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令和5年(2023年)12月22日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和5年12月22日)

知事記者会見
2023年12月22日(金曜)
14時00分~14時50分

【字幕版】はYouTube東京都チャンネル(外部サイトへリンク)からご覧いただけます。

知事冒頭発言

1 「TOKYO強靭化プロジェクト」のアップグレード

【知事】本日は、7件の情報について発信させていただきます。まず、TOKYO強靭化プロジェクトをアップグレードするというお知らせでございます。今年も、本当に自然災害、もう大変でしたし、暑かったし、もう色々、あらゆる災害、何よりも5月までずっとコロナ禍にいたということを思い出していく必要もあるかと思います。風水害、そして地震などの災害に対しての東京の強靭化、それに向けまして、去年、プロジェクトを立ち上げまして、対策を推進してまいりました。その後も大規模な水害がありました。また、地震などが相次いで発生をいたしました。また、風水害が激甚化することにつながる気候危機につきましては、一層、深刻度を増している。これ、世界全体だと思います。こうした災害の脅威から、都民の命、そして暮らしを守り抜く、そのためのプロジェクトをアップグレードしようということで、総事業費の規模は、約17兆円に上ります。まず、気候変動について見ていきたいと思うのですが、この気候変動に伴って降雨量が増えております。それを見据えて、河川の洪水を防ぐ、その調節池を海までつなぐ地下河川、川1本、そして雨水を地面に浸透させるグリーンインフラ、この活用などを進めております。大地震に関してですけれども、住宅の耐震化、これもずっと進めてきているわけですが、それから、液状化の対策、マンションでの防災の促進、そういった支援を充実・強化をしていくというのもメニューに入っています。それから、富士山の大規模な噴火も想定しまして、道路に積もりました火山灰の除去、そして重機などの資機材確保の対策を具体化していくという、そういうアップグレードメニューも入っております。また、災害時の電力確保ですけれども、次の世代の、次世代型技術も活用しました再エネの導入促進、そしてグリーン水素の実装を加速するなどなど、施策を強化をするというのもメニューに入っております。さらに、新たな感染症の流行に対しましても、強いまちを目指していく。密を避けて安心して集える空間の創出に向けまして、事業化を進めていくということです。こうしたプロジェクトの内容を、海外にも発信するため、PR動画、作成をいたしました。ちょっとご覧ください。

(動画放映)

はい。これ、海外への発信ということで、「東京、こういう安全、確保していますよ」ということをPRするもので、そのために英語になっているということです。今、これから、アップグレードしたこのプロジェクトを、これを梃子にしまして、そして、100年先の将来も安全・安心ですよと、そんな都市、東京を実現してまいりたいと考えております。政策企画局、都市整備局、つながってやっております。

東京動画ロゴ(放映した動画は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:552KB)
(「TOKYO強靭化プロジェクトをアップグレード」は、こちらをご覧ください。)

