小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年4月11日)
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知事記者会見
2025年4月11日(金曜)
14時00分~14時28分
知事冒頭発言
1 帰宅困難者対策
【知事】本日は3件私の方からお伝えをいたします。まず防災関連、災害関連、帰宅困難者対策についてでございます。まず、言うまでもございません。災害はいつ起こるか分かりません。東日本大震災の時も、都内では多くの帰宅困難者が発生をいたしまして、混乱が生じたことも記憶に新しいところだと思います。都におきましては、この4月から発災時の街の混雑状況、また鉄道の運行情報ですね、これをリアルタイムに把握する機能を持つ帰宅困難者対策オペレーションシステム、通称「キタコンDX」、この運用を開始をいたしました。都内に在学したり、また在勤をなさる皆様がLINEアプリで友だち登録をしていただきます。そのことによりまして、発災時に一番最寄りの一時滞在施設の開設状況などをそこから簡単に確認をできるという、そういう中身になっています。都の公式LINEのほか、防災Xからもご案内いたしますので、ぜひご登録をお願いしたいと思います。そして、帰宅困難者をそもそも増やさないためにはですね、いつ何時起こるか分かりませんが、時間によりますけれども、従業員の皆様方にはできるだけ職場にとどまっていただく。すなわち、一斉帰宅を抑制するということも大切です。そこで、新たに事業所の防災対策の旗振り役として、事業所防災リーダーの方々、その方々に対して、まず帰宅抑制を含めた発災時の対応、そして日頃からの備えを分かりやすくまとめましたマニュアルを作成をいたしております。このオレンジのブックになっております(スライド)。都の防災ホームページでも公開いたしておりますので、ご覧いただいて、そのノウハウをチェックしておいていただきたいと思います。ぜひこの機会に、職場の防災対策に役立ちます情報、これをタイムリーに得られます事業所防災リーダーの登録をぜひともお願いをいたします。現時点ではですね、(約)2万6千人の方、ご登録いただいております。事業所防災リーダー数。企業数にしまして(約)5,800件ということでございます。更にこれを増やして、それぞれの現場でそのリーダーさんが「ここは一斉に帰るな」というような具体的な指示を出してもらうなどなど、このブックレットの方にもしっかりとございますので、リーダーさんは、まさにリーダーの役目を果たしていただきたいということでございます。これがまず今日の1点目であります。帰宅困難者について。
(詳細は、総務局へお聞きください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「帰宅困難者対策オペレーションシステム」は、こちらをご覧ください。)
2 TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト
【知事】次がですね、空き家について。空き家を活用する取組についてのお知らせでございます。都内にはですね、空き家が約90万戸ございます。ただその多くはですね、実際に不動産市場で流通をしているものなのですね。しかしながら一方で、西多摩とか、島ですね、島しょ地域などでは長い間、活用されていないという空き家も多くございます。こうした空き家をですね、移住用・定住用の住宅に改修をする。それによって地域の課題解決にもつなげていくということで、「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト」、このプロジェクトを新たにスタートいたします。今回ですね、奥多摩町と新島村が所有しております空き家3軒、リノベーションをして、来年度から町、そして村の移住や定住用の住宅として活用していただこうというものでございます。そのリノベーションをするのは誰かということですけれども、そのデザイン案は、斬新なアイデアを持って、この事業の趣旨に賛同いただく大学生の皆さん、それから都庁各局に若手の技術職員たくさんおりますので、そういったところからチームを組んでもらって、その人たちが空き家をですね、魔法のように、というか何と言うのですかね、これまでの空き家から生きた家にしていこうというものでございます。また、デザインの作成から改修までについてはですね、番組ありますよね、ビフォーアフター、これをですね、動画などで分かりやすく発信をしていきたいと考えています。ぜひ空き家は無限の可能性を秘めているということも言えると思いますので、空き家活用のムーブメントをですね、これによって創出をしていきたいということを考えております。住宅政策本部で担当いたしております。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクトを開始」は、こちらをご覧ください。)
