小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年12月5日)
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知事記者会見
2025年12月5日(金曜)
14時00分~14時23分
知事冒頭発言
1 インフルエンザの流行
【知事】今日は3件、私の方からお伝えいたします。まずインフルエンザです。都内のインフルエンザの患者報告数は、定点の医療機関当たりで35.76人となっております。まだまだ、4週連続になっておりまして、警報基準の超過ということで、引き続き注意が必要でございます。12月というのは、大人数で集まるイベントも多いと思うのですね。ご高齢の方、また基礎疾患をお持ちの方や妊婦の方々、どうぞ人混みの中へ外出される際、ご注意いただきたいと思います。それからまもなく受験シーズンですね。受験生の皆さん、ご家族の方も感染に注意されてお過ごしいただきたいと思います。インフルエンザをはじめとする感染症を予防するためには、こまめな手洗い、咳エチケット、そして換気など基本的な感染防止対策を心がけてください。加えて、十分休養をとって栄養補給、水分補給も重要でございます。それから、65歳以上の方々は重症化を防ぐために、インフルエンザのワクチン接種をご検討いただきたいと思います。なお今期のワクチンですけれども、現在流行をしておりますインフルエンザの変異株でございますけれども、サンクレードK(正しくは、サブクレードK)とかですね、これに対しても一定の効果が保たれているということ、それは分かっているということでございます。10月下旬頃から救急車の出場件数も増え始めておりまして、先月の発熱などによる搬送者数ですが、約1万1千人、前年の同じ月からしますと、既に2,500人以上増えているということであります。意識がはっきりしないとか、呼吸が苦しいなど緊急性があると思う場合は、ためらうことなく119番に通報していただきたい。また、一方で病院に行くかどうか迷う場合、救急車呼ぶべきか迷った時は、ネットで緊急性を判断できる東京版の救急受診ガイド、スマホでももちろんですが、これを活用していただく。または東京消防庁の救急相談センター、#7119、こちらにお電話していただきたいと思います。特にお子様の急な病気で心配な方は、子供の健康相談で#8000ですね、8000、こちらにご相談ください。保健医療局、東京消防庁で担当いたしております。これが1点目です。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「都内のインフルエンザ、警報基準を超える」は、こちらをご覧ください。)
2 潜在看護師等登録制度
【知事】次は看護師さんですね。それも、いわゆる潜在看護師さんなどの新たな登録制度についてのお知らせでございます。自然災害、感染症の発生、そしてまん延。こういった際はですね、多くのけが人、また病人が発生したり、また避難所の生活が長期化することによって、体調崩される方もおられます。こうしたいざという有事の際には、病院だけではなくて、高齢者、また持病のある方の介助、そして健康相談の対応など、避難所などにおきましても多くの看護師さんたちがですね、必要となります。一方で、資格は持っているけれども、実際には看護師、准看護師、保健師、助産師などとして働いておられない方、いわゆる潜在看護師でございますけれども、都内でも多数おられるところです。このために都におきましては、大規模な自然災害などの際にご協力いただける看護師さん等をあらかじめ登録する制度を今月の1日から新たに開始いたしました。登録の対象者については、都内にお住まいで、看護師等の資格をお持ちの方、そして現在は現場を離れている方であります。登録された方には、有事の際にお住まいの区市町村にある避難所に行っていただいたり、また医療救護所で健康相談や軽症者の対応のサポートを行っていただくということを想定しております。登録はオンラインで行うことができます。また、研修動画の受講なども行っていただいた方にはですね、東京ポイントが付与されるということにいたしております。都民の命を守るためにも、皆さんの力が必要です。せっかくお持ちになる資格をですね、どうぞ生かしていただきたいと思います。ぜひとも、ご登録の方お願いをいたします。担当は保健医療局となっております。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「潜在看護師等登録制度 開始」は、こちらをご覧ください。)
3 レインボーライド2025関連イベント
【知事】そして最後の3点目であります。自転車に関して二つの取組をお知らせいたします。まずですね、明後日になりました、6千人がですね、レインボーブリッジ、東京ゲートブリッジを自転車で駆け抜けるという「レインボーライド2025」ですけれども、もう4回目を迎えます。いよいよ明後日、12月7日(日曜日)に開催をされます。当日はですね、フィニッシュ会場におきまして、様々なスポーツ体験できるようなイベント「マルチスポーツ」も実施をすることといたしております。デフリンピックで活躍された日本代表の選手によるトークショーを行ったり、BMXのトリックショー、それから子供たちのキックバイク体験など、自転車好きの方からご家族連れまで幅広く楽しめる内容となっております。事前の申込みは要りません。そして無料です。どうぞぜひ多くの方々にご来場いただきたいと思います。それから世界最大級のですね、自転車ファンライドイベント、これニューヨークで行われるもので、「Bike New York」というイベントがありますけれども、このたびですね、パートナーシップ協定を締結をいたしました。