2 大規模噴火降灰対応指針の策定

【知事】大規模噴火降灰対応指針の策定についてもお伝えをいたします。最近、皆さんも報道されていると思いますけれども、アイスランド。アイスランドにおいては、18日(月曜日)から火山の噴火が続いております。溶岩が流れ出す様なども報道されているかと思います。そして、2010年にも噴火をしておりまして、その際には噴煙で、ナノの細かい噴煙、砂塵と言うのでしょうか、それが舞うわけですから、それによって飛行機が飛ばなくなるということで、欧州各国の空港が閉鎖される事態となったのを覚えていらっしゃる方もいらっしゃると思います。富士山なのですが、いつ噴火が起こるかは、これはっきり言って分かりません。ただ、富士山が噴火した場合はどうなるのか、そして、それが東京でも火山灰が積もったらどうなるのか、都民生活(へ)の影響はどんなことが発生するのか、色々な想定をしなければならないわけです。そこで、大規模噴火降灰対応指針ということで、今申し上げましたような課題を新たに取りまとめをして、そして、それに対しての備えを強化するというものです。ポイントが二つあります。一つ目ですが、都市機能の維持という点で、医療施設などの重要拠点をつなぐ道路の灰を優先して取り除くという方針、発電所にフィルターを設置をするなど、重要な道路、それからライフライン、これをどうやって降灰の影響を受けにくくするのかといった対策を講じるというのが一つ目です。二つ目は、都民の生活を守るという点で、灰が降った時には、身を守るためのポイントは何かということを見える化しておきます。そして、都民や事業者の方々に食料やマスクの備蓄なども進めてもらうというものになります。また、富士山の噴火による降灰ですけれども、これはどれぐらいの噴火の規模になるのかにももちろんよりますけれども、最悪のことを考えますと、広域、そして大量になりますので、そのために、観測体制を強化する、そして、灰の処理の方針を策定していくなどなど、必要な事項を国に要望をしてまいるということです。今後、この指針に掲げました対策、具体化していきます。そして、それを地域防災計画に反映していきます。それによって、都民の安全を確保していくという考え方でございます。総務局が担当いたしております。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:81KB)
(「「大規模噴火降灰対応指針」を策定」は、こちらをご覧ください。)

3 都立大学の秋入学について

【知事】それから一転しまして、都立大学。都立大学の秋入学についてのお知らせです。都立大学理学部生命科学科という科がありますけれども、そちらで令和6年度から秋入学を導入するというお知らせです。これは、英語で入学試験が受けられる。それから、入学をした後も全科目が英語による授業を選択をして卒業ができるというものです。これによって、秋入学が一般的な、例えば欧米諸国などからの留学生がスムーズに入学できるようになります。第一期生の募集要項につきましては、今日、公表をいたします。令和6年4月に出願を受け付けまして、6月に試験の実施、そして10月入学ということになります。詳しい情報については、大学のホームページに掲載をしておりますのでご覧いただきたいと思います。世界から学生が集い、学び合う環境を整えるということで、未来の日本を支える人材を育てていくということです。こちらも総務局の担当になっております。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:147KB)
(「都立大学 秋季入学の学生募集要項を公表」は、こちらをご覧ください。)

4 子供の事故を予防するための取組

【知事】また一転しまして、今度は子供たちの事故を予防するための取組についてのお知らせです。子供を不慮の事故から守ると。そのために「東京都こどもセーフティプロジェクト」を立ち上げております。子供が転ぶまでの時間がどれぐらいかというと、1秒もかからないどころか、0.5秒と言われています。大人がちょっと目を離している隙に事故が起こる。逆に言うと、大人がずっと目を離さないようにするというだけで事故を減らすというのも難しいと。そこで、このプロジェクトですけれども、まず危ないよというところを変えるという視点を強化しまして、取組を進めていくというものです。例えば、窓から転落事故が、転落して亡くなるというケースも今年も何回かありましたよね、残念ながら。それは何かというと、窓のそばにソファとかベッドなどがそのまま置いてあると、そこを足がかりにして、たとえ窓の位置が高くとも、そうやってソファやベッドがあると子供たちがよじ登って、そこから窓に手がかかって落ちてしまうというような悲惨な結果になるわけですね。逆に言えば、窓のそばにソファやベッドなどの足がかりとなるような物を置かないということで、事故が起きにくい環境を整えるというものです。プロジェクトの第一弾で、今日、ウェブサイトを開設をいたしました。このサイトは都の取組を分かりやすく紹介をし、そして子供の事故の予防に役立つ情報を発信をしていくというサイトになっております。また、子育て世代に人気のクリエイターで、つむぱぱさんという方がいらっしゃいまして、このつむぱぱさんとコラボしたPR動画を、今日から公開をいたします。ちょっと見ていただきたいと思います。かわいいですから。

(動画放映)