3 女性の健康課題への相談
【知事】次に、3点目ですけれども、働く女性について。働く女性、これをキュッと縮めますと「はたじょ」というのですが、去年の9月に青山に「はたらく女性スクエア」を開設をいたしました。女性の健康課題への相談ということでのテーマでございますけれども、このはたらく女性スクエアにおきましては、働く女性を対象にしましたセミナーを開催をしておりますほか、キャリアアップ、また職場での悩みなど、これまでも3千件を超える相談を受けてまいりました。女性が抱えている更年期の障害であるとか、PMS、これは生理の前に心と体の不調が起こる症状をPMSというのですけれども、様々な健康に関するご相談も多いのですね。そういったことから、相談に対応するその相談室、「東京はたじょヘルスケア相談室」、今月の16日(水曜日)から設けてまいります。この相談室の方では、保健師などの専門家の皆さんが、女性特有の健康課題と、そしてまた仕事とのこの両立に向けたアドバイスをしてまいりまして、女性の活躍を後押しをしようというものでございます。水曜日の午後1時30分から8時までの時間、これは対面又はオンラインでの相談ができます。ぜひご利用いただいてですね、色々な悩み事とか、どうしたらいいのかを聞いてもらうだけでも違う部分もあると思いますし、健康面などでは、それこそ専門的なアドバイスによって体調を良くするということにつなげていきたい。働く女性ということで、「はたじょ」とこれから覚えていただければと思います。産業労働局の担当となっております。今日はこの3本お伝えをいたしました。はい。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「東京はたじょヘルスケア相談室を開設」は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】はい、どうもありがとうございました。幹事社のジャパンタイムズの井上です。幹事社から1問よろしくお願いいたします。昨年の東京都知事選挙を巡り立候補者であった石丸氏の陣営に対する公共(職)選挙法違反容疑の告発状が警視庁に受理されたと報じられております。また昨年の選挙では選挙ポスターを巡る問題なども発生しておりますが、今夏には東京都議会選挙を控える中で、こうした状況を踏まえ、今後どのような取組を検討されているか、知事の見解をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
【知事】昨年、都知事選挙がございました。そして色々な課題・問題も顕著に出てきた選挙だったかと、このように記憶しているところであります。その後ですね、総理、そして国のそれぞれの政党にですね、法改正を含めた対応を求めて、そして、その結果、今国会で公職選挙法の改正もなされたところ、部分もございました。今後なのですけれども、改正法の趣旨に則って適正な選挙運動がなされるということを期待をいたしますし、また、公正な選挙を行うために独立して設置されているのが選挙管理委員会でございます。選挙管理委員会が必要な周知など区市町村の選管とも連携して対応すると、このように認識をいたしております。
【記者】どうもありがとうございました。幹事社からは以上です。質問のある社は挙手の上、知事の指名があってから社名、氏名を名乗って質問してください。よろしくお願いいたします。
【知事】NHKさん。
【記者】すいません、NHKの佐久間です。よろしくお願いします。米国の関税政策の対応としてですね、政府与党で現金給付などの案が取り沙汰されていますけれども、一方で消費減税を求める声もありまして、知事は物価高対策に取り組んできたところだと思っていますけれども、今のこの国政の動きをどう見ているか、教えてください。
【知事】今、株価、それから為替、これから経済厳しくなるということも読み込んでか、原油安などなど、マーケットがですね、非常に乱高下しているという毎日でございます。私もずっとキャスターしていた関係もありまして、大体こういう、何と言うのですかね、株又は為替金融関係の数字は体温のようにも読み込んではいるところですが、こんなに振れ幅の大きいのは経験したことがございません。その分ですね、皆さんもこれ、NISAやっておられる方もそうだし、それから実際に運用しておられるところ、何よりも企業を経営しておられるところ、皆さんもですね、非常にこの不安定な状況に非常に気を揉んでおられると思います。相互関税の上乗せ分については、90日間延期ということになったわけですが、でも、その前の自動車、それから鉄鋼・アルミについては、追加関税については依然として継続されている。その部分大きいですからね、わが国にとりまして。予断を許さない状況かというふうに思います。関税はまさに国の役割でございますので、影響については国内企業の支援を含めて、まずは国がしっかりと対応すべきことだと思います。