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令和2年(2020年)5月29日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年5月29日)

知事記者会見
2020年5月29日(金曜)
14時00分~14時44分


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知事冒頭発言

1 新型コロナウイルス感染症への対応について

【知事】先ほど、都庁屋上でブルーインパルスが医療従事者に向けた感謝の気持ちを表す飛行を行ってくださいました。本当に医療従事者の皆様に改めて感謝を申し上げ、そして、航空自衛隊の皆様方のお気持ち、すばらしい飛行であったということ、感謝いたしたいと存じます。
さて、新型コロナウイルス感染症について申し上げたいと存じます。国におけます緊急事態宣言が解除されまして、今週26日(火曜日)から「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」におけます「ステップ1」に移行したわけでございます。都におきましては、ロードマップの骨格を発表したのが15日(金曜日)、そこから昨日までの2週間において、疫学的な状況など7つの指標に関するモニタリングを継続して行ってきました。
それぞれの指標の昨日時点の状況でございますが、新規陽性者数が、9.0人、新規陽性者におけます接触歴等不明率が54.0%、これは後で説明します。週単位の陽性者の増加比は1.07、ほぼ横ばい、重症患者数32人、入院患者数は380人までになりました。PCR検査の陽性率につきましては1.2%、受診相談窓口におけます相談件数は908件、感染状況に関しての3つの目安でありますが、新規陽性者数が9.0人、ロードマップで定めた休業要請の緩和の目安は1日当たり20人未満でございますので、これは下回っております。
陽性者の増加比も1.07とほぼ横ばい、また、昨日の接触歴不明者で目安の50%を上回っているというご指摘があろうかと思いますが、今、調査中の中でも色々ありまして、この中に、繁華街におけます夜の街、クラスターとの関連が判明している方が結構おられます。約10名であります。これを除きますと50%を下回るという、そのための評価でございまして、これを専門家からも、この点、感染状況の把握が難しい状況には至っていないとお話をいただいております。
さらに、重症患者、入院患者ともに減少傾向にあるということ、医療提供体制も十分確保できているということ、このため、昨日、新型コロナウイルス感染症対策審議会を開催いたしたところでございまして、専門家の委員の方々に、こうしたモニタリング指標の状況など、評価、分析をしていただいたところでございます。
クラスターも発生をしております。審議会からは、今後もクラスター対策をしっかりやるべし、感染拡大防止対策を徹底してやるべしと、それによって、次のステップへ移行すべしということで、次のステップへの移行は妥当とのご意見を頂戴したわけでございます。
これらを受けまして、先ほど、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催いたしました。そちらで、6月1日(月曜日)午前0時をもって、「ステップ1」から「ステップ2」へ移行するということを決定いたしたところでございます。これによって、学習塾、それから劇場、映画館、集会・展示施設、商業施設などへの休業要請を緩和することになります。そして、事業を再開されます事業者の皆様におかれましては、これまでも、都や、また各業界団体がそれぞれ策定しておられますガイドラインがあり、これを踏まえて適切な感染拡大防止対策を進めていただいているわけでございますが、今日が29日(金曜日)、30日(土曜日)、31日(日曜日)と、この週末を有効にご利用、ご活用いただいて、徹底した衛生の確保、そして、様々な感染症の問題が広がらないように、さらなる徹底をお願いしたいと考えております。
都におきましては、業種ごとの感染拡大防止対策のポイントを、イラストなども使いまして、分かりやすくまとめたガイドブックを新たに作成いたします。そして、業界団体などと連携しまして、具体的な対策を助言するアドバイザーを派遣したり、また、ウェブセミナーなどの開催を検討しておりまして、事業者の皆様方が取組をきめ細かに行われるように、都としてサポートをしてまいります。
また、事業者が、確実に感染拡大防止策を実施、実践できますように、対策を講ずべき項目はチェックシートにまとめて提供いたします。さらには、事業者の皆様が感染拡大の防止の取組を実施している場合には、都民の皆様にしっかりとここの店はやっていますということをお知らせするサインと申しましょうか、ご覧いただいているようなデザインのステッカーをお店に貼っていただくということでございます。