このBike New Yorkでありますけれども、毎年5月、ニューヨークで約3万2千人が参加する中で開催されるもので、今年でもう既に47回目を迎えるという歴史、そして実績のあるイベントでございます。明後日7日(日曜日)のレインボーライドのスタートセレモニーには、このBike New Yorkの代表もご出席をされます。協定の締結は、その際もPRしていくことといたしております。自転車利用の環境づくりの更なる推進に向けて、イベントの相互の発展、また両者の友好関係を育んでいきたいと考えております。担当はスポーツ推進本部でございます。ということで、以上3点、イベント関連、また看護師さんに応募してください、インフルエンザもお気を付けください。以上3点お伝えいたしました。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「様々なスポーツが体験できるイベント「マルチスポーツ」開催」は、こちらをご覧ください。)
(「Bike New Yorkとのパートナーシップ協定を締結」は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】ありがとうございました。幹事社、時事通信社の児玉と申します。幹事社から1問、今、国で行われている税制改正の議論について伺います。地方税収がですね、東京都に偏在していると位置付けて、都の税収をほかの自治体に再配分する、この仕組みを強化すると報道がありました。この動きに対する東京都の主張を改めてお聞かせいただきたいのと、併せてですね、報道では、都民、個人も納めているこの固定資産税、これも対象、検討の対象になると報じられていますけれども、このことに対する見解も併せてお聞かせください。
【知事】はい。今、ご質問ありました法人二税、それから固定資産税、どちらにせよですね、都の税収を収奪する、いわゆる偏在是正措置と言っていますけれども、これはですね、地方分権に逆行する極めて不合理なものだと、このように考えております。言うまでもありませんけれども、現在も行われている、また法人二税、毎年1.5兆円、1兆5千億(円)も国に既に奪われております。これは本来、都民のために使われるべき法人二税でございます。それが地方に分配をされているということであります。固定資産税って、今回この5文字が出てきているのですが、これについてですね、土地や建物などの資産価値に応じて、行政サービスの対価として都民の皆様方にご負担いただいておりまして、市町村税となっております。固定資産税というぐらいですから、固定してそこにある、東京にあるということです。こうして都民の皆様方にお納めいただいている税金でございます。それもですね、また東京を狙い撃ちにするがごとく、一方的に収奪して他の自治体に分配をするということは、もうそもそもこれは、もはや地方税制であるとか、地方自治の根幹をですね、否定するものにほかならないと思います。以前も申し上げておりますように、一般財源額で申し上げると、人口1人当たり、都は全国平均の22万9千円とほぼ同水準で、23万8千円でありまして、偏在というならば、どこに偏在があるのかということを申し上げたいです。そして都はこれまでも、国がですね、なかなか実施できないできた高校授業料とか給食費の無償化など、国の責任において実施すべきもの、先駆的に取り組んでまいりまして、それが全国に広がっているということ、まさに先駆的に行っております。私も国でこういったことも含めてですね、チルドレンファーストの政策を打ち出そうと様々な勉強会を開いたり、動きを取っておりましたけれども、とにかく各省庁がずらっと担当者が並んでですね、もう本当になかなか縦割りでにっちもさっちもいかない。その結果、今、少子化で「大変だ、大変だ」と言っているわけです。もう時間はありません。今行っていかなければ、母の数が少なくなって、どうやって少子化を解決するのか。それをプラスに転じさせていくのか。プラスに転じさせるということについては、これ出産にしても結婚にしても個人の自由ではありますけれども、しかし、その環境を整えるということで、東京都はチルドレンファーストを徹底してやってきた。兵力の逐次投入ではなくて、都民の側からですね、その思いをしっかりと受け止めて、共感を抱いてもらえるような様々な工夫をしてまいりまして、この今年のですね、上半期1~6月期で前もお伝えいたしましたように、10年ぶりのことです、プラス0.3(%)に出生数が転じたわけであります。ほかの道府県も税収がですね、実は上昇にあるのですね。国税もそうであります。国の税収もそうであります。にも関わらず、都から税収を奪うというその議論が巻き起こること自体ですね、もうそもそも地方交付税の制度、破綻に瀕しているということを言っているのではないか、ほかならないのではないかと、このように思います。一度、記者の皆さんもぜひ改めてこの地方交付税制度をお調べいただければと、このように思います。そして東京を狙い撃ちをして、そして限られたパイを奪い合う。これではですね、成長戦略とは言えないんじゃないでしょうか。成長するところを共に伸ばしていくというようなことが今、政府がおっしゃっている成長戦略そのもので、パイの奪い合いをしている限りは成長はないということ。わが国の未来はどうなるのか、日本の成長を促すためにはどうあるべきなのか、地方交付税の話にしても根本的にですね、改めてこの破綻している状況を確認していただきたいと、このように思っております。一気にいきました。はい、どうぞ。
【記者】ありがとうございました。各社の質問に移りたいと思います。知事の指名を受けてから、社名と名前を名乗って、発言してください。お願いします。
【知事】NHKさん。どうぞ。