はい。これ、色々な場から、色々なサイトでこの動画も発信をしていきます。製品開発を行う事業者の皆さんや研究機関の皆さんとも協力をしながら、このプロジェクトを展開をしてまいります。子供の事故が起きにくい環境づくりを進めていくというもので、子供政策連携室が担当をいたしております。

東京動画ロゴ(放映した動画は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:574KB)
(「東京都こどもセーフティプロジェクトを開始」は、こちらをご覧ください。)

5 認知症の新薬レカネマブへの対応

【知事】今度は、子供から一気に認知症の課題になります。認知症の新薬で、レカネマブ。注目されていますよね。この対応についてのお知らせです。アルツハイマー病の症状の進行を遅らせると、その効果が効果(期待)できることで注目を集めておりますが、世界で初めての治療薬で、レカネマブでございますが、今週の20日(水曜日)に発売されたばかりです、いよいよ。そして、東京都健康長寿医療センター、こちら、元々(養育院)は渋沢栄一が創立した(正しくは、初代院長を務めた)ところですけれども、こちらが、今の名前が東京都健康長寿医療センター、こちらレカネマブの発売を受けまして、同じ日の20日(水曜日)から、外来受診の予約受付を始めております。診察や検査の結果、投与の対象だというふうに診断されて、そして、その患者さんご本人が希望した場合に投与することになります。年内には患者さんへの投与を始める見込みでございます。そして2025年になりますと、これ予測ですけれども、全国で約700万人規模に、この認知症の方の総数がなるというふうに言われております。そして、この認知症への対応というのは、もう、もはや避けて通れない課題でございます。その認知症の方が地域で安心して暮らし続けられるように、都としても、しっかりと取り組んでいくということで、具体的に、東京都健康長寿医療センターでの投与も始まるということでございます。
(詳細は、福祉局へお聞きください。)

(会見で使用したスライドは、こちらをご覧ください。)(PDF:110KB)
(「認知症新薬レカネマブ投与 外来受診予約開始」は、こちらをご覧ください。)

6 HTTの取組

【知事】次に、HTTの取組についてお知らせしておきます。つい先日、まだ暖かい日が多かったのですが、もう先ほどから、もう報道などはずっと、もう大雪であちこち機能がストップした地域などもあるということでございますが。今週から一気に東京でも冬らしくなったなというふうに思われます。これから寒い日が続くわけですけれども、その中で冬を暖かく過ごしながら、引き続き、電力をへらす、つくる、ためる、この活動に都民の皆様方、ご協力をお願いをしたいというものです。このHTTキャンペーンですけれども、都では、積極的に取り組んでおられる企業の皆さんを「HTT取組推進宣言企業」として登録をしております。今回は、その中から優良な取組を行っておられる5社を選定をしまして、表彰をいたします。ご覧いただいているように(スライド)、今回選定をいたしました企業では、省エネ、また、節電対策などを紹介したハンドブックを全社員に配布されたり、社内で節電アイデアを募集して、優れた提案を実践するなどの取組を行っておられる企業でございます。ちょっと、この事例をホームページでまとめております、紹介しております。ぜひ参考にして、この冬もHTTに取り組んでいただきたいというものです。今月の1日(金曜日)から、普段実践しておられる冬を暖かく過ごすための身近な知恵や工夫、これを募集してきました。昨日までにご応募いただいた件数は411件。本当にたくさんのご応募をいただきまして、誠にありがとうございます。その中に、例えば、「足首の専用レッグウォーマーをつけて通学している」、昔そういえば、女子高生流行りましたよね。何と言いましたっけね、あれ。ルーズソックスか、そうかそうか。でも、おうちでもあれは暖かいと思います。それで通学しているというのはどうか。それから、「絨毯の下にアルミシートを敷くと暖かさが保たれる」ということなど、それぞれ工夫したアイデアが寄せられております。どうぞ、この中、色々と、重ね着ファッションで空気の層を作るとか、上下に機密性の肌着、ババシャツですかね。タートルネック、フリースを着て、という本当に身近なアイデアで、そして誰もができそうなアイデアばかりでございますので、ぜひこういったアイデアを実践していただいて、小さなHTTを皆さんで取り組んでいただく。それによって、全体としてのHTT、電力をへらす、つくる、ためる、を実行できればと思っております。こういうアイデアも、まだ募集しております。来年、年を越しまして、1月31日(水曜日)まで受付をしておりますので、こうしたら暖かかったわとか、色々なアイデアを、皆さんの知恵、工夫をお寄せいただければと、このように思います。
(詳細は、産業労働局、政策企画局、環境局へお聞きください。)