そして先日もお知らせいたしましたように、都の方では、中小企業の皆さん、経営また資金繰りに関してですね、特別相談窓口を開設しましたところ、今後の影響についてのご相談など、もう既に寄せられているところであります。これからも都内企業への影響を注視しながら、必要な対応を行っていくところでございます。ちょっと前に私はJ・D・ヴァンスさん、新しい副大統領の方ですね。おひげをはやされた。この方の『ヒルビリー・エレジー』というのを読みました。非常にですね、何と言うのでしょうか、アメリカのいわゆるラストベルトと言われてるところの皆さんのですね、白人男性の心象風景がそこに克明に表れているなという思いでございました。今、こういう乱高下をしながらも、それでも今、多くのアメリカ人の方々は、このトランプ大統領行っていることに対し、非常に「どうなるんだろう」という気持ちと同時にですね、意外と皆、サポートと言いましょうか、支援の声も、「よくやっている」みたいな、一種の溜まっているルサンチマンをずっと抱えているのだなと、それを映しているのかなというふうにも思います。昔、デトロイトに自動車産業の取材に行ったことがありまして。当時、なかなか日米関係の厳しい最中に行って、一度、三大自動車会社のうちの一つに取材に行ったら、「産業スパイは来るな」と言って、取材断られたのをよく覚えてますし。ヴァンスさんの本の中にもね、カワサキ、日本の企業のカワサキが、地元の企業を合併するというニュースを聞いて、非常にモヤモヤした気持ち、東條英機が町にやってくるみたいな、そういうくだりもあったりして、非常にその辺のところの心情、心象風景というか、思いが詰まってるな、そういう今のアメリカの空気、民主党と共和党で違いますけれども、こういったところに、どう今後飛び込みながらも日本として交渉していくのか、しっかりと石破政権も頑張っていただきたいというふうに思っております。一方で産業も大きく変わっておりますのでね、それに対しての対応、そして物価についても為替とか、原油の、このスポットでは買わないですけれど、流れというのも少し変わってくれることを期待もし、また都としてなすべきサポート、影響などを注視しながら必要な対応を行っていきたいというふうに考えております。長くなってすいません。東京新聞さん。
【記者】東京新聞の奥野です。今ほどのNHKさんの質問とも若干関連するんですけれども、物価高とあとアメリカの関税措置への対策について、先ほど知事のご発言というかご回答ありましたけれども、物価高後、米の値上がりとかですね、消費者生活の方にも影響が大きいと感じています。東京都物価高対策で過去にあの商品券をお米のクーポンとかも配布されていたと思うんですけれども、今後、こうした、より消費者の方へのですね、対策をされるおつもりがあるか現時点での知事のお考えをお願いします。
【知事】金融そして経済全体、さらにマーケットというのでしょうか。非常に大きな動きを見せているところでございます。そういった部分よく注視をしながら、そしてまた物価の動向などにも目配りをしながら、対応については注視を、国の対応もよく見ていきたいというふうに思っています。
【記者】現時点では具体的なものはないということでしょうか。
【知事】よく見ております。
【記者】ありがとうございます。
【知事】MXさん。
【記者】はいTOKYO MX白井です。よろしくお願いします。今週月曜の、硫黄島、両陛下の訪問にも同行されていたかと思うんですけども、この小池知事がこの両陛下に対して、ご案内をされている際に、もし、印象的な会話などございましたら教えてくださいというのが1点と、あともう1点が戦後80年で、この記憶の継承というのが課題となる中、知事としてこの継承への思いでしたり、都として、実際に新たな取組を始めるなど、お考えがあればお願いします。
【知事】今回の両陛下の硫黄島のご訪問についてはですね、やはり非常に心のこもったものだったと、このように思います。そしてまた硫黄島旧島民の方々、そしてまたご遺族の方々などとの対話も非常に、丁寧でお気持ちのこもったものだったと、このように思っております。また非常に暑いところでもございましたけれども、当日雨だったのですけれども、当時ですね、非常に暑い中で壕に入って、そしてそこで何日も戦ってきたというところに非常に熱心にご質問などをされていたお姿は非常に印象的でございました。そのお気持ちはですね、元島民の方のご遺族・ご家族に伝わって、それは大きな心の支えになったのではないかと、このように思っております。80年ということでございますけれども、やはりそこでも繰り返し、元島民の方やご遺族の方もおっしゃっておられましたけれども、平和ということはいかに大切かということ、このことを80年経った今も改めて心に刻むべきだというふうに思ったところでございます。
【記者】ありがとうございます。
【知事】読売さん。
【記者】読売新聞越村です。よろしくお願いいたします。13日から15日に知事が行かれる海外出張の件でお願いいたします。パリに出張されてOECDの会合に出席されるかと存じますが、この出張の狙いと、現地でどのようなことを発信されるのか、お考えをお聞かせください。