【記者】NHKの佐久間です。よろしくお願いします。ちょっと先ほどの質問に関連してなんですけれども、年末にかけて与党の税制調査会などでですね、こういった話、議論されていくことになると思いますけれども、国やですね、与党に対してこういう働きかけをしていくとか、何か現時点で考えられることがあれば教えてください。
【知事】そうですね、様々働きかけをするところでございますけれども、東京都選出の議員の方々はよくご理解いただいているものだと思います。一方で、さらにですね、国の状況、また成長戦略でどうあるべきなのかなどについて、しっかり各方面に呼びかけもしていきたいと、このように思っております。私はやっぱり、もうそろそろこのパイの奪い合いでですね、皆が横並びでいいのかということ。それから今、都道府県でいうところの不交付団体というのは、唯一東京だけなのですね。まさにこのだんだん東京だけにするというような考えがあるのかどうか、そういった思いも抱かざるを得ません。それによって、どう今後、日本が伸びていって、そして投資であるとか、それから様々なものづくり、色々な現場は地方にもあります。そういったところをいかに伸ばしていくかという、ポイントは税制だけではありません。例えば規制緩和などによって、新しい産業がもっと自由に動けるような、そういう下地も必要であるということは、もう何十年も言われているわけで、それに対してしっかりと対応していただきたいと、このように思います。
【記者】追加でもう1問なんですけども、今、長期国債の金利が上昇しています。経済関係者ですね、国債の信認が、世界的に日本国債の信認が下がってしまうのではないかという懸念もされているところでありますけれども、都も都債を発行している立場ではありますけれども、この今のこの金利の上昇の動きをどう見られているか教えていただければと思います。
【知事】はい。ご質問の中にも、都債を、都も発行していますよねというお話ございました。そのとおりでございますので、今後も金利の動向を注視していきたいと考えております。日銀総裁とのやりとり、また色々な会見での発言など、よくウォッチしていきたいと、このように思っております。東京新聞さん。
【記者】東京新聞の奥野です。話題変わって恐縮ですが、「えどはく」について伺います。先日の都議会の知事の所信表明で、来年3月31日に江戸東京博物館がリニューアルオープンすることが発表されました。「えどはく」ではですね、都が保有する空襲体験者の証言映像や実物資料を常設で展示・公開する方針です。東京都の平和祈念館、仮称ですけれども、の建設計画に合わせて収録したものの長い間公開されていなかった証言映像も、常時見ることができるようになりますけれども、こうした空襲資料について知事としてどのような展示や活用を望まれるでしょうか。お考えをお願いします。
【知事】それは「えどはく」で展示をするという流れで今準備をしているということに尽きます。
【記者】常時展示されることについては、知事としては何かありますでしょうか。
【知事】今現場の方で様々工夫をしているところだと聞いております。
【記者】ありがとうございます。
【知事】MXさん。
【記者】TOKYO MXテレビの佐藤です。昨日、ふるさと納税に関する国への要望を出されたかと思います。昨今ですね、返礼品目当てでの利用者というのも増えている中で、都としては住民税の流出額が非常に大きくなっているかと思いますが、改めてふるさと納税制度に対する知事のあり方、どうあるべきかという思いをお聞かせいただければと思います。
【知事】あり方論で申し上げますと、かねてから申し上げているとおり、これは受益と負担という地方税の原則を歪めるものでございます。返礼品競争が続いていることには変わりがなく、寄付の本来の趣旨とはかけ離れた、一言で言うと官製通販と、このように見ております。そして最近もまた上限を、つまり高額、高額というか、所得者の方がプラスになって、金持ち優遇ではないかというようなそういうことに対して、是正をされるのかどうなのか、これは報道ベースで聞いているところでございますが、こちらもですね、やはりふるさと納税の根幹の問題であろうかと、このように思っております。東京都として、それについてはずっとかねてから賛成はしかねる、反対であるということを申し上げております。はい、日経さん。
【記者】日本経済新聞の飯塚です。政府が月内にも公表する新たな首都直下地震の被害想定の概要が日本経済新聞の取材で判明しまして、マグニチュード7.9の地震が起きた場合、経済被害は83兆円を見込み、2013年にまとめた前回想定の95兆円から12兆円縮小しました。これは建物の建替えや、耐震化が進んだことを反映された結果となりますが、首都直下地震の経済被害の想定が縮小されたことへの受け止めと、今後更なる被害縮小に向けて、都としてどのような取組に力点を置かれていくか、知事のご所見をお聞かせください。
【知事】日経さんのスクープかと思いますけど、元々19日に発表というふうに聞いておりました。色々議論されているにも関わらず、こうやって情報が出ていったということについてどうかと思います。そして都はこれまで、建物の耐震化、不燃化、それから上下水道ですね、いわゆるライフラインへの強化など都民の命と暮らしに直結する取組を推進をしております。都の最新の被害想定でありますけれども、人的・物的被害が大幅に軽減ということであります。安全・安心な首都東京を実現するための取組を着実に推進・進展をしているということだと思います。引き続き災害の脅威から都民を守って、世界でも最も強靭な都市の実現、こちらに全力を尽くしていきたい。このように考えております。はい、よろしいですか。ありがとうございました。
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(テキスト版文責 政策企画局戦略広報部企画調整課)