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令和2年(2020年)7月17日更新

令和2年第二回都議会臨時会 知事発言

令和2年第二回都議会臨時会の開会に当たりまして、新型コロナウイルス感染症への対策等について申し述べます。

6月5日、名誉都民である川崎富作さんがご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りをいたします。

九州地方及び中部地方をはじめ、日本各地において、豪雨による甚大な被害が発生をいたしております。改めまして、亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げます。都は、熊本県人吉市に乳児用液体ミルクをお送りしたほか、長野県に職員を派遣いたしました。今後とも現地からの要請に基づきまして、必要な支援を行ってまいります。梅雨や台風の季節を迎えまして、ここ東京におきましても、いつ風水害に見舞われるか分かりません。コロナ禍の中での複合災害を防ぐ観点からも、区市町村と連携しながら、着実に備えを固めてまいります。

3つの方向による新型コロナウイルス感染症対策の推進

新型コロナウイルス感染症につきましては、新たに設置したモニタリング会議におけます専門家の方々の分析に基づき、感染の広がりに対応して、多面的な対策を的確に講じてまいります。こうした中、一昨日には、「感染拡大警報」を発出をいたしました。「感染状況」と「医療提供体制」の2つの区分から成る新たなモニタリングにおきまして、専門家の方々からは、「感染が拡大していると思われる」、医療提供の「体制強化が必要であると思われる」とのコメントがあったところでございます。新規陽性者数は、この間、200名を超える日が見られるなど、高い水準で推移をいたしております。感染拡大を抑え込むべく、検査件数を大幅に増やしていることなどを踏まえますと、この数はさらに膨らむことも想定されまして、動向には一層の警戒が必要であります。陽性者の多くは若い方々でございますが、60代以上の方々も全体の約1割を占めるなど年齢層は広がっており、高齢者や基礎疾患を有する方々へ感染がさらに拡大いたしますと、医療需給は一気に逼迫しかねません。強い危機感を持って、専門家のご意見も踏まえながら、都は今後、次の3つの方向に基づきまして先手先手で対策を講じてまいります。
一つ目、「積極的な検査の拡大による感染拡大の抑制」であります。検査体制につきましては、現在、1日当たり約6500件まで対応が可能でありますが、最新機器の導入支援や大学病院との連携などによりまして、これをさらに1万件まで広げてまいります。特に、接待を伴う飲食店の従業員等の方々に対しましては、積極的な受診を勧奨するとともに、これに伴いまして業務負担が増加する保健所を都として支援することで、陽性者の早期発見によります感染拡大の防止を図ってまいります。
そして、その要となる医療提供体制につきましては、重症者数が低い水準にとどまる一方で、入院患者の増加が見込まれることから、中等症患者用の病床を2700床まで拡大する準備を進めております。無症状や軽症の方々を受け入れる宿泊療養施設につきましても、新たに2つの施設を開設するなど、引き続き都民の皆様の安心に繋がる体制の整備に万全を期してまいります。
二つ目、「都内の共通の対策に加えまして、地域の実情を踏まえた重点的・ピンポイント対策」であります。都内各地における感染拡大を食い止めるためには、地域の実情に即した取組の強化が欠かせません。保健所や区市町村と連携をし、情報や課題を共有しながら効果的な対策を練り上げ、推進してまいります。
三つ目は、「年齢層や業態に応じたきめ細かい対応」であります。重症化リスクの高い高齢者につきまして、社会福祉施設等における感染防止策を改めて徹底するほか、感染リスクの高い業態等に対する区市町村と連携した取組など、きめ細かな対策を講じてまいります。
そして、感染症への備えをさらに強固なものとすべく、公約にも掲げました「東京版CDC・疾病対策予防センター」の創設につきまして、準備を進めてまいります。これは、都、保健所、病院、研究機関が持つそれぞれの情報を分析・評価し、危機管理におけます適切な判断を行うとともに、都民の皆様方に正確な情報発信を行う拠点となるものであります。既存の健康安全研究センター等の機能を集約するとともに、国の機関や大学等とも有機的に連携することで、危機に対する備えを一段と高めてまいります。その一環といたしまして、今般、福祉保健局に健康危機管理担当局長を配置して、新たに感染症対策部を設置するなど、都としての対策強化を図っております。引き続き、CDCの早期の実現に向けまして、精力的に取組を進めてまいります。