くれぐれも事業者の皆様には、これらのガイドライン、それぞれの業界でお作りになったガイドラインを徹底して行っていただく。そしてまた、都民の皆様には、利用者の皆様方には、こういったサインを見つけ、チェックをしながら、そしてまた、やはり利用者の皆様のご協力も必要でございますので、それらについて、都民の皆様、そして事業者の皆様そろって、これからも感染拡大の防止に努めていただければと考えているところでございます。
それから、学校です。都立学校につきましては、6月1日(月曜日)から分散登校を実施いたしまして、段階的に教育活動を再開することといたします。それぞれの学校においては、今回新たに策定したガイドラインに基づいて、感染症の予防策を徹底していただきます。また、それぞれの家庭でも、日々の感染予防に努めていただくなど、学校の「新しい日常」の定着に向けた協力をお願いいたします。
週明け、6月1日(月曜日)から、「ステップ2」に移行するわけでございますが、現在もなお、一定数の新規陽性者が発生をいたしているのも事実でございます。忘れてならないのは、やはり現時点で有効な治療薬であったり、ワクチンが実用化されていないということであります。この状況が改善されない限り、このウイルスの拡大を防ぐ手だてというのは、結局のところ、私たち自身の強い意志と行動のみということになるわけであります。
新型コロナウイルスとの闘いは、長期にわたることが見込まれるわけでございまして、そこで我々は、いや応なく、この新型コロナウイルスとともに生きていかなければならないということを認識していかなければならないと思います。
そこで、これからも、「コロナとともに」という意味で、「ウィズコロナ宣言」を行いたいと存じます。コロナとともに生きていく、そして、「新しい日常」をしっかりとみんなでつくっていく、それによって、正しく恐れよと言われていますけれども、この時代をこれからも私たちは生きていく、そして、これからのワクチンやお薬など、研究開発なども進めていただく、検査・医療体制にしっかり組んでいく、様々なことのベースとして、「ウィズコロナ」という考え方、これはもう避けられない現実として、私たちが共通認識として持っていく必要があると思います。
そこで、ノーベル賞を受賞されまして名誉都民でいらっしゃいます北里大学の大村先生が、イベルメクチンなどの開発もされておられる。アフリカの皆様の、これまで何万人どころか何百万人の健康を守ってきた、そのお薬などが有効だとも言われております。
いずれにしましても、一刻も早く治療薬、そしてワクチンが実用化されることを期待し、また、都としても後押しができればと思います。
その間には、PCRセンターの拡充、抗原検査、そして組み合わせました検査の効率化、迅速化、抗体検査の実施による感染動向を把握すること、さらには、妊婦さんに対しましましてのPCR検査を実施することなど、検査体制の拡充をさらに図ってまいります。
また、人と人との接触を避けるための、感染者の適切な療養施設、重症度に応じた治療、医療体制の確保に引き続き努めてまいります。
それから、保健所との情報共有でございますが、これについてはデータベース化をいたしまして、これまで明らかになったいくつかの問題ございました。これを克服して、情報の見える化をしっかりと行ってまいります。
そして、第2波への懸念につきましては、引き続き厳重に警戒を行う、そして常に備えていく必要があるかと存じます。私は、いつも「備えよ常に」がモットーだということを申し上げていますが、まさしくこれからも「備えよ常に」の精神を基に、都政を、感染拡大の防止にしっかりと務めていけるようにしていきたいと考えております。
都民の皆様方には、感染拡大を防止するために、もう何度も申し上げていますけれども、手洗いの徹底とマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、「3つの密」を避けた行動、「新しい日常」を徹底して実践していただきたいと存じます。
それから、夜の繁華街などへの外出でございますが、先ほども、少し感染の不明な人が多いと申し上げました。このところの感染者に、結構若い方々が多いのも事実でございまして、よって、繁華街、特に夜の繁華街への外出については、十分にご注意いただきたい。
それから、近隣の県、1都3県で色々と連携もいたしております。引き続き、都県境を越えた不要不急の移動はお控えいただくということでございます。
家族、大切な人、社会を守るため、いま一度、皆様のお一人一人の行動を見詰め直していただいて、そして新しい日常を徹底して実践をしていただく。都、そして区市町村、都民、事業者、この皆様が一体となって、「ウィズコロナ宣言」をさせていただきましたけれども、ウィズコロナの時代を、前に向かって進んでいきたいと考えております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
詳細は、総務局、福祉保健局、教育庁にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:1,521KB)