【知事】OECDに色々な組織があるのですけれども、都市のリーダーによる国際ネットワークというものがございます。OECD チャンピオン・メイヤーズという会合がございまして、そちらの方の総会に出席をいたします。元々そのチャンピオン・メイヤーズのステアリングコミッティ(運営委員会)の1人でございますので、その役割として都市に共通する課題の解決、そしてネットワークをうまく運営する取組についての議論を重ねてまいります。同じくOECDが開催いたします「OECD Urban Days」という、そういうイベントがございまして、そのキックオフのプログラムの方で都知事として、基調講演を行ってまいります。これもですね、都がどういう取組を行っているのか、強靭化もそうでございますし、都市が抱えている様々な共通の課題の部分、Urban Days、urban、都市ですね、これについて発信をしてまいりたいと思います。それからパリにはですね、「STATION F」というスタートアップの拠点がありまして、東京で言うならばTIBに匹敵をいたしますけれども、こちらの方にも足を運びまして、フランスにおけるスタートアップの支援ということについて見ていきたいというふうに思っております。
【記者】ありがとうございました。
【知事】どうぞ。
【記者】新宿新聞の喜田と申します。2点質問させていただきます。一点目は、東京トイレ防災マスタープランについてです。これは東京都が策定されたと聞いてますけども。策定の中で14万7千基(正しくは、最大14万1千基)のトイレが不足していると、災害時一週間経った後に不足していると書かれております。これについての対策、それからそれを解消するための日程があれば教えてください。それが1点目で、もう1点目は、インバウンドの件ですが、東京都は既に宿泊税を取っておりますけども、最近宿泊税を高く値上げする動きが、各自治体で見られています。東京都はそのお考えがあるのかどうかお伺いしたいと思います。
【知事】後者の方のご質問でございますけれども、税制調査会の方で色々提言を行っていただいて、宿泊税ですね、についていただいておりますし、さらにその点につきましては、ご議論を深めていくということと、その必要性とですね、税収の使い道について施策の例について、ホームページなどでお示しをして、税収の全額を観光施策の財源としてお使いをするのだということ、これを示してまいっております。いずれにしましても、年内目途に素案をお示しをするということで、引き続き検討を進めてまいります。トイレの確保につきましては様々なトイレの種類もございます。ベンチをそのままトイレに変えることができるとかですね、新しいトイレのイノベーションなども起こっております。それぞれ区市町村、現場とも連携しながら、その確保に努めていきたいと考えております。それぞれ、できる数、また今後のスピード感なども含めて対応しているところでございます。はい。
【記者】インバウンドの宿泊税についてはいかがでしょうか。
【知事】今、後の方は先にお答えしたしました。はい、どうぞ。
【記者】朝日新聞の浅沼と申します。2点すみません。お伺いします、最初、今回ご説明いただきました空き家活用のプロジェクトについてお伺いします。今回は奥多摩と新島の空き家が対象ということでお話いただきましたけれども、今後、対象の地域を増やしていくという考えはいかがでしょうかっていうのが一つ目。そして二つ目。先日9日ですね、都議会の政治倫理委員会で裏金問題に関与した自民党、都議会自民党の幹事長経験者2人が参考人招致、参考人として招致することを決まったということで、このことに対する知事の受け止めをお伺いできますでしょうか。
【知事】空き家でございますけれども、奥多摩と新島の3軒、計3軒、それぞれ大学生へのチーム、そしてまた都の職員のチーム、それぞれ工夫を凝らしながらですね、こういう、ここ空き家だったのだというぐらいですね、色々リノベーションが進むと思っております。期待をしています。それはまさにモデルになることによってですね、空き家をより有効に活用しようという、そのような機運が出てくることを期待をいたしますし、空き家でもまた、どうしても住めないようなのもありますし、ちょっと手を加えるだけで生かすものもございます。そういった意味で今回のこの3件はですね、こんなに空き家がですね、生かされるのだという、その一つの象徴になっていくと、またそれが広がっていくような形で進めていきたいとこのように思っております。それから都議会の方での対応についての考えはどうかということでございますけれども、まさに都議会の皆さんがそれぞれご議論されて進めておられることだと思います。ぜひ政治に対して、全体に対しての信頼の確保につながることを期待をいたしております。はい、ありがとうございました。
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(テキスト版文責 政策企画局戦略広報部企画調整課)