(会見で使用したスライドは、こちらをご覧ください。)(PDF:270KB)
(「HTT取組推進宣言企業 優良取組企業を選定」は、こちらをご覧ください。)
(「「冬の小さなHTT くらしの知恵」の応募状況」は、こちらをご覧ください。)

7 インフルエンザ等について

【知事】最後です。インフルエンザについてのお知らせというか、毎週、このところずっと、この傾向などをお伝えしておりますけれども、なかなか厳しい部分もございます。都内のインフルエンザ、まずインフルエンザですけれども、患者報告数は(定点当たり)20.48人になっております。注意報基準が10人ですから、これまだ高い段階ですね。それから新型コロナですけれども、こちらも4週間連続で増加しています。ポーンと跳ね上がるというような勢いはありませんけれども、ジワっとそのまま増加を続けていると。思い出してみてください。大体コロナも、冬のこの年末年始の時期になりますと山がピャーンと高くなってきたのですね。まさにそういう季節にさしかかってきている。真冬に感染拡大が起きているということなので、注意が必要でございます。それから、これも毎週お伝えしていますけれども、咽頭結膜熱、ちょっと前までプール熱と言っていたもの。それから、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、もう一度言えと言われても、なかなか言いにくいですが、こちらも子供さんがかかりやすいのですね。プール熱の方は小さいお子さん、それからA群(溶結性レンサ球菌咽頭炎)という方は、こちらは学童がかかりやすいという、ちょっと年齢が異なります。いずれも、感染症法が施行されたのは1999年、これ以来初めての警報レベルを記録しております。そして、今申し上げましたように、これからクリスマス、お正月、色々大人数で集まる機会も多いところです。それから、帰省をされる方、ご高齢のおじいちゃん、おばあちゃん、ご両親に、家族と会う方も多いと思いますけれども、場面に応じたマスクの着用、手洗い、換気。いつものセットです。この感染防止対策を心がけていただきたいと思います。年末年始ですけれども、昨年の年末年始も医療機関をそれぞれローテーションで開けていただいていたのですけれども、これは今年はありません。それから解熱鎮痛薬とか、コロナの検査キットを、ご心配の方へ、備えておくということもおすすめしたいと思います。それから、今日忘年会だという方も、でも体調悪いなと思う方は、ご自身の健康もそうですし、周りの方への感染リスクもお考えいただいて、イベントに参加をしたり、また帰省など、ちょっと慎重に判断していただきたいと思います。都の新型コロナ相談センターでございますけれども、こちらの方は、年末年始も毎日・24時間対応といたします。発熱などの症状でご不安な方は、こちら0120-670-440と、こちらの方にご連絡をいただきたいと思います。それから、お子様が急な病気で心配な方用の窓口があります。小児救急電話相談で、#8000ということで、こちらの方にご相談ください。それから、医療機関を受診したいという方は、区市町村のホームページ、広報紙、そして東京都医療機関案内サービス、こちらでも、それぞれの地域で、当番クリニックなど対応していますので、当番医が確認できますので、そちらの方にお尋ねいただければというふうに思います。それから、ワクチンの接種を改めて申し上げておきます。まず、65歳以上の高齢者などへのインフルエンザワクチン、こちらは定期接種になりますけれども、多くの区市町村で、このインフルエンザのワクチン接種を1月末まで行っております。そして、それを越しますと、全額自己負担になりますので、ご希望される方は早めにかかりつけ医の方にご相談いただきたいというのが1点。これはインフルエンザ。コロナの方ですけれども、コロナワクチンの、秋にスタートした接種の方ですが、対象は生後6か月以上の全ての方になっています。これは、3月の末まで無料が続いています。こちらで1回、接種が無料でできるというものです。今のXBB1.5対応のワクチンですけれども、今、流行している主流の変異株というのは、昨日のモニタリング会議などでも、モニタリングでもご報告しておりますように、主流は今、EG.5というものにもなっていますけれども、こちらにも、このワクチンの効果は期待できるということでございます。特にご高齢の方、そして基礎疾患のある方々には、重症化を防ぐというためにも、まだお受けになってない方は、早めの接種をおすすめしたいと思います。それからノロウイルスなどによる感染性の胃腸炎、これも起こしやすい季節かと思います。特に、冬に集団感染が多く発生するものです。お子さんや高齢者の場合は、脱水症状を起こして重症化することもございます。注意が必要かと思います。感染予防策ですけれども、アルコール消毒が基本的に効きにくいということが問題で、そのために石けんと流水で、石けんでよく手を洗うと。こまめな手洗いが基本です。またカキなどの二枚貝は、中心部まで十分に加熱をしてください。お鍋でも入れたりすると思いますけど、よくズブズブっと沈めて、よく火を通してくださいということです。じゃあどういうふうに予防したらいいのということをまとめたホームページがあります。こちら(スライド)にありますけれども、「食中毒ずかん」という形でまとめています。これ楽しみながら学べますので、「親子で学ぶ食中毒ずかん」、こちらの方で、お子様と一緒に、「これ危ないんだね、こうすれば良いんだね」ということを学んでいただければと思います。一人ひとりが必要な感染防止対策を心がけて、どうぞ楽しい年末年始、これ、5類移行になって初めての年末年始、それだけに、気を付けるところはしっかり気を付けながら、楽しい年末年始をお過ごしいただくことを期待をいたしております。7点、今日、私の方からお伝えをさせていただきました。
(詳細は、保健医療局へお聞きください。)