2 若ナビαにおけるLINE相談の開始について

【知事】東京都若者総合相談センター「若ナビα」でございますが、こちらはLINE相談を来月1日(月曜日)から開始するということで、お知らせいたします。
若者の悩みは、自分自身のことや対人関係、それから学業、仕事への不安など幅広い分野にまたがっているわけであります。とりわけ最近は、やはりコロナの影響で、「就職活動がうまくいかない」とか、「ずっと家にいて疲れた、何もやる気が起きない」などといったような不安を抱えておられる方々からのご連絡もあるわけでございます。
平成29年度に開始した「若ナビα」でございますが、そういった若者の皆様の様々な悩み、そして不安の最初の受け皿として、相談を受け止めさせていただいております。そして、その状況に応じて、悩みや不安を解消するために、就労、保健、医療など適切な支援機関への橋渡しを行っております。
これまで、電話、そしてまたメール、直接来ていただくなど、相談を受けてきたわけでございますけれども、相談に当たって、心理的なハードルを下げるという意味でも、若い皆様が、気軽に「若ナビα」を利用していただけるように、LINEを活用した相談を開始するということでございます。
受付時間は、日曜日と年末年始を除きまして、午前11時から午後8時まで、LINEのアカウント名ですが、「相談ほっとLINE@東京」であります。
現在、ネットやスマホで困りごとなど3つのメニューを受けておりますけれども、新たに「若者総合相談」のメニューを設けていくので、使いやすいものをご活用いただければと思います。
もちろん、対象は、若者本人でございますけれども、そのご家族であるとか、それからさらには、その若者とその家族を支援している方からのご相談も受け付けます。どんな悩みでも結構でございます。そこには社会福祉士など専門家がおりますので、丁寧に対応してもらいます。
相談は無料でございます。匿名でも受け付けオーケーであります。新型コロナウイルスの影響はもちろん、様々なストレスや不安を感じている方は、1人で悩まない、ぜひこの「若ナビα」を活用していただきたいと思います。
詳細は、都民安全推進本部にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:260KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 「新しい日常」のもとでの熱中症の注意喚起について

【知事】新型コロナウイルスの封じ込めに向けて、「新しい日常」の下で、先ほどもマスクの着用ということをお願いいたしましたが、一方で熱中症の注意喚起ということも致さなければなりません。蒸し暑い時期に入ってきたわけでありますが、このコロナウイルス感染症拡大を防止するためには、引き続きマスクの着用は必要だと申し上げております。
一方で、気温と湿度が高い中でマスクを着用しますと、脱水などを引き起こしやすくなる、そして熱中症のおそれが増すわけでございまして、医学的にも指摘をされる方がいらっしゃいます。
このような場合にはどうしたらいいか。まず、喉の渇きを覚える前に水分をしっかりと小まめに補給をする。それから、在宅勤務など自宅で過ごす方も、このところは本当に増えております。ぜひ、テレワークを続けていただきたいと思いますが、東京消防庁によりますと、熱中症の発生場所のトップが、実は住まいです。それが約4割を占めているということで、屋内で過ごす場合でも、エアコンや扇風機などを適切に使っていただきたい。
その上で、今年は特に3密のうちの「密閉」を回避するためにも、窓を開けるなど室内の風通しをよくすることを心がけていただきたいと思います。そういうときに、エアコンの効率が悪くなるではないかとお考えになるかと思いますけれども、あわせてエアコンなどの小まめな温度の調節をお願いしながら、風を取り入れたり、エアコンで冷やしたりという、細かな作業かも知れませんけれども、ご自身を守るためにも、まず頭に刻んでいただいて、実行していただきたいと存じます。
これまでとは異なる生活環境が行われているわけでございますけれども、健康の管理には、コロナに対しての健康管理もそうですが、この熱中症という別の形でも、健康をしっかりとお守りいただきたいということをお伝えしていきたいと思います。
詳細は、消防庁にお聞きください。

