さんのところにもお配りしているかと思いますが、そして、次の7日間、4月1日(水曜日)までですけれども、患者さんが159、重篤者12、次の7日間で、4月8日(水曜日)でありますが、患者さんは320で、うち重篤者が25と。そこで、よって、感染者報告数が増加する見通しがあり、次第に厳しくなる重篤者への医療提供を早急に検討する必要があるということでございまして、先ほど梶原副知事からお答えいたしましたように、医療態勢をしっかりと準備していくということで進めているところでございます。
お花見について申し上げると、本当に多くの方々がこのいい陽気に誘われてということは、この間ずっと子供たちも家の中にいたということもあろうかと思います。ただ、皆さんかなり色々なルールといいますか、エチケットを守っていただいて、中には座って、座り込んでという方もいらっしゃったかと思いますけれども、でも、全体を見ますと、皆さんよくご協力いただいてるなと思います。そしてまた引き続き、これらの先ほどの3つの密なども守っていただきながら、健康、ストレスをためずにいただくことが免疫を高める、これはむしろ先生の領域なのですけれども、そういったことではないかなと思っております。

【記者】知事に伺いたいんですが、先ほどの五輪の関係で、その延期も含めたというふうな判断というふうな流れになることを受けてですね、26日から聖火リレーが国内でスタートします。そのことへの影響を懸念する方もいらっしゃいますが、そのことに関してどういうふうに受けとめていらっしゃいますでしょうか。

【知事】これまでセレブレーションということで、それぞれ地域の方々、特に東北3県をぐるっと今回っているわけでありますけれども、やはり大会というのは皆さんが安全で安心で、そして、お祝いをするということが重要かと思います。そういった意味で、実際は組織委員会がこれを準備しておられるわけでありますけれども、そういう環境を整えるということはまず必要なのではないかなと思っております。

【記者】先ほど東京都としての意見をしっかり述べていきたいとおっしゃっていたんですけれども、どういうふうな意見を述べていくということなんでしょうか。

【知事】開催都市として、これまでも大会会場の準備等を着々と進めてまいりました。また、都民の皆様方が何よりも楽しみにしておられるということ、それから、アスリートの皆様もそこに照準を当ててこれまで準備をしてこられた、そういった思いを、しっかりと受けとめながら、開催都市としてのこの考え方を、色々なテーマが分かれると思います。ボランティアをどうするのか、それから、選手村をどうするのかというのは、これは今後の東京都のまちづくりにもかかわってくる問題であります。もちろん、選手村そのものの権利者というのは、マンションを販売される方、それと契約をされる方ということになりますけれども、様々なその課題に対して、都としての考え方など、申し述べる必要があろうかと思っております。また、やはり突然札幌だと急に言われるようなことのないように、しっかりと連携をとらせていただきたいと思っております。

(テキスト版文責 政策企画局政策調整部政策調整課)

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