(会見で使用したスライドは、こちらをご覧ください。)(PDF:674KB)
(「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 都内で警報基準に」は、こちらをご覧ください。)
(「都有施設活用の臨時ワクチン接種会場を設置」は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】(共同通信・伊藤記者)ありがとうございました。幹事社の方から2点伺います。まず1点目は、滝山病院の件です。八王子市の精神科病院、滝山病院での患者暴行事件を受けて、先日、第三者委が調査報告書を公表しました。法人のガバナンスや看護体制の問題点などを指摘した一方で、都の検査についても、その実効性がなかったことが、虐待が長期間発覚しなかった要因の一つになったと言及していました。この点について、知事の受け止めをお願いします。

【知事】精神科病院における患者さんへの虐待行為、これはまずあってはならないことだと思います。また一方で、虐待が強く疑われて緊急性が高い場合については、予告なしに立入検査を実施しているということです。それから滝山病院の事案を受けまして、病棟の巡回と患者や職員へのヒアリングを強化するなど、虐待を早期に発見をしていくという取組を進めております。これら実施した改善指導、それから、今後の虐待防止委員会から提言される検証結果も踏まえて、現在の改善計画を見直して再提出するように病院の方にも指示をいたしておりますので、引き続き、当該病院の方にはしっかりと指導していくという考えでございます。