質疑応答

【記者】5月幹事社のNHKの成澤です。まず、幹事社から3問伺いたいと思います。
まず、東京都内の最新の感染状況について伺います。先ほど知事からも、第2波に警戒というお話がありましたけれども、都内では、昨日までの3日連続で10人台の感染が確認されています。一時期より増えているかなと思うのですけれども、知事の認識として、まだ第2波ではないという認識でしょうか。まず、その1点お願いします。

【知事】今、第2波への警戒が高まってきていると思います。また、今お話ありましたように、都内の直近7日間の新規陽性者というのは、1日当たり9.0人ということで、緩和の目安となる20人を下回っていることは事実です。
ところが、一方で、ここ数日の傾向でございますけれども、先ほども申し上げたように、若い感染者が結構増えている。そして、夜の街との関係も調査されているわけでございますが、今後の感染状況の動向については、やはりこれからもしっかり注視していかなければならないということであります。
いずれにしましても、感染しない、させない、そのための行動をご協力いただければと思います。これからも警戒は続けていかなければならないと考えております。

【記者】2問目ですが、感染状況については今のような現状認識ということだったのですけれども、そういった中で、ロードマップの「ステップ2」に進むという判断をした最も大きな理由とか根拠があれば教えてください。

【知事】7つのモニタリング項目がございますけれども、新規陽性者数など、日によってばらつきもございます。直近7日間平均の数値を用いているところであります。それから、5月15日(金曜日)から7つの指標のモニタリングを始めたわけでありますけれども、この7日間平均で10人を下回っている状況にあるということ、それから、昨日は、感染症対策審議会を開きまして、そちらで委員の方々からご意見をいただきました。そして、その結論といたしまして、移行を承諾する、可とするというご意見を頂いたことから、6月1日(月曜日)から「ステップ2」へと移行することといたしたわけであります。
ここ数日の感染状況でございますけれども、今もお話しさせていただきましたが、若い世代が多くなっている傾向がある。それから、7つの指標に関するモニタリングについては続けていく。これから毎週月曜日と木曜日に分析をしていく、そのような会議も設けてまいります。
引き続き、この点につきましては、よく注視をし、警戒すべきところは警戒をしていくなど、これからも「ステップ2」に移行しながらも、様々な対策は練っていきたいと考えております。

【記者】幹事社から最後3問目ですけれども、東京小金井市の武蔵野中央病院で職員と入院患者合わせて9人が新型コロナウイルスに感染したということです。都によると、緊急事態宣言の解除後、都内で5人以上のクラスターが発生したのは初めてのケースということなんですけれども、今後このようなクラスターを、どのように防いでいきたいと考えていらっしゃるか教えてください。

【知事】この間、様々な経験を積んできました。例えば院内感染、お年寄りの多い特養などの高齢者の施設、そういったところが一気に数字を膨らませていってしまうということは、逆に言えば、そこを対策していけばいいということでもあります。
今回、ロードマップでお示しいたしましたように、都におきましては、この第2波に備えまして、検査、医療などの体制の準備を進めておりますし、また、この中で院内等感染防止対策というのは大きな課題でございますので、それを掲げております。全ての医療機関における院内感染防止対策を徹底いたしてまいります。そしてまた、例えば入手困難な医療物資を安定的に供給する、院内感染を防ぐということなどが防止対策の中の柱になっております。
感染症対策人材を、まず育成しなければならない。これまでオン・ザ・ジョブトレーニングのような形ではございましたけれども、やはり感染症の中で、この院内感染というのがいかに注意を払わなければならないかということを改めて人材育成から進めていく。そして、いい人材を確保していく。それから、ガイドラインや動画を作成して、分かりやすく皆様で徹底していただく。そして、マスク、アルコール消毒液、防護服などの確保に取り組んでいって、感染の再拡大期も見据えた対応を着実に進めていく。
ご指摘のとおり、院内感染というのは、今回、宣言解除後の東京都としてのケースでございます。これもしっかりと対策をし、この患者様のPCR検査も今進めておりますので、これからその数字も陽性者の数に加算されることも念頭に入れておかなければならないなと思っております。また、院内感染については、本当に1つの病院でもう何十人も陽性者を出して、お年寄りの多い病院は特に命に関わるといったことでございますので、つまり院内感染をまず起こさないということがポイントになるかと考えております。