補正予算による具体の取組の加速

こうした取組を具体的に加速していくため、本臨時会には、主に国費を財源とする総額3132億円の補正予算案を提案いたしました。その柱は、「新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策」、「経済活動と都民生活を支えるセーフティネットの強化・充実」、「感染症防止と経済社会活動との両立を図る取組」、そして、「社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取組」、この4点でございます。
まず、感染拡大を阻止する対策におきましては、医療従事者や医療機関をはじめ、日々奮闘いただいている感染症対策の最前線に対する支援をさらに充実させることが、何より重要であります。医療、介護、福祉の現場で働く方々に対する慰労金や、患者を受け入れていただいた医療機関の経営基盤を支える支援金の支給によりまして、現場の皆様を力強く支えてまいります。また、医療機関や薬局、福祉施設等におきまして、感染を防ぎながら医療やサービスを継続的に提供するための対策を後押しするほか、患者専用の空床を確保する医療機関等への補助を拡充してまいります。さらに、区市町村と連携した実効性ある対策の推進に向けまして、新たな協議会を立ち上げ、各自治体の取組をしっかりと支援をしてまいります。
次に、セーフティネットの強化・充実に向けては、売上げが減少した中小企業等にとって切実な問題であります家賃について、今般拡充された国からの交付金を活用して、国の支援に上乗せをする都独自の給付を実施をいたします。また、低所得のひとり親世帯に対しまして、臨時の給付金を支給するとともに、長期の外出自粛等に伴います児童虐待・DVや、失業等による自殺を防ぐための相談体制の強化を図るなど、都民生活をきめ細かく支えてまいります。
さらに、感染症防止と経済社会活動との両立につきましては、接触や混雑を回避する技術など、新たな需要に応じました中小企業のイノベーション創出を支援するとともに、オンラインによります販路開拓やウェブ上での東京観光ツアーの実施を後押しをしてまいります。加えまして、コロナ禍を乗り越え、明るい未来を築くための社会構造の変革に向けて、東京の成長を支えるIT人材の効果的な育成を図る新たな雇用対策を実施するなど、東京を「新しい成長」へと導く取組にも力を入れてまいります。

東京一丸で、この難局を乗り越える

この間、都民・事業者の皆様には、「ウィズ・コロナ」の時代における「新しい日常」の定着に向け、多大なるご協力をいただいております。手洗いの励行、人と人との距離の確保、時差出勤及びテレワークの推進、そして、感染拡大防止ガイドラインの徹底的な遵守。この感染症に打ち勝つための土台となる新たな習慣を、さらに多くの皆様に実践していただくため、都は今後とも多様なツールを活用しまして、的確な情報を戦略的に発信をしてまいります。特に、感染拡大を防止しながら経済社会活動を営んでいく上で、改めて、事業者の皆様にはガイドラインに基づく感染防止対策を徹底していただき、都民の皆様には、「感染防止徹底宣言ステッカー」を目印として、対策が不十分な店舗等の利用を避けていただくなど、基本的な取組へのご協力を強くお願いをいたします。
都と、都民・事業者の皆様とが力を合わせ、「新しい日常」を根付かせなければ、感染拡大を食い止めることは叶いません。そのような意識を広く共有し、東京が一丸となってこの難局を乗り越えていきたいと思います。引き続きのご協力を、切にお願いを申し上げます。
なお、これらの呼びかけでございますが、新型インフルエンザ等対策特別措置法の第24条第9項に基づく協力の要請となりますが、こうした取組の実効性を高めるべく、国に対しましてはこの法律の改正を強く求めてまいります。

「東京大改革2.0」の旗の下に

さて、先の東京都知事選挙におきましては、多くの都民の皆様のご支持をいただき、再び都政を担うこととなりました。この4年間、常に都民ファーストの姿勢で、都議会の皆様と建設的な議論を交わしながら進めてまいりました「東京大改革」が、都民の皆様に評価された結果であると受け止めまして、身の引き締まる思いを新たにいたしております。
街は、生き物であります。経済社会情勢が激変する中、様々な個性を持つ一人ひとりが輝く活力みなぎる街・東京を実現するためには、改革の手を緩めてはなりません。これまで、都民の健康を第一に考えた受動喫煙防止条例、いわゆる人権尊重条例、障害者差別解消条例、ソーシャルファーム条例など、「人」に焦点を当てた数々の新たな条例を制定してまいりました。これらはまさに、都議会の皆様と一緒に進めてきた、「人」が輝く都政の象徴でございます。引き続き、共に都民の代表である皆様と、「都民のため」との目的を共有しながら、誰もがいきいきと輝き、活気溢れる東京を創り上げていく決意でございます。
そのためにも、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症につきましては、「ウィズ・コロナ」の時代にふさわしい対策を加速し、都民一人ひとりの命と健康をしっかりと守らなければなりません。都民の皆様の負託にお応えすべく、「見えざる敵」に打ち勝つための取組に邁進してまいります。そして、その先の「ポスト・コロナ」の時代を見据えました「社会構造改革」及び「都庁の構造改革」を推し進めまして、今後策定する「長期戦略」を羅針盤として、都民の皆様と共に希望に満ちた未来を切り拓いていく。これこそが、これまでの改革をさらに進化させた、私が目指す「東京大改革2.0」でございます。新たな改革の旗の下で、都議会の皆様、都民の皆様と共に、目指すべき未来への確かな歩みを進めてまいります。東京の未来は、都民と決める。ぜひとも、皆様のご理解、ご協力をお願いを申し上げます。

なお、本臨時会におきまして、これまで申し上げたものを含めまして、予算案2件、条例案1件、合わせて3件の議案を提案をいたしております。ご審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。

以上をもちまして、私の発言を終わります。
ご清聴、誠にありがとうございました。

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