【記者】ありがとうございます。2点目です。知事の定例記者会見も年内、今日が最後ということで。

【知事】そうなのです。はい。

【記者】今年1年の都政を振り返っていただきまして何か印象に残っている出来事などございましたらお願いします。

【記者】今年も、前半は、コロナとの闘いでしたよね。この間、皆、我慢をしてきたということで、あれ駄目、これ駄目ということばかりでした。Don'tが多かったですよね。一方で5月8日以降は徐々に本格的に社会が動き出してきたわけで、今はオーバーツーリズムという言葉が使われたりですね、それぞれの地域、本当にインバウンドの方や、人の動きも活発になってきたかなというふうに思います。一方で、目を世界に転じますと、今もウクライナは厳しい戦い、そしてガザにおいては、戦闘による死者が2万人を超えたという報道もございます。非常に世界中がイスラエルを止めても、なかなか(戦闘を)止めないという、そういった国でございますけれども、ここへの避難物資などを1日も早く届けて欲しいし、子供たちの人口比率、圧倒的に高いですから、それだけにガザの状況が気になります。こういった紛争、戦争そしてまた気候危機も、より顕著に、また激甚化をしている。あと日本経済で言うと、円安がこのところ少し142円台になりましたけれども、まだ、(円安が)続いている状況ではあるかと思います。それによる物価高騰ということ。それから日本の成長率や国際競争力、ドイツに抜かれて、GDPがですね、4位に転落という予測などもあります。それから少子化ですよね、去年(の出生数)は80万人を切ったということが大きな話題になりました。今年は、それにも届かないというような流れになってきているかと思いますが。都として、今年は少子化をもうとにかくシームレスに、一気通貫で、子供、子育て、そして子育ちが安全・安心で、そしてずっとシームレスに進めていくということで、発信もし、また政策もしっかりとしたものをお届けすることができたとこのように思っております。これは毎年、日本全体で75万人(正しくは、令和4年は、日本全体で約80万人)の人口がスーッと純減してるわけですよね。今、人手不足だって言っているけど、この傾向はもう何十年と続いてきたわけで、今、急に人手不足だって言っているけれども、これはもう最初から、何十年も前からこのことは警告と言いましょうか、ウォーニングされてきたことだと思います。都としてできること、しっかりと、これからもやっていく必要があると思っています。そういう厳しい面のことばかり挙げた部分がございますけれども、一方で先週、飛翔の「翔」、羽ばたくという言葉を、一言申し上げたように、大谷さんが、大谷翔平さんが1人ユニコーンと言っているのですよね。ユニコーン企業、スタートアップでグローバルに活躍して、1,000億を超える。1人でそれ成し遂げているのですよね。大谷さんはね、大谷翔平さん。それから藤井聡太さん。彼もまだ20歳(正しくは、21歳)になったか、なったんですかね。とにかく八冠ですからね。もうすごいことですよね。こうやって次の世代を担う若者たちが活躍をしてくれた。昨日も、少し、男子のスケートを見てましたら、本当にたくさん新しい素晴らしい選手が育ってきているのだな、ああいうのを見ていますとね、これからの日本もこういう新しい世代が頑張ってくれるのだなということを思います。ちょっと長くなってすいませんけれども、申し訳ありませんけれども、都として、この1年を振り返りますと、出産・子育て支援、イノベーションの創出、それから脱炭素化、DXなど、もう色々な点で、国とも連携をし、また国を引っ張るぐらいのことを続けて政策を打ち込んできたかと思います。それによって何を目指すかと言ったら、やはり持続可能なサステナブルな社会。SusHi Tech Tokyoということでやっておりますけれども、やっぱりSustainableでHigh-Techというこの部分を一緒に組み合わせて、そこのところに連なる様々な政策をしっかりと着実に実行していく。ですから種まきをし、そこから花を咲かせていくということが必要なのだなと、改めて1年を振り返って思うところでございます。以上です。

【記者】ありがとうございました。幹事社からは以上です。質問のある社は、挙手の上、知事の指名を受けて、社名と氏名をお願いします。

【記者】朝日新聞の本多と申します。昨日あった都議会の各会派からの予算要望についてですね、2件お尋ねしたいと思います。まず1点目なんですけれども、都民ファーストの会さんからは、登録時の基準を設ける東京都認証学童保育制度の構築などが提言されました。現在、学童保育を巡っては希望者自体が増えていたり、場所の確保が難しかったりだと、様々な課題があると思います。まず知事が認識されている学童保育を巡る課題と、あとこれから解消に向けて、どのような取組を進めていきたいか、お考えをお聞かせください。