【記者】テレビ朝日の鈴木です。知事に2点お伺いします。まず、冒頭の質問にもありましたが、「ステップ2」に判断、移行することを決めた理由についてです。ロードマップの運用では、2週間をベースとして判断をする。状況によっては早める可能性もあるとされていたかと思うんですが、現在の状況を見ますと、恐らくステイホーム週間の効果がまだ少し残っている状況にもかかわらず、少し増加している傾向があるかと思います。そうした状況の中で2週間を待たずに前倒しをして判断をされた理由について教えていただきたいのと、すいません、もう1点が、事業者への支援についてお伺いします。「ステップ2」への移行は決められましたが、今後、「ステップ3」ですとか、その先の全面解除にならなければ休業要請が緩和されない事業者の方、たくさんいらっしゃるかと思うんですけれども、知事はこの前、さらなる支援を検討したいというふうに発言されていたかと思いますが、現段階で検討されている状況について教えてください。

【知事】まず、先ほど冒頭、私から発言させていただきましたモニタリングは15日(金曜日)から続けておりまして、そして、昨日の段階、そして今日、これがちょうど2週間にも当たるということから、ここでまずいったん判断いたしたものでございます。ただ、モニタリングは毎日行ってまいりますし、1週間平均などこれからも出していくということで、この判断については適時必要なときにやっていくということになろうかと思います。
ですから、ゴールデンウイークの名残と言ったら困るのですけれども、人の流れが、ステイホーム週間が終わったら出るかと思いましたが、もちろん今増えています。人の流れや電車の混み具合など変化はありますが、ただ、会社に行くとか、それから、どこかに行くといった、そのあたりでまだ皆様が慎重でいていただけているというのは、非常にこの間、皆様が色々な点に気をつけなければいけないということをご理解され、また、ご協力いただいている成果だと思っております。ですから、タイミングとすれば、そういう話がまず1点であります。
2点目が、事業者。事業者の皆様方は、例えば「ステップ3」の方々ですけれども、この方々の業界が、国が、線引きなどをし、そして、ガイドラインを作成しておられるわけです。6月18日(木曜日)にはそのガイドラインが整ってくると聞いております。
それから、今回「ステップ2」へと進むわけでありますけれども、中にはクラスターが発生した業界もございます。ただ、その業界の方々もしっかりとしたガイドラインをおつくりになって、それを実行していただく。残念ながら、ガイドラインをつくれば業界が安全かというわけでは決してないので、そこで、先ほど申し上げましたように、それぞれのガイドラインをしっかりとやっているかどうかというのをそれぞれ確認するためのチェックシート、それから、「このお店はマル適です」みたいな、火災の関係ではありませんけれども、そういったことが分かるように、しっかりとやっています、安全です、拡大防止をみんなで頑張りましょうというためのステッカーをお作りするということであります。
先ほども申し上げたように、ワクチンがない、治療薬がない、そういう中で、何としてでもこの感染症の拡大を防止していかなければならないので、「ウィズコロナ」、コロナとどうやって生きていくのか、非常に厳しいところもございますし、これからも色々とクラスターなども出てこないとも限りません。ただ、3月、4月に毎日100単位で陽性者が出てきた頃というのは、まだ、はっきり申し上げて医療体制としても、どうするかというので、過去には大変奔走いたしました。そしてまた、その中で院内感染も起こりました。そういったことを踏まえて、今この時期、しっかりと第2波にも備えつつ、日々の動きもあるかと思いますけれども、コロナと一緒に生きていくことと、それを皆様と共有しながら進めていくという段階に入りたいと考えております。
今日も各会派、党派にもお願いしているのですが、2つありまして、1つがまず、家賃補助を今、国でご検討いただいているわけでありますけれども、東京都の家賃は、他の都市と比べましても突出して高いわけでございます。そういったことで、国のベースをより確実なものにしていただくようにお願いをしてきたところであります。
もう一つありまして、それは今日もお願いしてきましたけれども、これ、国の関係なので、水際対策です。昨日も専門家の先生方がおっしゃっていましたけれども、3月、4月の跳ね上がったところには、海外から入ってこられた、もしくは帰ってこられた方々のウイルス持ち込みが一つ大きな原因にもなっていると分析をされておられます。そのことを考えますと、現時点では、それはほぼない。毎日お伝えしているように、帰国者の数も発表していますけれども、ほとんど、現時点では陽性になる方もゼロということですが、これが段々と進んでいきますと、また色々な人の出入りが始まりますと、この水際でどのように防ぐかというのは、これは検疫であるとか入管でどうチェックをするのか、とても大きなことです。
ですから、まず国でしっかりと水際の管理をしていただく、その後、行動がどうだったのかなども、一定のルールの下で確保できるようにしていただかなければ、結局それによって感染が増えて、医療機関の確保や医療体制などで奔走するのは地方自治体になりますので、そういったことで2つ、「ステップ3」の方々だけでなく、業界、様々な事業者の皆様に対しての措置として、またサポートとして、今そのようなことを考えているところであります。