【知事】チルドレンファーストという政策をですね。赤ちゃんファーストもそうですけれども、ここに思いを込めて、様々な政策に取り組んでまいりました。その結果として、待機児童はほぼゼロです。8,500人を超える待機児童が、つい6年、7年前までいらしたわけですけれども、こちらはほぼゼロに近づいて、実質ゼロだと思います。それが今度は、お子さんが大きくなられて、学童の部分で待ちが出てきていると。それから非常に混雑しているところも出てきているということだと思います。色々な提案を頂戴をいたしました。精査をして、そして何が可能なのか、それらをよく吟味しながら予算の査定などの場、その段階で進めていきたいというふうに思っております。

【記者】ありがとうございます。もう1点なんですけれども、別の子育て、教育政策としては、複数の会派から私立中学校の授業料の負担軽減策について所得制限を撤廃することを求める要望もありました。これを受けて、現状、知事どのようにお考えになられてますでしょうか。

【知事】高校の授業料についての無償化ということで踏み出しているところでありますけれども、昨日は私立の中学校、義務教育であり、かつ公立の方はそれでやっておりますので、私立の中学校の授業料の助成について、これを所得制限がなくすことができないかというお話でありました。昨日伺ったばかりでございますけれども、子育て世帯を取り巻く厳しい状況を踏まえて、高校の方の授業料の無償化ということを進めているわけでございますけれども、これらについて、こちらも精査していきたいと考えています。

【記者】ありがとうございました。

【知事】テレビ朝日さん。

【記者】テレビ朝日の島田と申します。リモートで申し訳ありません。TOKYO強靭化プロジェクトのアップグレードについて、伺います。知事も先ほど、海につなげる地下河川というふうにおっしゃいました。7月の会見でも、江戸時代の徳川家康のような話とおっしゃいましたが、特に、川をつくるというのは、110年ほど前の荒川をつくるようなものだと思いますが、この取組について、知事の意気込みを伺えますでしょうか。

【知事】はい。先ほどもお話させて、お伝えさせていただきましたけれども、昨今の降雨量は、これまでの想定を超える以上のその降雨量を記録いたしております。そういう中で、水害対策としてこれまで環七地下広域調節池なども建設してきたわけですけれども、今回は、この調節池などと連結して海まで続く地下河川の事業化に向けての取組ということでございます。以前、徳川家康は暴れ川と言われる利根川の流れを切り替えるという事業に着手をしまして、その後、そのことによって、江戸の発展がもたらされたということ、これは歴史的な大きな決断だったと思います。今回の地下河川ですけれども、これも令和の徳川家康じゃないですけれども、もう1本、地下に川をつなげようと、つくっていこうという話でございます。これも、トンネル式の、表に出る川ではなくて、やはり地下です。地下を通るトンネル式の調節池を海まで延ばすということで。今ある調節池って、貯めてから雨の状況を見て、あるところで流すという、そのために調節をするための池という意味で調節池ですけれども、今度のこのトンネル式の川ですけれども、これは、線状降水帯のような長雨にも対応できるというものでございます。すなわち、そのまま流せるということで、調節、場合にもよるんでしょうけれども、調節ではなくて、もう川として流すというものになります。壮大なものだとは思いますけれども、今のような線状降水帯という、私が学校時代では習ってもいないような言葉が普通に使われるような昨今においては、こういった取組が必要で、かつ、これが都民の安心・安全につながる、まさに強靭化の一例だというふうに思っております。はい。よろしいでしょうか。どうぞ。