【記者】共同通信の恩田です。ステップの移行に関してなんですけれども、先ほど事業者の方は週末を有効に活用して感染防止対策をというお話もありましたが、今日、移行を判断されて、明日からではなく、緩和を1日からとした判断についてお考えをお聞かせください。

【知事】もう明日、明後日は土曜、日曜でございます。逆に6月1日(月曜日)というのは、もともと宣言の解除は5月31日(日曜日)まであったわけで、その意味では、6月1日(月曜日)というのは一つの切りであります。
それから、この土曜、日曜を、それぞれ「ステップ2」に入る皆様は、有効に活用していただいて、利用していただいて、ガイドラインの徹底などを改めて確認をした上で、そして事業の再開をしていただく、その時間に充ててもらうということでございます。
また、近隣県等も6月1日(月曜日)から動きだすところもありますので、そことも連携しながらということでございます。ぜひともガイドラインは、飾っておくものではない、徹底していただきたいし、私がそんなことを言うまでもなく、事業者の皆様はうちから感染者を1人出したら店が大変だということを一番よく分かってらっしゃいますので、そのあたり、しっかりと都としても支援をしていく、後押しをしていきたいと考えております。

【記者】日本テレビの中丸です。先ほど知事も発言されていましたように、ここ最近、夜の歓楽街、繁華街に関連する方の感染というのが複数、目立っております。東京都の方でも感染者急増する初期の段階で、やはりこの夜の街クラスター、夜の街に関連する人たちというのが多く出てきて、それが結局、この入り口と言ったら変ですけれど、増えていく先端、最初のときにやはり確認されていたと思います。
こういったお店ですけれど、本来は「ステップ3」以降ではあるわけですが、もう既に営業を進められていたり、お客さんとして来店されていたりということが、この結果、今、感染者の状況に出ていると思いますが、パチンコ店の店名公表等ありましたけど、こういったお店への対策というのはどういうふうにお考えでしょうか。

【知事】これらのお店については、残念ながら「ステップ3」、まだそのステップには入ることはできておりません。先ほども申し上げましたように、6月18日(木曜日)に国のガイドラインなどがまとまるということ、業界団体がどれぐらいその業種に効果があるのかはよく分かりませんけれども、やはり先ほども申し上げたように、感染症を出したところは、そこで大きな、その事業そのものが問われること、逆に調査中がそのままになっているというのは、なかなかそのことを突き止められていないからということなのです。ということで、引き続きしっかり調査をしながら、そこが感染源にならないように様々な工夫もしていきたいと考えております。
それから、「ステップ3」でも、12時までとさせていただいている。午後12時、今10時ですけれども、12時までとさせていただいているのも、やはり夜の活動ということについての時間を区切らせていただいたということであります。そういったことも、若い方々の活動が活発であり、結局、その方々が動くことによって、また高齢者にうつすという例があります。それによって、急に陽性者が増えていくというのがこれまでの経験でございましたので、そこは徹底して、パチンコのお店を巡回するチームもつくっておりましたが、夜の街についても同じように、それぞれ注意を喚起できるような体制を組んでいきたいと考えております。

【記者】朝日新聞の長野です。2点ございます。移行、「ステップ2」への移行に関してなんですけれども、判断に迷われた点とかですね、ネガティブな要素も少なからずあったと思うんですけれども、そういった、一番何がネックになって判断を迷われたところとかですね、何かあったらちょっと教えていただければと思います。

【知事】最近、やはり少し数が増えてきているということはあります。ただ、この1週間で見ていて、このところ数字が抑えられているのは、先週、先々週ぐらい、だいぶ減ってきたという部分が少ないのですが、段々増えていくと、またそれが根雪になりますので、その点で若干心配はあろうかと思っております。ただ、1日20人未満ということにしておりますので、これらを見ながら考えていくということです。
それから、数値の部分、定量的な部分と定性的な部分と2つございますけれども、定量的な部分のみならず、この医療体制等について、昨日も専門の先生方から体制は取れているというお話もありましたので、そこは安心材料で、見えざるウイルスでございますので、なかなかその辺は難しいところではございますけれども、まずは、コロナと生きていくという考えの下で進めていく、そして、必要なとき、また、都民の皆様方のご協力をさらに仰がなければいけないというときは、これは注意喚起をさせていただくという考えでございます。

【記者】もう1点あるんですけども、「ステップ3」に対しての考え方について1点だけ。想定される時期というのは、また2週間ベースという、今から2週間というのは、今の時点でのお考えというのがあればですね、「ステップ3」を考える時期についてです。

【知事】区切りですけれども、まず、5月15日(金曜日)からモニタリングを行って、そして、2週間後の昨日、判断を仰いだところであります。これからもモニタリングはずっと続けてまいりますので、何か大きな変化があったりした時に、むしろ柔軟に、臨機応変に専門家の先生方のお声を聞いていき、そして、警戒をいただければ、そのときに対応していくという考え方であります。
そこも、色々とターニングポイントでございましたので、2週間という、それはきっちり守ってやってまいりましたが、むしろこれからは臨機応変に進めていき、ただし、モニタリングの調査の分析は日々行っていくということになろうかと思います。
これからも、皆様方のご協力を引き続きお願いすると同時に、しっかりと、このようなデータなどもお示しをさせていただくということかと思います。関係ないけど、私、口紅忘れている。もうこのところ、全然しないです。関係ないですけど。化粧品も売れないとか聞きましたけど。

【記者】エフエム東京の村田です。すいません、今、口紅忘れているっておっしゃいましたけども、久しぶりにマスクを外しての会見かと思いますが。何かこう、お気持ちの変化とかあったんでしょうか。

【知事】いや、特にありませんけれども、2メートル以上離れていらっしゃるし。

【記者】何か、「ステップ2」に入るから、ちょっと。

【知事】そこまでは。ただ、皆様も、やはり基本中の基本ですので、ぜひご協力いただいて。ただ、私はすごいと思います。他の国においては、物差しとか、それから、こんな自分で輪っかみたいなものをかぶって、ここから近寄るなみたいな方がいたり、線を引っ張って、ここから2メートルなど。だけど、日本人、日本社会は、絶妙な距離感というか、わざわざ印つけなくても、みんな守っている。それはすごいと思います。
ただ、守る方と全然無頓着な方との差が激しいというのも事実だと思いますけれど、でも、この間、本当に素晴らしくご協力をいただいたものだと思います。「ステップ2」もなかなか道のりは、そう簡単ではないかと思いますけれども、都民の皆様方のそのようなご認識、ご協力をこれからも続けていくということをお伝えして、今日の会見を終わります。

(テキスト版文責 政策企画局政策調整部政策調整課)

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