【記者】NHKの中村です。すいません。国立社会保障・人口問題研究所が、その人口の将来推計をまとめまして、2050年には、東京を除く全ての道府県で、人口が、今より減るという推計を発表しました。先ほど知事からサステナブルな東京をつくっていきたいという話もありましたけれども、この推計結果について受け止めあれば、お願いします。

【知事】その推定は、もうずっと長年伝えられているものでございます。そして、残念なことは、出生率って、毎年発表されるんですけれども、東京いつも低いと。1.04と横ばいの状況でございます。ただ、私はいつも思うんですけれども、今回、卵子凍結の調査対象ということで募集をさせていただいたり、それから、不妊治療も国に先駆けて、様々な対応をし、国が保険対象にしたということから、今度は、更に高度な不妊治療に対しても取組をしているわけでございます。これってやはり、お子さんを産むのは女性です。女性が、人生の中でどういうライフプランを組もうかと思っても、なかなか今の、何と言うのですかね、社会環境、雇用形態、そしてまた働く場における空気とか、こういったことで、なかなか出産や、ましてや、結婚にまで至らない等々あるわけで、そこでいつも言っているのは一気通貫での政策、そして中でも女性の働き方や女性の体をどうやって、健康をどうやって保つかと言っているのは、やはり、出生率を計算する際の基本は、一生に1人の女性が何人、お子さんを産むかという、ここでやはり女性をどうやって、働きもしたいし、子供も育てたいというほか、世界中の女性が願っているような、そういう体制をこの日本で、そして、東京でいかに実現していくか、このことに注力しているわけです。要は、分母の、分母という言葉は母と書きますけれども、まさにこの分母のところの母をいかに大切にしていくのかというのが、結果として、一人ひとり希望する、出産を希望する人しない人、どういう人生を歩むかは、それぞれ個人の自由ではありますけれども、まさにエコシステム、生態系という意味で、その社会環境をつくることが重要じゃないかとずっと私自身も考えてきましたし、それを知事として実行して、色々な政策につながっているわけです。ですから今のこの推計については、これはもう以前からある意味分かっていること。そこで何をするかというのを、政策は、やっぱり優先順位を何に置くかで決まってくるわけでございまして、そこをチルドレンファースト、赤ちゃんファースト、そして女性の活躍ということに的を当てて、何とかこらえているという状況で、今の推定もそういったところも反映しているのかなというふうに思います。他のところはやっておられないとは言いません。ただ、東京でできることはしっかりやっていこうと。それに尽きてまいります。

【記者】TOKYO MXの椿原です。東京23区で出たごみの処理施設などを運営する組合が、火災を理由に、今、粗大ごみの廃棄をなるべく控えるように呼び掛けています。復旧に時間や費用がかかることも予想されるんですが、都として何か現時点で支援などのお考えありましたら、お聞かせください。

【知事】はい。今回のこの火災ですけど、そもそもの話が火災から起こっているわけで、その(粗大ごみ)破砕処理施設における火災、これが能力を低下させているわけですね、処理能力。そもそも、その理由は、掃除機などに内蔵されているリチウムイオン電池が破砕する際の衝撃で発火した、そこから火事が起こったということです。リチウムイオン電池が原因とみられるごみ処理関連施設、またごみ収集車の火災というのが、これ、かなり多くなっているということでございます。処理能力が落ちているということから、まず粗大ごみの廃棄については、ちょっとお控えいただきたい。年末、色々処理をしたいでしょうけれども、処理をする大元のところが、今そういう状況にあるということ。それから火事を起こさないために今問題となっている、このリチウムイオンの電池の分別方法、これ、区市町村によって違ってくるかと思いますけれども、これ確認していただいて、火事が起こらないように、皆さんにもご協力をお願いしたいということでございます。よろしいでしょうか。はい、それでは今年も大変お世話になりました。ありがとうございます。どうぞ皆さん、年末年始良いお年をお迎えくださいませ。

※テキスト版については、読みやすさを考慮し、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどの整理や補足説明をしています。

(テキスト版文責 政策企画局戦略広報部企画調整課)

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